2015年06月06日(土)

Wed 150513 電車のノロイ男 ポカリバーチャン 海からのアマルフィ(ナポリ滞在記29)

テーマ:ブログ
 「危険」「治安が悪い」と言われるナポリ周辺を、こうしてラクラク旅をしているように書いているが、やっぱり慣れない土地だ。イヤな思いだってするのである(スミマセン、昨日の続きです)。

 それこそ目くじらを立てるほどのことではないが、4月1日、ヘトヘトになりつつソレントでバスから電車に乗り換えると、電車には「ノロイの言葉男」が待ち受けていた。

 東京でも昔はタマに見かけたタイプの御仁である。盛んにノロイの言葉を連発し、だれかれの区別なく口汚く罵りながら通過する。最近の日本には「撮り鉄」の中にもそういう人がいるらしく、キセルを告げ口されてコーラをぶちまけたり、「撮り鉄業界のオキテ」とヌカして暴力沙汰に発展したりするらしい。

 と思えば、民主党の議員さんの中には、お酒が弱いのに痛飲するオカタもいらっしゃる。タクシーを降りるのに「降りる法的根拠は何だ?」などと無理無体をおっしゃる。宿舎の門扉を乗り越えようとしてアタマを打つ。自民党や共産党の人に介抱されてやっと正気を取り戻す。マコトに困った世の中だ。
チケット
(船のチケット。4月2日はサレルノから船でアマルフィへ)

 ソレントのノロイ男は、まだ誰も乗車していない車両の片隅で、何だかすっかりくつろいでいらっしゃった。夕暮れの車両に、彼一人。そりゃ快適に孤独を満喫していらっしゃったに違いない。そこへ闖入してきたのが、東洋の中年グマ。そりゃノロイの一言ぐらい出るだろう。

 しかし諸君、イタリア人のはずの彼が、激しいノロイの言葉を英語で撒き散らしたとすれば、その対象は明らかに外国人、つまり、ボクチンだ。まだ周囲には誰もいなかったけれども、意地でもノロイを理解させようとした彼のノロイの根深さだけは理解できる。

 やがて憤然と席を立った彼は、1両向こうの車両に移動。あえてガラス越しにクマ助の見える席を選び、そこからコチラを睨みつけながら、なお英語のノロイを唱え続けている様子。なかなか臆病かつ強情なソレント人である。
機関車
(国鉄ナポリ・チェントラーレ駅。この列車でサレルノに向かう)

 やがて発車時間が近づき、三々五々乗客が集まりはじめると、彼はその度に座席を移動し、もちろん今度はイタリア語で、ひたすらノロイを呟きつづけている様子である。

 しかしついに準満席状態になり、自らの身の安全を確保しながら他人を呪えるスペースが消えた。すると諸君、彼は憤然と電車を降りていったのである。

 ドアが閉まり、電車が動きだし、やっと身の安全が確保されると、彼はソレントを去っていく電車の全てに向かってノロイの言葉を吐き捨てた。イタリア語だったか、英語だったかは、さすがに分からない。
お団子状態
(サレルノ駅で。イタリアの人はチャンと列を作らない。電車の乗るのも、必ずお団子状になって押しあいへしあいを楽しむ)

 この電車では、バーチャンの激怒も目撃した。最終的には相手の若者たちのうちから任意に1人を選び、「ポカリ」と1発やってしまったから、彼女のことをヒソカに「ポカリバーチャン」と名づけた。

 ポカリとやられたのは、どうやらバーチャンの知り合いの若者たちらしいのだが、あえてバーチャンを無視して通路の向こう側の席を占めた。何だか盛んにお互いをつつきあいつつ、バーチャンにチラチラ視線を走らせては、クックック&クックックと笑いこけている。

 小柄なバーチャンは3~4駅先で降りる仕度をして立ち上がったが、その次の瞬間、小さいながらもコブシを固め、鋭い叫びをあげながら若者集団に挑みかかったのである。「この無礼者!!」「恥を知れ!!」の類いの悪態が、彼女の小さなシワシワの口からほとばしり出た。

 事情はよく分からないが、こうも悪態や冷笑や罵声が連続するようでは、この電車の沿線はどうも何かうまく行っていないんじゃないか。実は昨日、この路線で電車を乗り間違えそうになったクマ助も、地元の男子高校生集団に何だか露骨に囃し立てられ、少なからぬイヤな思いを味わった。
サレルノ
(サレルノ駅で)

 こういうわけで翌4月2日朝、2日連続のアマルフィ訪問を企てたクマ助は、「もうチルクム・ヴェスヴィアーナ線には乗りたくないな」とタメイキをついた。汚い落書きだらけの電車に乗って、人と人が罵りあう光景ばかり見せられるのには、そろそろ飽きてしまった。

 テレビでも新聞雑誌でも「底抜けに明るいイタリアの人々」と枕詞のように繰り返すけれども、そんなに底抜けに明るい人々に囲まれた経験は、このクマ助にはない。イタリアが大好きであることは間違いないが、あんまり「明るい」「明るい」と決めつける必要も感じないのである。

 そこで4月2日、この日の方針は
「今日はあの私鉄はヤメにする」
「イタリア国鉄の電車で一気にサレルノまで南下、サレルノの港から船に乗る」「岬をいくつか回って、海からアマルフィにアタックする」
と決まった。
サレルノ港風景
(サレルノ港からの風景)

 ヴェネツィアでもイスタンブールでもマルセイユでも、歴史の長い海港都市を訪れる時は、せめて1度は「海から訪れる」を試みた方がいい。1000年の中世を経て近代に至るまで、人はみな海からその街に入り、港に手を振って涙を流しつつその街に別れを告げたのである。

 アマルフィも、もちろん歴史の長い海港都市であって、バスやクルマで陸側から訪れるより、本来は海から入り ☞ 海から出るべき街なのである。国鉄ナポリ中央駅からの電車は信じがたいほどに快適。途中1度も停車せず、サレルノまで30分しかかからない。

 車窓からは、もちろんヴェスヴィオの勇姿。広い裾野には可憐な春の花が咲き乱れ、ノロイや痛罵や冷笑の影もない。「最初からこのルートにすればよかった」であるが、やっぱりイタリアであって、電車の乗り降りで列を作らず、丸い団子状になって押しくらまんじゅうの様子は、どこに行っても同じことである。

1E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 7/10
2E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 8/10
3E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 9/10
4E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 10/10
5E(Cd) Alban Berg Quartett:HAYDN/STREICHQUARTETTE Op. 76, Nr. 2-4
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