2015年06月03日(水)

Sun 150510 蒸発&真っ赤な夜 ソレントからアマルフィへの道(ナポリ滞在記26)

テーマ:ブログ
 自分で紹介しておいてどうかと思うが、うーん、故・矢吹健「蒸発のブルース」「真っ赤な夜のブルース」について、この激しさはナポリのカンツォーネを凌ぐほどのものがある。

 このブログでは、一昨日「帰れソレントへ」を確認したばかり。「サンタルチア」についても、何しろサンタルチアそのものに12連泊もしているわけだから、実際の風景を目の前に毎朝&毎晩の熱唱を繰り返してながら書いている。

 しかし諸君、「蒸発のブルース」を聞いてみたまえ。確かにケイ錦織の粘り強い熱闘ぶりにも感激するけれど、1970年前後の日本にこれほど激烈なカンツォーネが存在したことに、諸君は思わずコブシを固めて宙を打つはずだ。藤本卓也という作詞家の真骨頂である。
 あなたナシじゃダメ!!  あなたナシじゃダメ!! 
 ほとほと生きていくのが イヤになったイヤになった
 このまますぐに消えてしまいたい
 望みない 夢もない この世から
 ああ夜がささやく 蒸発のブルース

 さあ諸君、この今井ブログを読み終えたら、直ちに「YouTubeへGo!!」だ。激しい感激と感動の渦の中で、ひたすらコブシで宙を打ちつづけたまえ。冒頭、ただ単なる「ダメ!!」ではなくて「ダーンメ、エーン!!」と地獄の釜が反響する激烈さを味わってくれたまえ。カンツォーネ本来の精神は、まさにその地獄の釜の反響にあるのだ。
ソレント
(ソレントからアマルフィに向かう。いやはや、オミヤゲ屋もなかなか不気味。カンツォーネとブルースがナイマゼの世界だ)

 そのあまりにも深い反響に身を委ねたら、いよいよ「真っ赤な夜のブルース」に進もうじゃないか。諸君、覚悟はいいかね。もしそこに吊り革がぶら下がっていたら、直ちに両手でつかまること。皆様の安全のため、必ずシートベルトをお締めください。ただし、作詞は藤本卓也から山口洋子に代わっている。
 あなたのためなら 命も
 命もいらない いらない いらない
 いらない いらない いらない 
 あなたのニオイに 私はおぼれ
 灯りを消して2人で歌う
 エルティアーモ エルティアーモ
 真っ赤な 真っ赤な 夜のブルース

 セカンドコーラスでは「いらない」連発の部分が「したいの」の連打になり、うーん、これはさすがにどうかと思うが、やっぱり日本版カンツォーネの名曲として、歴史に名を残す価値は十分にあると信じる。
海岸線1
(ソレントからアマルフィの海岸線。絶景が続く 1)

 今井君は、「あなたのブルース」とあわせて3曲を早速iTunesで購入。東京は昨夜から強い梅雨の雨が降り続けたが、ケイ・ニシコリが粘闘に力尽きる姿にオトコの美学を感じつつ、昭和中期の「あなたナシじゃ、ダンメエー!!」や「命もいらない」のカンツォーネ的な激情の表白にも、同じように涙し続けたのであった。

 諸君、「ティ・アーモ」とは、「ti」が「あなたを」の目的格、amoが「愛します」であって、要するに南欧言語の「I love you」である。「好きです」が状態動詞であるのに対して、amoreは動作動詞。日本語の「好き」は積極的な行動を含まないが、南欧言語のamoreには、激烈な愛情から発する大きな動作を伴う。

 1つの動作は他の動作を誘発するので、愛のハバタキは加速度的に激しさを増していく。いやはや、いったん始まったamoreの動作には、もはや誰にも「通せんぼ」なんかできないし、「通せんぼ」すればするほど逆効果。「アバタもエクボ」であって、そうでなければロミ&ジュリでさえ美しくない。
海岸線2
(ソレントからアマルフィの海岸線。絶景が続く 2)

 4月1日の今井クマ蔵は、そういう激烈なカンツォーネの街に滞在して5日目を迎えた。今日ナポリから目指すのは、アマルフィ。中世からイタリア4大海洋都市として、ジェノヴァ・ピサ・ヴェネツィアとともに、北アフリカから襲撃を続けるサラセン海賊を撃退し続けた街である。

 「船で一気に」でもいいが、ガイドブックがこぞってオススメしている通り、ナポリからアマルフィに向かう海岸線は絶景の連続。一度は必ずバスかクルマで訪れたい。

 バスの場合、ソレントから東に向かって海岸線を右に見て走るか、サレルノから西へ同じ海岸線を左に見て進むか、選択肢は2つである。イタリアの道路は右側通行であるから、海岸を右に見ながら進む方が圧倒的に有利。サレルノからだと対向車が邪魔になって、眼下の断崖の光景を満喫しにくい。

 ホンの2~3年前に書かれたガイドブックだと、「SITA社のバスで」ということになっている。確かに今もサレルノ&ソレントからSITA社のバスは頻繁に走っている。ただし、観光シーズンに入ったばかりの4月の段階ですでに満員。「座れるか座れないか」というマコトに微妙な路線のようだ。

 もちろん「座れなくてもかまわない」なのだろうけれども、この海岸線は「海の見える側かどうか」が余りに決定的な要因になる。サレルノからなら進行方向左、ソレントからなら進行方向右の座席を確保すべし、である。

 それに失敗したら、次のバスを待つぐらいの根性が必要。通路の反対側から、海の美しさに絶叫やら歓声が上がっているのに、こっちは海が全く見えないという屈辱を味わうのがイヤなら、バス停に30分立ち尽くして次のバスを待つ忍耐は必須である。
ポジターノ1
(ポジターノ付近で 1)

 しかし夏期の観光シーズンには、この路線は常にギューギュー詰めらしい。海岸線側はおろか、通路に入り込むことさえ困難というバスで、もし海の反対側の席になってしまったら、もうどうしようもない。青いティレニア海は、通路に立ちふさがる人垣の向こう側。湧き上がる歓声や絶叫は「イミわかんね♨」で終わってしまう。

 ところが諸君、そこへ救世主が現れた。長くこの路線を独占し続けたSITA社のライバルが、ついに出現したのである。赤い車体が印象的な路線バスは、世界の主要都市、TOKYOやNYやPARISでもお馴染みの「HOP ON HOP OFF」であって、ソレントとアマルフィのバス停から利用することができる。

 何か問題が発生しているのか、チケットはチケット売り場ではなくて、バスの近くをウロウロしているオネーサンから直接購入する。赤いバスの近くまで行って「困ったな」「どこから乗ればいいのかな」「チケットはどこで買うのかな」という風情を醸し出しさえすればいい。
ポジターノ2
(ポジターノ付近で 2)

 イタリアは面白い国であって、人々はこの「困ったな」「困ったな」という風情にマコトに弱いのである。困っていない人は放置するが、困っている人には救いの手があちこちから差し伸べられる。遠慮せずに「困った」をアピールすれば、すぐにオネーサンが「アマルフィに行くんですか?」とニッコリ近寄ってくる。

 HOP ON HOP OFFのバスは、屋根つきのこともあれば、屋根なしのこともある。SITA社のバスより値段は高いが、混雑度は遥かに低い。この日のクマ蔵がソレントから乗り込んだアマルフィ行きは、他の乗客が4人だけ。SITA社に比べれば、まさに天国と呼んで然るべきアリサマであった。

 海岸線の絶景は、写真に示した通りである。4月1日、ティレニア海からの暖かい湿った海風が断崖にぶつかってモクモク雲が湧く。ポジターノの絶景はまさに「CREA travellers」の表紙で見た通りであった。
 
 おやおや、こんなにキレイなんじゃ、当初の予定にはなかったけれども、やっぱりポジターノで1日過ごしますかね。そんな決意をさせるには十分な絶景が、右側の車窓に延々と続いたのである。

1E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 1/9
2E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 2/9
3E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 3/9
4E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 4/9
5E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 5/9
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