2015年05月28日(木)

Mon 150504 さらにババの語源を探る 危険な街を闊歩 電車を間違う(ナポリ滞在記22)

テーマ:ブログ
 3月30日、スパッカナポリのお菓子屋さんにも、たくさんのババが並んでいた(スミマセン、昨日の続きです)。使われたラム酒の量は想像を絶する。甘く刺激的な匂いが、何とも南イタリアに相応しい。「元はと言えばポーランド」という故事来歴が信じがたく思われるほど、熱い南の蜜のカホリに満ちている。

 それにしても「ババ」とは、ずいぶんスゴい名前をつけられたものである。まさか「馬場」ということはないだろうが、他に日本人が想像するのは「婆」。もう1つ、もちろん詳しくは言わないけれども、要するに「ババ」である。「ババ」で検索すると、なかなかウットリ甘く美しい話題にはなりにくい。

 で、「アラビアンナイトのアリババ」以外にババの語源を探ると、ババの本場ポーランドで「オバーチャン」を意味する「babka ☞ バブカ」がモトになっているなんてのもある。ロシア語でもオバーチャンは「バーブシュカ」。バーチャンとは世界中どこでも、ババみたいにどこまでも甘くマゴを甘やかす存在なのである。
駅ホーム
(モンテサント駅で。汚い落書きだらけの電車に乗り込む)

 語源論議はまだ続くのであって、ラストは何ともバカバカしい。初めてこのお菓子を作ったとき、作った本人があまりのオイシサに感激して思わず「ババッ!!」と叫んだ。その「ババッ!!」という叫びが、そのままお菓子の名称として定着したというのである。

 しかし諸君、そもそも驚きを表現する絶叫として「ババッ!!」などというものがありうるだろうか。「ありうるんじゃん?」と屁理屈を言って口を尖らせる諸君は、今日から驚いた時には必ず「ババッ!!」と叫ぶことにしてみたまえ。

 当然キミのニックネームは「ババ」になるだろうし、キミの友人はグングン減少して、寂しい日々を過ごすことになりそうだ。でも、それもまたいいじゃないか。キミもまたもう1つのババとして人類の歴史の片隅に「その名を刻し、長く栄誉を表彰する」と、大相撲優勝の賜杯みたいなことになるかもしれない。

 なお、ナポリの今井君がババを食べたのはホテルでのあの朝食1回きりだ。
「もう1度、ジックリ味わいかったな」
「2度でも3度でも、食べたかったな」
と、今になって後悔しきりである。

 もちろん後悔だって、「だから近いうちまたナポリに行くかな」という熱意に直結する。後悔も、決して悪いことばかりではない。後悔は先には立たないが、人生を積極的に生きる熱意を生み出すことだって多いのだ。
スペイン人街
(一番危険と言われるスペイン人街をモンテサント方面に向かう)

 さて、夕暮れが近づいた。どんなにテーマパーク化して安全になったとは言っても、さすがに夜のスパッカナポリはコワいだろう。まだ「夕暮れ」と言っていられるうちに、サッサと退散したほうがいい。

 クマ助としては何とも殊勝な発想であるが、とにかく他人の迷惑になるようなことがあってはならない。午後4時半、東のスパッカナポリからトレド通りを横断して、西側のスペイン人街に入った。

 トレド通りはナポリ第1の繁華街だが、この通りを挟んでナポリで一番危険と言われる2つの街が対峙する。マコトにフシギな構造であるが、スペイン人街側でもやはりアジア人の存在の希薄さを実感する。バイタリティ溢れる中国や韓国の人も、さすがにこの地域でバリバリ店を開くには至っていないようだ。

 クマ助が目指したのは、「モンテサント」の駅。モンテが「山」、サントが「聖」。「聖なる山」であり「聖山」であるが、マコトに残念なことにその山の麓は、今やナポリで一番油断のできない地域ということにされている。

 しかし今井君は、ブエノスアイレスやサンパウロ、アテネやリオデジャネイロで「治安の悪い街」というのを見慣れてしまっているから、モンテサント界隈で身に危険の迫る実感はちっともない。

 というか、むしろこのぐらい「活気に満ちている」ほうがいい。狭くゴチャゴチャ混み入って、風も空気も何かの濃密なニオイに飽和しているからこそ、街に活気が溢れるのであって、整然と整理整頓された静寂の世界を足音もなくシズシズ進んでいくような悪夢は、SF映画の中だけで十分だ。
地下鉄駅
(アパート群に囲まれた地下鉄モンテサント駅。これが駅だなんて、滅多なことでは信じられない)

 ようやく探し当てたモンテサント駅は、仕事帰りのヒトビトでごった返している。ここは3路線が集まるターミナル駅であって、
 ① 温泉のあるポッツォーリゆきの地下鉄1号線
 ② ヴォメロの丘へのケーブルカー
 ③ 郊外の新興住宅地に向かう私鉄
どの路線もまさに通勤ラッシュの時間帯なのであった。

 ベテラン・クマ助ともあろうものが、ここで路線を間違えるという失策を犯した。乗ろうと思っていたのが、②のケーブルカー。午後5時に近いが、夕暮れのナポリの街を一望する丘に上がって、遠くヴェスヴィオやカプリ島の姿を満喫してからホテルに戻ろうと考えていた。

 ところが、発車ベルに大慌てで乗り込んだ電車は、ケーブルカーのはずが何故か長い長いトンネルの中をひた走る。そりゃMac君みたいに「発車ベル」を「八喋る」と変換してニタニタしていられるならいいが、山の上に向かうはずが地下をひた走られて見たまえ、十分に心臓に悪い。
SOCCAVO
(電車を乗り間違えた。郊外の「SOCCAVO」駅で慌てて下車)

 どうやらクマどんは③に乗ってしまい、しかも電車は準急だか快速だか急行だかであって、新興住宅地に向かって、駅をどんどん飛ばしながらひた走っている様子である。

 こりゃマズい。前にも書いたが、ガイドブックには「郊外の方が都心部よりずっと治安が悪い」「職にあぶれた移民の若者がタムロしていて危険です」と印刷されている。今この電車が向かっているのは、まさにその方向なのである。

 慌てて電車を降りたのが、上の写真のSOCCAVO駅。なるほど、駅舎も駅周辺の建物も汚い落書きだらけ。夕暮れの風景は、物騒と言うか、危険と言うか、何とも言いようのない雰囲気であった。

 この駅で15分ほど、ナポリ中心部に戻る郊外電車を待った。しかし考えてみれば、東京なら小田急とか東急線に該当する電車である。確かに落書きテンコモリで、落書きのペンキがボロボロ剥がれてきそうな電車ばかりだが、東洋の果てからノコノコ訪ねてきたクマなんかに治安を云々してほしくはないだろう。

 こうして諸君、ムダな路線を往復して1時間あまりをムダにした。しかしそれは、ムダをムダとしか認識できない貧しい精神の言い草なので、外国の旅ではムダこそ最も有益であることに間違いはない。
1号線
(ナポリ地下鉄1号線。雰囲気の悪さはクマ助の豊富な経験でもトップクラスと言っていい)

 旅で有益なことは、勉強とか人生でも同じように有益なので、ムダを一切排除してカーリングのストーンなみにツルツル滑っていく人生なんかには、醍醐味も妙味も感じられないのである。ザラザラと摩擦係数の高いムダだらけの道の方がそれほど楽しいか。それは実際にムダや摩擦を経験してみた後でなければ、理解も実感も出来そうにない。

 とりあえず若い諸君、
「ツルツルより、ザラザラだよ」
「そのほうが、ずっと楽しいよ」
と昭和のクマが発言していたことだけを記憶にとどめ、「そんなはずねえじゃん」とウソブキながら、どこまでもツルツル人生を追求してくれたまえ。

 そして結局ほとんどの人は、今のクマ助ぐらいの年齢になってから「ウドンみたいなツルツル人生は得られなかった」と深く重いタメイキをつく。「でも、ものすごく楽しかったね」と、誰か一番身近にいる人間に向かって、ホノボノと微笑する。

 ツルツルどこまでも滑らかに滑っていったウルトラ成功者には、決して得られることのないその至福の一瞬は、おそらく何物にも代えがたい一瞬なんじゃないか。いやはや、何だかどうも説教臭くなったところで、明日はエルコラーノの遺跡に向かうことにする。

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 8/10
2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 9/10
3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 10/10
4E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 1/5
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