2015年05月20日(水)

Sun 150426 白猫ホテルのビアンコ君 春のカプリに1週間滞在したい(ナポリ滞在記15)

テーマ:ブログ
 アナカプリを満喫したあとは、4畳半ほどのスペースに大きな欧米人を30人も詰込んだミニバスに揺られて、とりあえずカプリの中心街まで降りてきた。すでに午後3時半、イースター直前の華やかな日曜日も、そろそろ夕暮れに向かうころである。

 南イタリアの観光シーズンは4月初旬がスタートで、日本のゴールデンウィークあたりから一気に佳境を迎える。もちろん「佳境」などということになれば、押し合いへし合い&おしくらまんじゅうの日々になるから、控えめな日本人の個人旅行には向かない。

 だから3月終盤、「もうすぐはじまるよ」「おしくらまんじゅうはまだ1ヶ月も先だよ」というこの時期が一番いいのかもしれない。街角のカフェも、オミヤゲ屋さんも、「まだ調子が出ない」「もう少し休んでいたい」という眠たげな風情である。
ビアンコ1
(カプリ島、ホテル「GATTO BIANCO」のガットビアンコ 1)

 静かな町の奥に並んだ高級そうなホテルにも、宿泊客の姿はまだ少ない。シーンと静まり返って手持ち無沙汰の様子。カフェのテーブルを片付けているホテルマンも、「今日も1日、誰も来なかったな」とタメイキをついている。

 いったんシーズン入りしたら、朝から晩まで彼らには気の休まるヒマもないのだ。というか、お客の方もたいへんであって、どんなに疲れてもカフェのテーブルさえ滅多なことでは見つからない。クマ助はそういうのはマコトに苦手なので、「3月に来てよかったな」と、ホッと胸を撫でおろす気分であった。

 夕暮れを控え、ますます閑散としていく町を、冷たい早春の風が吹き抜けていく。南イタリアの春は、こんなに寒々としているのであるが、その時ふと発見したのが「HOTEL GATTO BIANCO」。「白猫ホテル」ないし「白猫荘」であって、エントランスを上の写真のような美しい白猫が守っている。
ホテル白猫
(GATTO BIANCO。由緒あるホテルであるらしい)

 何しろ今井君はもう12年も、日本の美しい白猫クンと一緒に暮らしている。カプリのガット・ビアンコさんから、日本のニャゴロワに何かコトヅテでもないか、ちょっとホテルの中をのぞいてみることにした。

 何しろ諸君、12年前に今井君が初めてニャゴロワを見たとき、名前の選択には相当迷ったのだ。ごくシンプルに「シロ」でもいいし、「白太郎」とか「白助」「シロエモン」でもかまわない。百人一首に「赤染衛門」がいるから、ニャゴは「白染衛門」にされる寸前でもあったのだ。

 イタリア語なら「白」=BIANCOだけれども、一応ニャゴだって女子であるから、女性形でBIANCA。しかしいやはや、その辺のネコ助を毎日「ビアンカ」と呼ぶのも、何だか気恥ずかしい。結局その真っ白い姿が19世紀の小説のロシア女性を思わせるので、ロシア風に「ニャゴロワ」ということになった。

 一歩間違えればビアンカだったニャゴは、その後の12年間でどんどん大きくなり、その巨大さはまさにロシアな世界。華奢な感じの「ビアンカ」にしなくて、ホントによかったと思っている。
ビアンコ2
(カプリ島、ホテル「GATTO BIANCO」のガットビアンコ 2)

 それでも諸君、東京からはるばるナポリ、ナポリから船に乗ってはるばるカプリ、こんなに遠くまで旅してきたのだ。穏やかに静まり返った夕暮れに、このホテルのビアンコ君に出会ったら、できれば今夜はここに宿泊していきたいじゃないか。

 なかなか瀟洒なプチホテルである。20組も宿泊すれば満員という感じであって、もしかすればロビーで実際のビアンコ君が挨拶してくれる可能性もある。おそらく相当な高齢ネコであって、もしそうなら、今井君のマコトに得意とする世界である。ネコをからかって朝まで起きていてもいい。

 今井君は、そういう宿泊をしょっちゅう敢行するのだ。フランクフルトに2週間連泊して、そのうち1夜だけケルンで過ごしたこともある。去年はマルセイユに2週間連泊、何故か真ん中の1日をヴェネツィアで費やし、「ルナ・バリオーニ」に1泊した。

 もちろん、荷物は元のホテルに置いたままでいい。気まぐれな1泊は手ぶらで十分だ。マルセイユHOTEL DIEUの部屋は完全にそのままにして、ヴェネツィア「ルナ・バリオーニ」のジュニアスイートを満喫した。たまったポイントを駆使すれば、オカネはそんなにかからない。
ベネチア
(昨年のヴェネツィア、「ルナ・バリオーニ」に1泊だけした)

 今日も、別に慌ててナポリに帰る必要はないのだ。ナポリの「ホテル・ヴェスヴィオ」だって寮や寄宿舎じゃあるまいし、いちいち日本のクマがキチンと巣に帰っているか、調査に入ったりはしないだろう。

 クマ助の食指は、怪しく動き始めていた。この時、もしもホテルの従業員が姿を見せるとか、宿泊客の1組が夕暮れの散策を終えて嬉しそうに帰館するとか、そういう一瞬があれば、「試しに泊まっていくかな」「ビアンコ君に挨拶するかな」という流れになったかもしれない。

 しかし諸君、やっぱりシーズンオフであって、従業員も宿泊客もちっとも姿を現さない。そもそも営業しているのかどうかさえ定かではない。「ビアンコ君」にしても、奥の方から「ニャーゴ」と挨拶でも投げかけてくれればともかく、存在の気配さえ感じられないのである。

 そこへ、クマの足許に黒いネコが1匹やってきて、野太い声で一声「ナー」と挨拶した。諸君、ニャゴロワはそのデカい態度に似合わず、声はマコトに美しいソプラノであって、一緒に暮らして12年のクマ助としても、そのソプラノにすっかり慣れている。
ネロ
(カプリ島の準ネロ君)

 だから、いま寄ってきたネコ殿の「ナー」という声の野太さにはまさに驚きを禁じ得ない。黒というより焦げ茶系なので、素直に「ネロ」とは呼んであげられない。とりあえず「準ネロ」としておくが、彼の意見では「このホテルは今はまだシーズンオフ。開店休業状態です」であるらしかった。

 ならば、今回の宿泊は思いとどまりますかな。そしてたちまち今井君の頭の中では、次のような計画がまとまったのである。今回は「グロッタ・アズーロ」を諦めざるを得なかった。ならば来年4月か5月、シーズンが真っ盛りにならないうちにカプリを訪れて、1週間ばかりこの「白猫ホテル」に滞在しようじゃないか。

 1週間だけの小旅行にして、毎日アナカプリやカプリの穏やかな町を散策して過ごす。風も波も穏やかな晴れた朝を選んで港に出てみる。船が出ていれば、その場ですぐに青の洞窟を目指せばいいし、運悪く欠航なら、港の店でのんびり朝食を楽しんでから、白猫ホテルに帰って昼寝でもすればいい。

 そういうプチ旅行なら、ビアンコ君も準ネロ君も、大いに賛成してくれそうだ。別に「どう思う?」と尋ねてみたわけではないが、準ネロ君は再び3たび「ナー」「ナー」と低く頷いて、閑散とした土産物屋の塀の向こうに、マコトに悠然と立ち去っていったのである。

1E(Cd) Backhaus(p) Böhm & Vienna:BRAHMS/PIANO CONCERTO No.2
2E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/EIN DEUTSCHES REQUIEM 1/2
3E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/EIN DEUTSCHES REQUIEM 2/2
13A(α) A TREASURY OF WORLD LITERATURE 26:HENRY JAMES:中央公論社
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