2015年05月19日(火)

Sat 150425 サンミケーレ教会 ヴィラ・サンミケーレ ソラーロ山(ナポリ滞在記14)

テーマ:ブログ
 IL SOLITARIOでのランチですっかり気持ちよくなった後は、アナカプリをジックリ散策しようと思う。と言っても、何しろ小さな島のテッペンの狭い町だ。端っこから端っこまで、店を1軒1軒のぞきながら歩いても、30分もかからない。

 メインストリートからちょっと脇に入ったところに、「サンミケーレ教会」という小さな教会があって、地味だけれどもアナカプリでは見逃せないスポットになっている。教会の建築は、18世紀初期。「いかにも地中海」な真っ白い姿が可愛らしい。

 何より驚きなのが、1階の床全面に張られたマジョルカ焼きのタイルである。今日の写真3枚目、写真ではどうもハッキリわからないけれども、これがすべてタイルであって、描かれているのは創世記の物語。「天地創造」と「楽園追放」である。
カプリ港
(アナカプリ、ヴィラ・サンミケーレからカプリ港を望む)

 入口には案内のオバーチャンが控えていて、とても穏やかな声で、涙を流しながら故事来歴を説明してくれる。オバーチャンとは洋の東西を問わず、話に熱がこもってくるとみんな熱い涙をこぼし始めるものである。

 こんな貴重なマジョルカ焼きの上をドシドシのし歩かれたんじゃたまらないから、まるで尾瀬の湿原みたいに木のスノコが巡らされ、訪れた人はスノコの上をソッと歩きながら、厳かな天地創造のアリサマを鑑賞する。

 教会の2階に上がって、張り出したテラスからタイル画の全体像を眺め渡すこともできる。なるほど、こうしてマクロの目で全体構成を把握することもマコトに重要なので、20世紀末から21世紀初期のクマ蔵は、あの頃はまだ300人の超満員だった代ゼミ大教室で、そのことについてずいぶん熱弁をふるったものである。

 サンミケーレ教会を出たクマ助は、町外れのヴィラ・サンミケーレまで歩いた。教会もサンミケーレ、ヴィラもサンミケーレ、ホテルもサンミケーレ。こう何でもかんでもサンミケーレだと、「何をそんなにミケミケ言ってんだ?」であるが、諸君、もちろんサンミケーレとは、大天使ミカエルのことである。
サンミケーレ教会
(アナカプリ、サンミケーレ教会)

 英語ならマイケル。「マイコー!!」の世界であるね。フランス語なら「ミシェル」。有名なMont Saint-Michel(モンサンミシェル)は、我々はついつい「モンサン・ミシェル」という区切りをつけて読んでしまうが、正確には「モン・サンミシェル」。Montとは「山」であって、「大天使ミシェルの山」なのである。

 サンミシェルは、ジャンヌダルクにもお告げをもたらした。21世紀になってもなお、世界中のお寺や美術館で、ありとあらゆる悪魔を懲らしめ放題に懲らしめている。ヘビやドラゴンの姿の悪魔どんたちが少し可哀そうになるほどだが、カプリでもサンミケーレとして島の平和を守ってくれている。

 ヴィラ・サンミケーレからの絶景は、昨日の写真2枚目を見てもわかる通りである。間近にソレントやアマルフィやナポリを望むことができるし、もちろんヴェスヴィオは目の前だ。紀元79年のヴェスヴィオ大噴火の時は、高く吹き上がる赤いマグマの劫火が手に取るように見えただろう。

 見おろすと、カプリの小さな港が真下にある。それが今日の写真の1枚目であるが、おそらくここから遊歩道をのんびり降りていけば、港までは1時間ほどの道のり。思わず「降りてみようかな」という誘惑に駆られる。
俯瞰
(サンミケーレ教会、床を埋め尽くすタイル画。2階テラスから)

 しかし諸君、たとえ下り坂であっても、無謀は無謀だ。よほどヒマでない限り、無謀は思いとどまった方がいい。かく言うクマ助は何しろ無謀が大好きで、「やってみっかな♡」と思い立つと、もう分別はどこへやら、居ても立ってもいられない。

 2007年9月、ロープウェーで昇ったイタリアンアルプスの「モッタローネ」山頂から、麓のマッジョーレ湖まで徒歩で降りようと試みた。2011年5月には、ドイツ最高峰・ツークスピッシェに、ワイシャツ&ベストという軽装で見事に登頂。重装備のドイツオジサマ&オバサマのドギモを抜いた。

 ただしツークスピッシェは、間違いなくドイツ最高峰ではあるが、麓のガルミッシュ・パルテンキルヘンから登山電車とケーブルカーを乗り継いで行ける。ケーブルカーの終点がそのまま山頂なので、登山の名に値する厳しい世界とは全く別物である。

 日本最高峰の富士山にも、ツークスピッシェと同じような鉄道敷設の計画があるのだという。19世紀末から計画は浮上しては消え、また浮上しては消え、さっき夕方のニュースショーを見ていたら、河口湖方面からの登山道に、またまた鉄道敷設計画が持ち上がっているのだそうな。
奇岩怪石
(カプリの奇岩怪石をソラーロ山から俯瞰する)

 むくつけき毛むくじゃら♨クマ蔵としては、富士登山鉄道には「大反対」と申し上げざるを得ない。ドイツ最高峰といってもツークスピッシェは、周囲のアルプス名山に見おろされる謙虚な存在。あれなら神様も、鉄道ぐらい許してくださるだろう。

 しかし富士山は、アタマを雲の上に出し、四方の山を見おろして、カミナリさまを下に聞く、日本一の神のような存在。神様の首筋やヒタイのあたりを、ムカデみたいな電車がゴトゴト登ったり降りたりすれば、さぞかし神様がくすぐったがるだろう。神の山にクシャミでもされたら、日本国中ロクなことにならない。

 とにかく、今井君並みの無謀な行動は決してオススメしない。周囲の係員がもしも「やめたほうがいいですよ」と声をかけてくるようなら、その行動を必ず思いとどまること。あとは100%自己責任であって、山道でたくさんの犬に追いかけられでもしたら、必死でスタコラ逃げ回るしかない。

 そこでアナカプリの今井君は、犬の集団がコワいこともあり、「降りていくのもいいが、もっと上に昇ってみっかな」と思い立った。アナカプリは一応カプリ島のテッペンではあるが、ケムリみたいに「もっと高い場所に昇りたい」と向上心を発揮すれば、まだまだ標高の高い所はある。

 「ソラーロ山」がそれである。アナカプリのバス停前から、スキー場のリフトみたいなのが山頂まで連れていってくれる。大昔のシングルリフトないしペアリフトを改良したものであるが、これに座って強風の中をユラユラ10分、一気にソラーロ山の山頂にたどり着いた。
サラチェーノ
(レストラン・サラチェーノ。タイルに描かれた海賊が印象的)

 ここで出会ったのが、韓国オバサマ&オジサマの巨大ツアー集団である。全部で200人近くいらっしゃっただろうか。男女比は、男子2 : 女子8ぐらいで、圧倒的にオバサマ連が優勢。韓国の中年の人々には今や南イタリア大ブームが訪れているようで、快晴のカプリのテッペンは、韓国語に占領されているのだった。

 この後10日あまり、クマ助はアマルフィ・ソレント・ポジターノなどを連日訪れるのであるが、どこへ行ってもカメラの前でポーズをとる元気な韓国オバサマでいっぱい。ひたすら「ハナ♡ドゥル♡セーッ(=イチ♡ニー♡サンッ)」な日々になった。

 もちろん今井君はきわめて知的なクマ♨であるから、こういう山のテッペンに来ても、まだ中世1000年の海賊のことが頭から離れない。ついさっきも、マジョルカ焼きのタイルで作った「トラトリア・サラチェーニ」の案内板を見てきたばかり。今もまだ、サラセン人海賊の記憶は生々しいのだ。

 見おろせば、3時間ほど前にお船で回ってきたばかりの海岸風景。一昨日の写真3枚目に示した奇岩怪石が、今ははるか眼下にヒッソリ佇んでいる。まさにこの眺めこそ、1000年の人々が恐怖に怯えながら、来る日も来る日も海賊を見張って見おろしていた海の光景なのである。

1E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER 4/4
2E(Cd) Glenn Gould:BACH/GOLDBERG VARIATION
3E(Cd) Fischer & Budapest Festival:BRAHMS/HUNGARIAN DANCES
4E(Cd) Hungarian Quartet:BRAHMS/CLARINET QUARTET・PIANO QUINTET
5E(Cd) Alban Berg:BRAHMS/KLARINETTENQUINTETT & STREICHQUINTETT
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