2015年04月26日(日)

Thu 150402 途方に暮れる ロワイヤル・モンソー 世界基準(2495回 またまたパリ4)

テーマ:ブログ
 冬の雨は強風を伴って、午前9時半のパリ・リヨン駅前は閑散としている。閑散も何も、要するにヒトっ子一人いないし、普段なら忙しく走り回るクルマも、今はほとんど見当たらない。

 こういう中途半端なシチュエーションで、「どうやって時間をつぶせばいいか」を考えるのは苦手である。若い諸君なら「スタバ!!」ないし「マック!!」と諦め顔で呟くのだろうが、今井君ぐらいのオジサマになると、スタバもマックも敷居が高い。

 「敷居が高い」という言い方が適切でないとしたら、つまり非常に入りにくい。カウンターで働くヒトビトが、
「お、オジサマだ」
「珍しいね、オジサマなのにスタバ(マック)か」
「オジサマなら、もっとオカネのかかる店に行けばいいのに」
とイブかる表情を見て、それだけで緊張が一気に高まってしまう。

 その辺は「エクセルシオール」でも「タリーズ」でも全く同じなので、海外旅行中の中途半端な時間の過ごし方として、今井君の選択肢には最初から入っていない。変に緊張している分、ヘマも多い。蹴つまずくとか、イスを倒すとか、ヒトにぶつかるとか、そういうヘマはほとんどこういう店だ。

 だって、店での行動の流儀を全く知らないのだ。いつだったか、近鉄奈良駅前のスタバのカウンターで「アイスコーヒーありますか?」と恐る恐る尋ねてみたら、何がそんなに悪いのか分からないが、「変人がきた」という顔で冷たい対応を受けた。
外観
(ル・ロワイヤル・モンソー。ここで2泊する)

 というわけで、夜行列車でたどり着いたパリ・リヨン駅のクマ助は、大きなスーツケースを引きずって途方に暮れることになった。駅の中には有名なレストランが1軒あって、朝食の営業もしているのだが、この有名レストランは逆に異様にお値段が高い。

 だって諸君、朝食に○○○ユーロも平気で出すヒトがいますかね? ○○○のところに入る数字は、読者諸君の想像にお任せするが、マックなりスタバなりなら、おそらく20回は入れるぐらいのオカネである。

 行く場所がなくて困ったからと言って、普通の人のランチ20回分払って朝食だなんて、天罰・神罰・仏罰が列をなして今井君を懲らしめにやってきそうだ。天もコワいし、神も恐ろしい。ホトケとなると若干優しいかもしれないが、憤怒の表情の不動明王とか、十二神将の怒髪天をつく姿を思い出してみたまえ。

 恐ろしや、恐ろしや。あまりの恐ろしさにブルブル震えながら、パリのクマ助は「そんな恐ろしい目にあうんだったら、むしろホテルにアタックした方が身のためだ」と考えた。9時半、チェックインは無理だろうが、フロントで荷物ぐらい預かってくれるだろう。
近景
(ル・ロワイヤル・モンソー。エントランス付近)

 駅前に数台しか残っていなかったタクシーをつかまえて、「ル・ロワイヤル・モンソー」と告げた。地下鉄2号線・モンソー駅のそば、モンソー公園の近くである。しかし諸君、このホテル名が一発では理解してもらえない。

 いつもはオペラ座前のインターコンチ。元の名前が「LE GRAND」=「ル・グラン」であって、要するにそのドデカさと豪華さで知名度抜群だから、タクシーの運転手なら誰でも知っている。

 しかし「ロワイヤル・モンソー」となると、豪華ではあっても規模は中ぐらい、知名度も高くない。運転手さんは「モンソー…」「モンソー…」と何度か記憶の引き出しをゴソゴソ掻き回して、やっとのことで思い出してくれたようである。

 走り出したクルマは、セーヌ右岸を進む。風雨はますます強まって、クルマのガラスはたちまち曇ってしまったが、せっかくのクリスマス市がすっかり店じまいしてしまった様子は分かる。昨年のパリは12月29日になってもクリスマス市が大繁盛だったから、この朝の光景はマコトに寂しいものであった。

 クルマはコンコルド広場から凱旋門に向かってシャンゼリゼの坂を登っていく。凱旋門の手前で右に曲がると、目指すホテルは呆気ないほど近くであった。何だ、「モンソー公園そば」などというから静かな住宅地の真ん中かと思ったら、シャンゼリゼから徒歩で5分もかからない。
階段
(ル・ロワイヤル・モンソー。なかなか豪華である)

 そして諸君、驚くなかれ、チェックインできたのである。まだ時計は10時を回っていなかったが、至極カンタンに、いかにも「当然でございます」と言わぬばかりに、「はい、お部屋の準備は出来ております」とニッコリ笑顔で返事が返ってきた。これは嬉しや、夢ではないか。

 模試の偏差値がずっと50台、「しかしまあ記念受験だ、当たって砕けろ。失うものは何もない」と冗談半分で東大を受けにいったら、あっさり合格してしまったみたいな感覚。躍り上がるような、申し訳ないような。ボーイさんのチップに思わず5ユーロ札を手渡したくなる今井君であった。

 諸君、こうなれば、いったんベッドで「スヤーッ!!」である。たった2泊しかしないんだから、荷解きも軽く必要なモノだけ出せばいい。夜行寝台の旅は、眠ったような眠らなかったような、アルコールにダマされて浅い惰眠を貪っただけだから、豪華ホテルの気持ちいいベッドで、せめて2時間深く眠りたい。

 ま、そういうダラしないお昼になった。観光はその後でいいじゃないか。何しろパリは毎年毎年チャンスがあるたびに訪れて、通算滞在日数は50日を超えている。今さら「せっかくパリに来たんだから♨」と燃え上がるほどのことはない。
ツリー
(ル・ロワイヤル・モンソー。クリスマスツリーも平凡ではない)

 諸君がもしまだ30歳代前半の男女なら、この「ロワイヤル・モンソー」はウルトラ♡オススメ。ベッドにも調度品にも、明るいバスルームにも、1つ1つ彼女の「カワイイーッ!!」の声が上がるだろうし、彼氏のほうでも「イイジャン&イイジャン、ケッコ、イインジャネ?」とスーパー♡ニタニタするはずだ。

 もちろん、「値段はケッコ高いですよ」「覚悟したほうがいいですよ」ではある。何しろ「リーディングホテルズ」の会員ホテル、シャンゼリゼ至近。クリスマスの前後なんかに宿泊ということになれば、「1泊○万円♨はアタリマエ」という顔をされる。

 しかしそれも、シャンゼリゼから直接入れる数軒のハイパー高級ホテルが、イヤらしいほどの高額を提示するのに比べれば、まだ良心的といっていい。「静けさ」という面でも、むしろハイパーちゃんたちより上品で、高級感は上を行くかも知れない。
凱旋門
(凱旋門付近で。何となくクマどんに似た人が多い)

 しかし諸君、クマ助みたいなオジサマにとっては、うーん、もう少しだけ普通な方がいいですな。備品もお茶やコーヒーは最高級のものを揃えているのだが、バスルームもデスクもイスもテーブルも、いろいろと凝りすぎ&工夫しすぎて、かえって使いにくいというか、使い方が難しいのである。

 午後、軽いスヤーッから目覚めたクマ助は、のそのそベッドから這い出すと、とりあえず凱旋門に挨拶しにいくことにした。雨は上がって薄日が射し、ようやくパリはパリらしくなってきた。

 こうなると、そこいら中のホテルの穴蔵から、世界の観光客が這い出してくるらしい。凱旋門からジョルジュサンク方面に降りていくシャンゼリゼの坂道は、あっという間にヒトで溢れた。

 世界の人が集まると、「何だかオレにソックリだな」「もしかしてドッペルゲンガー?」みたいなヒトともたくさんすれちがう。「ワタクシはあくまで世界基準のクマ」。そのことをしっかり確認する冬の午後の今井君であった。

1E(Cd) Duke Ellington: THE ELLINGTON SUITES
2E(Cd) Bill Evans Trio:WALTZ FOR DEBBY
3E(Cd) Anastasia:SOUVENIR DE MOSCOW
4E(Cd) Nanae Mimura:UNIVERSE
5E(Cd) AFRICAN AMERICAN SPIRITUALS 1/2
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