2015年04月14日(火)

Thu 150321 チルコマッシモ カラカラとゲタ ポポロ飯(イタリア冬紀行17・2483回)

テーマ:ブログ
 12月23日、コロッセオも10年ぶりであるが、10年経過すれば遺跡でさえリニューアルする。むかしむかしのその昔、ローマ皇帝がグラディエーターたちの戦いに喝采を送った席のあたりに、マコトにキレイなステージが完成して、21世紀のVIPたちはそのステージからコロッセオの眺めを堪能できるシカケになっていた。

 「21世紀のVIP」とは、どうやら成長著しい中国サマの富裕層ご一行であるらしくて、ネコやクマや今井君なんかは、「ステージにあがりますか?」というオファーさえもらえないありさま。入口まで送ってくれた野良猫「トラやん」も、すっかり呆れた顔で姿を消した。

 1時間ばかりコロッセオを回って外に出た頃から、12月下旬のローマに夕暮れの気配が漂いはじめた。まだ午後3時を過ぎたばかりだが、ちょうど冬至の頃のヨーロッパだから、これは致し方ない。これがもしロンドンだったら、とっくに真っ暗になる時間帯。ローマはまだ恵まれている方だ。
チルコ
(チルコ・マッシモ。ツワモノどもが夢の跡)

 しかし諸君、コロッセオの周囲もまた「セルフィ売り」のオジサンたちでごった返している。「セルフィ」とはスマホ用・自撮り棒のことであるが、ローマの場合、観光客よりセルフィ売りのほうが多いぐらいだ。

 「何を大袈裟な♨」と信じてくれないオカタも多いだろうが、これは正真正銘ホントのホント、マコトにマコトであって、宝塚の男子役なら「真琴誠」と名づけたいぐらい。ホンマにホンマの話である。10メートル歩くうちに、15名のセルフィ売りに声をかけられる。

 みんな一斉にセルフィを差し出し、「セルフィ♡セルフィ」「セルフィ♡セルフィ」「セルフィ♡セルフィ」と、誰にでもしつこく声をかけつづける。こんなにたくさんいたんじゃうるさくてたまらないし、そもそも誰ひとり儲かりそうにないが、とにかくたいへんな人口密度である。

 これが中南米なら、「カンビオは♨カンビオ」「カンビオは♨カンビオ」「カンビオは♨カンビオ」を連発しつつ、違法な両替屋のオジサンがどこまでもついてくる。もし振り返って両替に応じたりすれば、たちまちニセ警官が現れるそうな。

「アナタはいま違法な両替に応じました」
「ついては、まずサイフを出しなさい」
「ついでにクレジットカードも出しなさい」
「暗証番号を言いなさい」
「パスポートも見せなさい」
と、ニセ警官はたいへんな剣幕で迫ってくるそうな。

 もちろん出したもの&見せたもの全てを奪ってトンソーするのであるが、最初から両替屋とニセ警官はグルであって、トンソーする時は一緒にトンソーするらしい。「トンソー」とは、漢字で書けば「遁走」。受験生諸君、漢字テストには常に備えておきたまえ。
カラカラ
(カラカラ浴場)

 セルフィ売りたちのほうは、その人口密度にビックリするだけであって、ニセ警官ともトンソーとも関係がないから、まあ安心してよろしい。21世紀のローマに溢れるのは、中国サマ富裕層団体とセルフィ売りオジサマ集団。有名遺跡周辺は大騒ぎだから、ジッと静かに物思いにふけることは難しい。

 もしも瞑想・妄想・物思いに耽りたいならば、不人気な遺跡を訪ねるにかぎる。ベストと言っていいのは、チルコ・マッシモ。今や単なる荒れ地にしか見えない。

 古代ローマにはグラディエーター以上に人気のあった4頭立て戦車競走の競技場であるが、今や草ボーボー、風に砂とホコリが舞う広大な空き地にすぎないから、フユーソーもセルフィもトンソーも、ここでは全く無関係である。

 しかし諸君、今すぐ映画「ベン・ハー」を見てみたまえ。主役を演じたチャールトン・ヘストンは極めてゆっくり明確にセリフを語るから、受験生でも大学生でも字幕なしで十分に聞き取れるかもしれない。

 そのクライマックスが、4頭立て戦車競走。ローマ総督ピラトと大群衆の前で、今や仇敵同士となったかつての大親友2名が、命をかけて戦車を疾走させる。1959年の作品である。

 憎々しい仇敵・メッサーラを演じているスティーブン・ボイドにも注目。昨日の記事で紹介した「ローマ帝国の滅亡」では、英雄リヴィアス役だったことに気づいてくれたまえ。「英雄も仇敵もこなせる名優だったわけね」である。
地下鉄
(落書きだらけのローマ地下鉄。元々のデザインは誰にも分からない)

 チルコ・マッシモは、ローマ世界最大の戦車競技場。チルコとは「Circo」であって、英語ならCircus、フランス語ならCirque。シルク・ド・ソレイユのシルクであって、命をかけて挑む息を飲む戦いを、ローマ世界では「チルコ」と呼んだわけだ。

 ついでに、Circoは「グルグル回る」ものでもあって、戦車競走は競技場を何度もグルグル回って戦うのである。英単語に「circa」=「およそ、about、その周辺」というのがあるが、これもまたラテン語源の言葉である。

 ナポリの私鉄「ヴェスヴィオ周遊鉄道」の正式なイタリア名は、「CircumVesuviana」。Circumとは、「…の周囲をめぐる」の意味であって、これもチルコと無関係ではない。

 英語でも、circumstanceは「周囲の状況」だし、circumference「円周」、circumscribe「円が…に外接する」なども記憶して然るべき単語である。

 すると当然だんだん調子に乗ってきて、「circleは?」「circuitは?」「circulateは?」とくるところであるが、これ以上はさすがのクマ助もメンドーであるから、興味のあるオカタは辞書やら語源辞典などを持ち出して没頭してくれたまえ。
ポポロ広場
(ポポロ広場。オベリスクを挟んだツインの教会が印象的だ)

 チルコ・マッシモを離れて「カラカラ浴場」に向かったのが、午後4時すぎ。ちょっと道に迷っているうちに、閉門時間4時半を回ってしまった。ま、いいか。

 セプティミウス・セヴェルス帝までは英雄な感じも残っているが、その息子カラカラあたりになると、皇帝としても何となく中途半端。一応「カラカラ浴場」という名前が残っているが、実際にこれを作ったのはパパのセヴェルスである。

 カラカラどんは、「完成したときに皇帝だった」というだけのこと。そもそもカラカラだなんて、名前も何となく軽いでござるよ。カラカラどんには弟がいて、その名前はゲタ。「おや、たまゲタ」であるが、ある日突然激怒したオニーチャンのカラカラに殺されちゃった。
ピザ
(ポポロ広場近くの店でピザを喰らう)

 夕暮れのクマ助は、汚らしい落書きにおおわれた地下鉄に再び乗り込み、ポポロ広場を目指した。地下鉄A線・フラミニオ駅で下車。フラミニオ街道からローマ市内に入るには、どうしてもここのポポロ門を通らなければならない。

 古代ローマの旅人も、2000年近く経過した時代のゲーテどんやバイロンどんも、みんなここからローマに入った。この広場は、ツインの教会とオベリスクで有名。オベリスクを挟んで右と左に、ソックリの教会が2つ並んでいる光景は確かにユニークである。

 晩メシは、この広場のそばでとることに決めた。どこまでも続くクリスマス雑踏をかき分け、10分も歩いたあたりで適当な店に入った。ピザもまーまー、ミネストローネもまーまー。これといった取り柄のない平凡な店であった。

 店を出てから気がついたのだが、角を1つ曲がるとそこはもうスペイン広場、取り柄のない割りにオカネはタップリとられたが、要するに諸君、高価な場所代を払っただけのことだったのである。

1E(Cd) Sheila E. & The E-Train:HEAVEN
2E(Cd) Tower of Power:TOWER OF TOWER
3E(Cd) Holliger & Brendel:SCHUMANN/WORKS FOR OBOE AND PIANO
4E(Cd) Ashkenazy:RACHMANINOV/PIANO CONCERTOS 1-4 1/2
5E(Cd) Ashkenazy:RACHMANINOV/PIANO CONCERTOS 1-4 2/2
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