2015年02月27日(金)

Tue 150203 夜道を闊歩 お茶売りオジサマ 旅の終わりの一夜(夏マルセイユ滞在記39)

テーマ:ブログ
 「夜道はコワくない」と書いたのは(スミマセン、昨日の続きです)、別に強がりでも何でもなくて、お腹の中さえ十分に満たされていれば、コワいものなんかそんなに多いはずはないのである。

 この夜の今井君のお腹の中を冷静に分析してみるに、「こりゃ鬼でも逃げ出すな」と思うほど盛りだくさんであって、
 ① 生牡蠣1ダース
 ② 巨大な「冷めたピザ」
 ③ ロゼワイン1本、さらに
 ④ お昼に3回オカワリした魚スープや、
 ⑤ お昼に貪ったたくさんのお魚とロゼワインの残骸もある。

 そういう多種多様かつ大量の飲食物が、苦い胃液と混じりあってタポタポ波打っている。いやはや、「鬼も逃げ出す」どころの話ではなくて、これでは今井本人が鬼そのものと化している。
教会群
(サン・ヴィクトール修道院。左後方はノートルダム・ド・ラ・ギャルド大聖堂)

 こんな胃袋の中身を見せつけたら、悪の化身みたいな人物だって、スタコラ逃げ出すに違いない。「鬼の大敵・一寸法師ならどうするか」であるが、一寸法師は「鬼の口から飛び込んでお腹をチクチク刺しまくる」という暴挙に出てお姫様を救う。

 ならば諸君、鬼と化したボクチンは、一寸法師さえ寄せつけない自信がある。このポンポンの中身を知って、それでも勇敢に胃袋に飛び込めるヤツなんか、まあ普通なら考えられないだろう。

 例え勇を鼓して飛び込んだところで、可愛いホウシ君を待ちうけているのは、苦い胃液とロゼワイン2本と魚スープだ。たちまちのうちにホウシ君は酔っぱらって、とても胃袋から生還できるとは思えない。

 この種のことをニヤニヤ考えつつ、暗く寂しい海岸通りを歩いていった。ただし、もし何か起こったときに「ツマラン蛮勇」と指弾される可能性があるから、賢い諸君は今井君のマネはヤメておきたまえ。やっぱり良い子は「早寝早起き朝ゴハン」に徹して生きるのがいい。
パーティ
(地中海のテラスで大パーティーが進行中)

 このあたりは1975年の映画「フレンチコネクション2」の舞台であって、名優ジーン・ハックマン演ずるニューヨーク市警刑事「ポパイ」が、マルセイユの麻薬組織に拉致 ☞ 監禁されるまさにその舞台。ポパイは麻薬漬けにされ、やがて禁断症状との厳しい戦いに勝利することになる。

 ついでに、マット・デイモンの出世作「ボーン・アイデンティティ」で、記憶を失くしたジェイソン・ボーンが漁船から上陸するのもマルセイユの港。この10年で治安がグッと向上したとは言っても、やっぱりマルセイユには危険なムードが十分に残っている。

 海に大きく突き出した海岸通りのお店で、危険なカホリのムンムン♡大パーティーが進行中。さすがに夜のマルセイユであって、「イフ島まで響け!!」な感じの大音量の音楽が闇に轟き、数えきれない人々が狭いスペースで蠢く様子は、マコトにオドロオドロしい。

 「コワい&コワい」「クワバラ&クワバラ」「ナマンダブ&ナマンダブ」とツブヤキながら、海岸通りの突き当たりを右に折れた。左手には、マルセイユ旧港を見下ろすファロ公園。滞在初日にも、今日のランチの直後にも、この公園を訪れて港を見下ろす高台からの眺めを楽しんだ。
港
(マルセイユ旧港の夜景。港の向こうに滞在中のHotel Dieuの勇姿が見える)

 まだ夜10時だから、まだ門はギリギリ開いている。暗い公園に入りこめば、港を囲む街の夜景がキレイだろう。しかし諸君、さすがにそれは蛮勇が過ぎるというか「飛んで火にいる夏の虫」に近い行動。おとなしく南無妙法蓮華経を唱えつつ、ここは素直にパスするのが、お利口な良い子のとるべき行動である。

 まもなく右手に「サン・ヴィクトール修道院」の姿が浮かび上がる。4世紀の殉教者・聖ヴィクトールの遺体のあった場所に建てられた。2月2日「ろうそくの日」には、夜明けのミサが行われ、銘菓ナヴェットを祝福するために、司祭の行列はわざわざ地元のお菓子屋を訪問するのである。

 マルセイユ旧港は、南の地中海に向かって「コ」の字型にポッカリ口を開けている。「コ」の字の3辺をグルリと回らなけれなならないから、目の前にホテルが見えていても、まだここから20分近くかかる。

 昼間のうちは、港をこちらからあちらまで横切ってくれる渡し船が15分おきに運航されている。他のたくさんの船をよけながら「恐る恐る」という感じで横断するのだが、それでもホンの5分もかからない。いやはや、「コ」の字って、厄介なものでござるな。
ノートルダム
(左下、すっかり諦めたお茶売りオジサマ。右上、ノートルダム・ド・ラ・ギャルド大聖堂)

 暗い港の周辺には、この時間になってもまだ物売りの皆さんが頑張っている。ネコのオモチャ、イヌのオモチャ、どれもちっとも売れている様子はないが、朝からずっとご苦労なことである。

 お茶売りのオジサマも、まだ諦めずに座り込んでいる。というか、実は最初から諦めているけれども、「立ち去るのがメンドーだから立ち去らないだけ」というのが正確かもしれない。

 すでに道ゆく人を眺めてさえいない。諦めかかった人というものは、本来なら「道ゆく人を眺めて退屈を紛らわせている」べきであって、少なくとも19世紀から20世紀の欧米文学の世界では、彼ら彼女らは必ずと言っていいほど「茫漠とした悲しげな視線を漂わせていた」ものだった。

 しかし21世紀のいま、彼らの視線がアテもなく宙をさまよったり漂ったりことは少なくなった。ガックリとうなだれた姿勢で、ひたすら足許を見つめるだけなのである。

 もしも万が一、「お茶、売れますか」とか「お茶1杯いくらですか?」とか、思いがけない質問でもしようものなら、彼はおそらくあまりのことに驚いて、まるで暴漢に遭遇でもしたかのように、声にならない悲鳴をあげ、大急ぎで荷物をまとめて逃げ去るのではないだろうか。
チーズ
(日本風にカットした丸チーズ。ただし、「さすが本場フランス」な強烈なニオイがあった)

 こうして諸君、最終日の今井君はむしろ周囲を驚嘆と驚異に巻き込むようなアリサマで、無事にホテルに帰り着いた。2週間近くにわたって、ホテルスタッフは素晴らしい笑顔で挨拶してくれた。

 さすが元の重傷重病者施療院「Hotel Dieu」であって、これほどのホスピタリティは、長いクマ助の旅の歴史の中でも、間違いなく第1級である。窓を開けると、相変わらず目の前にはライトアップされたノートルダム・ド・ラ・ギャルド大聖堂。ライトアップは真夜中まで続く。

 明日は出発だから、ゆっくりソファに腰を落ち着けて、スーパーで買った食品類の後始末に励む。要するに「もう1杯♡」ということであって、ビールもワインもウィスキーも残っていたし、日本式に8ピースに分割した丸いチーズや、メロンの残りも食べて帰らなきゃならない。

 こうして深夜まで、「一寸法師もビックリ」の強烈な胃袋をさらに盛りだくさんにしながら、マルセイユの最後の夜を満喫。丘の上の教会のライトアップが終わりになる頃、ようやく大人しくベッドにもぐって、長かった旅の長かった最終日をしめくくったのであった。

1E(Cd) Akiko Suwanai:DVOŘÁK, JANÁĈEK, and BRAHMS
2E(Cd) Kiri Te Kanawa, Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO 2/3
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