2015年01月14日(水)

Sun 141221 チケットは「ノンチェ」 イタリアは相変わらずかも(夏マルセイユ滞在記19)

テーマ:ブログ
 9月5日、今日は旅の真ん中の日だ。14日の予定でマルセイユに滞在し、今日が7日目。そろそろマジメにマルセイユ周辺の街を探訪しなければならないから、丸1日ノンビリ遊んだヴェネツィアからは、そろそろ退散することにする。

 サンマルコ広場から空港への移動は、①鉄道利用、②バス利用、③お船で真っ直ぐの3通り。①も②も、いったんヴァポレットか徒歩でサンタルチア駅に出る。鉄道なら、運河にかかる長い鉄橋を渡って本土側のメストレ駅まで行き、ここでバスに乗り換え。面倒なことこの上ない。

 面倒についてはバスもおんなじだから、怠惰なクマ助は当然のように③「お船で一気に」を選択した。もちろんお船の場合はノロノロ運転にイライラが募るのが欠点だが、2度も3度も乗り換えるのに比べれば、イライラ度もガマンの範囲内だろう。

 どうせならサンマルコから出ればいいのに、空港ゆきのお船はサンマルコのお隣のヴァラレッソが始発。東京じゃなくて新横浜や大宮を始発にするようなものであるが、まあもちろんその辺にも何らかの利害関係が潜んでいるので、1泊しかしない観光客の立場で文句なんか言っているヒマはない。
ヴァラレッソ付近
(ヴァラレッソ付近の大運河風景)

 「ヴァラレッソ」という発音から、今井君はまず「バケラッタ」を、続いて「ミラバケッソ」を思い出す。バケラッタとは「オバケのQ太郎」の弟であり、ミラバケッソのほうは、クマ助の関知するところではないが、アルパカが登場するクラレのCMで「未来に化ける新素材」を無理無体に省略形にしたものであるらしい。

 そういうことを考えているうちに、お船がどこの船着き場から出るのか分からなくなってしまう。「バケラッソ」だったか「バケミラッソ」だったか。「バラッソ?」「ミラレッソ?」とか、クダラン右往左往をしているうちに、船の出発時間は無慈悲に近づいた。

 船着き場には、他に7~8人の乗客が待っていた。普通のヴァポレットでこれから観光に出る人と、空港に向かう船に乗る人とが入り混じっているから、どの船に乗ればいいのか区別がなかなか難しい。

 中でも乗客を混乱に陥れていたのが、「チケットはどこで買えばいいの?」という問題である。普通のヴァポレットなら、24時間有効のICチケットをもっているから、Suica同様に「ピ♡」をやればいいのだが、空港ゆきのお船にはどうやら「ピ♡」が使えらないらしい。
船内
(空港へのお船。まもなく超満員になった)

 今はそれほど厳しくなくなったようだが、ひと昔前のヨーロッパでは「チケットの厳密さ」にずいぶん緊張したものだ。日本みたいな「車内精算」はありえない。チケットなしで不用意に乗車とか乗船とかすれば、たちまち検札係に見とがめられ、公衆が見守る中、まるで重罪を犯した者のように容赦なく厳しい叱責を受ける。

 もちろん「知らなかった」なんかで済むことではないので、チケットに日付の刻印を押すのを忘れただけでも不正乗車と見做され、高額の罰金をその場で徴収される。その場合クレジットカードなんかもちろん使えないから、万が一現金が足りなければ、「署までご同行」を求められる。「しょっぴかれる」というヤツである。

 そういう時代の記憶がまだ鮮明に残っているから、欧米人は今もチケットにはマコトに神経質。「どこでチケットを買ったらいいのか」を、皆が真剣に語りあい尋ねあい、知っている者は得意そうに「キオスクだ」「タバッケリアだ」と呟いてみせる。

 そこで諸君、人々は大慌てでキオスクなりタバッケリアなりに走る。もちろん今井君も真剣である。コドモの手を引いたオバサマ客の後について、ヴァラレッソの船着き場から街に戻り、懸命にキオスクを探す。

 ところが諸君、やっと見つかったキオスクで売っていたのは、要するに普通の船のキップだけであって、空港に直行する船のキップは、Non c’è(ノンチェ)つまり「ありません」と肩をすくめられて終わりであった。
空撮1
(ヒコーキからのヴェネツィア。手前がリド島、向こう側が本島。反転S字の大運河もキレイに見えた)

 おお、むかし懐かしいイタリアだ。10年前までのイタリアでは、大汗をかきながらの右往左往がしょっちゅうあって、何を探し求めても「ノンチェ」「ノンチェ」「ノンチェ」と肩をすくめられ、どういう意味なのか「ニカーッ」と笑われてオシマイだった。

 仕方ない、もう間に合いそうにないから、とりあえずお船に乗りこみ、乗ったらすぐに事情を言って、それでもダメなら「徒歩☞バス」のルートで空港を目指そうと決めた。他の乗客もみんな、何となく不安げな表情で船を待った。

 それでも、ほぼ時間通りに船がやってくるようになったのが、この10年のイタリアの進歩である。昔なら、平気で15分も20分も遅れてくるとか、30分待った挙句にオジサン従業員が駆けつけ、「ノンチェ」と笑って帰ってしまうとか、茫然とするシーンもよくあったものだ。

 しかし諸君、事態が改善したとは言っても、やっぱりイタリアはイタリアだ。やってきた船の上には、「仕事がイヤでたまりません」「こんな仕事はヤメたいんです」という表情の、不承不承で不機嫌な青年たちが3人。客たちがチケットのことを尋ねると、「後で」とボソッと呟いたまま、もう意地でも相手にしない。
空撮2
(ヒコーキの窓からマルセイユの海を望む。一昨日眺めたカランクのあたり)

 やがて船が動き出すと、船もまた不承不承であって、「オイラは汚い水の上なんかもう飽き飽きしてるんだ」と言わんばかりである。そこへ、キップ売りの男子が現れた。

 1人1人の客に、船の中で直接キップを売るスタイル。昭和30年代の日本のバスの車掌さんみたいに、黒革のカバンを肩からかけ、カバンの中にはお釣り用の小銭を満載している。手際の悪さも絶品、1人の客から切符代を徴収するのに2分も3分もかけながら、満員の船の中を悠然と進んでいく。

 アメリカ人とおぼしきオバサマは、その様子をマコトに不機嫌な渋面を作って睨みつけている。おお、コワい。イタリアの青年もコワいが、アメリカ人のオバサマもコワい。一触即発で口論が始まりそうである。

 確かに、ワザと見せつけているとしか思えない悠長ぶりは、効率を重んじて生きてきたアメリカ♨オバサマには許しがたい怠惰に見えるかもしれない。こういう場合、今井君は日本人という存在の優秀さを強烈に感じるのである。相手がどんなにワザと悠長にダラダラやっていても、日本人だけは15秒もかからない。

 ま、全ては事なく過ぎ去った。船は反転したS字の大運河ではノロノロ運転だったが、やがて大運河を出ると一気にスピードを上げた。爽快なスピード感の中では、イライラするヒトもカッカするヒトも、ぐっと気持ちが収まるものである。
空撮3
(マルセイユに戻ってきた)

 昼まえ、ヒコーキは無事にヴェネツィア・マルコポーロ空港を飛び立った。旋回したヒコーキの窓から、ラグーンに浮かぶヴェネツィアの島々がキレイに見えた。手前にリド島、その向こうに本島、反転S字のカナル・グランデも写真に収めることができた。ま、またしばしのお別れである。

 1時間ほどでヒコーキはイタリア半島の付け根付近を横断。高度を下げると、今度はマルセイユの海と街が信じがたいほど鮮明に見えてきた。これからいよいよ旅は後半に入る。アルル、ニーム、レ・ボー、アヴィニョン、エグ・モルトなど、プロヴァンスの街を縦横無尽に歩き回りたい。

1E(Cd) Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO③
2E(Cd) Joël Cohen:L'HOMME ARMÉ
3E(Cd) Joël Cohen:L'HOMME ARMÉ
4E(Cd) Joël Cohen:L'HOMME ARMÉ
5E(Cd) Joël Cohen:L'HOMME ARMÉ
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