2015年01月08日(木)

Mon 141215 カシかカシスか シニャックのこと 泊まっていくか(夏マルセイユ滞在記13)

テーマ:ブログ
 1月7日、パリの風刺新聞社が襲撃されて、12人もの犠牲者が出た。今日のパリは厳戒態勢であり、悲劇の現場から近いレピュブリック広場には、大勢のパリ市民が集まって犠牲者を追悼し、テロに激しく抗議している。

 つい10日前までパリにいて、寒さに震えながらバスティーユのあたりも散策した。何しろクリスマス直後だったから、危険な空気はちっとも感じなかったが、12月のフランスではあちこちでテロと思われる事件が相次いでいた。

 21日にはディジョンで、翌22日にはナントで、クルマが通行人の列に突っ込み、20数人が死傷する事件が続いた。雪の積もったディジョンの駅を夜行列車で通過したのは、26日深夜から27日早朝にかけてのこと。今思えば、事件の直後だったのである。

 と、書いているうちに、犯人グループの一人と見られる18歳の男が警察に出頭してきたという。事件の全貌が早く明らかになり、これ以上テロが頻発することがないように祈りたい。
カシス1
(① カシス、ロンバール岬。シニャックもこの岬を描いた)

 9月3日、マルセイユ近郊ラ・シオタを訪ねた後、さすがにちょっと強行軍すぎるかと思いながらも、「せっかく近くまで来たんだから」と自分に言い聞かせ、お隣のカシスの町も訪問することにした。

 ただし、ラ・シオタとカシスの間に直通バスは走っていない。地図上はすぐお隣同士に見えるけれども、それは海を通っていけばのこと。2つの町の間には険しい岩山が立ちはだかって、山にはたくさんのヘビ君たちがニョロニョロ遊び回っているらしい。

 というわけで、カシスに行くには「オーバーニュ」という町でバスを乗り換えなければならない。三角形の1辺が岩山に遮られているから、たいへん不合理にも2辺を通って回り道をする。

 このバスも1時間に1本しかない。この日の今井君は、こういう地元のヒト専用の路線バスを5回も利用することになった。確認すると、
  ① マルセイユ ☞ ラ・シオタ
  ② ラ・シオタ ☞ オーバーニュ
  ③ オーバーニュ ☞ カシス
  ④ カシス ☞ オーバーニュ
  ⑤ オーバーニュ ☞ マルセイユ
の5回である。
カシス2
(② カシスの防波堤。これもまたシニャックの風景である)

 カシスは、日本のガイドブックでは必ず「カシ」と表記されている。確かにスペルはCassis。フランス語では語末の子音は発音しないから、原則的&教科書的に正しい発音は「カシ」であって、うっかり「カシス」と書くと、「何にも知らないんだな」と叱られかねない。

 しかし今井君が「カシス」と書くのは、地元のヒトビトがみんな「カシス」と発音していたからである。バスのアナウンスも、運転手さんの発音も、海辺のカフェのウェイターのオニーサンも、みんな「カシス」であった。

 むしろ「キャシス」に近かったけれども、地元のヒトが「カシス」と言うなら、教科書的には「カシ」であっても、クマ助は地元の味方である。ついでに、絵画の世界に登場するCassisも、日本では昔から「カシス」としているようである。

 諸君、点描を得意とした新印象派のポール・シニャックをご存知だろうか。新印象派や点描の世界だと、シニャックよりスーラが有名だが、シニャックの点描もまた美しい。19世紀中期から20世紀前半のヒトである。

 ゴッホのお友達で、「アルルで一緒に生活しよう」と誘われたりもした。お誘いは断ったけれども、その後ゴッホがお耳を切り落としちゃった事件の後には、チャンとお見舞いにも行ったらしい。義理がたい御仁である。
カシス3
(カシスの町。やっぱり「バカンスも終わり」の雰囲気だった)

 パリの風景を愛し、彼の「雪のクリシー通り」は有名。ぜひ画像検索してくれたまえ。12月の今井君が滞在したのが、地下鉄2号線のモンソー駅近く。クリシーは、そのモンソーから2つめの駅である。ムーラン・ルージュとムーラン・ド・ラ・ギャレット、2つの名物風車も近い。

 シニャックは自らヨットを操り、南フランスの港町・サントロペが大好き。パリ-サントロぺ間をヨットで往復するようにして仕事に励んだ。いいですな、ヨット。そういう贅沢が出来れば、ヘビ君たちを恐れ、路線バスと悪戦苦闘する必要もないわけだ。

 上野の国立西洋美術館にシニャックが1枚収蔵されていて、学部生時代からクマ助は、彼の「サントロペの港」のファン。いつもの常設展に出ていたかどうか定かではないが、「シニャック」とか「サントロペ」とか言われると、今も胸がドキドキするし、近い将来、サントロペに長期滞在してみたいと考えている。

 シニャックは、カシスの海も描いている。今日の写真で示した①「カシス・ロンバール岬」と、②「カシスの防波堤」または「カシスの桟橋」の風景であるが、ミもフタもない写真に比較して、シニャックのパステルカラーの点描がどれほど可愛く美しいか、まあ諸君も画像検索で確かめてほしい。

 というわけで、美術の世界でもここはカシス。どうしてガイドブックちゃんたちが「カシ♨カシ♡カシ」と連呼するのか分からないが、まあポリシーなら仕方ない。最近はマドリードの「ド」を省略して「マドリー」と表記するウルトラ・コダワリのヒトも多いみたいだから、カシスをカシでも、まあいいや。
白ワイン
(カシスのカフェで、有名な白ワインを1本カラッポにする)

 さて実際のカシスであるが、写真でも分かる通り、カシスのビーチはまだイモ洗いの状況。ただし(イモ洗い☞「胃も荒い」と変換するmac君に感激しつつも)やっぱりバカンスは終わりに近づいていて、海辺のカフェやレストランは「シーズンオフに向けて店じまいの準備」みたいな、ソワソワした雰囲気であった。

 夕方が近づいたカフェに陣取って、有名なカシスの白ワインをボトル1本ペロリと空っぽにしてみた。日本人の大好きな「辛口」というヤツらしくて、これなら飲み助☞クマ蔵はいくらでもいける。

 白もいいが、ロゼも旨そう。思わず「もう1本!!」と言いかけたが、諸君、「これから路線バスを乗り継がないと帰れない」という条件が、クマに重くのしかかる。

 ワイン2本をカラッポにしたりすれば、「飲んだ液体はやがて出口を求めて暴れだす」ということも考慮に入れなければならない。路線バス乗り継ぎと、液体の出口。この2つを考えあわせれば、「1本でヤメにしておく」という慎重さが求められるじゃないか。
ロゼワイン
(ロゼは、マルセイユで飲むことにした)

 この場合、「今日はこのままカシスに宿泊」という手も残っている。荷物はマルセイユに置いたまま、カシスの安い宿で1泊して帰る。今井君の旅ではその種の行動も珍しくないので、コース料理にない自由と自治と柔軟性こそ、クマ助の持ち味だ。

 しかし諸君、実はこの翌日(9月4日)には、早朝からトンでもなく柔軟な驚くべき行動計画を立てていて、そのために「カシス宿泊」はどうしても思いとどまらなければならなかった。

 ま、ここは素直にマルセイユに帰ることにしようじゃないか。まだ10日もこの辺をウロウロするんだから、機会があったらまたカシスを訪問することだって可能じゃないか。

 では、「明朝のトンでもない驚愕の行動計画」とは、いったいどういうことなのだろうか。そこんトコロは、まあ明日の記事を楽しみにしてくんなまし。きっとホントに驚愕でござるよ。

1E(Cd) Holliger & Brendel:SCHUMANN/WORKS FOR OBOE AND PIANO
2E(Cd) Ashkenazy:RACHMANINOV/PIANO CONCERTOS 1-4 1/2
3E(Cd) Ashkenazy:RACHMANINOV/PIANO CONCERTOS 1-4 2/2
4E(Cd) Wigglesworth & Netherland radio:SHOSTAKOVICH/SYMPHONY No.4
5E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 1/3
total m85 y2196 d15126
最近の画像つき記事
 もっと見る >>

Ameba芸能人・有名人ブログ

芸能ブログニュース

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。

      Ameba芸能人・有名人ブログ 健全運営のための取り組み