2015年01月07日(水)

Sun 141214 コース料理はイヤだ クマどんはラ・シオタを目指す(夏マルセイユ滞在記12)

テーマ:ブログ
 お寿司屋さんや天ぷら屋さんで「ウチはコースしかやってません」という店は少なくない。極めてプライドの高い旦那がカウンターの向こうに仁王立ち。「好き嫌いが激しいんで『お好み』でお願いします」と丁寧に頼んでも、「コースだけです!!」と厳しく突っぱねる。

 ついこの間も「お好みはやってますか?」とオズオズ尋ねてみたら、「やってません!!」と激しい口調で断られた。まるで叱られたようなミジメな気持ちになり、1種類しかない「コース」の天ぷらを、ションボリしながら1時間もボソボソかじっていた。

 もちろんワガママな今井君がいけないので、キライなものもガマンして食べてこそ、寿司や天ぷらのホントの有難味がわかるんだろう。どんなに野菜や山菜の天ぷらがキライだろうと、せっかくエラい店主様が揚げてくださった芸術品のような天ぷらに「キライ」などと発言するのは、閻魔さまだってきっと許してくれないのだ。

 しかし諸君、ボクは寿司なら「ひたすらコハダ」または「意地でもイワシ」「徹底してアジ」であって、ヒラメや鯛やカンパチには全く興味がない。天ぷらの場合は、「ひたすらキスとメゴチ」または「何としても稚鮎」「徹底的に栗と百合根」なので、コースの中の海老もホタテも牡蠣も、クマ助には不要なのである。
お茶
(マルセイユのホテルでは、毎日ミネラルウォーターが2本もらえた。1本は水のまま、もう1本は緑茶を水出しにして、観光中の水分補給を万全にした)

 こういうふうだから、お店のヒトももちろん困る。今井君が入った寿司屋では、1時間のうちにコハダがすべて消えてなくなったりする。ある天ぷら屋では、「このままではキスがなくなるぞ」「他のお客さんにメゴチを提供できなくなるぞ」と、お店の緊急会議が始まった。

 お会計の時にも、店の奥で驚きの声が上がったりする。
「天ぷらのキス8匹にメゴチ6匹、マトモな人間がホントに食べるもんだろうか」
「コハダの寿司ばかり10貫だなんて、そんなフシギな生物がこの世の中に存在していいものだろうか」
と、レジとカウンターの間で腕組みの討論会が始まるのである。

 「お好み」をお願いして、直ちに「そんなん、やってません!!」と叱られたのは、関西のある大都市の天ぷら屋さんだったが、店の旦那は「お好み」の一言でよほどイライラしたのか、今井君に徹底してツラくあたってきた。

 1個1個の天ぷらを、お皿の上にポイポイ捨てるように、箸で放ってよこすのである。昔なら「そんなことでは、サービス業失格ですよ」と色をなしてお説教を始めるところだったが、諸君、さすがに今ではすっかりオトナなクマ助だ。「これもまた一興」「話題作り」と考えて、旦那の不機嫌を黙って眺めることにした。
市場
(港のそばのアラビア人街。市場にはたくさんのテントが並び、鶏の丸焼きとスイカとメロンが旨そうだった)

 旅もまた同じである。旅で「コース」にあたるのが、いわゆる団体ツアーであって、毎日のスケジュールがパンパンに詰込まれ、
「午前7時ご集合、9時から美術館をご見学」
「ランチは3つ星レストランでフレンチをご満喫」
「午後はバスで3つの秘境にご案内」
「ディナーは民族舞踊をご覧になりながらオマール海老♡」
「憧れの5つ星ホテル(当社基準)にご宿泊(オプション)」
というアリサマである。

 そういう連続攻撃に7日も8日もさらされ、新聞広告で見てみると、最終日でさえ「旅の思い出を胸に、一路帰国の途へ」という所まで、カチンカチンに固められたコース料理と択ぶところがない。

 そんなツアーに万が一クマ助が参加したら、2日目にはもう添乗員さんに自由と自治を求め、革命を企て、決起☞反乱の先頭に立ち、バリケードには自由・平等・博愛の旗を立てて、「オマール断固阻止」「フレンチよりお茶漬けを」と、仲間と肩を組んで合唱しはじめることと思う。

 こういうふうで、コース料理や団体ツアーを嫌悪すること人一倍、正確には「人百倍」なクマであるから、旅のスケジュールは極めて臨機応変であり、フレキシブルこそ旅の本質であると信じて疑わない。
バス停
(マルセイユからラ・シオタゆきのバス停。バスは1時間に1本しかない)

 マルセイユの旅でも4日目(9月3日)にして、当初の計画に全く入っていなかった小旅行をいきなり企てた。昨日(9月2日)の午後に船から眺めたカランクがあんまりキレイだったから、海からばかりじゃなくて陸側からも見てみたくなった。

 「陸側からのカランク」となれば、目指すべき町は2つ。ラ・シオタとカシスであるが、2つの選択肢がある場合、マトモなヒトは「どちらか一方を選択する」という慎み深い行動がとれる。しかしそこはそれ、今井君はマトモなヒトというより貪婪なクマであるから、「2つあるなら2つとも」でないと絶対にイヤなのである。

 歌舞伎や文楽で「昼の部」「夜の部」に分かれていれば、必ず「昼☞夜の部、通し券」を買い求め、後になって「午前10時から午後9時までぶっ通しじゃん」と気づいて困惑し、絶望を感じる。獰猛、貪欲、貪婪。いやはや困ったクマであって、外国を旅していても悪いクセはちっとも改まらない。
ラシオタ
(ラ・シオタの港。すでに閑散として「バカンスは終わった」の雰囲気だった)

 ラ・シオタもカシスも「バスでなければアプローチできない」「そのバスも1時間に1本だけ」という田舎町である。しかも2つの町に直通のバスはなくて、中間のAubagne(オーバーニュ)の町で乗り換えが必要。こういう2町を1日で訪ねちゃおうと計画して、計画しながら同時に絶望感が漂いはじめた。

 もちろん、「鉄道で行く」という選択肢はある。マルセイユからラ・シオタまではローカル列車が走っていて、「ラ・シオタ駅への列車到着」L'arrivée d'un train en Gare de La Ciotatというタイトルの映画もあるぐらいだ。

 映画の制作は1895年、上映は1896年。リュミエール兄弟による白黒サイレント・わずか50秒の作品で、「世界初の有料上映映画」。日本が日清戦争に明け暮れていた時代、まさにこのラ・シオタの町で、世界初の映画上映が行われていたのだ。

 しかし諸君、その120年後、ラ・シオタの駅に今井君がノコノコ降り立ったとしてみたまえ。「駅から町の中心部まで、徒歩40分」「駅前にバスもタクシーもいない」という恐るべき情報に接し、「鉄道はヤメて、不便でもバスで行く」という結論に達した。

 しかもそのバスは、マルセイユ中心部から出ているのではない。地下鉄2号線Castellaneの駅前に無数の屋台が立ち並んだ市場があり、屋台のテントをかきわけ&かきわけ進んでいくと、くすんだ裏町にポツンとバス停が立っている。バス停を探しまわるだけで大汗をかいたが、ラ・シオタゆきのバスはここから出る。
ビーチ
(ビーチも閑散としていた)

 こういうバスが「時間通りにやってくる」などと考えるのは旅のシロートだ。時刻表には間違いなく「10時30分発」と出ているが、バスがやってきたのは10時50分。アキラメ顔の地元高校生たちに混じり、20分もジリジリ待って、ようやく姿を現したバスに大人しく乗り込んだ。

 白く輝く石灰質の山々に遮られ、バスからは海岸線は見えない。やがて高校生たちはみんなAubagneで降りていき、「ホントにラ・シオタに着くのかね?」という若干の不安に苛まれ始めた頃、遥かかなたに青い海と赤い断崖(昨日の写真3枚目を参照)が一瞬見えて、45分のバス旅は終わった。

 バス停前の観光案内所で地図をもらい、係の優しいオニーサンに「オススメのビーチ」を尋ねた。閑散とした港をグルリと回って、またまた大汗をかきながら炎天下を歩くこと30分。目の前に弧を描いて、静かなビーチが横たわっていた。

 「おお、海じゃ海じゃ」ではあったが、諸君、海から見るのと陸からアプローチするのとでは、同じ海岸でも印象は全く違うものである。鄙びた風景は、まさに日本の田舎の小さな海水浴場。確かに海は青く澄んで美しかったが、船からウットリ眺めた時とはまるで違った光景であった。

 もちろん、この町に1週間ぐらいとどまってボンヤリするのなら素晴らしいのだろうが、まだまだ働き盛りのクマどんに、そんな余裕はござんせんよ。ワガママな割には忙しく動き回る旅の途上、すぐにキビスをかえしてバス停に向かい、次の目的地・ワインでも有名なカシスの町を目指すことにした。
 
1E(Cd) Tower of Power:URBAN RENEWAL
2E(Cd) Tuck & Patti:CHOCOLATE MOMENT
3E(Cd) 村田陽一 & Solid Brass:WHAT’S BOP
4E(Cd) RUSSIAN MEDIEVAL CHANT
5E(Cd) Menuhin:BRAHMS/SEXTET FOR STRINGS No.1 & No.2
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