2014年10月12日(日)

Thu 140918 ニセ地元民 締めくくりステーキ 平らげた肉の総量(おらんだ先生訪問記49)

テーマ:ブログ
 旅の終わりごろになるといつも感じるのは、「オレってもしかして、地元民になりかかってんじゃないか?」という疑問である。
 路線バスを乗り回し、観光客に道を尋ねられ、スーパーの常連となり、鏡に映った表情も態度もすっかり地元に溶け込んで、雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ、1日に3個のタマゴと2枚のステーキを平らげ、トルコでトルコ人に「トルコ人っぽい」と指摘され、そういう者に私はなりたいし、実際になってしまいかけている。
 問題は、「このままいたら、ホントに地元民になりかねない」ということである。このままここにいるのか、帰るのか。このまま地元民になっていいのか、いけないのか。まさに「That is the question」であり「それが問題だ」であって、宮沢賢治とハムレットを混ぜ合わせた妙竹林な日本グマは、ホテルの部屋でますます妙竹林になっていく。
ステーキ1
(締めくくりは、カフェ・ルーチェの焦がしソースステーキ)

 ただし、アタマでは決められないことも、キチンと胃袋が解決をつけてくれるから、生物というものはマコトに便利にできている。外国で2週間が経過すれば、胃袋がひたすら和食を求めはじめる。胃袋が指し示す方向に素直に従っていけば、肉体はいつの間にか故郷ニッポンに帰り着いている。
 どんなに肉が好きでも、アルゼンチンで2週間ステーキを食べつづければ、やっぱり寿司が恋しくなる。ベルギーで2週間延々とムール貝を食べ続けたときは、ムール貝の匂いを感じただけで食欲をなくしたものだった。
 サンパウロでは、「連日連夜ラーメン三昧」という奇妙キテレツな生活をしたけれども、それでもやっぱり2週間で日本が恋しくなった。サンパウロのラーメンはやがて見るのもイヤになり、日本のラーメンにありつくために、夢中で(実際にはパリ経由で)日本に帰ってきた。
 こうして、「ニセ地元民がホンモノの地元民に変化するには、アタマでも心でもなく、胃袋を変えなければならない」という真実に気づく。外国語を征服し、地元民並みにペラペラのペラペーラになったとしても、胃袋が塩ジャケと熱いお茶漬けを求めているうちは、まだまだホンモノにはなれないのだ。
ステーキ2
(これ以上は考えられないジューシーな切り口)

 フローラホランドでたくさんの花々が世界へ旅立つ姿を目撃し、何だか嬉しくて目頭が熱くなるのを感じた後も、今井君はキチンと路線バス172番に乗ってアムステルダム市街に戻ってきた。
 バスはガラガラ。地元のママと幼児が乗っているだけである。「地元の幼児」は世界中どこへ行ってもワガママのし放題、ママもワガママのさせ放題であって、他人の迷惑にならない限り、今井君はそういう情景もまた大好きである。キチンと大人しくしている幼児なんてのは、見ていて少し可哀そうになる。
 昼下がりの路線バスを暢気に満喫した後は、「締めくくりにステーキでも食べに行くか」と心はカンタンに決まった。もちろん正確には「心が自発的に決めた」ではなくて、「胃袋が心に命じた」が正しい。コンセルトヘボウの手前でバスを降りれば、この旅の間に3回も訪れてすっかり馴染みになった「カフェ・ルーチェ」は目の前だ。
 考えてみれば、マコトに長いオランダ滞在であった。あんまり長く滞在したせいでクツの底がベロンととれちゃったのもこのあたり。呆然と立ちすくむ東洋のクマを、ショーウィンドウからブチ柄のネコがじっと見守っていたものである。
メニュー
(不動のメニューは黒板にある)

 あくまで「カフェ」であるから、普通の人なら「カフェのステーキなんてそんなに旨いの?」と半信半疑になるのが当たり前。今井君だってもともとは「半信半疑」どころか、「1/5は信じても4/5は疑っている」というのがホントーのところであった。
 驚くべき焦がし醤油風味のソース。ソースの海の中で、分厚いステーキは孤独な島のようである。この段階でもまだ「半信半疑」。だってやっぱり「カフェ」じゃないか。カフェなのに、こんなメッチャ手の込んだステーキなんか出して、ナマイキじゃないか。
 肉をひときれ口に含むまでは、誰だってそう思うはず。世界中のシェフというシェフが、みんなオッカナイ顔で腕組みしながら、じっとこのステーキを睨みつけるに違いない。
 どうしてシェフの写真って、みんなオッカナイ顔で腕組みばっかりしてるんだろう。腕組みならまだいいが、「ファイティングポーズ」なんてのもある。もっとやさしく、満面の笑みでフライパンを掲げた写真のほうがいいんじゃないか。
オカワリ
(2枚目のステーキが運ばれてきた)

 こんなふうで、最終日のカフェ・ルーチェでも結局「ステーキのオカワリ」という暴挙を演じることになった。1枚目のステーキを貪りつくした段階で、赤ワインはまだボトルに半分も残っている。せっかくのワインを無駄にしないためにも、どうしても「ステーキもう1枚」の一言を発する結果になる。
 すると諸君、マコトに不思議なことに、2枚目ステーキの1/3も食べないうちに、今度はワインがカラッポになる。仕方ない、ステーキの残り2/3を美味しく食べるためにも、「赤ワイン、もう1本」ということになる。
 こうしてステーキとワインとが互い違いになり、思わず無限ループが始まりそうになるが、そこはそれ、しっかりとした常識と限度をわきまえた今井君のことだ。ステーキ2枚&ワイン2本、このへんをチャンと常識的な一線と認識し、ニッコリ笑いながらナイフとフォークを置くことにした。
ルーチェ
(外から見たカフェ・ルーチェ)

 アムステルダム滞在13日間。ステーキ屋に入ること、延べ10回。うち8回は「オカワリ」の暴挙に出て、当然ワインも2本平らげた。すると、まさに単純計算であるが、飲み干したワインは18本、貪ったステーキも18枚ということになる。
 1枚平均350グラムと計算して、18×350=6300グラム。諸君、身の毛もよだつ数字であるが、2週間でクマが平らげたウシの肉は、6キロを優に超えていたのである。こうしてクマの肉体は、その相当部分をウシとムール貝で形成することとなった。
 うにゃ、積み重ねとはマコトに恐ろしいものである。受験生諸君も、オトナの皆様も、ぜひこんなふうに着実に日々の一歩一歩を積み上げてくれたまえ。奇跡的な成果は、その後でなければ決して生まれないのである。

1E(Cd) デュトワ&モントリオール:ロッシーニ序曲集
2E(Cd) S.フランソワ& クリュイタンス・パリ音楽院:ラヴェル/ピアノ協奏曲
3E(Cd) Paco de Lucia:ANTOLOGIA
4E(Cd) 寺井尚子:THINKING OF YOU
5E(Cd) Ono Risa:BOSSA CARIOCA
total m101 y1707 d14637
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