2014年09月15日(月)

Fri 140822 重苦しい予感 エネルギーの解放 風車群は現役だ(おらんだサトン事件帖33)

テーマ:ブログ
 「こりゃたいへんな朝食を貪っちゃったな」と、後悔の念が湧きあがるのを感じたのは、ザーンセスカンスの風車の群れに向かって突進を始めてからのことである。
 昨日の写真4枚目を、是非もう1度眺めてみてくれたまえ。タマゴ3個、ローストビーフ4枚、大きなパンが2枚。これにシュワシュワ泡を吹き上げる黄金色の飲み物1瓶が加わり、もともと朝食を食べる習慣のない今井君は、ポンポンの奥深いところに違和感を感じはじめていた。
 「違和感」と書けば何となく高級な悩みみたいだが、残念ながら実際にはマコトに下世話なヤツであって、口から食べたものが出口を求めてひたすら前進しようとするエネルギーを、ポンポンよりちょっと下のあたりに感じていたのである。「果たして自分はこのエネルギーに抵抗できるだろうか?」という重苦しい不安ほど、近現代人を頻繁に悩ませてきたものが他にあるだろうか。
 中世まで、人がこの不安に悩むことはあまり多くなかった。汚い言葉をつかえば「垂れ流し」であって、旅のさなかでも、このエネルギーを解放して自由になるために「どうしても密室にこもらなければならない」とは、多くのヒトは考えなかったはずである。
 近現代とは苦しみの時代であって、電車の中、ヒコーキの中、会議中に授業中、ふいに「あれれ♡」「こりゃマズいな♨」「やべ♨」と心で絶叫する。そこから先はまさに孤独な戦いであって、それが授業中の予備校講師なら、自分が何を喋っているかも分からず、ひたすらチャイムの鳴るのを願うばかりである。
風車群1
(ザーンセスカンス風車群 1)

 旅の途中、思わずハメを外して朝食を目いっぱい貪ったりすると、このピンチに襲われやすい。どんなに旅慣れても、旅には独特のストレスがつきものであって、ストレスが加われば問題のエネルギーが急激に高まる危険も大きくなる。
 ヒコーキに乗っていて、「最終の着陸態勢に入りました」のアナウンスが入ると、今でもいつも緊張する。そこからの30分、下降→着陸→スポットへの移動と、静まり返った機内でできることと言えば、咳払いぐらいがせいぜい。エネルギー解放のチャンスは、遥か遠い未来にしかない。
 8年前のボローニャ滞在中、2日連続でこのピンチに襲われた。最初はイザベラ・デステの街フェラーラで。次の日は生ハムとチーズの街パルマで。フェラーラのピンチはマクドナルドに駆け込み、パルマのピンチはオミヤゲ屋の地下に駆け込んでクリアしたが、どちらも「ハメを外した朝食」が原因だった。
 あの頃は、「ハメを外した朝食」が常態化していた。3つ星レベルの中級ホテルに宿泊し、ビュッフェ形式の朝食テーブルにつけば、吾輩の精神年齢は小学4年生ぐらいであるから、
「食べられる限りを食べまくる」
「食べられないほど皿に盛りあげる」
「それを平らげたら、何度でもお皿を代えて、周囲のお客をビックリさせる」
「万が一シャンペンが出ていたら、そのシャンペンもカラッポにする」
の類いの幼い行動を抑制することがどうしても出来ない。
鴨親子
(オランダの水鳥たちは子育ての真っ最中だった)

 肉体の消化器官とは、細長い筒のようなものであって、要するに紙玉鉄砲と同じである。入口から詰込めば、出口からポンと出る。その「ポン」が「ポン」で済めばいいが、人間の肉体はそこまでカワイク出来ていないから、「ポン」以外にいろいろな異物が飛び出したり、まあそれ以上の解説はヤメておくが、好ましくない様々な結果が常に伴うことになる。
 小学校低学年の理科の時間に必ず紙玉鉄砲の原理を説明するのは、コドモたちにこの当たり前の理屈を示すことによって
「だから、あんまり朝食を食べてきちゃいけないよ」
「ホドホドに、ね」
「人に迷惑をかけないように、自分を抑制しなきゃね」
と教えるためなのかもしれない。
 だからこのごろのクマどんは、抑制を確実にするために「予約時に『朝食つき』を申し込まない」と決めている。または、「普段着で朝食会場に出かけるのが憚られる」という類いの高級ホテルを選ぶ。
 ロンドンのホテルリッツなんか、朝食でもドレスコードつきだ。男子はスーツにネクタイに革靴じゃないと、レストランの入口で「そんなカッコじゃ困ります」と門前払いになるのである。これなら、「メンドクサイから食べない」という安心&安全な選択肢を選ぶことは確実だ。
仔猫
(ザーンセスカンスのネコどん。とりあえず、水鳥たちを狙っている様子はなかった)

 しかしそれでも危険は常につきまとう。コモ湖畔の超高級ホテル「ヴィラ・デステ」は、ウルトラ大スターがヘリやプライベートジェットで訪れるほどであるが、不用意にもそこに闖入してしまった今井君は、朝食でもシャンペンが飲み放題であるという事実にたちまち着目するに至った。
 ウルトラ大スターが休暇でコモ湖にやってきた場合、「どっちが朝でどっちが夜だか分からない」ぐらいに遊びまくる。朝食にシャンペンなんか当たり前というか、それを置いていないホテルは、たちまち選んでもらえなくなる。ビュッフェにも高級シャンペンが「当たり前でしょう?」という感じで並んでいた。
 バブルの日本に「朝シャン」という流行語があった。朝シャンプーするのが贅沢と考えられた時代のことであるが、今井君にとって朝シャンは→朝シャンペンのこと。朝シャンペンを飲みまくって、それからまたベッドに入る。そういうウルトラ大スターの休暇を、何度もマネしてみたのだった。
 だからヴィラ・デステの時も、小ピンチの連続になった。コモから船に乗って、ベラッジョやメナッジョの町を目指すのであるが、このお船の旅に3~4時間はかかる。目的地に着くまでに、船の揺れのせいでお腹の中のシャンペン君が調子良く泡立ち、やっぱり出口を求めて暴れだすわけである。
風車群2
(ザーンセスカンス風車群 2)

 ザーンセスカンスの今井君は、以上に詳しく説明した類いの、重苦しい困ったエネルギーの発生を感じた。爽快さのあまり、朝食としては明らかにハメを外してしまった。自業自得というか何というか、これから1日、不安感に苛まれることになる。
 しかし、そうは言っても「後悔先に立たず」。避けがたいエネルギーを解放し、安心に浸るための小部屋が決定的に不足しているこの村で、風車の群れに突進するドン・キホーテを演じつづける以外に道はない。
 2008年11月、今井君はスペインの田舎町コンスエグラでも「風車の群れに突進」をやった。マドリードからバスで1時間余り、コンスエグラの風車群は小高い丘の上にズラリとならんでドンキ今井を待ち受けていたが、スペインの赤土の大地を風が吹き荒れ、なるほど風車が働くには絶好の条件が揃っているようだった。
風車群3
(ザーンセスカンス風車群 3)

 スペインの風車に比較して、オランダの風車は圧倒的に大型である。北海から吹きつける強風を4枚の羽に受け、マコトに豪快に力強く回る。ドンキ君なんかが突進しても全く相手にならない迫力であって、この豪胆なエネルギーで、今も現役として立派に働いている。
 風車の中は工場になっていて、ライン河の上流で伐採された巨大な原木を、風の力だけでキレイに製材していたりする。他にも製粉・製油工場が並び、すでにそろって退役兵になっていたコンスエグラとは対照的である。
 周囲は、オランダでよく見かける水浸しの田園風景。どこへ行ってもタップリの水があり、水路には水鳥たちが浮かび、無数のカエルののどかな鳴き声の中、ママ鳥たちがたくさんのヒナをつれて悠然と泳ぎ回っている。
 確か日本の米作りに「合鴨農法」というのがあった。カモに病害虫を駆除してもらって、農薬の使用量を減らす。よくは分からないが、オランダのたくさんの水鳥たちも、同じ役割を担っているのかもしれない。何しろ江戸時代250年、オランダは長く日本の先生であり続けてきたのだ。そのぐらいのことは十分に考えられるんじゃないか。

1E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 3/3
2E(Cd) Cluytens & Société des Concerts du Conservatoire:RAVEL/DAPHNIS ET CHLOÉ
3E(Cd) Solti & Chicago:MAHLER/SYMPHONY No.8 1/2
4E(Cd) Solti & Chicago:MAHLER/SYMPHONY No.8 2/2
5E(Cd) Barbirolli & Berliner:MAHLER/SYMPHONY No.9
total m118 y1413 d14343
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