2014年09月12日(金)

Tue 140819 巨大ステーキ2枚 胃袋ビジュアル おらんだや(おらんだサトン事件帖31)

テーマ:ブログ
 350グラム超のデカいステーキを見事にペロリと平らげてみせた気分は、マコトに爽快そのものである。「ホントに食べれんのか?」「日本人が食べられるわけないだろ?」と愉快そうに笑っていたウェイターの表情が、みるみるうちに驚きに支配され、ほとんど「恐る恐る」という様子でお皿を片付けにくる。
 「デザートはどうなさいますか?」というわけであって、この時すでにヒラヒラした小型の「デザートメニュー」を片手に持ってくることも多い。まさか、目の前のクマが「もっとお肉!!」とヨダレを垂らすとは、全く思ってもみないのである。
 ところがこの日本のクマ君は、鉄の胃袋を誇るたいへん困ったヤツである。現時点で胃袋の中にステーキがたった1枚。まだまだお肉が入る余地はタップリ残っているし、ムダなスペースが空いていれば何となく居心地が悪い。クマ君はウェイターに「同じステーキをもう1枚」「またミディアムで」と告げる。
居酒屋1
(アムステルダム「おらんだや」の風景 1)

 この瞬間のウェイターの表情は、何とも形容しがたいものがある。欧米人でも滅多に「オカワリ」という暴挙に出るものはいない。レスラーとか、ラグビーのフォワードとか、アメフトのディフェンスとか、人類の歴史上最も激しい食欲を誇る類いのヒトビトなら別のこと、今井君は要するに中肉中背の中年であって、外見上特に目立った特徴は見当たらない。
 そういう中肉中背が、ニヤニヤ何だかフザけた笑顔を浮かべて、いきなり「お肉のオカワリ!!」と、史上マレに見るワガママを言う。ウェイターもウェイトレスも、「もちろんOKです」「何の問題もありません」と頷いて、即座にその場を立ち去るのである。
「困ったヤツだ」
「このまま関わり合いになったら、さらにどんな暴挙にでるか分かったものではない」
「君子、危うきに近寄らず」
 ま、そういうことである。ついさっきまで愛想良く笑顔でネロネロ話しかけてきて、「ニホンから来たのか?」「トーキョーか?」「トーキョーは忙しい街だと聞いたが、ホントーか?」とか、いろいろ話しかけてきていた若いウェイター君も、「オカワリ!!」以降は「ワタシ、いま忙しいものですから」と、ヨソヨソしい素振りを見せるようになる。
タイヤキ
(オランダにも鯛やき屋が進出していた)

 ではクマ君が2枚目のステーキに四苦八苦するかというと、そんなことは全くないのである。1枚目とほとんど同じように、ナイフでワシワシ切っては、見た目以上に健康な歯でワシワシ咀嚼し、ベルトコンベアよろしくポンポン胃袋に送り込む。2枚目もまた、15分もかからない。
 そこで問題は「3枚目!! をどうするか」という点に集約される。「鉄の胃袋」と言っても、その胃袋の形に異常は見られない。理科の時間に習った通り、保健体育の教科書で見た通りの、ナスビを押しつぶしたようなイビツな形状である。
 そこに肉のカタマリ2枚を送り込んだ。そのビジュアルを想像してくれたまえ。巨大ナスビの袋の中に、どすん&どすんと2つのカタマリを送り込んだアリサマ。それをマブタの裏に思い浮かべれば、おお、まだ隙間がたっぷり残っているじゃないか。
 野菜も米も何にも食べていないから、隙間を埋めているのはスープとワインだけである。おやおや、ビジュアル的には、あんまり綺麗な絵ではない。隙間を何か別のもので埋めないと落ち着かないし、硬い肉のカドっこが胃袋の内壁に当たって痛そうじゃないか。
トウシバ
(さすがトウシバ。なかなかの浸透ぶりだ)

 そこでクマ君は、これ以上のお肉を諦めることにする。これ以上お肉を詰込むと、肉のカドっこがますます増えることになる。胃袋が内側からチクチクするなんてのは願い下げだから、残った隙間はもっと別のもので埋めたほうがいい。
 デザートは「エスプレッソ!!」と叫んで終わりにしておく。この時すでに今井君の頭の中では、「〆は居酒屋にすっかな?」とほぼ結論が決まりかけているのである。オランダに来て1週間が経過。クマだってそろそろ日本食が恋しい。恋しいのは、正確には日本食じゃなくて日本酒なのであるが、そんな違いに頓着する必要は皆無である。
 お勘定を済ませ、「VACA」のヒトビトには「また来ます」と告げて、今井君は前から目を付けていた和食「おらんだや」を目指す。VACAはライツェ広場付近、「おらんだ屋」はライ駅そばだから、徒歩で30分程度、トラムを利用すれば15分程度で済む。
 途中、スーパーに立ち寄って水にビール、タマゴにチーズを購入。スーパーと「おらんだや」の中間に宿泊中のホテルがあるから、買った食料品をホテルの部屋に置き、さていよいよ満を持して「おらんだや」のドアを押した。ステーキ2枚目が許容されるなら、お店だって2軒目が許されて然るべきである。
居酒屋2
(アムステルダム「おらんだや」の風景 2)

 今井君としては、「ナンチャッテ和食」を求めてこの店にやってきた。マトモな和食じゃつまらない。マトモな和食は日本に帰ればいくらでも食べられる。せっかくの海外なんだし、20年後にも30年後にも語り継げるような、見事に歪曲された和食を経験したいじゃないか。
 ところが諸君、残念ながら「おらんだや」はホントにホンモノの和食居酒屋であった。女将は日本のオカタ。尋ねてみたら「長崎の出身です」とおっしゃる。皿うどん、おいしゅーございました。久しぶりの日本酒も熱燗にしていただいて、ホントにおいしゅーございました。
 アルバイトの日本人ウェイトレスの中に、「明らかにモト生徒」と分かる女子がいて、店の奥のほうで何だか女将とヒソヒソやっているのが聞こえる。「ホントにお世話になった先生なんですぅ」☞「だったら、話しかけてみればいいじゃんー」というわけである。
 しかしこの場合、いくらヒソヒソ話が聞こえてきても、こちらから「今井です」「ワタシが今井宏です」と堂々と名乗りでるのは変である。ステーキ店では図々しいが、和食屋ではグッと内気に戻る。その変わり身が今井君の奥ゆかしいところであって、話しかける勇気の出ないモト生徒に、こちらから変にニッコリ声をかけたりはしない。
皿うどん
(おらんだや、皿うどんの風景)

 こうして諸君、我が胃袋は許容限度に近づいた。メインは2枚のステーキ。その隙間、下のほうに赤ワインとスープ。上のほうには皿うどんと日本酒。見事なグラデーションができあがって、ビジュアル的にもリアリー♡ビューティフル。東西文化の融合として、これ以上のものは考えられない。
 今やクマどんのポンポンは、国際法の父♡グロティウスも顔負けの平和と安定に向かい、東と西の文化がゆっくりと安定的に融合していく理想の姿を示しているわけだ。巨大ナスビな胃袋も、ついに悠然とその蠕動運動を開始した。
 もし世界が今井君の胃袋を見習ってくれたら、理想のグローバリゼーションなんか一夜にして完成するんじゃないか。そういうマコトに下らん夢にヨダレを垂らしつつ、ダラしないクマどんは翌4月24日朝まで惰眠を貪ることにした。

1E(Cd) Michael Davis:MIDNIGHT CROSSING
2E(Cd) Santana:EVOLUTION
3E(Cd) Sheila E. & The E-Train:HEAVEN
4E(Cd) Tower of Power:TOWER OF TOWER
5E(Cd) Tower of Power:URBAN RENEWAL
total m103 y1398 d14328
最近の画像つき記事
 もっと見る >>

Ameba芸能人・有名人ブログ

芸能ブログニュース

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。

      Ameba芸能人・有名人ブログ 健全運営のための取り組み
      芸能ブログニュース