2014年09月03日(水)

Sun 140810 ネコ3種 吾輩君との邂逅 再びカフェ・ルーチェ(おらんだサトン事件帖22)

テーマ:ブログ
 ネコと長年つきあってきた経験によると、ネコというものは大きく3種類に分けられるようである。
 世の中にはマコトに難しいヒトがいて、「ネコと長年つきあってきた」とか言えば、あっという間に「大きな口をたたくな」とニラミつけられそうで恐ろしいが、むかし「ブチ子」と7年、その後およそ10年の間を置いて、ニャゴロワ&ナデシコとすでに12年、合計20年近くになれば、そのぐらいのビッグマウスは許されて然るべきだろう。
 で、ネコの3種類であるが、①は「猫」、②は「ねこ」、③は「ネコ」と書き分けられるように思う。
 ①「猫」は、野性味を多分に残していて、ヒトとの付き合いは「淡交」。淡交とは「高貴な人のあっさりした交際」のこと。荘子の「君子の交りは淡きこと水の若し」からとった言葉で、京都には「淡交社」という出版社もある。
 猫としての気品を保ち、あんまり人間にベタベタせずに生きる。そのくせ虫とか鳥を発見すれば、いきなりその野生をいかんなく発揮、それが例えテレビ画面の鳥の群れであっても、果敢に飛びついては「餌食にせずんばあらず」という激しい勢いを見せる。
 これを見て客人は「さすが猫ですね」とタメイキをつくが、「猫や」「猫や」と猫なで声で呼んでみても、物陰に隠れて一向に出てこない。いわゆる「シャイ」であって、暗闇でも薄闇でも両のマナコをキラキラと煌めかせている。シマシマのナデシコがこのタイプである。
 「気安く触ってもらっては困る」というその気合いは、漢字の「猫」の雰囲気にピッタリである。声を出すことも余り多くないが、ニャオと一声高く鳴いたときには、「どうやら虫か何か、とにかく獲物を捕らえたようだ」と判断したほうがいい。
我輩君1
(バーカウンターに佇む吾輩君。詳細は後述)

 一方、②「ねこ」のほうは、ツンデレの「ツン」を圧倒的に退化させ、「でれ」ないし「デレ」を前面に押し出した感じ。ヒトに対してメッタヤタラにフレンドリーで、呼べばすぐにやってくるし、呼ばれなくても寄ってくる。ヒトが寝ていれば起こすし、新聞を読んでいればその新聞の上に長々と身体を横たえてジャマをする。
 ここまでフレンドリーだと、梅雨時の蒸し暑い晩とか、熱中症に注意という真夏の朝、ふと付きあうのがメンドーになる。「猫」とは違ってニャオニャオ絶え間なくおしゃべりを続け、名前を呼ばれればマコトに律儀に返事も返す。大きなアクビの最中でさえ、ヒトへ返事を怠らない。このまとわりつきかたが、平仮名の「ねこ」にマコトに相応しい。
 人間としては、「このねこにずいぶん好かれているな」とニヤニヤするのであるが、立ち止まってよく考えてみれば、別に人間なら誰でもいいので、客人にもニャオニャオまとわりつくし、宅配便のヒトでも電気工事屋さんでも、要するに人間のニオイがすれば、とりあえず甘えてみる。
 逆に、「無視されればタダではおかない」という気合いがあって、純白のニャゴロワがまさにこのタイプ。知らんぷりして近くを通り過ぎようとすると、右手を出してチョイと膝のあたりに触れ「おや、挨拶もないんですか?」と一声高く鳴いてみせる。
我輩君2
(吾輩君の勇姿、拡大図。詳細は後述)

 猫が「シャイ」、ねこが「フレンドリー」だとすれば、③カタカナのネコは「ヒューマン」である。このタイプのネコと一緒に生活したことはないから、これはあくまで想像に過ぎないのだが、ほとんど人間と同化したネコという生き物が、この世の中には存在するんじゃないか。
 あくまでイメージとしては、壮年期以降の雄ネコがこれにあたるのであって、壮年に達した雄ネコは、やがて一人称として「吾輩」などをつかいはじめ、山高帽にステッキ、場合によっては長靴下に革ブーツ、そういう出で立ちで長いオヒゲもキレイにまとめ、あらゆる場面で人間以上の行動をとろうとする。
 あんまりふんぞり返って歩くものだから、ふと後ろにひっくり返りそうになるほどが、雨が近づけば思わず顔を丹念に洗ってみせるし、ネコじゃらしを差し出されれば「まあ仕方がありませんな」という風情で付きあってくれる。その辺には「猫」の気品と「ねこ」のダラしなさも兼ね備えている。
 このブログでは、この3者すべてに「ネコ」というカタカナをあてているが、それはあくまで「読みやすさ」を考えてのこと。日本語が他言語に比較して圧倒的に読みやすいのは、別に我々が日本人であるからではなく、4種の文字をマコトに巧みに操り、驚異的なバランス感覚でベストの割合に調節しているからである。
ステーキ
(アムステルダム、カフェルーチェの焦がし醤油ステーキ)

 さて、ではどうしてネコの三者三様についてこんなに長々と述べてきたかというに、雄ネコと生活をともにしたことのない今井君がすっかり感激してしまうほど、「ネコ」のイメージにピッタリのヒューマンなヤツに、アムステルダムで遭遇したからである。
 場所は、コンセルトヘボウから徒歩5分、ゴッホ美術館から徒歩10分、ステーキで有名な「カフェ・ルーチェ」のバーカウンターである。音楽と美術の殿堂を間近に、紳士淑女の集う日曜のバーカウンター。まさに「吾輩」との出会いには理想的なシチュエーションであった。
 日曜の有名ステーキ店は、オランダからやってきた紳士淑女でごった返し、超満員である。「ただいま満席です。席が空くまでバーでお待ちください」という状況だが、そのバーカウンターもやっぱり満席。男子平均身長190cmのお国柄では、172cmの日本男児・今井君なんか「どこにいるのか分からない」というテイタラクである。
 それでもバーカウンター越しに何とか名前を告げて待つこと15分、最初の生ビールをカラッポにしたあたりで「Mr. Imai!!」と声をかけられ、大きなテーブルに招かれた。狂言で言えば「おおい、太郎冠者!!」☞「念のう早かった」と喜ぶ田舎の旦那のような気分である。
コンポート
(カフェ・ルーチェ「リンゴのコンポート」。これもオススメだ)

 吾輩君と出会ったのは、そのバーカウンターでのことある。彼は、白い上着のオジサマと赤い革ジャケットのオバサマとに挟まれ、すました表情で椅子に腰をおろして、落ち着いて自分の順番を待ち受けていた。黒のタキシード、白の手袋に靴下、真新しい純白のシャツがキラキラ光って、マコトに高貴な様子である。
 これが日本なら「カワイイ♡」「カーワイイー♡」「カワイクナイ?」というジョシコーセーや大学生女子の嬌声に包まれ、吾輩君としても苦笑しながらカウンターを立ち去るしかなくなるところである。
 しかし、さすが成熟の国オランダ。吾輩君のプライベートはキチンと守られる。カメラなんか構えて彼の威厳を損ねようとする不届き者は、ノコノコ日本からやってきた毛むくじゃらのクマ蔵どんぐらいのものである。
カフェルーチェ
(カフェ・ルーチェ、詳しくはこちら)

 4月20日、デン・ハーグ ☞ スフェーへニンヘン ☞ デルフトと縦横無尽に駆け抜けた今井君は、この日の夕食もまたカフェ・ルーチェの焦がし醤油ステーキを選んだのであった。
 まさかこれほどの大盛況とは思わなかったが、昨日「オカワリ」をした300グラムステーキは今夜も健在。お外で待たされているオランダ人も少なくなくて、香ばしいステーキをワシワシやりながら観察したところでは、2時間も待った挙句あきらめて帰っていった家族連れも複数いたようである。
 普段のクマ蔵どんは、こういう時には奥ゆかしく席もテーブルも譲るタイプである。しかし諸君、ここの焦がし醤油ステーキはあまりに旨い。今夜だってまた「オカワリ」もしなきゃいけない。地球を半周してオランダまでやってきたその努力に免じて、今夜のところは、吾輩君、まあ許してくれたまえ。

1E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 6/9
2E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 7/9
3E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 8/9
4E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 9/9
5E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 1/10
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