2014年08月28日(木)

Mon 140804 米倉斉加年と「飛び加藤」 聖ニコラス教会など(おらんだサトン事件帖16)

テーマ:ブログ
 一応は今日もオランダ旅行記を継続するのであるが、米倉斉加年(本日はすべて「敬称略」といたします)が80歳で亡くなったことについて、まさかこのクマ君が書かずにスルーすることは出来ないだろう。
 日本の演劇のルーツ「劇団民芸」出身。今井君にとっては「米倉斉加年」というよりむしろ「忍者・飛び加藤」として、記憶に鮮烈に焼きつけられている昭和の名優である。
 10年ほど前、一度だけ新幹線でお見かけしたことがある。名古屋から帰りの「のぞみ」9号車、同じ番号列の通路の向こう側で、お疲れの様子でホンを読まれていた。「ホン」とカタカナで書けば、書籍ではなくて台本のことである。
 今井君自身(2003年か2004年、代ゼミ名古屋校に毎週日帰りで出張していた頃である)も疲れていたので、サインをお願いすることもしなかった。もともとクマどんはウルトラ内気だから、有名人を見かけても「サインお願いします」などということはない。
 新幹線で出会った有名人には、安倍晋三・海部俊樹・森喜朗・桜内義男・野中広務・柄本明・草彅剛・草笛光子・金田正一・堺屋太一(本日は敬称略です)など数多いが、サインなんかもらったことは一度もない。
 しかし、新幹線でもヒコーキでも、すぐ近くで姿をお見かけして一番嬉しかったのは、何と言っても米倉斉加年である。今井君の中で、彼は「よねくら・まさかね」ではない。幼いコドモの頃に「よねくらさい・かね」と思い込み、実際に「よねくらさい・かね」と発音して周囲のオトナたちを爆笑させ、だからこそオトナになってからもずっと「よねくらさい・かね」と思い続けた。
 映画の主役を演じることはなくとも、主役を遥かに超えて見る者に鮮烈な印象を残す。テレビドラマでもやっぱり脇役ばかりであるが、脇役のそのまた脇役であっても、いつの間にか記憶には「よねくらさい・かねのドラマだった」という残り方をする。
米倉斉加年
(夢野久作「空を飛ぶパラソル」「瓶詰の地獄」「押絵の奇蹟」など。昭和53年・角川文庫。カバー画はすべて米倉斉加年である)

 NHK大河ドラマ「天と地と」で米倉斉加年が演じた「飛び加藤」こそ、まさにその代表格である。飛び加藤は、上杉謙信に使えた忍者。その技量があまりに優れているせいで、返って主人に疎まれ、無理難題を押し付けられるに至って、武田信玄の元に走る。米倉斉加年の演技が光る場面である。
 しかし武田信玄にもまた、あまりの技量の高さから疎まれるようになる。やがて織田信長に内通するようになる彼の本名は「加藤段蔵」。「飛び加藤」とも「鳶加藤」とも呼ばれ、「飛加当」と書く場合もある。海音寺潮五郎と司馬遼太郎の小説に登場、脇役の中のそのまた脇役である。
 その役を演じた米倉斉加年はまだ30歳代。無表情のまま自在に闇を飛ぶ男の不気味を、今もなお鮮明に記憶している。絵本作家・画家としても有名な好々爺として幸せそうな笑顔で天国に旅立ったが、彼は今井君にとって永遠に苦悩する「飛び加藤」の名優でいつづけると思う。
 というか、理想の立ち位置を示してくれた人でもある。主役は主役しか演じられない人に任せ、主役から距離を置いたところで渋く渋くホンノリ光りながら、気がつくと劇空間全体を支配しているのは間違いなく彼なのだ。
 しかも、ほとんどの観客はそれに気がつかない。川中島の戦いなら、主役はあくまで謙信と信玄。しかし「飛び加藤」が天と地との間の闇と混沌を駆け巡り、主役からも敵役からも一歩離れたところで、いつの間にか第3極として大きな存在感を示している。そういう素晴らしい立ち位置を守り続けた人だった。
カバー
(裏表紙に「カバー 米倉斉加年」とある)

 さて、まあ以上のような状況であるから、今日の記事にはあんまり派手なことやフザけた話を掲載するわけにもいかない。写真もやっぱり「地味に行かなきゃ」だから、まずはアムステルダムの教会の写真を載っけちゃおう。中央駅の駅前、トラムの終点近くの「聖ニコラス教会」である。
 聖ニコラスは、船乗りと学問の守護聖人であり、4世紀の東ローマ帝国・今のトルコに住んでいた。サンタクロースの元になった人である。ギリシャ語のニコラ ☞ ドイツ語ならクラウス ☞ 英語でクロースと発音が変化していけば、小アジアの「サンニコラ」が「サンタクロース」に変わるのは必然である。
 教会の位置は、アムステルダム港のすぐ近く。確かに、船乗りの守護聖人の教会が置かれるのに相応しいが、北国のサンタクロースにはコワーい相棒がいて、ドイツやオランダでは「クネヒト・ループレヒト」がサンタさんと一緒にやってくる。
「いい子には、サンタさんの袋からプレゼント」
「悪い子は、クネヒト・ループレヒトが袋に入れてさらっていく」
というのだから、マコトにオッカナイ年末である。サンタさんと入力したつもりが「三田サン」と変換してくるイタズラMac君なんかは、あっという間にクネヒト・ループレヒトにさらわれそうだ。
 「要するに、そりゃ秋田のナマハゲとおんなじだ」であって、得体の知れない鬼みたいなヤツが人の家に上がり込んで「わりぃ子はいねがぁ?」と狼藉のかぎりを尽くすのは、暗い北国の冬の共通点なのかもしれない。
教会
(アムステルダム中央駅前、聖ニコラス教会)

 ということになれば、わが「よねくらさい」のオジサマにもクネヒト・ループレヒトを一度は演じてほしかったし、もしチャンスさえあったら、この世の中で最もオドロオドロしいクネヒトを演じてくれただろう。
 いや、絵に描いてくれてもよかった。「よねくらさい」オジサマが描いたループレヒトなら、悪い子なんかみんな一瞬で大人しくなるはずだ。
「ナマハゲなんか、ちっともコワくないよ」
「だってあのナマハゲさん、駅前のコンビニでバイトしてる田中サンでしょ?」
みたいな憎たらしいお子様でも、「よねくらさい」オジサマの描くループレヒトには完全に参ってしまいそうだ。いいかいmac君。いつまでもそんなイタズラしてると、コワーいループレヒトが飛び加藤といっしょにやってくるよ。
旧教会
(アムステルダム旧教会付近、ここにも「チーズ計量所」がある)

 4月18日、アルクマールのチーズ市を満喫し、スープの湯気にすっかり温まったクマどんは、午後3時ごろの電車でアムステルダム中央駅に戻ってきた。
 この日の「ダッチ・ウェザー」は真骨頂を発揮。聖ニコラス教会で雨宿りして激しい雷雨はやり過ごしたが、その後も強い雨が降ったりやんだり、冷たい強風も吹き荒れた。
 それでもクマどんは駅前から東に回り込んで、「旧教会」付近を散策。ここにもまた「チーズ計量所」があって、もともとは15世紀に作られたアムステルダム城壁の一部分である。この近くが悪名高い「飾り窓地帯」。21世紀の先進国とは思えない旧弊が残る。雨に濡れながら一息に駆け抜け、すぐに街の中心「ダム広場」に出た。
雑踏
(ライツェ広場付近の雑踏)

 ここから今度は西に大きく迂回すると、今度は一転して文化のカホリ高い地域が続く。ライツェ広場 ☞ アムステルダム国立美術館 ☞ ゴッホ美術館 ☞ コンセルトヘボウ。「カルチャー大好き」な日本の高級オジサマ&高級オバサマなら、まさに狂喜乱舞しそうな超カルチャー地域である。
 しかしクマ君がわざわざこの地域に分け入ったのは、別に「美術館♡命」だからではない。もちろん絵画も彫刻も音楽も大好きだが、たくましく生きていくには、それ以上にずっと大切なことがあるじゃないか。
 と言えば誰でも分かると思うが、「メシ」であり「肉」であり「ワイン」であって、まず肉ワシワシ、赤身のガッシリしたステーキをワシワシのワッシワシ、何よりそれを優先しなきゃ、旅はちっとも楽しくない。
 選んだ店はコンセルトヘボウからすぐの「ルーチェ」。ここで今井君は、まさに前代未聞、「ま、おそらく日本人で初!!」と思われる快挙を達成することになるのだが、さすがに今日も長く書きすぎた。「今日はここまで」「どんな快挙かは明日のお楽しみ」ということにしようじゃないか。

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 7/10
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