2014年05月29日(木)

Mon 140505 しっかりした子 vs 難しい子 ランスへ(ヨーロッパ40日の旅 拡大編3)

テーマ:ブログ
 近所のオバサマたちの立ち話には、昔からよく登場する「しっかりしたお子さん」という褒め言葉があった。
「いいわねえ、しっかりした息子さんで」
「ホントにしっかりしたお嬢さんねえ」
というふうに、「しっかり」というのは無条件のプラス評価のようである。
 しっかりしたお子さんが成長すると、小学生のころは学校代表で市町村のコンクールに出たり、中学生になれば部活のキャプテンとして活躍し、県内トップの高校に入学した後は、全国模試で成績優秀者として表彰されたり、「あの子はきっと東大に行くんだね」と囁かれたりする。
 そうなれば当然のように「憧れの的」になって、男子でも女子でも2月14日にチョコに埋もれて窒息しそうになるし、むかしなら下駄箱がポストみたいになって、そこいら中の男子&女子からの意味不レターが毎日20通も30通もドサドサ溢れ出ることになる。
ランス1
(世界遺産、ランスのノートルダム大聖堂)

 むかしの今井君の周囲には、そういう「しっかりした子」が渦を巻いていて、ダメな子の代表格♡今井君としてはマコトにうらやましい限りだった。
 コドモの頃からみんなあんなにしっかりしてたんだから、今ごろはきっと中央官庁やウルトラ大企業の幹部クラスとして活躍しているだろうし、医者に教授、弁護士に社長、ヒトも羨むステイタスを獲得して、連日連夜バリバリ仕事をこなしているだろうと思う。
 小学高学年になると、そういう「しっかり君」の他に、「やんちゃ君」なんてのにも人気が集まりはじめる。しっかり君は生徒会長かなんかになってキャーキャー言われるのであるが、やんちゃ君の人気ぶりもまたマコトに羨ましい。「しっかりした子」と呼ばれるのも夢だったが、「ヤンチャで困ったヤツ」という評価も、それなりに悪くない。
バラ窓
(ランス大聖堂、バラ窓)

 ところが、コドモのころの今井君の評価は「しっかり」でもなければ「やんちゃ」でもない。幼い頃は「困った子」であり、ちょっと成長してからは「難しい子」ということになってしまった。「難しい子ねえ」「難しいヤツだなあ」。うーん、人間として生まれてきて、これほど屈辱的な呼ばれ方があるだろうか。
 ま、仕方ないといえば確かに仕方ないのだ。クラス委員に択ばれても、カタクナに辞退して帰ってくる。近所のオジサマにお小遣いをもらっても、それも意地でも辞退する。オウチにお客様が来ると「どういうお客様か」を確認した上で、挨拶することさえ拒絶する。これでは、「難しい」という評価が定着するのも無理はない。
 しかし少なくとも小中学生の男子が、周囲のオトナから「難しい子だな」と顔を顰めて呼ばれつづけたら、ますます性格は難しくヒネ曲がって、もう誰にも理解できないぐらい複雑に入り組んだ人間になってしまう。
バラ窓拡大
(ランス大聖堂、バラ窓拡大図。写りが悪くてスミマセン)

 「しっかりした子」なら、フランスに10日滞在したとして、きっと来る日も来る日もルーブルとオルセー美術館に通い、ヴェルサイユ宮殿を隅から隅まで見て回って、イヤが上にも充実した毎日を過ごすはずだ。小旅行なら、もちろん団体ツアーでモンサンミシェルを訪れるだろう。
 もし彼または彼女が旅行記を書けば、誰もが納得する美術館探訪記でほとんどが占められ、ディナーだってウルトラ高級3つ星レストランを連日訪れて、「へえ、スゴいグルメなんですね」と世間のヒトビトをウットリさせるはずである。
 ところが諸君、「難しい子」と呼ばれ続けたクマ蔵は、中年になっても相変わらず難しいオトナなのである。難しさには怪しく磨きがかかって、何だかブキミにデラデラしたシブい光を放っている。
 そのデラデラが「いぶし銀」と呼ばれるようになるまでは、まだ相当の年月がかかりそうなので、まだしばらくは「しっかりした子」たちのキンキンキラキラした栄光を凌ぐことは出来そうにない。
ランス2
(ランス大聖堂、微笑む大天使ガブリエルの像)

 パリからの小旅行の選択も、普通の人から見ると「何でそんなところに行ったの?」と首を傾げるようなものであるらしい。「そんなところに行って、何が面白いんだ?」「何か見るものあるのか?」と、呆気にとられたというより、「呆れた」「くだらん」という顔をされるのがオチである。
 しかし諸君、「難しい子」と言われつづけた今井君としては、パリからの小旅行先として、常にベストな選択をしているつもりなのである。昨年12月には、オンフルール・ルアーブル・リヨン・ストラスブール・コルマール。そしていま書いている旅行記の中では、ルーアン・ランス・アミアン・シャルトル。うーん、やっぱり難しいかねえ。
 中でも「ランス」という選択が珍しいらしい。手許にあるガイドブックを見ても、ランスは「リール近郊の町」というマコトに小さな扱いであって、地図すら付いていない。「芸術の町として再生したかつての炭坑町」と、冷酷なヒトコトで片付けられている。
 しかし諸君、クマ蔵は意地でもランスをオススメする。「難しいヤツだ」と強情を張らないで、クマの話をよく聞いてくれたまえ。まず、ここはシャンパンの町。有名メーカーが軒を連ねるし、ベネディクト会修道士・ドンペリニヨンがシャンパンを作っていた教会も、ランスのすぐ近くなのである。
ランス3
(ランス大聖堂、全体図)

 ランスのまんなか、「ノートルダム大聖堂」は、ステンドグラスの美しい世界遺産。5世紀の終わりごろ、フランク族の王クロヴィスがランスで洗礼を受けてカトリックに改宗し、それ以来フランス国王の戴冠式はランスで行う習わしになった。
 ランスのノートルダム大聖堂で戴冠式を行ったフランス歴代国王には、ルイ13世や14世、ルイ16世もいる。シャルル7世の戴冠式もここ。ジャンヌ・ダルクどんも一緒にランスに来たんだとさ。
 やがてナポレオンどんが台頭。ランスを無視して、パリのノートルダムで戴冠式を強行する。うーん、しかしクマ蔵はナポレオンが大っキライ。ヴェネツィアをヴェネツィアでなくしちゃったのもナポレオン、ランスの権威を失墜させたのもナポレオン。いったいこの男のどこが英雄なんだ?
 ついでにランスは、19世紀後半に花開いたフランスの炭坑文化の中心地である。炭坑文化の中心であれば、19世紀末の社会主義革命や共産主義革命の息吹のメッカであっても当然なわけで、ランスとリールは19世紀マルクス主義の総本山の趣きさえあった。
 そのあたりの事情をふまえて、エミール・ゾラは息もつかせぬ名作「ジェルミナール」を書いたのであるが、いまやフロベールもゾラもモーパッサンも、文学の世界では旗色が悪すぎる。
 だからこそ、「ランスに行ってきた」と言っても「そんな所に行って面白いのか?」という反応しか返ってこない世の中になってしまった。しかし諸君、今井君はこれからも、どんなに「難しい子だ」「難しいヒトだ」と言われ続けようが、一般人に理解されにくい辺境の旅を続けようと思うのだ。

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