2014年05月14日(水)

Sun 140420 マルセイユでションボリ コキヤージュでムックリ(ヨーロッパ40日の旅29)

テーマ:ブログ
 3月6日、ジェノヴァを朝早く出発したクマ蔵は、ヴェンティミリアでイタリア-フランス国境を越え、マントン☞モナコ☞ニース☞カンヌと、コートダジュールの美しい町々を列車で通過して、午後2時過ぎにマルセイユに到着した。
 マルセイユは、1975年の映画「フレンチ・コネクション2」で「麻薬の街」という不名誉なレッテルを貼られてしまった港町。ジーン・ハックマン演ずるポパイ刑事が激しい麻薬の禁断症状と戦うシーンを、今井君は当時「2本立て300円」だった池袋文芸座で見た。
 2002年の「ボーン・アイデンティティ」冒頭では、マット・デイモン演ずる主人公ジェイソン・ボーンが、マルセイユ沖を漂っているところを漁船に救い上げられる。記憶喪失のまま自らのアイデンティティを求めて冒険が始まるが、漁船が上陸するのもおそらくマルセイユ。ここからTGVでチューリヒに向かう。
 港町ということもあるが、イメージとしてマルセイユは何となく危なっかしい。そこいら中の薄暗闇に、危険の刃がキラキラ蠢いていいるような気がする。マルセイユ中央駅に到着した段階からもう腰が引けて、オッカナビックリで周囲を見渡した。
 駅からは地下鉄も利用できる。ただし、オッカナビックリで腰の引けている日本人が、マルセイユに到着してすぐにこの地下鉄を利用する気になれるかは、マコトに微妙である。構内はテンコモリの落書きで汚れ、照明も他の都市の地下鉄以上に薄暗く、犯罪多発地帯の真っただ中に飛び込んでいくような錯覚に陥る。
マルセイユ1
(海の紺色が印象的なマルセイユ旧港 1)

 ガイドブックにも「マルセイユはフランスの中でも治安が一番悪い街です」と書かれていたりする。日本人が「治安が悪い」と言うとき、その意味する中身は「移民の姿が目立ちます」に過ぎないことが多いのだが、移民が多いから治安が悪いというんじゃ、合法的な移民に対して失礼な話だ。しかし諸君、初めて訪れた人間にとって、この地下鉄の雰囲気はさすがにオッカナイ。
 大きな荷物を引きずりながらそんな場所をウロウロしていれば、「無力な観光客です」「どうぞカモにして下さい」と看板をかけているに等しい。地下鉄はもっとマルセイユに慣れてからにしようと決めて、ホテルまではタクシーを利用することにした。
 そのタクシー乗り場がまた物騒な感じ。タクシードライバーが大勢かたまって談笑しているのだが、実際には談笑というより、仲間の1人を寄ってたかってイジメているに過ぎない。
 そのイジメられていたドライバーが、今井君の担当になってしまった。乗り込んで行き先を告げ、クルマが動き出すと、仲間たちが一斉に手を打って歓声をあげ、意地悪そうに笑いこけた。「おお、オマエでもお客を乗せて運転できるんだ」という感じである。
 タクシーは、貧しげな裏町をノロノロ進んでいく。ボロボロの服を着たコドモたちが、路上でサッカーに興じている。タクシーが通ってもおかまいなしで、むしろクルマに向かって罵声を浴びせるぐらいの勢いである。
マルセイユ2
(海の紺色が印象的なマルセイユ旧港 2)

 臆病なクマどんは縮み上がる思いで「早く着いてくれ」「早く着いてくれ」と神に祈り、40日の旅のスケジュールの中に、評判の悪いマルセイユを入れてしまったことを早くも後悔しはじめた。
 ホンの7~8分ほどでホテルに着いた。幸いなことに料金のトラブルはナシ。頼りないが、まあ善良な運転手さんだったようだ。これから4泊するのは、HOTEL ROME ET ST PIERRE。古い修道院を改築したプチホテルである。
 「モト修道院」と書けば、いかにも由緒ある奥ゆかしいホテルだろうと考えるだろうが、ここに4泊はなかなかたいへんだ。階段は激しく傾き、床にも壁にも長年の汚れが黒く染みついている。
 何より大変なのがエレベーター。おそらくは100年も前のシロモノ。骨董品としての価値はあるだろうが、スーツケースを押し込むことさえできない。3階のお部屋まで、異様に傾いた階段を登って荷物を引っぱりあげることになった。
エレベーター
(骨董品のエレベーターと、傾斜した階段)

 部屋に落ち着いて一息入れながら、自分の顔が青ざめていくのが分かった。駅前の雰囲気といい、ホテルのアリサマといい、ここまで比較的順調に進んできた自分の旅が、ついに行き詰まってしまったように感じて、ガッカリ&ションボリしたのである。
 しかし諸君、ここからの怒濤の4日間で、今井君はマルセイユの街が大好きになっていく。今や「ヨーロッパで一番好きな街はどこですか?」と尋ねられれば、躊躇なく「マルセイユです♡」と答えるほどだ。1位・マルセイユ。2位・リスボン。3位はストレーザかねぇ。4位以下は決められないが、やっぱりこの1位と2位は不動である。
 マルセイユのどこがそんなによかったのか、自分でもハッキリ言葉で示すことができない。要するに「ウマがあった」だけのことかもしれないが、何しろ怒濤の4日間だった。
 アテネやドレスデンやイスタンブールなど、今井君は海外のいろんな街で大きなデモや暴動を目撃してきたけれども、この時のマルセイユほど大きな騒ぎに遭遇したことはない。
マルセイユ3
(海の紺色が印象的なマルセイユ旧港 3)

 暴動は、マルセイユ到着の2日後に始まった。宿泊したホテルの真下の広場を暴徒の群れが占拠し、まさに至近距離でフェンスが破壊され、暴徒を警官隊が追い散らし、やがて両者のにらみ合いになった。
 フェンスが破壊されたのは、初日の夕暮れにコキヤージュを楽しんだ店の目の前である。マルセイユ到着早々ガッカリ&ションボリしていたクマ蔵が、むっくり立ち直り始めたのが、このコキヤージュ店から。35ユーロで、生牡蠣20個、得体の知れないさまざまな貝類、大きなカニの半身、エビ10匹ほどが大皿3段重ねで運ばれてくる。
 「これでホントに35ユーロ?」であるが、ホントも何も、その35ユーロの中に、白ワインのデキャンタまで含まれている。お隣のテーブルに座ったフランスのオジサマが目を剥いて笑っている。「オマエ、やられたな」「日本人がそんなに食えるわけないだろ」「ま、頑張るんだな」という意味だ。
 もちろん、こういう時のクマ蔵は決して負けないのである。まずお得意の生牡蠣を20個、10分もかからないで平らげる。続いて白ワインを味方に貝類とエビ、最後にカニに立ち向かう。ワインはデキャンタなんかじゃ足りないから、当然「ボトルで1本」を追加。隣のオジサマは途中で呆れて立ち去った。
毛蟹
(ヨーロッパ某銀行のATMの看板だが、暴飲暴食したあとの目には「毛ガニ」にしか見えない)

 完食に勝ち誇っていったんホテルに戻ったけれども、いったんムックリ起き上がってしまったクマ蔵は、もう自分でも手をつけられない。コキヤージュを平らげたのは午後7時ごろだったが、10時にはもうお腹が減って、港の周辺を歩き回りつつ、「もう1軒ぐらいいいだろう」と矢も盾もたまらなくなった。
 冷たい風の吹き荒れる雨模様の夜だったので、注文したのは温かいブイヤベース。魚介のスープであるが、日本のレストランで出しているブイヤベースみたいな、チマチマお上品なシロモノではない。黄色いスープの中には、デカい魚がまるまる1匹。エビやイカもゴロゴロ入って、マコトにワイルドな食品なのであった。

1E(Cd) Holliger:BACH/3 OBOENKONZERTE
2E(Cd) Brendel:BACH/ITALIENISCHES KONZERT
3E(Cd) David Sanborn:INSIDE
4E(Cd) David Sanborn:TIME AGAIN
5E(Cd) David Sanborn:LOVE SONGS
total m97 y563 d13493
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