2014年04月10日(木)

Mon 140317 KDWとノルドゼー クーダムと東ベルリン地区(ヨーロッパ40日の旅5)

テーマ:ブログ
 こういうふうで、せっかくベルリン滞在なのに、ライプツィヒだのドレスデンだのへの小旅行を満喫していたので(スミマセン、昨日の続きです)、肝腎のベルリンがおろそかになってしまった。
 どんなガイドブックにでも出ている定番観光地は見たけれども、裏町での思いがけない発見とか、観光客の行かない静かな街での優しいオバーチャンとの出会いとか、その類いの話をここに書き込めるほどの濃密な滞在にはならなかったのである。
 もっとも、偶然出会ったオバーチャンが必ずしも「優しい」とは限らないので、底抜けに意地悪なバーチャンだの、こちらの親切をムッとして払いのける無愛想なジーチャンだの、そういう困った人たちもいくらでも存在する。
 しかしそういう出会いもまた旅の楽しみであり喜びなので、ついこの間2014年の北海道で出会った「ホッキ貝バーチャン」なんかはまさにその典型。あの時は確かに唖然としたが、おかげで北海道のノンキな休日に思いきりアクセントがついた。
 だから、ベルリン滞在が正味たったの4日間というのは、今考えればマコトにもったいなかった。その後悔のおかげで、ドレスデンもベルリンも「近いうちに必ずもう1度」という候補のトップ10に入っている。
 特にベルリンは、急がなければならない。21世紀に入ってから、この街は一気に現代化が進んでしまって、どんどんアイデンティティを失っていくようである。要するに「いかにもベルリン」という味わいが消えて、「これなら別に東京やNYとおんなじじゃないか」とガッカリしなきゃいけなくなりつつあるようなのだ。
 もちろん、今井君の旅のやり方としては、この時のスタイルがその後すっかり定着した。1都市に長期滞在して、周辺都市への小旅行を放射状に繰り返す。このスタイルは、思った以上にスリリングなのである。
 ある時はバルセロナに2週間いて、フィゲラスやタラゴーナやバレンシアを訪問する。またある時はフランクフルトに2週間滞在して、ケルンやニュルンベルグやマインツやハイデルベルグに日帰り旅行を繰り返す。ケルンが気に入ったら、荷物はフランクフルトのホテルに置いたまま、ケルンで安いホテルに1泊する。そういう旅のやり方である。
12244 ベルリン市庁舎
(ベルリン「赤の市庁舎」の勇姿)

 さて2月13日、もう明日にはベルリンを離れてミュンヘンに移動だから、サト助はベルリンで見残してしまった街々をくまなく見て歩こうと考えた。
 実は1945年の同じ2月13日、連合国軍はドレスデンの空爆を開始。15日まで続いた無差別爆撃で、一般市民15万人が死亡したとも言われる。すると、昨日の記事で書いたドレスデンの大規模デモは、すでにドイツ敗戦が決定的になった後に行われた連合国の残虐行為に対する抗議デモだったのかもしれない。
 2月13日、そんなこととは知らなかった今井君は、まずヴィッテンベルグ・プラッツの百貨店KDW(カー・デー・ヴェー)を訪れた。この店は1907年創業。何もドイツで百貨店に行かなくてもよさそうなものだが、美術館なんかに入り浸っているよりも、ドイツ人の生活が遥かによく分かって面白い。
 若い諸君、外国を旅したら、何よりもまずデパートへ足を運びたまえ。デパートがなかったら、大きなスーパーでもいい。スペインならコルテ・イングレス。エジンバラでもミラノでもブリュッセルでも、地元のデパートはすぐに見つかった。
 見つからなかったら、大きな市場もいい。ブダペスト、アテネ、サンパウロ。肉と魚、チーズとソーセージ、果物と野菜を山ほど積み上げた市場に入り浸るのが大好きだ。安物を山と積み上げたサンパウロの巨大100円ショップも異様に面白かった。
 リオデジャネイロは、うーん、どうだったかねえ。空港からのバスで貧しい人々の街「ファベイラ」の恐るべきアリサマを目撃し、生ぬるい雨の中で黒い禿鷹が翼を広げる姿に縮み上がった。中心街カリオカでバスを降りてからも、とても百貨店なんか探す気にならなかった。
 あれが昨年9月のこと。もう半年以上も前になるが、オリンピックの準備なんかちっとも進んでいる気配がなかった。それらしい工事現場はあったけれども、やる気の感じられない男たちが申し訳程度にシャベルで泥をかき混ぜている程度。昨日だか今日だか、IOCのエラい人が「危機的状況」とおっしゃったそうだが、その危機はもう半年前に感じるべきだったと思う。
12245 廃墟
(ベルリン。連合軍の容赦ない空爆で破壊されたカイザー・ヴィルヘルム記念教会)

 さて、話がこれ以上それてしまうとそれこそ「危機的状況」と言われかねないから、ベルリンの今井君に話を戻そう。KDWで一番面白かったのは、食品売り場が最上階にあることであった。日本ならデパ地下。ドイツのカーデーヴェーは「デパ上」なのである。
 その「デパ上」に驚くほどたくさんのお魚が並んでいる。「あれれ、ドイツ人ってお肉じゃないの?」であるが、お店の人たちはマコトに自慢そうに、ニコニコしながらお魚を並べていた。
 考えてみれば、ここから北海はそんなに遠くない。「冬の北海」と言うと、何だかガチンガチンに凍りついて漁師さんが入り込む余地はないようなイメージだが、それは日本の無知なクマの先入観。ドイツの人は北海のお魚を大喜びで食べるようなのだ。
 その証拠に、ドイツにはお魚のファストフード・チェーン店がある。その名も「NORD SEE」。ノルドゼーとはドイツ語で北海のことであって、大阪の人々に「マンマや!!」「マンマやないか!!」と冷やかされそうだが、ベルリンでもミュンヘンでもウィーンでも、サト助はノルドゼーのお世話になった。
 実際、この日の夕暮れにはアレクサンダー・プラッツのノルドゼーでお魚のバーガーを買ってみた。うーむ、美味とは言いがたいが、美味でないとも言い放てない。その他にも、日本のデパートのお総菜店なみにお魚メニューがたくさん揃っていた。
12246 近郊風景
(冬のベルリン、近郊の鉄道駅風景)

 KDWを出た後でサト助が散策したのは、まずベルリンの中央駅ツォーロギッシャーガルテン駅から近い大繁華街クアフュアシュテンダム。「は? ツォーロギッシャーガルテンに近いクアフュアシュテンダム? いくら何でも面倒くさすぎないか?」という人のためなのか、ベルリンの人も略して「ツォー駅」「クーダム」と呼ぶらしい。
 確かに、いちいち「クアフュアシュテンダム」じゃ面倒だ。クーダム、上等じゃないか。梅田新道がメンドーだから「梅新」、千里中央もクレヨンしんちゃんも面倒だから「センチュー」に「クレしん」、ベルリンの人の感覚は意外に大阪のヒトビトに近いようである。
 しかしそのクーダムにはボクチンを惹きつけるものはあまり多くなくて、午後のサト助は何故か東へ東へと移動していった。まだベルリンの壁の残骸が残る東ベルリン地区。サト助は電車をオスト駅で降り、終戦直後の東京みたいに廃墟だらけの裏街を歩き回った。
12247 東ベルリン
(東ベルリン地区の風景)

 ベルリンの壁には、まるで落書きみたいなアートがどこまでも延々を描かれていた。一瞬「治安は大丈夫?」という疑念がアタマをよぎったが、そんなものは無視して歩き回ればいいのだ。冷たい雨に濡れ、真昼のうちから黄色い街灯の灯った街で治安なんか心配しているようじゃ、ホントの旅人とは呼べないじゃないか。
 いやはや、「ちょっとやそっとの雨じゃ傘はささない」というのが、高校生の頃からの今井君のポリシー。ゲリラ豪雨じゃない限り、心が満ち足りたときに雨に濡れるのは、これ以上考えられないほど心の踊る経験である。
 雑貨屋にも入ってみた。フリードリッヒ・シュトラーセやアレクサンダー・プラッツも歩き回ってみた。ベルリンの壁の落書きアートに沿って散策し、シュプレー川に沿う貧しい街の風景も見た。次はいつ来られるか、あの時はまったく見当もつかなかったが、とにかくベルリンのありとあらゆる風景を眺めておきたかった。
12248 ホテル中庭
(滞在先「ブランデンブルガー・ホーフ」の窓から、日本風庭園を俯瞰する)

 だって諸君、2005年2月のベルリンには、今後どんなに頑張っても訪問することはできない。例え10年後にベルリン再訪の夢が叶っても、それはあくまで2015年のベルリンであって、2005年のベルリンとは全く違うベルリンだ。雨にどんなに濡れたって、傘をささずに裏ぶれた街をほっつき歩いたのは、そういう一期一会の思いがあったからである。
 雨にびっしょり濡れたせいで、ブルブル震えながらホテルに戻ったのは、おそらくもう20時を過ぎていた。明日朝早く、この「ブランデンブルガー・ホーフ」をチェックアウトして、電車でミュンヘンに向かう。
 うーん、ベルリン滞在:たった4日。いくら何でも目まぐるしすぎた。その後の今井君が「1都市滞在:最低でも10日」を基準に決めたのは、この時の悔しさがモトになっている。

1E(Cd) Lee Ritenour:WES BOUND
2E(Cd) Marc Antoine:MADRID
3E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION②
4E(Cd) Schreier:BACH/MASS IN B MINOR②
5E(Cd) Schreier:BACH/MASS IN B MINOR①
total m85 y396 d13316
最近の画像つき記事
 もっと見る >>

Ameba芸能人・有名人ブログ

芸能ブログニュース

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。

      Ameba芸能人・有名人ブログ 健全運営のための取り組み
      芸能ブログニュース