2014年04月09日(水)

Sun 140316 国立歌劇場 デモ隊と遭遇 いつかまたドレスデンへ(ヨーロッパ40日の旅4)

テーマ:ブログ
 2月12日、今井君は今日も頑張ってドレスデンまで日帰り旅行を試みることにした。昨日の小旅行がライプツィヒ、今日がドレスデン。もしドイツ人なら、「何だ、ずいぶん面倒なことをするな」とニヤニヤ笑うかもしれない。
 地図を見れば分かるが、ベルリン・ライプツィヒ・ドレスデンの3都市を線で結ぶと、ベルリンを頂点にする二等辺三角形みたいな図形ができあがる。「昨日ライプツィヒ、今日ドレスデン」というなら、何もいったんベルリンに帰らなくても、ライプツィヒから直接ドレスデンに行けばよかったのである。
 しかし諸君、ライプツィヒから帰った2月11日の夜には、ベルリン国立歌劇場のチケットがとってあった。バレエ「ジゼル」であるが、ライプツィヒからいったんベルリンに帰って、どうしても国立歌劇場に足を踏み入れたかった。
 この場合の今井君はマコトに非文化的であって、バレエにも「ジゼル」にもほとんど興味なし、ただ「国立歌劇場に観客として入ってみたい」というだけのことだったのである。いやはや、正直に申し上げて、パリのオペラ座もミュンヘンの州立歌劇場も、そういう野次馬気分のほうがずっと大きいのだから恐れ入る。
ドレスデン
(ドレスデン、劇場広場で)

 ライプツィヒからの帰りの列車が言語道断に遅れて、せっかくの今井君の野次馬気分に水を差すことになった。いったんホテルに戻ってジャケットとネクタイに着替え、それから地下鉄で歌劇場に向かう予定にしていたのだが、うーん、どう考えてもギリギリになってしまう。
 「何もそんなに頑張ってジャケット&タイにこだわらなくてもいいんじゃないか」と分かったのは、その後2年も3年も経過してから。日本国内ならまだいいが、少なくとも欧米のオペラ座で「前から10列目」なんてのは、どうしてもジャケット&タイのキチンとした身なりを要求されるものだと、2005年の段階ではまだガンコに信じきっていた。
 しかも諸君、その「ジャケット&タイ」というのがマコトに恐れ入ったシロモノであって、あれよりさらに10年も前の駿台新人講師のころに、世田谷・梅が丘の「コナカ」で買いだめした類いのもの。ネクタイだって、「まもなく断捨離」「断捨離寸前」というヤツを1本だけ、スーツケースの中にクシャクシャにして東京から持参した。
 だからホテルの鏡の中で確認したサト助は、ジャケット&タイに身を固めたものの、「こんなんじゃ身を固めないほうがマシ」「どこの山の中からクマが張り切って乗り込んだんだ?」とタメイキが出るほどの、この上なく残念お姿であった。
 それでもホテルのエントランスでタクシーに乗り込み、しっかりと「シュタッツ・オパー!!」と行く先を告げた。運転手さんも「こりゃ日本人VIPに違いない」というかしこまった態度で、頑張って国立歌劇場にクルマを走らせた。
 おお、間に合った。ライプツィヒからの列車の中で「間に合うかな」「ダメかな」と苦しい自問自答を続けていたから、開演20分前に席についたときの安堵感はなかなか素晴らしいものであった。
宮殿
(ドレスデン、ツヴィンガー宮殿)

 前日がこんなふうだったから、翌12日朝、ベルリン・オスト駅からドレスデンに向かう頃にはすでに「もうヘトヘト」な感じ。確か日曜日の朝だったはずで、列車はビックリするほど空いていた。というか、ユーレイルパスのおかげでガラガラの1等車をほぼ独占してドレスデンに向かったのである。
 ドレスデンは、気持ちのいい快晴。ただし、駅前にはあちこちにプラスチックの楯を捧げた警察官が固まって、何だか物々しい雰囲気である。何しろ冷戦が終結して15年足らずのころだ。昨日のライプツィヒといい、今日のドレスデンといい、15年までは共産圏・東ドイツの真っただ中。ついこの間までホーネッカー書記長が君臨していたのだ。空気が物々しいのも当然かもしれなかった。
 ところが、その物々しさが実際にタダゴトではないと判明する。駅前からちょっと歩いたところで、今井君の後ろにいた大デモ隊がちょっとした暴徒と化して、一斉に全力疾走を始めた。「あわや」というか「危機一髪」というか、サト助はその準暴徒の渦に巻き込まれ、警棒を振り回して追いすがる警官隊がサトちゃんの背後に迫ったのである。
教会
(危険を避けてサト助が駆け込んだ、ドレスデン聖十字架教会)

 ここでサト助を救ってくれたのが、13世紀から続く「聖十字架教会」。現在の建物は18世紀の建築で、ここの「聖十字架少年合唱団」からはペーター・シュライアーみたいな大物も輩出しているんだそうだ。
 しかしどんな大物が出ていようと、危機一髪の今のサト助どんに必要なのは、とにかく身の安全のみ。ドレスデンに着くやいなや、準暴徒だの、追いすがる警官隊だの、とんでもないものに遭遇した。ありがたい教会の中のマコトにありがたい静謐の中で、今井君は1時間あまり、騒動の鎮まるのを待った。
 おっかなびっくり外に出てみると、すでに時刻は12時に近い。お腹も空いた。しかしお腹が空いてもやっぱりオッカナビックリは同じだから、今井君は目の前にあったヒルトンホテルに侵入。やっぱり頼るべきは「アメリカ様」であって、ありがたーいアメリカ様のありがたーいヒルトンホテル様の中なら、準暴徒も警官隊も襲ってこないに決まっている。
 すると諸君、サト助の目に「日本料理 小倉」の文字が。ありがたや、ありがたや、聖十字架教会。ありがたや、アメリカ様&ヒルトン様。大量のアイスバインだの、紫キャベツのドロドロしたザワークラウトだの、そういうもので傷ついたサト助のポンポンは、「どうしても、ここでお寿司を食べていく!!」とダダをこねた。
 入ってみると、おそらく店主・小倉サンの奥方であろう優しいオバサマが、優しく注文を聞いてくれた。「外はたいへんな騒ぎになってますけど」と聞いてみると、今日は何だか大きなデモがあって、地元の人も気をつけているんだとおっしゃる。
 ま、いいか。今井君は30ユーロぐらいのお寿司セットと、日本酒を徳利で1本と決めた。1本が2本、2本が3本と増えていくのはいつものことだが、結局13時ごろまでこの店でゆっくり和むことになった。他にはドイツ人の家族連れが1組。やたらに「ワサビ」「ワサビ」とワサビばかり注文するドイツダンナが面白かった。
壁画
(ドレスデン城、君主の行列)

 こういうふうだから、肝腎のドレスデン観光はホントに疎かなものになった。元来なら、ドレスデンこそ少なくとも5泊か6泊して隅から隅まで見てみたい「ドイツのフィレンツェ」ないし「ドイツのヴェネツィア」なのである。「エルベの東」というコトバが経済学の初歩の授業で出てくるはずだが、まさにそのエルベ川が目の前に横たわっている。
 ここで見るべきものは、まず何と言ってもツヴィンガー宮殿、ザクセン州立歌劇場、ドレスデン城。城の外壁にマイセン磁器タイルを使って描かれた「君主の行列」は長さ100mを超える壮大なものである。
 しかし諸君、いま目にするドレスデンの全てが、異様なほどに黒ずんで見える。第2次世界大戦末期の連合軍大空襲で、ドレスデンの建築物のほとんどが壊滅的に破壊された。そのコナゴナの瓦礫を1つ1つ拾い集めて、50年以上かけて修復したのが、今のドレスデンである。
 どのぐらい激しい空襲だったか、映画で知るのも悪くない。ドイツ映画「ドレスデン 運命の日」は2006年制作だから、サト助のドレスデン訪問の翌年の作品であるが、爆撃で蒸し焼きになった地下防空壕の中で水やワインが沸騰しはじめるシーンは印象的。読者諸君にも、ぜひどうぞ。
東駅
(チェコからのICが、ベルリン・オスト駅に到着)

 今思えば、ホントに残念なことをした。ドレスデンにたった1日しか割かなかったのは計画のミスだし、そのミスの割れ目に準暴徒騒ぎまで重なって、実際にドレスデンを見て回ったのは3時間にも満たない。
 しかしだからこそ、近いうちのドレスデン再訪を誓うクマ蔵なのである。ドレスデンは、ベルリンからでも行けるが、チェコのプラハにも近いのだ。プラハを再訪することがあったら、そこにドレスデン5日を加えてもいい。
 実際、この日ドレスデンから帰る列車はプラハからやってきた。ドレスデンの裏町を歩き回ってやっと駅にたどり着いたクマ蔵は、「いかにも東欧」という重苦しい色彩の列車に乗り込み、夕暮れのドイツ平原をベルリンに向かった。
 ところが、その1等コンパートメントの明かりが突然消えてしまった。夕暮れはやがて夜となり、コンパートメントの中は暗闇になったが、電気がつく気配は一向にないし、電気がつかないことの説明に誰か職員が訪れるわけでもない。
 そういう暗闇の車両の中に、なぜか途中駅からパパと10歳ぐらいの息子が乗り込んできた。「パパ、何でこんなに暗いの?」「わからんよ」。それだけの会話をして、すぐにパパも息子も黙り込んでしまった。そんなフシギな雰囲気の中、チェコからの急行列車は快走を続け、19時過ぎ、ベルリン・オスト駅に無事到着したのであった。

1E(Cd) Billy Wooten:THE WOODEN GLASS Recorded live
2E(Cd) Michael Davis:MIDNIGHT CROSSING
3E(Cd) Michael Franks:THE ART OF TEA
4E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION③
5E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION①
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