2013年08月10日(土)

Wed 130717 肉で締めくくる ジーチャン軍団とバーチャン(アメリカ東海岸お花見旅53)

テーマ:ブログ
 ニューヨーク滞在の最終日に「ハイラインに行ってみよう」と思い立ったのは、やっぱりこの旅のタイトルが「お花見旅」だったせいである。思えばこの旅は、どこへ行っても必ずキレイな春の花が咲き乱れていた。
① コロンビア大学とセントラルパークのマグノリア
② ルーズベルト島のサクラ
③ プラザホテル前のスイセン
④ ワシントンDCのパンジーとチューリップ
⑤ 番外だが、ワシントン・タイダルベイスンの葉桜
⑥ ボストン・ハーバード大とMITのサクラ
⑦ NYに戻って、ルーズベルト島のモッタリ八重桜
⑧ ニューヘイブン、イェール大学周辺の白いサクラ
 サトイモ男爵に花は似合わないが、冬眠から醒めた直後のクマ蔵どんなら、暢気に花の香りを嗅ぎ、花の匂いに酔っぱらって、春の東海岸をほっつき歩くのも悪くないだろう。
前菜
(ウォルフガング、これは前菜のベーコン。いいかね、これはステーキではなくて、あくまで前菜のベーコンにすぎない)

 こうして締めくくりの最終日にハイラインを訪れ、古い貨物列車の線路の間に可憐に咲いている花々を写真に収めていると、何だか泣き出しそうである。旅が終わるのが悲しいし、花たちが何だかヤタラに一生懸命に咲いていて、それがまた可哀そうでならない。やっぱり今井君は春のクマさんみたいに酔っ払っちゃったのだ。
 これは若干よくない兆候であるから、サト助は早めにハイラインを降りた。高架の鉄道は普通のビルの5階か6階の高さだが、下界に降りてしまえば何のことはない、ホコリっぽい春の風がふきわたるゴミゴミしたニューヨークの街が広がっている。
エンパイア
(33丁目。エンパイアステートビルが見える)

 時計はまだ13時前である。ヒコーキはJFK空港18時発だから、まだまだ余裕タップリだ。「ホントの締めくくりに、33丁目のウォルフガングでステーキを食っていこう」と決めた。
 クマの結論は、だいたい胃袋で決まるものである。ウォルフガングは一昨日54丁目店に行ったばかりだが、33丁目店は10日ぶり。今井君はこの店のブラックペッパーステーキが大好物だ。
 日本で食べるブラックペッパーステーキは、黒胡椒が申し訳程度に5~6粒のっかっているだけだが、アメリカンなブラックペッパーステーキは、そうは問屋が卸さない。大きなブラックペッパーが粒のまま30個も40個ものっている。辛さもさることながら、胡椒の粒を奥歯で噛みくだく食感がたまらない。
 同じウォルフガングでも、ブラックペッパーの食感が心置きなく楽しめるのが33丁目店である。最近は54丁目店やタイムズスクエア店やトライベッカ店がオープンして、ウォルフガングもチェーン展開が始まってしまったが、「ピータールーガーのウェイター長が独立して開店させた」という元々の本店は33丁目店なのである。
ステーキ1
(平日のランチでしか出ないブラックペッパーステーキ 1)

 ここ以上に旨いブラックペッパーステーキを味わおうと思ったら、クマ蔵が知っている限りではアルゼンチンまで行くしかない。ブエノスアイレス港の近く、「ミラソル」がその店である。ぜひブログ内検索をして、サト助がどんな店のどんなブラックペッパーステーキを愛しているか、具体的に知っていただきたい。
 少なくとも、東京からブエノスアイレスまでは、ヒコーキの乗り継ぎがうまくいっても26時間かかる。肉を食うだけのためにヒコーキで赤道をまたぎ、往復2日以上かけて地球の裏側まで行く必要はない。今井ブログで読めば、自分で実際に行くよりも、肉の旨さがよく分かるかもしれない。
 13時、ウォルフガングに入店。何となく「すでにお馴染みさん」という扱いで、今井君の顔を熟知したウェイターが愛想をふりまきに飛んできた。「フィレステーキですね」「そのまえに、まずビアですよね」「ワインはそのあとですね」。今井君の好物も、注文の順番も、みんなチャンと記憶している。
ステーキ2
(平日のランチでしか出ないブラックペッパーステーキ 2)

 しかし、さらに続けてウェイターが「一昨日のディナー、私たちの54丁目店に行ったんですってね?」と笑ったときには、さすがの今井君も度肝を抜かれた。ほとんど「33丁目を裏切って、54丁目に行きましたね」「何もかもお見通しですよ」とニヤリとされたようなものである。
 「どうしてわかるんですか?」と尋ねると、「ウェイターは、みんな仲間ですからね」と言う。つまり、ウェイター仲間で以下のような場面があったわけなのだ。
「おい、あのサトイモみたいな日本人、知ってるか?」
「おお、よく33丁目の本店にくるヤツだろ、サーロインじゃなくてフィレを注文するヤツ」
「あいつがこの間54丁目店に姿を現してさ…」
「へえ、神出鬼没じゃないか。というか、ずいぶん長いNY旅行だな。日本人っぽくないよな」
「気をつけろよ。また現れるんじゃないか、33丁目あたり。フィレステーキ、ぜんぶ食われちゃうぜ」
ま、そんな会話である。おお、ウェイターの勝ち誇った表情と言ったら、「これ以上に楽しい瞬間は考えられない」と、踊りだしそうに見えるぐらいだった。
 マコトに残念なことに、今日のメニューにはブラックペッパーステーキがない。あれは平日のランチだけのメニュー。毎日のディナーと土日のランチは、ごく当たり前に焼いたTボーンステーキしかメニューに載せないらしい。
ステーキ3
(54丁目ステーキ 1)

 今井君はこの世で一番控えめなサトイモであるから、こういうときにゴリ押しは出来ない。ボクみたいに800年近く生きていると、ゴリ押しの巧みな人物もたくさん知っている。メニューに載っていなくても
「いいじゃん、ボクだけに作ってくれよ」
「そんなに難しい話じゃないだろ」
「作ってよ&作ってよ。焼くだけなんだから、カンタンじゃん」
と、なかなか後に引かない。そして意外にそのぐらい遠慮のないヒトの方が、お店のヒトたちには好かれるものである。
 でも、控えめなサト助にはとてもそんなマネは出来ないから、どんなにブラックペッパーステーキが食べたくても、メニューにない限り直ちにあきらめる。ごく普通のTボーンだって、もちろん十分に旨いのである。待つこと10分、旅を締めくくるステーキがジュージュー素晴らしい音とともにテーブルに運ばれてきた。
 これでしばらくアメリカに来ることもない。この際、フィレだろうがTボーンだろうが、メンドクサイことは言っていられないし、その上に黒胡椒の粒がのっかっていようといまいと、とりあえずどうだっていいじゃないか。サトイモ君はちょっと脂っこいステーキを構わず口に運んだ。
ハイライン1
(ハイラインの思ひ出 1)

 「これでしばらくアメリカに来ることもない」というのは、ウソである。この4ヶ月後、2013年8月にサト助はアメリカ中部・ミシガン湖のほとり、シカゴの街にやってくる。シカゴでも牛のお肉をタップリわしわし食べる予定だから、もうたった4ヶ月の我慢である。
 今井君が「我慢」と言うのは、日本で食べる牛の肉が、相変わらずアブラだらけのデロデロ肉ばかりだからである。グルメ番組のつまらんタレントが「アブラが甘くておいしいですね」とか、そういうクダラン発言ばかりしてきたせいで、日本のステーキからはキチンとワシワシした肉質が消えてしまった。
 「溶けちゃったぁ」「噛まなくてもいいぐらいですね」「舌の上で、ホントに溶けちゃいますね」。これほどバカバカしい肉があっていいんだろうか。世界中どこに行ったって、噛まなくてもバカみたいに溶けちゃう軟弱な肉を歓迎する国民なんか、日本人だけである。
 肉は、アゴの筋肉を目一杯使ってワシワシやるからこそ旨いのだ。力強いウシやクマやシカと戦って、激闘の末に彼らを倒し、自然への崇拝をこめて肉を焼き、歯とアゴと胃袋の筋肉で彼らを天国に送り込む。それこそが肉を食らう野生の醍醐味じゃないか。
 21世紀の日本では、アブラだらけの生ヌルいナマ肉が、炎天下のスイーツみたいにダラしなくデロデロ溶けていく。そんな野性味のないネロネロした食生活じゃ、気力も体力も未熟なままのデロデロ人間しか育たない。
 だからサト助はまたまた旅するのだ。8月9月のシカゴとサンパウロで、どんなにワシワシやっても口の中で溶けることのないガンコな肉と、連日激しい戦いを演じようと思う。
ワイン
(今日も安い赤ワイン)

 だってそうだろう。この日は日曜日。今井君の両隣のテーブルでは、典型的な肉との戦いが演じられていた。片方は、たくさんのジーチャンたちのテーブル。集まったジーチャンたちは十数人。20世紀後半のアメリカを支えてきた、マコトに逞しいアメリカン・ジーチャンばかりである。
 ジーチャンたちの迫力はさすが。大ジョッキのビールは瞬く間に空っぽになり、巨大なTボーンステーキもどんどん骨だけの姿に変わっていく。硬いウシの肉をワシワシやる力強い雰囲気は、星条旗のもとでアメリカの誇りを守り続けた者たちの圧倒的な迫力を感じさせる。
 もう片方は、たった一人で果敢にウシの肉に挑みにきたオバーチャン。ジーチャン集団が十数人の団体だったから、身体の小さなバーチャン1人、どうしても押され気味だったが、80歳前後と思われるバーチャンもやっぱり今井君と同じ大きさの肉にワシワシ激しい戦いを挑んだ。
ハイライン2
(ハイラインの思ひ出 2)

 いったい何人の息子や娘を育て、何人の孫たちを厳しく叱責して育て上げたことだろう。「そのぐらいの肉をワシワシやれないぐらいじゃ、チャンとしたアメリカの人間になれませんよ」。50年も60年も昔、彼女の叱責に支えられて、息子も娘も立派に成長した。
 尊敬すべきアメリカンママが、心からうれしそうにニコニコ笑いながら、大きな牛の肉を待ち受けている。昔はコドモたちに譲ってあげなければいけなかった肉を、今日こそは自分一人でペロリと平らげられるのである。
 ただし、今井君にとってはウェイターが「前菜にオススメ」と言ってくれたベーコンが余計だった。だって諸君、前菜のはずのそのベーコンが、日本なら十分にステーキとして通用するほどのボリューム。ベーコンのアブラでアタマがガンガンするほどであって、ステーキを平らげるのはマコトに苦しくなってしまった。
 
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