2013年05月16日(木)

Mon 130422 万博と秋田博 ミスアメリカ 余りにご清潔(アメリカ東海岸お花見旅23)

テーマ:ブログ
 こういうわけで(スミマセン、昨日の続きです)、甚だ意気上がらない状況のままスミソニアンの1館目に入ったのであったが、あっという間に昔のクルマや汽車や電気製品のトリコになってしまった。「30分で駆け抜ける」はずが、タップリ2時間ここを満喫して過ごすことになった。
 やっぱりボクら昭和の人間は、博覧会だの博物館だののトリコになりやすいのである。小さなコドモの頃は、「オマエ、大阪万国博に行ったか?」「オレは行ったぜ!!」というのが日常の挨拶。みんな顔を輝かせて「アメリカ館はスゴかったな♡」「日本館は大したことなかったな☂」と頷きあったものである。
 今井君んちは、1970年の大阪万国博覧会に行けなかった。国鉄の中間管理職だった父親は、労働組合対応で余りに忙しく、来る日も来る日も仏頂面の日々。もともとトラみたいにオッカナイ顔だったが、労働組合のヒトたちが「ストライキだ!!」「ゼネストだ!!」「順法闘争だ!!」と気勢を上げるたびに、父・三千雄の表情はますます暗く険しくなった。
ミスアメリカ1
(ワシントンDC、博物館前で遭遇したミスアメリカの諸君)

 こういう家庭事情では、息子としてとても「ウチは大阪の万博に行かないの?」と尋ねるような雰囲気ではなかった。そもそも、今井君んちは秋田県秋田市である。ここから大阪へは、日本海岸を延々と15時間かけて走り抜ける特急「白鳥」か、夜行特急「日本海」に乗らなければならない。家族4人でそんな贅沢が許される状況じゃなかった。
 ヒコーキというものもあるにはあったが、国鉄職員の家族がヒコーキに乗るなんてのは、鉄道へのトンデモナイ裏切り行為。父は意地でもヒコーキに乗らない。母のパパ(=今井君のジーチャン)も国鉄職員だから、母にとってもやっぱりヒコーキは裏切りの対象である。
 それに何と言っても「空を飛ぶ」なんてのは、まさに贅沢の極致。マジメで貧乏な今井君んちにとって、大阪とか万国博覧会なんてのは、もともと高嶺の花=夢のまた夢でしかなかったのである。
議事堂1
(快晴の空のもと、議事堂は今日も美しい 1)

 その今井君を慰めるように、「秋田博覧会」というシロモノが秋田で開催された。略して「秋田博」。昭和44年のことである。大阪万博に行けたヤツも行けなかったヤツも、「こんどは秋田博があるぜ」と盛り上がった。「秋田だけど、大阪に負けない大博覧会なんだ!!」と、特に男子の友人どうしで目を輝かせたものである。
 その「秋田博」には、学校の秋の遠足で連れていかれた。諸君、その結果報告をここで書かなくても、だいたい分かってもらえるだろう。アポロが持ち帰った月の石の代わりに、幼い今井君が見たものは「品種改良が続く秋田の米」なのであった。
 その他には「大潟村干拓事業のこれから」「現代のイモチ病対策」「病害虫から農作物を守る!!」「鎧畑(よろいばた)ダム、完成への苦闘」。小学生男子が夢みる世界とこれほどかけ離れた博覧会は、思いもつかないものばかりだった。
 幼いサトイモ君の脳裏に「博覧会だの博物館だの、そんなもの2度と行ってやるもんか」という決意が固まったのは、おそらくあの秋田博の午後だったと思う。博覧会場の外では、秋の悲しい冷たい雨が降りしきっていた。
議事堂2
(快晴の空のもと、議事堂は今日も美しい 2)

 さて、2013年4月21日、やっとのことで最初の博物館から外に出てみると、何故かちょうどそこへ「ミス・アメリカ」の皆さんがやってこられた。博物館の前に並んで、さかんに記念写真を撮っていらっしゃる。ミス・アメリカの各州代表がズラリと勢揃いしているわけだから、サトイモ君なんかから見ると、マコトにド派手な光景である。
 「うーん、これがミス・アメリカってものかねえ?」とボンヤリ眺めていると、通りかかった男子高校生たちが、盛んに「Weird!!」「Weird!!」と呟いている。辞書的には「奇妙な」「風変わりな」だが、もし日本人高校生風に訳せば「変なんじゃね?」「おかしくね?」→「キモくね?」「ケバくね?」である。日本でもアメリカでも、高校生男子というのは、だいたい似通った反応をするものでござるね。
ミスアメリカ2
(ミスアメリカの諸君を遠望)

 1館目でもうすっかり疲れ果ててしまったクマ蔵は、早くも「ミュージアム8時間マラソン」を断念。「ムリな計画→すぐに計画倒れ」というダメな受験生ソックリな行動形態は、まあ諸君、諸君の「他山の石」としてくれたまえ。
 次は手っ取り早くお隣のHirshhorn現代美術館。現代美術ってのは、いつ行ってもツッコミどころ満載で、若いカップルのデートにオススメ。お互いの性格がどのぐらい悪いかを知るために、得体の知れない現代芸術に向かって彼氏or彼女がどんな悪口雑言を浴びせるか、よく耳を傾けてみたまえ。そのコトバがきっと5年後/10年後に、キミ自身に向かって浴びせかけられることになる。
現代美術館
(Hirshhorn現代美術館にて)

 すっかり飽き飽きしてきたサトイモ君は、現代美術の森の中を30分で駆け抜けた。あとは、一番人気の高い「航空宇宙博物館」を回って、それで終わりにしていいだろう。ヒコーキとロケットと宇宙船がたっぷり展示された、小学生男子が絶叫して踊り出すほど大好きな博物館である。
 いやはや、たった3館見ただけで、今井君は完全に疲労困憊。濁流を泳ぎきった走れメロス以上の疲労と言っていい。外は相変わらず素晴らしい快晴。巨大な博物館の列に沿って、気持ちのいい広大な公園が続き、4月の樹々はまだ若葉の色である。冷たい春の風に吹かれ、優しく揺れる樹々を眺めながら「お外でランチ」にはベストなシーズンであった。
地下鉄駅
(余りにご清潔な地下鉄駅)

 ところが諸君、ここでも「外での飲食は厳禁」のルールが厳然と守られている。緑の公園にはたくさんのベンチが置かれ、ヒトビトは心地よさそうにベンチで語り合っているが、飲食している者は誰一人見かけない。酒やコーヒーはおろか、ペットボトルの水もお茶もない。ひたすら「語り合い」だけに熱中しているのである。
 1kmに1軒ぐらいの割で「REFRESHMENTS」という看板の地味な店がある。これが当局公認の飲食店。店の周囲に簡素な金属のテーブルと椅子が6組ほど置かれ、カウンターで買ったホットドッグやジュースは、「必ずそのテーブルで召し上がってください」ということになっている。
 つまり、店の周囲の指定のエリアから飲食物を外に持ち出せば、その段階でルール違反。アウト!!→オッカナイ警察官が駆けつけて→容赦なく罰金。うにゃにゃ、もちろんテーブルはとっくに埋まっている。アメリカ人のことだから、いったん占領したテーブルは1時間でも2時間でも確保して、滅多なことでは明け渡してくれそうにない。
プレッツェル
(非公式の屋台)

 路上駐車のワゴン車で営業している非公式の屋台はある。100メートルに1軒ぐらいの割合で、覗いてみると店のヒトはほとんどが中国・韓国系の人である。ホットドッグにプレッツェル、ハンバーガーにピザ、ミネラルウォーターぐらいは手に入る。
 しかし諸君、買っても食べる場所がない。ベンチで食べても、散歩しながら食べても、やっぱりルール違反→アウト!!→叱られ放題叱られて、→罰金ということになるのは目に見えている。ということは、もしここで買っちゃったら、こそこそトイレにでも隠れて食べなきゃならない。
パンジー1
(美しく咲き競うパンジー。虫クンの影もない 1)

 こうして、ワシントンDCの街はマコトにご立派&ご清潔に保たれ、チリもゴミも落ちていないし、虫も全く飛んでいない。ハエやアリどころか、花に集まるハチさえも目撃しない。「白河の清きに魚の耐えかねて、モトの濁りの田沼恋しき」。今井君は魚というよりクマか里芋サト次郎なのであるが、清いワシントンでひもじさに耐えかね、モトの濁りのNYが恋しくなってきた。
パンジー2
(美しく咲き競うパンジー。虫クンの影もない 2)

 だって国会議事堂の周辺には、旨そうなレストランはおろか、チョコッと入れるカフェだって見当たらない。喉は渇き、お腹がグーグー鳴って止まらない。日曜3時の今井君は、クリーンすぎる世界の真ん中で立ち往生ということになった。
 救いを求め、モトの田沼の濁りを求めて、ワシントン中央駅であるユニオン・ステーションの方向に、サトイモ君はトボトボ歩きはじめた。「とにかく駅に行けば何とかなるだろう」。これこそ、激動の20世紀を生き抜いたヒトビトに共通の処世術なのである。

1E(Cd) Harnoncourt:BACH/WEIHNACHTSORATORIUM②
2E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH vol.1
3E(Cd) Brendel:BACH/ITALIENISCHES KONZERT
4E(Cd) Bobby Coldwell:AUGUST MOON
5E(Cd) Billy Wooten:THE WOODEN GLASS Recorded live
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