2013年05月13日(月)

Fri 130419 オールド・エビット・グリルでの1時間半(アメリカ東海岸お花見旅20)

テーマ:ブログ
 訃報が相次いだからと言って、いつまでもシンミリしているわけにはいかないから(昨日の記事参照)、4月20日夕刻が近づいたところで、今井君はグワッとメシを食いに行くことに決めた。
 メシなどというものは、どんな時でもグワッと食う勢いが大切なので、シンミリ食べたりションボリ食べたり、食べながらずっとケータイだのスマホだのパッドだのをいじっていたり、そんなのはメシの名に値しない。
 肉なら肉、蕎麦なら蕎麦、丼なら丼、完全に目の前の器に集中して、器の中で顔でも洗っているような勢いで喰らいつくしたまえ。少なくともボクチンが、先生だったり先輩だったり上司だったりすれば、若者のメシにはそういう元気な態度がほしいのである。
 「おいおい、そんなに急いでガッついちゃダメだぜ」「もっと落ち着いて食えよ」。そう言って部下や後輩の肩をポンとたたいてやるのが、上司なり先輩なりの至福の瞬間。部活の合宿なんかで、あっという間にカレーのオカワリに走る生徒たちの姿に目を細めながら、「よく噛んで食えよ!!」と叫ぶ顧問の教師ほど幸せな人間は、おそらくこの世にそんなに多くは存在しない。
ステーキ1
(ワシントンDC、オールド・エビット・グリルのステーキ)

 そこで、メシや酒を前にしたとき、今井君はいつも目一杯ガッついて見せるのである。作ってくれたヒト、店の亭主、運んできてくれる従業員、誰にとっても、「おやおや、そんなにお腹が空いていたんですか?」「そんなに喉が渇いていたんですか?」と目を丸くする時が一番幸せなはずである。
 まして、ここはアメリカだ。メシをグワッと食べるのはあまりにも当たり前。グワッと食べてみせないと、周囲のお客もみんな心配顔でこっちを覗き込むだろう。ならば、肉だ肉だ、肉をグワッと平らげてみせるのが一番のエチケットなのである。
クラムチャウダー
(東海岸名物、クラムチャウダー)

 時計は、午後3時半を回ったあたり。うぉ、中途半端なことにかけて、これ以上の中途半端はありえないぐらいのチョー中途半端な時間帯である。ランチの時間は、ほぼ終わり。ディナーのクライマックスは5時間近く先のことである。
 さぞかし店はガラガラだろう。そうタカをくくって、里芋サト次郎はニタニタ笑いながらワシントンの有名店を訪ねることにした。ガイドブックなんかに「予約は必須です」「ランチでも予約がとれません」「いつでも行列ができています」みたいな大袈裟な記事の掲載されている店を訪ねて、実際にはガラガラであることを笑ってやろう。そういう、マコトに意地悪な企みである。意地悪大好きなサトイモの表情は、おそらく醜く歪んでいたはずだ。
 ところがこの企みは、見事にはね返されることになった。諸君、午後3時半、これほどの半端きわまりない時間帯だったのに、訪ねて行った2軒のお店は、ホントに立錐の余地もない超満員。サトイモ君は店の外にゴロゴロ転げ出すしかなかった。
ステーキ2
(ステーキ。いろんな余計な飾りがのっかってくる)

 1軒目は「POV」。これで「ピー・オー・ヴィー」と発音する。何の略かは知らないが、ガイドブックには「2009年開業以来、ワシントンDCで最も予約の取れない店」「昼と夜では風景が全く違うので、滞在中2回は足を運びたい」とある。
 場所は、今井君が宿泊中のウィラードホテルのお隣のお隣、Wホテルの11階。「へぇ、2回も足を運んじゃうの?」「どうせガラガラのクセに」とニヤニヤしながら、Wホテルのエレベーターを降りると、諸君、ホントにホントだ。ホントに列が出来ていて、ウェイターがエントランスに2人立ちふさがって、予約のないお客を断っている。
 考えてみれば、今日は土曜日である。午後4時前の中途半端な時間でも、「もうディナーにしちゃって、夜は早く寝ることにするか」というワシントン市民が詰めかけているわけだ。
 今井君の取り柄の一つは「撤退が早いこと」。「こりゃダメだ」「待つだけムダだ」と判断すると、その判断の0.1秒後にはすでに撤退を開始している。気がつくと、もう第2候補の店に向かって歩き出していた。
OEG
(大盛況のオールド・エビット・グリル外観)

 その第2候補が「OLD EBBIT GRILL」。Wホテルから1ブロックほど坂道を登ったところである。ところがここもすでに大盛況であって、エントランスには黒山の人だかりが出来ている。しかもその黒山を構成するのは、ほぼ100%アメリカ人。気の弱い日本人が入り込めるような、生易しい状況ではない。
 エントランスの左側がレストラン、右側がバー。エントランス付近には詰めかけたお客が背伸びしながらレストランの中を覗き込み、「今すぐ座れるテーブルはないか」「何とか入り込めないか」と大騒ぎになっている。コドモは駆け回り、赤ん坊は泣き叫び、夫婦はみんなケンカ中。「どうしてチャンと予約しなかったのよ?」「仕方ないだろ!!」の類いである。
 バーのほうも、押すな押すなの大盛況。レストランに空席が出来るまで、バーで飲み物を飲みながらジッと我慢して待つのである。しかしバーだって、すぐに入り込めるわけではない。バーで飲むためにもやっぱり列が出来ていて、その列に並ばないと、バーにさえ入れない。またまたコドモが駆け回り、赤ん坊が泣き叫び、夫婦はケンカしている。
ステーキ3
(ステーキ。余計な飾りを取りのけて、ワイルドにかぶりつく)

 この状況で、気の弱いことでは世界一の日本人が、マコトに恐る恐る「予約してませんが、テーブルはありますか?」と尋ねたとする。か細い、遠慮がちな声。ホントに入りたいのかどうか分からないような態度だから、ほとんどの場合、欧米人従業員は聞こえないフリをする。実際にはフリをするんじゃなくて、ホントに聞こえないのだ。
 ところが諸君、驚くじゃないか、サトイモ君には、即座に空いているテーブルが提示された。あんなにみんな厳しくケンモホロロに断られて、エントランスもバーも地獄絵図のようになっているのに、今井君だけはまさに特別扱いである。
 「予約はしてないんですが、テーブルは…」と、途中まで言ったところで、カウンターに座ったアフリカ系女性従業員の表情が優しく緩んだ。彼女のすぐ背後に、スミっこのスミっこの、そのまた暗いスミっこに、小さなテーブルが1つだけポツンと空いていたのである。その席を口と首の傾きで示し、「あそこでよければ」と目で尋ねてくれた。
混雑1
(久しぶりの自分撮りサトイモ君と、店内風景)

 うぉ、ゲット。見事にテーブルをゲットした。ま、そりゃそうだ。おそらく多くのお客が「あの席どうですか?」と尋ねられ、「いや、あの席だけは、イヤ。もしあそこしかないなら、他が空くまでもう少し待ってみる」と尻込みしただろう。条件の悪いことでは、これ以上考えられないようなテーブルなのだった。
 まず、爪先立ちでレストランを覗き込むお客たちの、敵意の滲むたくさんの視線の矢面に立たされる。ウェイターたちが背中のあたりをビュンビュン走り回って、お盆の上の料理が頭から降ってくる危険に常に晒されている。バーのヒトビトがこっち向きで座り、肉を切ってムシャムシャやっているサトイモのダラしない顔を、面白そうにニヤニヤ眺めている。
混雑2
(エントランス付近の混雑と、辟易するクマくんの自分撮り)

 しかしまあいいじゃないか。肉をグワッと喰らいまくる東洋人、赤ワインをほとんど水のようにガブガブ飲みまくる日本人。もしそれがそんなに珍しいなら、ぜひジロジロ&ガッツリ眺めればいい。
 もともと今井君は職業柄、ヒトに見られることに慣れている。食事中のクマが見たいなら、タップリ見てくれたまえ。ほれ、肉、旨いねぇ。ワイン、旨いねぇ。早く食べたいかい? 早く飲みたいかい? なら、テーブルの選り好みなんかしてちゃダメですな。
 こんなふうに、アメリカのヒトビトにお肉とワインをタップリ見せびらかして、1時間半もテーブルを占拠した夕暮れのクマは、まさに得意の絶頂なのであった。

1E(Cd) Bobby Coldwell:BLUE CONDITION
2E(Cd) Boz Scaggs:BOZ THE BALLADE
3E(Cd) The Doobie Brothers:MINUTE BY MINUTE
4E(Cd) Grover Washington Jr.:WINELIGHT
5E(Cd) Kenny Wheeler:GNU HIGH
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