2013年04月19日(金)

Tue 130326 スミマセン、昨日の続きです ヘビの足、侮るなかれ(ベルギー冬物語37)

テーマ:ブログ
 昨日書いた通り、ブリュッセル滞在の最終日にもムール60個を平らげ、最後のモッコ1杯の土を運ぶ努力を惜しんで「九仞の功を一簣に虧く」と嘲られる愚は、避けることができたわけである。
 しかし諸君、サトイモ君はシツコイ。前代未聞にシツコイのであって、考えてみればサトイモなんてものの妙味は、そのシツコサにあるのである。考えてもみたまえ。「ネットリ」という形容は一般にそのイヤラシサやシツコサを強調し、それに対する嫌悪感を暗示するために用いられるコトバなのである。
 ネットリ&シツコイ先生のお説教。ネットリ&シツコイ中年のオジサマ。長い糸を引いてネバネバするオクラとなめこ、長芋と納豆を、卵黄でアブクが出るほどかき混ぜたネバネバ料理みたいなシツコサ。そのアブクを、嫌悪感をもって眺めながら「異様にネットリしてますね」と頷きあう。
勝利
(対ムール戦に大勝利した直後のサトイモ将軍)

 サトイモというものは、嫌われがちなそういうネットリ軍団の中で例外的に幸福な存在である。グルメ番組なんかでも「ネットリしてて、ホントに美味しいですね!!」とレポーターさんたちにビックリマークつきで褒めてもらえる稀有なイモなのだ。
 イモならば、「ホクホクしてる」「あまーい!!」「意外にサッパリしてますね!!」などが褒め言葉の定番。嫌悪を暗示する「ネットリ」が、まさかボクチンの褒め言葉として使用されることがあろうとは、神ならぬ身の想像の及ぶところではない。
月中天
(やがて月も中天にのぼった)

 そこでサトイモ君は、最後のモッコ1杯でお山が完成、「メデタシ&メデタシ」「もうベルギー旅行記はこの辺で終わりにしていいんじゃありませんか?」というこの段階に至って、
「うんにゃ、モッコ1杯で満足していてはダメだ」
「モッコ2杯、モッコ3杯、いやせっかくならモッコ10杯だって、お山の上にもっともっと積み上げて、誰にも文句を言わせないような高いお山を築いておきたい」
と熱望するに至る。おお、ネットリもネットリ、この濃厚なサトイモを一度口に入れたが最後、滅多なことでは咀嚼も嚥下を許さない。マコトにマコトに念の入った、まるで真綿でジワジワ首をしめるような、シツコイ中年サトイモなのである。
オーザルム
(最後の大会戦の舞台、Aux Armes de Bruxelles全景。サトイモ将軍の勇姿に、欧米人カップルも欧米オジサマも立ちすくむ)

 もちろん、最後のモッコ1杯で完成したお山に、「まだ終わりにしてあげないよん♨」と次々とモッコを運びこむ者がいれば、真っ青なお空から「DA・SO・KU」という神のコトバが降ってくる。漢字に直せば「蛇足」であって、せっかく描いたヘビさんの絵に、ヘビにはないはずの足を描き加えれば、「余計なことをして作品を台無しにした」と叱られるに決まっている。
 いやはや、ヒトを批判するのはたやすいことであって、だから世の中には制作者より批判者のほうが圧倒的に多い。制作者としては「最後のモッコはいらないんじゃないか」と判断したからモッコ1杯の運搬を放棄したんだし、「足を描いたら最高にクリエイティブなヘビじゃないか」と感じて、鼻歌でも歌うようなシアワセな気持ちで足をくっつける。
 ところが、クリエイティブな仕事しようとしない多数派は、何しろ文句をつけるのが専門のヒトビトだから、「最後のモッコはどうしたの?」「おやおや、ヘビに足なんかありませんよ」と、余りに当たり前の批判を制作者に浴びせて悦に入る。
孤独
(深夜の孤独な小便小僧)

 しかし、「足のないヘビさんより、足のくっついたスネークどんのほうが可愛い」「シュールだ」「創造性に溢れている」、そう考え、自分の考えに誠実に制作する自由は尊重されるべきなのだ。ましてネットリネトネト長い糸をひくサトイモどんなら、ヘビに足をくっつける御仁のほうが圧倒的に好きである。
 そこでブリュッセル滞在にも余計な足をいくらでもくっつけて見せたい。「ようし、最後の店でムール貝60個を平らげて、長かった『ベルギー冬物語』も終わりになるんだな」と、読者諸君が安堵の胸を撫で下ろした瞬間、「いやいや、まだ終わりになりませんよ」と、意地悪な薄笑いを浮かべるのが大好きなんだから、そりゃ仕方がないじゃないか。
 しかも諸君、実際の今井君自身、ベルギーでの最終日はそれで終わりになんかしなかったのだ。ムール軍の大船団800艘を殲滅する大仕事をやってのけたサトイモ将軍には、この夜のうちにどうしてもやっておかなければならないことがある。EL ROY訪問である。
自分撮り1
(EL ROYでLEFFE BLONDEと一緒に自分撮り 1)

 滞在中、すでに5回も訪問しているお店。500年以上の歴史を刻んできたギルドハウスの中で、500年前と同じ雰囲気で今も営業しているカフェレストラン。2階の窓からはブリュッセルの中心グラン・プラスを一望できる。今回の旅の締めくくりは、どうしてもここでなければならない。
 Aux Amres de BruxellesでベルギービールLEFFE BLONDEとは別れを惜しんできたが、もう1つの溺愛銘柄CHIMAY BLUEにだって、しばしの別れを告げなけりゃいけない。「CHIMAYなら日本でも飲めますよ」とか、そういうアドバイスこそ余計なヘビの足であって、日本で飲むCHIMAYと、真冬のベルギーでグランプラスの上空で霞む月を仰ぎながらのCHIMAYを、同列に論ずるのは愚かである。
自分撮り2
(EL ROYでLEFFE BLONDEと一緒に自分撮り 2)

 こうして、EL ROYに入ったのが21時、アルコール度10%近い濃密なCHIMAY BLUEを3本も4本も平らげ、ついでにLEFFEとももう1度しばしの別れの挨拶。店を出たのが23時。さすがのネットリ里之丞も、「ほぼ泥酔」という楽しい状態に突入していた。
 おやおや、ここまで来ると、ヘビの足は4本から8本へ、モッコの数も10杯から15杯へ。終わっても全然かまわない旅行記は、もしかするとこれからいよいよクライマックスを迎える可能性さえ出てきた。諸君、クマ蔵が長い人生で学んだ人生訓の一つは、「ヘビの足、侮るなかれ」なのである。

1E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS①
2E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS②
3E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS①
4E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS②
5E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS①
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