2013年04月18日(木)

Mon 130325 有終の美を飾りたい 800 ブリュッセル大海戦(復活ベルギー冬物語36)

テーマ:ブログ
 こうして1月23日、ベルギー滞在最終日の夕暮れになった。滞在13日。アントワープへの小旅行2回、ブリュージュへの日帰り旅行2回、リエージュとメッヘレンに各1回。あまりの寒さに1日1日の行動は制限されてしまったけれども、振り返ってみてまずは充実の滞在だったと言ってよい。
 しかし「九仞の功を一簣に虧く」ということもある。長い年月にわたる努力も、最後の最後で詰めが甘いと、全ての努力をフイにする。一簣とは「モッコ1杯分」のことであって、「高い山を築いても、最後にモッコ1つ分の土を盛らなかったせいで全部が台無し」という意味になる。
 もちろん、「センセー、『モッコ』ってなんですか?」という質問については、さすがの今井君だって堪忍袋の緒が切れる。モッコぐらい、ネットで検索したまえ。玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする。式子内親王。うにゃにゃ、昔から堪忍袋や玉には「緒」というものがくっついていて、ケッコ、カンタンにブチ切れていたのである。
 今井君は大昔の論文テストで「一簣に虧く」を「一気に欠く」と書いて、珍答集に紹介されてしまった経験がある。もちろんこんな難しい漢字を、たとえ京大や東大でも漢字テストに出題することはないし、その昔「難問奇問」で有名だった早稲田大学でもさすがに出さないだろうが、ムリして論文の中で使ってしまえば、哀れや哀れ、「珍答集」のエジキにならざるをえない。
月も出た
(ブリュッセル最終日のグランプラス。夕暮れ、月が出た)

 そこで、九仞の功を一簣に虧かないようにするためには、最後の「一簣」を慎重に選択する必要がある。今回のブリュッセル最後の夕食をどうするか。それがまさに最重要のモッコ1杯であって、ここを「テキトーでいいんじゃね?」「その辺でハンバーガーとか軽く食ってぇ、ほいでぇ、それからぁ...」とかやっているようでは、まだまだ外国旅行を満喫しているとは言えないのだ。
 それでは「超高級店」とか「有名店」、または「スターシェフのいる店」なら何でもいいかと言うと、それもまた話が違う。というか、そういう他者任せの選択じゃツマラナイじゃないか。
 しかも逆に最近の有名店というのは、「ミシュランで星を獲得!!」「ZAGATに掲載されました」みたいに、他人の批評ばかり気にして、他者の評価を看板にして商売をやっている。おやおや、そんなに自信がないんですかね。
ミシュラン1
(この店もミシュランだらけ)

 しかも諸君、ミシュランはフランス語圏で、ZAGATは英語圏で、それぞれ星やレートの大廉売中。日本だと「☆獲得!!」「掲載されました!!」とビックリマークが飛び交うけれども、例えばニューヨークの街を歩けば、ソーホーでもノリータでもタイムズスクエアでも、むしろZAGATに掲載されたことのない店を探すほうが困難なぐらいだ。
 そこでブリュッセル最終日のサトイモ男爵は、ミシュランや星の王子様やZAGATをできるかぎり無視して、ベルギーに有終の美を飾り、楽しかったブリュッセルに花やかに封印して、築いた山のテッペンに最後のモッコ1杯分を積み重ねることだけを考えた。
ミシュラン2
(あの店もミシュランだらけ)

 そういうことになれば、当然Aux Armes de Bruxelles以外のお店は考えられない。この2週間ですでに3回訪れていて、今日が4回目の訪問になるが、これこそまさに「最後のモッコ」にふさわしいじゃないか。夕暮れ19時、もうすっかり馴染みになった店の回転ドアを押すと、うぉ、その途端まさに最後のモッコの懐かしい匂いに包まれた。
 そして諸君、言うまでもない。最後のモッコなんだから最後のモッコらしく、注文する料理ももちろん「ムール貝の白ワイン蒸し」。ムール貝はこれで13日連続、対ムール戦13連勝の栄光はついに今井里之丞のものとなろうとしていた。
レフブロンド1
(大好きなLEFFE BLONDEとデキャンタのロゼワイン)

 2週間前、ブリュッセル侵攻を開始したサトイモ軍曹は、この滞在を「対ムール戦争」と位置づけ、「13日間1日たりとも欠かさず、延々とムール貝を食べつづける」と宣言。肉体の何十%かをムール貝由来とすることによって、ベルギーの人々に同化しようと決意したのだ。まさに、ガリアを征服したカエサルのごとき、模範的な同化政策である。
 1日平均してムール貝を60個。これを13日連続すれば、諸君、驚くなかれ、60個×13日=780個。ざっと800個のムール貝がクマ蔵のお腹の中で消化されたことになる。
 「ざっと800個」という形容に違和感のあるヒトは、バーチャンやジーチャンに聞いてみたまえ。昭和中期まで、日本人は「約」や「およそ」の代わりに「ざっと」を使用した。「約」や「およそ」と違って、「どんなもんだい!!」「スんゴいだろ!!」というニュアンスを形容にこめることができたのである。
ムール1
(対ムール、最後の戦闘に突入)

 800という数字に、諸君はどんな感懐を居抱くであろうか。例えば、壇ノ浦に勢揃いした平家の舟団の前に、濃い朝霧をすかして黒々とした源氏の軍船800艘の姿が現れる。実数は違うかもしれないが、おそらくその瞬間の恐怖こそが、半日後の平家の崩壊を予告していたのである。
 幼い帝に「海の下にも都はございます」と申し上げなければならない。勇将・平知盛も、巨大な碇を担ぎ上げて「見るべきホドのことは見つ」と吐き捨てなければならない。800という数の迫力は、諸君の想像を絶するものである。1列40艘×20列の大船団を、マブタのウラに描いてみるといい。
レフブロンド2
(LEFFE BLONDE、拡大図)

 同じことは、レパント沖に集結したヨーロッパ軍船にも言えたであろう。主力・ヴェネツィア海軍の軍船は、まだ笑いに満ちている。歴戦の海将・ジェノバ人ジャンアンドレア・ドーリアに率いられたスペイン海軍にも、根拠はないにせよ勇将に率いられた自信が漲っている。
 ところが目の前の霧の中に、不吉な黒に取り上げられたオスマントルコ海軍800艘がいきなり姿を現すことになる。もう1度、1列40艘×20列の圧倒的な破壊力を、想像してみるべきなのだ。コンスタンチノープルの崩壊前夜、目の前の金角湾に突如として姿を現したトルコ海軍の軍船団。これも800なら、孤立無縁の古都・コンスタンチノープルの住民にもたらした絶望の濃密さは想像するに難くない。
ムール2
(最終ムール戦、拡大図)

 以上、サトイモ君はマコトにクダラン感懐を居抱きつつ、最後のムール軍団殲滅にとりかかった。殲滅にかかった時間は、わずか15分あまり。大好きなベルギービールLeffe Blondeの助けもあり、デキャンタで注文したロゼワインの援軍もあって、最終戦もまたたやすく勝ち戦となった。
 こうして、13日の長い時間を要してしまったが、800の黒い大ムール船団を相手に、孤立無援の戦いでの大勝利。このブリュッセル大海戦でのサトイモ男爵の活躍は、間違いなく長く歴史に刻まれることであろう。マコトにうにゃにゃ、うにゃにゃである。

1E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS②
2E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS①
3E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS②
4E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS①
5E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS②
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