2013年04月06日(土)

Wed 130313 メッヘレンへ 自販機物語 多言語国家の人々の努力(ベルギー冬物語32)

テーマ:ブログ
 4月6日午後9時、東京は予報されていた通り「爆弾低気圧」の影響が出始めて、外ではベチャベチャ梅雨時のようなイヤな雨が降りだした。風のほうはまだ大したことはなくて、「人が真っ直ぐ立っていられないほど」とか「クルマが真っ直ぐ走れないほど」と、一昨日から天気予報にさんざん脅かされていたほどの状態には、まだ立ち至っていない。
 予報によると、これから深夜に向かって雨&風ともにもっともっと激しくなり、東京でも落雷の恐れがあるらしい。雷のゴロゴロ重たい音が轟くと、精神年齢のマコトに低いサトイモ君なんかは、何となく夏が来たみたいな気持ちになるのだが、ま、とにかく人的被害が出ないことを祈るばかりである。
メッヘレン駅
(メッヘレン駅)

 1月23日、ベルギー滞在最終日のサトイモ男爵は、ブリュッセルから列車で1時間もかからないメッヘレンの街を目指した。ブリュッセル南駅まではトラム。もちろんトラムといってもブリュッセル中心街では地下を走っているから、たとえ3両編成のトラムでも名目上は地下鉄である。
 チケットは自動販売機でも買えるが、ヨーロッパの人は自動販売機が大キライ。スペインでもポルトガルでも、イタリアでもフランスでも、ヒトビトは長い列に長々と並ぶことを覚悟で有人の窓口を利用する。長い列の長さについては、せっかちな日本人の想像をはるかに絶する長さであるから、ヨーロッパ人の自動販売機ギライは相当なものなのだ。
 昔のヨーロッパの自動販売機は、コワれていることが多かった。チケットでも、飲み物でも、メッタヤタラに操作がメンドクサイわりに、操作の最後の最後の段階まできて「何だ、故障か」「何だ、使えないじゃないか」とガッカリさせられた。
治安の悪そうな列車
(ブリュッセルからメッヘレンへの列車。いかにも「治安が悪い」な感じ)

 ガッカリさせられるだけならいいが、「オカネを入れたのに、何も出てこない」という恐るべき事態に立ち至ることも少なくなかった。かくいうサトイモ君も、2005年のパリの自動販売機で、2ユーロ玉1個を入れたまま、機械がウンともスンとも言ってくれないという惨事を経験した。
 もちろん、自動販売機が「ウン!!」とか「スン!!」とか叫びだすのもオソロシイが、2ユーロ玉を1個おいしそうに飲み込んでおいて、あとは人間サマを完全に無視して知らんぷりを決め込む機械クンほど憎たらしいものはない。
 「何か問題があったら電話してくれ」という貼り紙があり、申し訳程度に電話番号を書き記してはあるけれども、実際に電話してもどうせ誰も出ないし、たった2ユーロのために係員がやってくるのを1時間も徒手空拳で待ちつづけるのもシャクじゃないか。飲み込まれたものは飲み込まれたものとして、素直にあきらめるしかないのが実際のところなのだ。
地下鉄駅
(ブリュッセル地下鉄、ホテル・アミーゴ最寄りのBourse駅。右の2台が問題の自動販売機だ)

 しかも諸君、入れたのがコインなら、「何も出てこない」「何の反応もない」でも1ユーロなり2ユーロなりをアッサリあきらめれば、まあそれで話は終わりだ。しかし機械に飲み込まれたのがクレジットカードの場合、その旅はその段階で悪夢に変わりかねない。
 どこだったかねえ。ハンガリーだったかポルトガルだったか、今井君はすんでのところでクレジットカードを飲み込まれそうになった。普段なら「アブナイな」と思ったらクレジットカードを自販機で使ったりはしないのだ。しかしあの時は何か他のことで妙にムカついていた。
 「クソぉ!!」という激しい憤りの中、まさにその憤りのスキをついて、機械クンはサトイモ・プラチナカードを見事にゲットしかけるに至った。機械に引き込まれる寸前、「こりゃイカン」「こりゃ危機一髪だ」と気づいた今井君は、冷や汗を流しつつカードを機械から引き抜いた。
パンの自動販売機
(いろんなパンの自動販売機もある。メッヘレンで)

 というわけで、ヨーロッパの人は自動販売機をあんまりホンキで相手にしたがらない。長い列を作ってでも、機械よりチャンと人を相手にして、人との会話の中でラチをあけようとする。サトイモ閣下の観察したところでは、自動販売機をマトモに相手にするのはドイツのヒトビトと、イギリスの一部のヒトビトだけである。
 だから今井君も、郷に入れば郷に従い、ヨーロッパに入ったらヨーロッパ人に従う。実際にチャンと窓口に並ぶほうが早いし、学ぶことだって多い。2010年のバルセロナで学んだのは、
「あんなに暢気なスペインの人だって、あんまり長く列に並ばされてラチが開かないと、やがてみんなで大きな抗議の叫びをあげはじめること」
「しかもその抗議の声が、そのまま暴動につながりかねないたいへんな迫力をもっていること」
であった。
メッヘレン大聖堂
(メッヘレン、ロンバウツ大聖堂)

 ベルギーは、全ヨーロッパの中でもヒトビトが最も落ち着いて行動する、奇跡のように穏やかな国家である。鉄道の駅の窓口も、列はそんなにカンタンに長くならないし、窓口の係員はヨーロッパでは例外的に手際がいい。その手際の良さは、ほとんど日本のJR窓口を思わせるほどである。
 この手際の良さは、オランダ語とドイツ語とフランス語と英語が並立していることと関係がありそうだ。係員の側でも乗客のほうでも、とにかく「相手の言うことを理解してあげよう」「多言語国家では、話す側と聞く側の双方の努力が重要」と身に沁みて理解しているようだ。
メッヘレン市街
(メッヘレン市街、冬物語)

 だってそうだろう。オランダ語では「メッヘレン」でも、ドイツ語なら「メッヒェレン」、フランス語なら「マリーヌ」だ。フランス語なら「ブリュージュ」でも、オランダ語なら「ブルッへ」である。お互いの協力が大事になってくるのは言うまでもない。
 ま、金沢と「カネサワ」「キンサワ」「カナタク」と発音するようなもの。神戸を「カンベ」「カミト」「コート」と発音されて、「アイツは田舎モンや!!」と決めつけるような冷たい態度では、21世紀の多言語国家はやっていけないのである。

1E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 3/4
2E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 4/4
3E(Cd) Krivine & Lyon:DEBUSSY/IMAGES
4E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 1/2
5E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 2/2
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