2013年02月21日(木)

Mon 130128 ブリュッセル空港 朝市の閑散に絶句 ウサギを食らう(ベルギー冬物語23)

テーマ:ブログ
 こんなに日本中や世界中を旅して回っていると、「お、あそこがテレビに映ってる!!」と絶叫する頻度も高くなる。もちろん旅番組とか「街歩き」とか「世界の車窓から」とか、その類いで絶叫するのはマコトに幸せだが、「あそこで強盗があった」「あそこで事故があった」「大事件があった」という絶叫は、やはり気持ちのいいものではない。
雪の宮殿
(リエージュ、雪の宮殿)

 昨日の北海道は大雪で、札幌-岩見沢間で電車が立ち往生。旭川行き特急「スーパーカムイ」の列車内で夜明かしした乗客もいたのだそうだ。確かに、画面でみる暴風雪は、列車の平常運行が可能なレベルではない。
 そう言えば「特急スーパーカムイ」って、ついこのあいだ乗ったばっかりである。去年の11月下旬、札幌での講演会のついでに、どうしても旭川ラーメンを食べたくて、ただそれだけのために旭川まで足を伸ばした。
 日曜の夕方、結婚式ラッシュのせいで大混雑のスーパーカムイは、指定席が売り切れ。仕方なく自由席の列に並んだが、最後の最後に1席だけ、車両の一番端っこに空席を発見した。いまテレビに映っているのは、まさにあのときの車両である。
駅前
(リエージュ、パレ駅前で)

 そうかと思うと、「ブリュッセル国際空港でのダイアモンド強奪事件」が話題になっている。46億だか47億だかの巨大ダイヤ盗難が、まずニュース番組を賑わせ、今はワイドショーがこの事件の話で持ち切りだ。映画オーシャンズ11/12/13を髣髴とさせるような、おそらくプロフェッショナル集団の犯行である。
 犯罪を描写するのに「鮮やかな」みたいなポジティブな形容動詞を使用するわけにはいかないが、こりゃ確かに鮮やかすぎる。そして何度も画面に大映しになる「ブリュッセル国際空港」だが、まさに1ヶ月前、ブリュッセルに到着した今井君の旅の出発点も、まさにここだったのである。
オペラ座
(リエージュ、オペラ座もあった)

 ヨーロッパの首都に相応しい、現代的なデザインの広大な空港。しかし乗降客はコワくなるぐらい少なくて、あまりに閑散とした夜の空港に、ヒトビトの声が不安そうに反響した。ヨーロッパの地方空港に着いたとき、まず心配になるのが「タクシーって、いるのか?」であるが、ブリュッセルがまさにそれであった。
 どのぐらい乗降客が少なかったかは、最終日にブリュッセルから搭乗したこのミュンヘン行き小型機を見てくれれば分かる。「もしかして、プロペラ機?」と思うぐらいである。往路はフランクフルトからブリュッセルに入ったが、その時もまた同じぐらいの、小さな小さなカワイイ飛行機であった。
小型機拡大図
(ブリュッセル国際空港、ミュンヘン行き小型機)

 ブリュッセルに着いた夜だって、あまりの静けさにサトイモどんは一驚を喫した。何しろ、今井君のスーツケースが「いの一番」に姿を現したのだ。「ありゃりゃ、トップで出てくるなんて気持ちいいね」ではあっても、完全にトップだと何だか恐ろしくなる。
 そして今思えば、空港係員の姿がほとんど見えなかった。EUへの入国審査はフランクフルトで済ませているから、ブリュッセル国際空港では空港職員と全く顔を合わせていない。飛行機を降りて、スーツケースを受け取って、空港の外に出るまで、おそらく1人も係員を見かけなかった。ブリュッセルで初めて出会ったベルギー人は、タクシードライバーだったわけだ。
 やっぱり、警備が手薄だったんじゃないか。乗降客が不安になるほど、空港内に警備員の姿すらないとすれば、強盗団のクルマがすり抜けたあたりだって、やっぱり警備担当者は少なかったはず。強盗団は、まさにそこに目をつけたんじゃないか。今になって思えば、現代的で広大で清潔な空港だからこそ、返っていろんな危険が潜んでいたわけである。
階段1
(リエージュ名物、天まで続く階段)

 さてと、1月20日、リエージュのクマ蔵どんを見に行こう。リエージュは、いまや日本人選手3人が所属するサッカーチームで有名。日本代表GKの川島も、今はリエージュでプレーしているはずだ。
 そうなると、街の人たちも日本ビイキでいてくれる可能性が高い。つい4~5年前まで、ヨーロッパを旅するたびに「ナカタ、ナカムラ」「ナカタ、ナカムラ」と声をかけられた。今は「ナガトモ、カガワ」である。サッカー選手の活躍は、たくさんの日本ビイキをヨーロッパに生み出してくれる。おそらくリエージュなら「カワシマ、カワシマ」と呟きながら近寄ってくる怪しい人物と出会えそうだ。
階段2
(天まで続く階段、全体図)

 しかし実際には、降り立ったリエージュ・パレ駅に人影はほとんどない。ベルギーは、マコトに優しく、マコトに静かな国である。国際空港に警備員の姿も見えないほどなら、リエージュの小さな駅に、日本ビイキの元気なサッカーファンがタムロしているはずもない。
 雪に埋もれた宮殿前には、日本ビイキどころか、ヒトそのものの姿がない。人間がみんな、コドモたちばかりかオトナも残らずハーメルンの笛吹き男についていっちゃったのかと思うほどの、異様な静けさであった。
「みんなぁ、どこへ行っちゃったの?」
「ホモ・サピエンス、やーい!!」
「だれかいるなら、返事してくんろぉ!!」
あのときの今井君の気持ちを芝居のセリフで要約すれば、だいたいこんなところだ。ミゾレまじりの雪に震えながら、ムンクの叫びをそのまま実践したくなるような、恐るべき寂寥であった。
朝市1
(リエージュ朝市、全体図)

 では、「みんながどこに行っちゃったか」であるが、もちろん暖かいオウチでヌクヌク、気持ちいい日曜の午後をトロトロ居眠りしながら、シアワセに過ごしているに違いない。パパはもちろん昼間のビール。ママは読書とか編み物とか料理とかに夢中。宿題を済ませたコドモたちは、クリスマスプレゼントのオモチャをボンヤリいじっている頃だ。
 もちろん、クリスマスから1ヶ月経過したオモチャには、もう新鮮さは残っていない。そろそろ新しいオモチャがほしい。次は誕生日プレゼントだから、まだ3ヶ月も4ヶ月も待たなきゃイケナイ。
 ちょっと飽きちゃったこのオモチャでしばらく我慢だが、諸君、諸君は考えてみたこともないだろうが、オモチャというものが一番イトオシイのは、もうタップリ遊んで少し飽きがきたころなのである。
 まして、こんな雪の日曜日だ。あんなにオネダリして買ってもらったけれど、1ヶ月遊びつくして、このオモチャはもう自分の肉体の一部分になってしまった。家族みんなでトロトロ居眠りするような気分の日曜午後には、緊張感のない慣れ親しんだオモチャのほうがいいのだ。
朝市2
(リエージュ朝市 1)

 あれま、リエージュ中の人たちがみんなオウチでトロトロしているとなると、ブリュッセルからやってきたこのクマ蔵どんは、いったいどうすればいいの? ガイドブックによれば「駅前にいくらでも並んでいる」はずのレストランは、やっと3軒ほど。それも営業しているんだかしていないんだか、ドアを開けてみないと分からないような閑散ぶりだ。
 そこでとりあえず、有名な「リエージュの朝市」を見に行くことにした。以下は、日本で購入したガイドブックの記述である。
「そんじょそこらの朝市とはワケが違う」
「まだリエージュでのスケジュールを決めていなかったら、日曜の8時から14時は必ずリエージュにいてほしい」
「ドイツやオランダからも買い物客が殺到する」
「混雑がまたたいへんなもので、端から端まで見て歩くと2~3時間はかかる」
「大混雑なので、スリに要注意」
朝市3
(リエージュ朝市 2)

 ま、ガイドブックの針小棒大を頭から信じてリエージュなんかまでノコノコやってきたサトイモ君が悪いのかもしれないし、季節と天候のせいかもしれない。吹雪の中、寒々とした川べりの朝市を訪れたヒトはごくわずか。スリどころか、ごく普通のホモ・サピエンスだって、あんまりたくさんは見かけない。
 「何でも売っている」はずであるが、売っているのは、青果、チーズ、ハム、激安の衣類、雑貨。あとはホットドッグとハンバーガー。トロトロ暖かいオウチから朝市に出かけてきたヒトビトは、多くが後悔の表情を浮かべ、温かいファストフードの店に長い列を作っていた。
外観
(AMON NANESSE。寒さを逃れるために入った)

 ちょっとウンザリした里之丞は、朝市から左に折れて、リエージュ歴史地区をしばらく散策。空から降ってくる時はミゾレだから、気温は高いのかもしれないが、そのミゾレが地面に積もってすぐに固く凍りついていく。マコトに寂しい寒さである。
 寒さに耐えられなくなったサトイモが、「とにかく何でもいいからメシを食いに入りたい」という内心の叫びに絶えられず、大急ぎで選んだ店がAMON NANESSE。ドアを開けてみると、ヒマそうにカウンターで雑誌を読んでいた店員のお姉さまが、ビックリしたように怯えた視線を向けた。
 「こんな店に、客がきた」という事態、そのこと自体に驚異を感じたようである。しかも、ただの客ではない。アジア人、それも日本人である。地球の裏側から空を飛んで、ブリュッセルやアントワープならともかく、リエージュなんかに日本人がやってきたのだ。彼女が怯えるのも不思議ではない。
メニュー
(無言で手渡されたメニュー)

 寂しいお店に、他のお客は地元の中年男女2人組だけである。店員さんはもう1人。あと、奥の厨房のほうに料理人が1人うごめく気配がして、どうやら家族3人でこの店を切り盛りしているらしい。今井君が入店して、食事を済ませ、ワインのデキャンタをカラッポにして、お勘定を済ませて店を出るまで、他のお客は一人も入って来なかった。
 注文したのは、ウサギのお肉。うわ、残酷にもクマどんは、ウサギさんをムシャムシャ食べちゃった。いつかポルトガル・ポルトの街でウサギ・ムシャムシャをやったことがあるが、あのとき目を白黒させた小骨だらけのウサギとは似ても似つかない。ホントに美味しいウサギさんであった。
うさぎ
(ウサギさん)

 つまり、街は閑散&市場も閑散、駅前も閑散&お店の中も閑散、どこまでいっても閑散として、リエージュ全体がミゾレの中で凍え死んだような午後だったのに、お店の中はポカポカ暖かく、ウサギのお肉だけは異様にウマかったわけである。
 どうやらこれこそ、リエージュの本質、いや、ベルギーという国の本質であるらしい。もちろん、そう感じるのに何の根拠も理由も論理もない。暢気な旅の途中のクマどんが、暢気にアクビをし、暢気にヨダレを拭いながら、「なんとなく、そんな感じ」と思っただけの、マコトに暢気なお話である。
 あれれ、対ムール9連勝は? 左様、あまりの寒さに対ムール連戦連勝の夢を忘れていた。13連勝を目指していたが、このミゾレの日曜の午後、今井君はついにピンチに陥った。

E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 1/6
E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 2/6
E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 3/6
4E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 11/11
5E(Cd) Harnoncourt:BEETHOVEN/OVERTURES
total m150 y150 d10345
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