2013年02月17日(日)

Thu 130124 悪趣味チョコ 夕暮れのマルクト広場 中世の道に迷う(ベルギー冬物語21)

テーマ:ブログ
 1月19日午後3時すぎ、クマ蔵はやっとのことで昼食を終えた。お腹の中ではムール貝60個が生きることの空しさを語り合い(昨日の記事参照)、冷えたワインと熱燗のワインが親潮と黒潮よろしくダイナミックに混じりあって、いよいよクマは絶好調である(これまた昨日の記事参照)。
 聖母教会では聖歌隊の合唱の美しさに打ちのめされたけれども、諸君、やっぱりベルギーの人々はどこまでもオチャメであり、オチャメが行き過ぎて悪趣味になるあたり、ブリュージュはブリュッセルに勝るとも劣らない。
鐘楼
(高さ88m、13世紀の鐘楼がブリュージュを見守る)

 何と言っても悪趣味なのがチョコレート屋である。さすがベルギーだけあって、町のいたるところにキレイなチョコレート屋が並んでいるが、そのウィンドーにズラリと並んだチョコレートを、ちょっと落ち着いてよく見てみたまえ。
 「悪趣味、ここに極まれり」「イタズラもいい加減にしないと、嫌われるよ」であって、中2男子または小5男子が、みんなお互いを突き飛ばしながら1時間でも大爆笑するような世界である。かく言うサトイモ君も、精神年齢は小5男子のマンマ。ウィンドーに並んだ悪趣味チョコの写真を何枚も何枚も撮って「こりゃ、ブログに使えるぞ♨」と意気込んだ。
救世主教会
(これも13世紀に完成、救世主教会)

 要するに、男のアソコ、女のアソコ、およそ「アソコ」というコトバで暗示され総称されるありとあらゆるものを、ブラックチョコ、ホワイトチョコ、ミルクチョコ、その他チョコで表現可能なあらゆる色彩を使い、ホンモノそっくりに作って並べたわけだ。
 「ベルギーのお土産はチョコにしよ♡」「もちろんチョコはブリュージュで買お♡」と、マジメに意気込んで訪れたお客はみんな、「アソコ」のチョコを知らずにムンズと手にとり、しばらくしてから「何てモノを握りしめているんだ?」と気づいて、赤面なり狼狽なりドギマギなりビックリなり、要するに慌てふためいてチョコを放り出す。
州庁舎
(旧市街の中心、マルクト広場の州庁舎)

 ちょうどそのあたりを見計らって、店の奥から店員さんがニヤニヤしながら登場する。渋いオジサマ店員も、美しいお姉さま店員も、イヤに落ち着き払って、「いらっしゃいませ♡」「おや、アナタはとんでもないものを握りしめていらっしゃいますね」とニタニタ含み笑いしてみせる仕掛けだ。うにゃ、これはやっぱり悪趣味だ。
 かくいうサトイモ里之丞も、あのとき盛り上がって撮りまくった写真の数々を、いま改めて冷静に見直してみると、「こりゃイカン」「こんなものブログに掲載したら、きっと誰かに叱られる」→「てか、オトナとして情けないじゃないか」「何だかイヤなことするな」と、すっかり気分が落ち込んでしまう。残念だが、写真の掲載は自粛する。
にゃごろわ
(ダッチェス/にゃごろわ)

 もちろん、その他は心なごむお店ばかりである。クッション屋さんのウィンドーでは、「ダッチェス」と名前のついたニャゴロワのクッションを発見。ナデシコのデザインのクッションもあった。「2匹は元気で暮らしているかな?」と、ふと東京が懐かしくなる瞬間である。
なでしこ
(かわいいナデシコ君)

 そうかと思えば、いきなり目の前に旨そうな和食屋さんが姿を現したりする。屋号は「たぬき」。もちろんブリュージュでは「たぬき」じゃなくて「TANUKI」であるが、オーナーは「日本で2年修業した」というベルギー人夫妻である。
 しかも、わずか2年の修業で、チャンとミシュラン2012年版に掲載されている。やっぱりミシュランの評価は、フランス語文化圏では相当に甘いようである。しかし、こりゃどうしてももう1度ブリュージュに来なきゃ気が済まない。今日の夕食をTANUKIにしてもいいが、残念なことにディナーの営業開始時間が遅すぎて、ブリュッセルに戻れなくなってしまう。
たぬき
(ミシュランにも登場、TANUKI)

 聖母教会前の凍りついた運河をわたり、メムリンク美術館の脇を抜け、救世主大聖堂にいたる。救世主大聖堂はブリュージュ最古の教会で、12世紀から13世紀の建築。いまやサトイモ里之丞は、完全に中世ヨーロッパの真っただ中を進んでいくのであるが、諸君、そろそろ薄暗くなりはじめ、ますます気温が下がって、もはやこの寒さは耐えがたい。
 ようやくマルクト広場に着いたのが、午後4時。町のシンボルである鐘楼は高さ88m。13世紀から建築が始まった。この鐘楼のふもとで州庁舎を見上げると、こりゃ間違いなく中世のまんまの姿で凍りつき、ネットリと時間の停止した「廃市」である。その真ん中に、今井君はアングリ口を開けて立ち尽くしていた。
夕暮れ1
(夕暮れ迫るマルクト広場 1)

 しかしとにかく、いくら何でも寒すぎる。感動も感激も、これほどの寒さの中では同じように凍りついて、肉体も精神も求めるものはただ一つ。ボーボー燃えさかる火のそばに座って、何でもいいから温かい飲み物を飲みたい。
 朦々と湯気の上がるスープなら言うことはないが、スープがなければ酒だっていい。ホントは「熱燗の日本酒!!」と叫びたいけれども、TANUKIは営業時間外、これ以上のワガママは言っていられない。
 ほうほうのていで闖入したのが、いま再びガイドブックをめくってみても影も形も全く見当たらない「名もないカフェ」。ただし「名もない」も何も、店内はいかにも由緒正しい調度で飾られ、地元ブリュージュのヒトで満員の、マコトに重厚なお店なのであった。
グリューワイン
(名もない店でグリューヴァインを注文する)

 凍死寸前のサトイモ軍曹が早速お願いしたのが、グリューヴァイン。英語ならホットワイン、フランス語ならヴァン・ショーであるが、ベルギーではドイツ語のグリューヴァインが最も普通の呼び名のようである。
 もちろん、生クリームをのっけたベルギーワッフルも試さなければならない。店内ではせっかく暖かい炎がボーボー燃えさかり、人々は土曜日の短い夕暮れを惜しむかのように、それぞれに熱いコーヒー、ホットチョコレート、紅茶のカップを両手で包み込んで、急速に暮れていくマルクト広場を悲しそうに眺めているのだった。
ワッフル
(名もない店でワッフルをかじる)

 店を出ると、もう午後5時を過ぎている。マルクト広場を囲むギルドハウス群にも暖かい灯がともり、中世の町の風情はますます高まっていく。
 どうやらこの町は、日帰りで慌ただしく訪れる町ではないそうだ。最低でも1泊、出来れば3泊なり4泊なりして、寂しい夕暮れの町や、高い鐘楼から鳴り響く夜の鐘や、早朝の慌ただしい鐘の音を満喫すべきなのである。古い教会や修道院が立ち並ぶ狭い通りに、居心地のよさそうなプチホテルも数多く軒を並べていた。
夕暮れ2
(夕暮れ迫るマルクト広場 2)

 いや、若い諸君なら、ここで1年か2年暮らしてみるのも悪くない。ブリュージュから電車で20分、ゲントの街には名門大学もある。留学して、ブリュージュに住む。そういう旅のやり方を、20歳代や30歳代のうちに一度試してみるといい。
 しかし今日のサトイモ男爵は、宿泊の心の準備をして来なかった。いや、「ふと泊まっていきたくなって」「ブラリとホテルに立ち寄った」などというオシャレな行動に出てもよかったのだし、普段の旅ならそういう「ブラリな行動」をとることも十分にありえるのだ。でもね、この寒さじゃ、ブラリな行動に出る行動力さえ、やっぱりグニャリと萎えてしまった。
夕暮れ3
(夕暮れ迫るマルクト広場 3)

 中世の風情タップリの町を、駅を目指して急いだ。途中ですっかり陽が落ちて、夜の町はますます冷え込んだ。ホントは早めに左に折れなければならなかったのに、賑やかな街の灯りに沿ってどこまでも直進したせいで、ありゃりゃ、どうやら道に迷ってしまった。南に向かうはずが、西に向かって歩いていたのだ。
 やがて目の前に見えてきたのが「鍛冶屋の門」。1297年建築の要塞跡である。道に迷うのも、決して悪いことばかりではない。結局は雪道を1kmも多く歩くことになってしまったが、もともと予定になかった「鍛冶屋の門」まで暗闇の中に眺めることができた。
道に迷う
(中世の町で、道に迷う)

 ただし「STATION」の看板にダマされたのは余計である。日本人ならSTATION=駅であって、「おお助かった、やっと駅に到着。ブリュッセルへの電車に乗れるぞ」と勘違いするはずだが、残念ながらここはベルギー。鉄道の駅はGAREかBAHNHOFであって、STATIONはむしろバスターミナルを指すのである。
 大混雑の薄暗いバスターミナルから、さらに15分ほど雪道を滑りながら急いで、ブリュージュ駅には18時ごろ到着。地元高校生だらけの駅で20分ほど震えながら電車を待って、何とか無事にブリュッセルに帰還。もう20時である。こりゃ、「もう1回どうしてもブリュージュにいかなきゃ」でござるね。

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 10/10
2E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 1/5
3E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 2/5
4E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 3/5
5E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 4/5
total m121 y121 d10316
最近の画像つき記事
 もっと見る >>

Ameba芸能人・有名人ブログ

芸能ブログニュース

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。

      Ameba芸能人・有名人ブログ 健全運営のための取り組み