2013年01月31日(木)

Mon 130107 ご立派だけじゃつまらない 濁りすぎた田沼も困る(ベルギー冬物語10)

テーマ:ブログ
 1月14日午後、一昨日の記事に書いた通り、ブリュッセルのたいへんご立派な側面ばかりを見てまわり、すっかり感激してしまった。EU本部近辺を颯爽と闊歩する人々の表情。NATO本部に向かうバスに漲る緊張感。うぉ、さすが「ヨーロッパの首都」と自他ともに認めるだけのことはある。
 ヒトビトの穏やかさと優しさについても、すでに何度か述べた通りである。地下鉄でも、中長距離列車の中でも、ヒトビトはみんな意識して穏やかに行動し、話し声も抑制し、 「他人に迷惑をかけないこと」「しかし困っているヒトがいたら積極的に声をかけてあげること」を常に心がけているようである。
グランプラス1
(氷点下5℃のグランプラス ギルドハウス群)

 しかし諸君、どんな立派な街であれ、やっぱり「困った側面」というものは存在する。あんまり清潔すぎたり、あんまり立派すぎたり、そういう優等生はちっとも面白くないので、昔からクラスの人気者は「ワル」か「ちょいワル」に決まっていた。
 「ちょいワルおやじ」が流行したのは、もう10年も昔のことになるから、いまだに「ちょいワル」をやりつづけているオヤジがいたら、そろそろ反省して「超立派オジサマ」に変身する努力を始めるべきである。「歳月はヒトを待つものかは?」と兼好法師に反語で尋ねられるまでもない。今すぐ改心して、チョーリッパ方向に舵を切るべきだ。
グランプラス2
(氷点下5℃のグランプラス 王の家)

 ブリュッセルどんの場合は、EUとNATOと人間力の方面に立派さが集中しちゃったせいで、旧市街の中心部では逆に「オチャメな側面」が目立ちはじめている。まあ、あくまで「オチャメ」という程度であって、我々旅行者が怖がらなきゃいけないような、暴力的な話ではない。
 「オチャメ」については、グランプラスから伸びるイロ・サクレ通りのレストラン街あたりから話を始めよう。いやはや、この通りに居並ぶ客引きのオニーサンたちには、少々暴力的な傾向も出てきている。ある夜なんか、客引きニーチャンに「コンバンハ!!」と抱きつかれそうになった。
 どうやら、ヨーロッパで一番知られている日本語は、「チョット」または「チョットチョット」であるようだ。クマ蔵がイロ・サクレ通りを歩いていくと、そこいらに居並んだ客引きたちがこぞって「チョット」「チョットチョット」と声をかけてくる。
グランプラス3
(氷点下5℃のグランプラス ブラバン公の館)

 思い返せば、イスタンブールのネヴィザーデ通りでも同じだったし、アテネのプラカ地区でも、ミコノス島でお世話になったヨルゴの店でも、最初にかけてくれた言葉は「チョットチョット」だった。よほど普及したものと思われる。
 ホンの5~6年前までは、「ナカタ、ナカムラ」「ナカタ、ナカムラ」と叫びながら寄ってくる客引きも多かった。中村俊輔と中田英寿がヨーロッパサッカーに残した印象はそのぐらい強烈だったのかもしれない。もっとも、今井君の顔を見ていきなり「モモタロー!!」と絶叫した客引きだっていたから、まあ「何でもいい、立ち止まらせちゃえばコッチの勝ち」ということなのかもしれない。
日本語
(日本語のメニューあります。おいしいですよ。「おいしいですよ」が特に謎だ)

 こういうふうで、イロ・サクレ通りを歩く時は、「客引きの手を振り払いながら」ということになる。クマ蔵に「ニイハオ」と声をかける客引きは1人もいないから、何らかの判断基準で日本人と中国人とを瞬時に見分けているのである。
 気の弱い日本人は、この強引な誘いを断固として拒絶することができない。「チョット」と声をかけられ、思わず立ち止まり、メニューを手渡され、涙目で「カキ、エビ、イカ、サカナ!!」と日本語で列挙されたりすれば、もう魂を抜かれたようにお店の中に吸い込まれていく。
アントワープ1
(教会の聖像も雪をかぶりはじめた)

 ガイドブックをめくってみると、「ボッタクリの店があります。要注意」「私は実際にボッタクられました」とか、ほとんど自慢げにいろいろな危険情報が載っている。「満載」と言っていいぐらいだ。たいていは「オススメだというから、オススメをどんどん食べていたら、驚くほどの金額になった」という話である。
 こんなふうにボッタくられるのは、多くの場合ボッタくられる本人の不注意のせいである。店のヒトが「これがオススメです」と言えば、そりゃ高い食材がタップリ入っているに決まっている。
 オマールに伊勢エビにロブスター、ご丁寧に高級ワインも、テーブルにズラッと並べられて悦に入っていれば、支払うオカネだってゼロの数が1つぐらい多くなって当たり前。あんなに悦に入ってニタニタしてたクセに、支払いの段階になって「ボッタクリだ!!」と開き直るのは、客のほうの問題もあるんじゃないか。
スーパードライ1
(スーパードライ「極度乾燥(しなさい)」のショップ。英語を日本語に直訳したオチャメなブランドだが、よく売れていた)

 しかも、その場でチャンと「この店はボッタクリですか?」と開き直るならまだいいが、その場では知らん顔してニヤニヤ支払いを済ませ、日本に帰国してから店の実名まであげて「ボッタクリです」と情報を文字にする。店としては「オマカセで」と言われたから善意でオマカセをやっただけかもしれないのに、ちょっと可哀想である。
 イロ・サクレ通りの場合、いつも満員でパンパンに混雑している店と、いつ見てもガラガラでホントに誰もいない店とに、あまりにもハッキリ2極分化している。
 14日の昼食は「Aux Armes de Bruxelles」に入ったが、この店は明らかに前者。平日の15時近かったが、入店時はまだまだ昼食の客で混雑していた。今日もムール、白ワイン蒸し約60個。「13日連続記録」へ、残り10日である。お相撲の15戦全勝優勝がどんなにスゴいことなのか、「対ムール3連勝&残り10日」の段階ですでに痛切に感じはじめた。
今日のムール
(対ムール軍3連勝)

 斜向いのテーブルでは、60歳代後半と思われるお金持ちそうなオジサマと、20歳代前半のラフなカッコの男子が、旨そうな肉料理を仲良く食べている。何だか、エラく親密だ。オジーチャンと孫? パパが年を取ってから生まれた息子? それともそれ以外?
 ムールを次から次へとモグモグやりながら観察を続けた結果、今井君の結論は「それ以外」、2人はどうやら恋人同士のようである。手の握り方、互いのお目目の見つめあい方、「ジーチャンと孫」と考えるには、すべてが余りに熱々すぎる。うにゃにゃ、特にオジサマのほうが、ほとんどカッカするほど熱くなっていらっしゃる。
 そのときサトイモ男爵の鋭利な頭脳は、さらに別の可能性を発見して慄然とした。これはおそらく、「普通のデート」とは性質が違うのだ。まあ、若い読者が多いブログなんだから、これ以上この2人の関係に立ち入るのは教育上よろしくないだろう。ただ、「どうやらカネの絡んだイケナイ関係かも」と示すに留めておく。
小便小僧
(名物「小便小憎」だって、よく考えればオチャメすぎるが...)

 「カネの絡んだイケナイ関係」で有名なのは、ベルギーのお隣・オランダの首都アムステルダムである。「飾り窓地帯」という有名な一角がアムステルダムにはあって、飾り窓=ショーウィンドーの中で、生きた女性が下着姿で動き回ったりするのだそうだ。
 サトイモ男爵はそういうことに全く興味がない。というか、そういう情報がイヤで、だからなかなかアムステルダムを訪れる気になれない。飾り窓地帯が目当てでアムステルダムを訪れる男も少なくないらしいし、ドラッグに関する法律も甘い国だから、ドラッグ目当てのオランダ旅行などというのもあるらしい。うにゃにゃ、マコトに困った状況である。
小便小僧グッズ
(そこいら中のお土産屋に並ぶ「ワイン抜き小便小憎」。オチャメの行き過ぎで、こりゃチョイと悪趣味なんじゃないか)

 何しろお隣の国がそんなことをやっているから、ヨーロッパのご立派な首都ブリュッセルにも、その文化が流れてくる。諸君、今井君は中距離列車の窓からブリュッセルの飾り窓地帯を発見してしまった。アントワープからの帰り、列車がブリュッセル北駅に入ろうとする直前のことである。
 これもやっぱり教育上よろしくないから、詳細な描写は控えることにする。しかし、例えば日本のペットショップで、ウィンドーの中の犬や猫が動き回っている。通行人は盛んに「カワイイ」「カワイイ」と叫び、コドモたちは「ほしいな」「ほしいな」「ママ、あの犬ほしいから買って!!」と駄々をこねる。
 あれとほぼ同じ光景で、下着姿の女性がウィンドーの中をあっちへ行ったりこっちへ来たりし、風体のよくない男たちがウィンドーを覗いて歓声をあげている。ブリュッセル北駅に列車が到着する直前の約30秒間、列車はすでに徐行しているからイヤでも見えてしまう。ウィンドーの数は15から20ぐらいだろうか。
ジャンネケ
(小便小憎の女の子版「ジャンネケ・ピス」。これもやっぱりオチャメ行き過ぎで、観光客はみんな困惑気味だ)

 こういう店が営業していること自体、EU本部の置かれたヨーロッパの首都には、マコトに相応しくない19世紀野蛮である。そしてその街の光景が「列車の窓から見えてしまう」というのも、大いに悲しむべきことである。コドモも、女性の乗客も、進行方向左の車窓から、そういう光景が繰り広げられているのが、どうしても目に入ってしまうじゃないか。
 ブリュッセルにはターミナル駅が3つあって、北駅/中央駅/南駅である。北駅はベルギー第2の都市アントワープに向かう重要な駅であって、東京で言えば品川、大阪なら新大阪に該当する。そういうターミナル駅の間近で、そんな野蛮がいまだに継続しているとすれば、それは全ヨーロッパが憂慮すべき話ではないか。
スーパードライ2
(中央駅近く、「極度乾燥」のショップ。ロゴ入りバッグもある)

 いやはや、今日の記事には「オチャメなブリュッセル」を書こうと思っていたのだが、マコトに困った側面を書くことになってしまった。「白河の清きに魚の住みかねて」「モトのニゴリの田沼恋しき」は確かであって、あんまりご立派すぎてもつまらないが、しかしニゴリが濁りきって腐臭をあげ、臭いアブクが沼の表面を覆いつくすようなのは、そりゃ絶対に困るのである。

1E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE①
2E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE①
3E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE②
4E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE①
5E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE②
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