2013年01月11日(金)

Tue 121218 ヒッポでの悪戦苦闘 ハンバーグじいさん 口内炎の予感(パリ速攻滞在記16)

テーマ:ブログ
 しかし、「またラーメン屋」という選択肢も、どうもあんまり魅力はない(スミマセン、昨日の続きです)悪寒の中で今井君が選択したのが、グラン・カフェの真向かいのステーキ店「ヒポポタマス」。どうしてカバなのか分からないが、カバをマスコットにしたステーキ・チェーン店が、現在パリ中に増殖中である。
 店内に入ってみると、この店もまたパリ独特の大混雑。お隣のヒトと肩が触れ、ヒジがぶつかり、ヒザが触れ合う。もちろん、「オマエは何食べてんだ?」「なあんだ、そんな肉か」という批判的な視線も飛び交う。
 人口密度は、昼メシ時のロイヤルホストの4倍、サイゼリアの3倍程度。コートを置く場所もないし、テーブルの奥の席に座ってしまったお客を外に出してあげるには、そこいら中のヒトビトがみんな一斉に席を立って「さあどうぞ」「さあどうぞ」と道を譲らなければならない。
ヒッポ
(ヒポポタマス、オペラ座前店)

 で、ここで注文したステーキがまさに前代未聞のガシガシ・ステーキ。安いステーキを形容して「ゴムみたい」というが、ここのステーキは「単なるゴム」というより「硬質ゴム」である。硬質ゴムとは、例えばアイスホッケーのパックの材料であるが、いくら噛んでも全く歯の立たないステーキには、強情な硬質ゴムの比喩こそ相応しい。
 今井君は、この店のステーキを絶対に許さない。「2度と行きません」などという甘いもんじゃない。第一、気に入らなかったから「2度と行かない」と決めるのは、何だか性格が暗すぎるんじゃないか。
 ボクチンなら、気に入らない/許さないからこそ、何度も何度も出かけ、いろんな友人を誘っては「ほら、スゲえだろ!!」「ホントだ、前代未聞だ!! 言語道断だ!!」と、肩を叩き合って大笑いしたいのである。
ステーキ
(口内炎のモト。大量のインゲンにも注目だ)

 どのぐらいひどかったかは、あれから2週間経過した1月10日現在、今井君が悩まされている口内炎を見れば分かる。あの日、あのガンコなステーキに、強い意志をもって挑戦したサトイモ閣下。しかしその直後から、4カ所に口内炎が発生した。
 お正月2日/3日/4日と、激痛のためにオモチも食べらんない。お酒も傷口に沁みる。ショーユだのミソだのラー油だの、そんなものは論外である。おでんのカラシが傷口に接触したときの天地がひっくり返る激痛は、「2度とおでんなんか食べるもんか」という悲愴な決意をサトイモから引き出した。
 1月10日、痛みも腫れもようやく引いて、クマ蔵は久しぶりの幸福に浸っている。物を言うのも億劫なほどの口内炎は、ようやく終息を迎えた。しかしすべては、あのヒポポタマスのゴム・ステーキから始まったのである。
オペラ駅
(再びオペラ駅)

 諸君、今すぐパリへ出発する計画を立てたまえ。しかしその旅の目的は、凱旋門やエッフェルやノートルダムを眺めにいくことではない。ルーブルやオルセーを巡る知の旅でもない。あくまで「ヒポポタマスの肉って、どのぐらい硬いの?」を検証する旅である。
 今井君のお隣に座った75歳ぐらいのジーサマが、クマ蔵は今でも憎らしくてならない。クマ蔵が目を白黒させながらゴム肉にチャレンジしている姿を横目に、どうやら常連客の彼は余裕タップリにオーダーしてみせた。
「まず、ミネラルウォーター1本。赤ワイン、ハーフボトル1本。グラタン。ハンバーグ。目玉焼きを乗せて。それだけで結構」
 店の人たちみんなの顔なじみの彼は、「この店では、ハンバーグ以外食べちゃイケナイよ」「ステーキなんかにチャレンジしたら、10日間も口内炎で泣かされることになるよ」と、店の事情を熟知していたのだ。
 そうか、それで彼は終始あんなにニタニタ、余裕で微笑んでいたワケだな。いつもいつもやわらかいハンバーグばっかり食べてて、お口も前歯も奥歯もみんな甘やかされて、だからそんなにポンポンが丸くせり出して、お目々もダラしなく垂れ下がって、目の下にそんなイヤらしいタルんだ袋が出来てるんだな。
1号線
(パリ地下鉄のペパーミントグリーンが大好きだ)

 すでに今井君は、前代未聞にガッチガチな根性タップリの肉と悪戦苦闘を繰りひろげながら、「おやおや、こりゃお正月はたいへんな口内炎に悩むことになるな」という重い予感に苦しんでいた。
 というか、せっかくのパリの夜なのに、何をどう好き好んで「ヒポポタマス」なんかで過ごそうと思ったのか。何故「カバ」に決めたのか。カバなんか選んで何て自分はカバだったのか、うんにゃ、バカだったのか。そういう後悔と自責の念でいっぱいだったのである。
シャンゼリゼ
(ほうほうのていでシャンゼリゼに戻る)

 そこで「もうカバの肉はいいや」と判断。ホントはもちろんカバじゃなくてウシであるが、皿に残ったシツコイ根性肉を、タップリのインゲン豆の付け合わせの下に埋めて隠す作業にいそしんだ。緑のインゲンの向こうに、カバの肉を埋め込む。色彩的には、竹やぶの向こうにトラが隠れている光景とソックリだ。
 今井君は子供の頃から、この種の作業に秀でている。マトモなことはほとんど出来なくても、竹やぶの向こうにトラを隠したり、図工の時間に水と絵の具を混ぜて「コーヒー牛乳」を作成したり、それを牛乳瓶に入れて同級生をダマしたり、そういうロクでもないことさえさせておけば、まさに天下一品の才能を発揮する。
 ほらね、もう誰にも分からない。インゲンの山の向こうにカバさんが隠れてるなんて、いくらフランス人が目ざとくても、気づく眼力のあるヒトなんかいるはずがない。今井君は小学5年の給食の時間に戻って「先生だって気づくはずがない」と、食べ残しを巧みにゴマかす作戦を敢行した。
夜のシャンゼリゼ通り
(真夜中のシャンゼリゼ風景)

 しかも諸君、作戦は大成功。すぐにウェイターが駆けつけて、マジメな顔で「フィニ?」と尋ねてくれた。英語なら「Finished?」であるね。いやはや、もちろんフィニもフィニ、一口噛んで「こりゃ硬質ゴムだ♨」と気づいた段階で、とっくの昔にフィニだったのだ。「はい、フィニでございます。カンペキににフィニでございます」と心の底から答えて、カバとインゲンをサッサと下げてもらうことにした。
 ここで再びオカンがサトイモ閣下を襲う。悪寒などというナマやさしい段階は過ぎた。「悪寒、come and gone」である。すると悪寒はオカンに変質し、カバサんとインゲンさんを食べずに下げてもらったサトイモ軍曹のダラしなさを、オカンは一切の容赦ナシに厳しく責め立てる。
「あんた、アカンで。食べ残したら、モッタイナイで。食べ物を粗末にしたら、アカンで。ワタシは、オカンやで。フランスのヒトたちに、謝りなはれ。アカン、アカン。ゴマカしたら、アカンで」
というワケである。つまりもう朦朧として、キツい口内炎の予感に、それだけでもう倒れてしまいそうだ。「もう自分はアカン」ということである。
クラブ
(大音量で営業中のクラブ 1)

 それでもチャンとデザートのアイリッシュ・コーヒーまでは飲んだのだから、今井君はホントに感心なクマさんだ。アイリッシュ・コーヒーでキチンと暖まって、クマさんはオペラの駅からメトロに乗った。コンコルドで乗り換えるのも忘れなかったんだから、この頃はまだ口内炎の痛みは始まっていなかったのだ。
 ジョルジュサンクでメトロを降りると、まだまだクリスマスの喧噪は続いている。と言うか、24日も25日も過ぎ、26日→27日とだんだんクリスマスが遠ざかるにつれて、ますますクリスマスの喧噪は激しさを増していく。ホテルのそばでは、昨日の深夜からクラブの大音量の音楽が響き渡り、クラブ前にはいかにも怪しい男女がタムロするようになった。
クイーン
(大音量で営業中のクラブ 2)

 治安がよくないからか、今井君のホテルも真夜中を過ぎるとドアを固く閉ざしてしまう。インターフォンを押して、中からカギを開けてもらうシステムである。まあ、メンドクサイと言えばメンドクサイ。安心と言えば安心。あんまり都心のど真ん中に宿泊すると、こういうメンドクサさも一緒についてくる。午前0時半、ようやくお部屋に戻ってきた。まさに「ほうほうのてい」である。

1E(Cd) Sequentia:AQUITANIA
2E(Cd) Nevel & Huelgas Ensemble:Canções, Vilancicos e Motetes Portugueses
3E(Cd) SPANISH MUSIC FROM THE 16th CENTURY
4E(Cd) The Scholars baroque Ensemble:PURCELL/THE FAIRY QUEEN 1/2
5E(Cd) The Scholars baroque Ensemble:PURCELL/THE FAIRY QUEEN 2/2
total m93 y2158 d10052
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