2013年01月04日(金)

Tue 121211 ノートルダムもサテライン方式 12月25日のミサ(パリ速攻滞在記9)

テーマ:ブログ
 12月25日、日本での人気では25日は到底24日にかなわないが、欧米の街ではほぼ例外なく25日が圧倒的に勝利する。24日はあくまで「イブ」であって、お相撲でいえば張出横綱、体育祭なら予行演習、文化祭なら前夜祭にすぎない。
 もちろん、24日から25日にかけてノートルダムで行なわれたミッドナイトミサについては、これはもう言語道断の大盛況であって、「東洋からクマさんがはるばる訪ねてきたよ」とか涙ながらに訴えてみても、中に入れないものは絶対に中に入れてもらえない。ノートルダムの外にしつらえられたスクリーンで中の様子を伺うばかりである。
朝のシャンゼリゼ
(12月25日朝。クルマもマバラなシャンゼリゼ)

 1990年から2005年ごろにかけて、予備校の授業もこれとソックリな賑わいを見せた。何しろあの頃は激しい予備校バブルだったので、超人気講師の単科ゼミや冬期講習なんか、「生授業を受けたい」といくら望んでも、「申し込み開始3時間ですべて満員締切」などという恐るべき状況が常態化していた。
 すると、例えば「名古屋校じゃナマは無理だから、浜松校で申し込んでみよう」とか「代々木でナマなんか夢のまた夢。津田沼か大宮が狙い目」という事態になり、名古屋の生徒が新幹線で浜松に通ったり、東京や横浜のヒトビトがわざわざ埼京線に乗って大宮まで出かけたりした。
クリスマス市
(シャンゼリゼのクリスマス市はこの日も大盛況)

 しかし諸君、センター試験を間近に控えた浪人生や高3生が、そんなことをして生授業を受けに遠出するというのは、冷静に考えれば明らかに時間のムダである。行き帰りの時間がもったいないばかりじゃなくて、風邪を引くとかインフルエンザをうつされるとか、そういうリスクも高い。
 そこで「最初からサテ狙い」という行動が一般化してくる。当時はどこの予備校でも「サテライン」「サテライト」「サテライブ」という方式が主流。大教室に巨大スクリーンを2枚設置して、代々木や名古屋や吉祥寺の生授業を衛星同時ナマ中継した。臨場感もあって、悪くないやり方だったと思う。
 駿台では「サテネット21」と呼んだ。うーん、やっぱりこの予備校はいつもちょっとだけ時代感覚がズレているというか、今井君はそこが大好きなのだが、せっかくのネーミングの後ろに「21」という蛇足をくっつけて、そのせいで受講生も2の足を踏んだ。
ドゴール
(ドゴール像とグランパレ&プチパレ)

 でも、代々木の生徒たちがナマで講師の授業を受けて、ナマで講師の冗談に爆笑し、ナマで講師とともに涙を流しているのに、「何でオレらはスクリーンなんか見て笑ってなきゃイケナイの?」「何でスクリーンを前に感涙に咽ばなきゃイケナイの?」という違和感があった。ま、当然であるね。
 そこで、スクリーン授業をできない中小の予備校は、その違和感を虫眼鏡で拡大してみせ「生授業じゃなきゃ意味がない」「スクリーンを前にすると人間は眠るものだ」と盛んにサテ型授業を否定し、批判し、非難した。
 大いに懐かしい話だが、あれから10年あまり、時代は大きく変化した。いまやスクリーン・タイプの授業もほぼ姿を消し、VODが一般化。今井君なんかも、講演会以外の授業はすべてVODであって、むかし流行したスカパーなどCS放送での授業も完全に消滅した。
エッフェル塔
(12月25日のセーヌとエッフェル塔)

 うにゃにゃ、12月24日、パリ・ノートルダムの前に設置された巨大スクリーンを見て、サトイモ閣下の脳裏に去来したのは、むかし懐かしいサテライン授業である。教室を明るくするとスクリーンが見えにくいから、教室内は常に薄暗く、中小予備校の言い分ではないが、確かにサテライン教室では居眠りが目立った。
 居眠りばかりではない。若い男女が大勢集まって薄暗い一室で長時間を過ごすのだから、教室には私語が溢れ、激しい口ゲンカも多発し、もちろんそこいら中で愛だって芽生えた。受験直前の緊張感の中、若い2人ならホンのちょっとしたキッカケでいろんなことが起こるものである。
オルセー美術館
(セーヌとオルセー美術館)

 もちろん、代々木本校で授業をしている講師としては、全国のスクリーンの前がどんな状況になっているか、知る由もない。400人満杯の63B教室とか、250人パンパンの75教室とか、目の前の受験生を相手にするだけでイッパイ&イッパイである。
 今井君はマコトに巧妙な古ダヌキであるから、代々木の諸君を前にしても、全国のスクリーンの前の生徒のことを忘れない。授業の最中に「新潟や仙台の皆さーん!!」とか「愛媛県のスクリーンの前の諸君!!」とか「札幌、福岡、広島、岡山のみんな。元気ですか?」とか、全国の生徒諸君に語りかけることで、彼ら彼女らのやる気を高めようと努力した。
クマ犬
(クマのような犬と出会う)

 思い出の尽きない63Bや75教室も、今ではなくなってしまった。時代はこの10年でホントに大きく転換したのである。ほとんどの予備校がVODの収録授業になってしまっては、時事的な話題は一切使えない。サッカーの話題、野球の話題、政治・経済の話題、すべて御法度だ。時事的な話を一言でも交えると、ホントにその瞬間にしか使えない素材になってしまうからである。
 ノートルダムの巨大スクリーンを見ながら、サトイモ男爵は「こりゃ神父さんたちもたいへんだ」と心で呟いていた。まず、やっぱり時事的な話はできない。外部に向けて公開されている以上、内輪の話もきっと御法度だ。
 「オフレコでお願いします」も無理、「ココだけの話ですがね」もダメ。誤って失言なんかすれば、あっという間にツイッターで世界中に広がってしまう。予備校講師と聖職者じゃ立場があまりに大きく違うだろうが、「失言を許されない」という話になれば、予備校講師なんかより、世間の目ははるかに厳しくなるはずだ。
薔薇窓
(ノートルダム、美しいバラ窓)

 翌朝12月25日は、24日までとはうってかわって一気に冷え込み、強い北風に重い雲がちぎれて飛んだ。朝食を済ませてからクマ蔵はセーヌ右岸に出た。さすがにクリスマス当日。シャンゼリゼを走るクルマの数も少なく、行き交うヒトの様子は日本のお正月とソックリ。いかにも敬虔な明るい笑顔のヒトが多い。
 この日もセーヌの水量は豊かである。春や夏は樹々の緑を映し、河の水も爽やかなペパーミントグリーンに染まるのだが、さすがに厳冬期、樹々はすっかり葉を落として、水は泥の色である。川べりまで降りてみると、船が通るたびに川波が舗道に押し寄せる。
ミサ1
(ノートルダムのクリスマスミサ 1)

 犬を連れて散歩中のヒトビトは、その川波を避けながら歩いていく。犬たちはみんな楽しげで、冷たい川の水に足を漬けてみては、ビックリした様子で飛び上がり、シッポや足をプルプル震わせて「こりゃ冷たいですよ」と御主人の顔を見上げ、その驚きを忠実に報告する。
 セーヌ右岸をノートルダムに向かって遡っていくと、まず目に入るのが向こう岸のオルセー美術館。フランス語なら「ミュゼドルセ」。ポンヌフを通り過ぎてシテ島に渡り、コンシェルジェリーの裏をノートルダムに向かった。
ミサ2
(ノートルダムのクリスマスミサ 2)

 ノートルダムでは、昨夜から延々とミサが継続中。パリ大司教も登壇して、厳しいお説教の最中である。混雑は昨夜ほどではないが、中に入るには長い行列の後ろにつかなければならない。巨大スクリーンは相変わらず中の様子を中継中であった。
ミサ3
(ノートルダムのクリスマスミサ 3)

 美しいステンドグラスの下では、お昼のミサがクライマックスを迎えている。祭壇の前に、一人の年取った女性が身体を丸めて敬虔に祈りを捧げている。信者の皆さんが最前列から最後方までギッシリ席を埋めているが、その周囲をグルリと取り囲んだ大量の観光客が、マコトに無遠慮に写真を撮りまくっている。
祈る女性
(祭壇の前で祈る信者)

 もちろん、今井君もその「無遠慮な観光客」のうちの一人である。こんな最前列まで入り込む権利が、毛むくじゃらのサトイモなんかにあるのかどうか分からないが、「まあいいじゃないか。みんな同じことやってるんだから」と、お馴染み「赤信号みんなでわたればコワくない」をやって、バシャバシャ撮影しまくったのだった。

1E(Cd) Miles Davis:KIND OF BLUE
2E(Cd) Weather Report:HEAVY WEATHER
3E(Cd) Sonny Clark:COOL STRUTTIN’
4E(Cd) Kenny Dorham:QUIET KENNY
5E(Cd) Shelly Manne & His Friends:MY FAIR LADY
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