2012年12月30日(日)

Thu 121206 パリと日本人 ドービル クマ大将、マキマキ王国を制圧(パリ速攻滞在記6)

テーマ:ブログ
 12月23日、サトイモ男爵はクリスマスイブイブのパリ散策を続けていた。オペラ・ガルニエからヴァンドーム広場、セーヌ右岸に出てポンヌフからマレ地区まで足を運んだ後は、カフェで1時間ほど休憩することにした。
 「マレ」は、この10年で急激に人気スポットになった地区である。つい最近までは「もしも時間があったら足を運ぶのも悪くない」ぐらいのレベルで紹介されていたのが、いまやMUST中のMUSTとなりつつあるらしくて、こんな穏やかなカフェにも、若い日本人男子の姿がチラホラする。
モンマルトル1
(モンマルトルのカフェで。フランス人はお互いにくっつきあって座るのが好き)

 男子2人で旅をするのが、このごろの若い日本人男子のトレンドなんだろうか。今井君が若かった数百年前の記憶では、若い男子はとにかく女子と一緒にいたくて、「2人で旅をする」ということになれば、何が何でも「女子と」。意地でも女子と。大学生でも社会人でも、男子のほとんどが「女子と」と決めて、カッカと目を血走らせていた。
 ところが2012年12月のパリを見てみるに、イケメンな男子と男子、またはフツーの男子と男子、そういう2人がいやに目立つ。女子は女子どうし、男子は男子どうし。うにゃにゃ、「男女共同参画」はどうなっておるんじゃ? 今井君は何だか心配である。ま、クマどんの頭の中が古いんじゃのぉ。
モンマルトル2
(モンマルトルのカフェで。「狭くなければカフェじゃない」と感じるのかもしれない)

 それ同様に心配なのが、日本人のパリへの関心がどんどん奥へ奥へと侵食していくことである。「マレ地区」なんてのは、映画「北ホテル」でサンマルタン運河が舞台になったことぐらいが有名なぐらいで、もともと治安もあまりよくない鄙びた街に過ぎなかった。
 どうも、次はパッシーとバスティーユらしい。パッシーは、エッフェル塔からセーヌ河を右岸にわたった高級住宅地区。バスティーユは、昔はフランス革命勃発で有名な「火縄くすぶるバスティーユ=1789年」、今は新オペラ座のお膝元で、深夜営業の飲食店が大繁盛している。
シャンゼリゼ
(クリスマスイブイブ、夜のシャンゼリゼ)

 こういういきなりの大流行を演出するのが、日本人の存在らしい。中国や韓国の人が大挙して訪れるのは、エッフェルにルーブルに凱旋門、そういう昔ながらの超有名観光地が多い。東京で言えば、浅草、銀座、上野動物園みたいなスポット。しかし、もうチョイ贅沢で見栄っ張りな日本人は、観光地にもセンスを求めるのである。
 「さすがに、上野動物園に、浅草の観音さまじゃねえ」というわけで、やれ麻布十番だ神楽坂だ、やれ自由が丘だ三軒茶屋だ、そういう何かちょっと急所をズラしたところにセンスのよさを求めようとする。
 すると、パリの街を散策するにも、シャンゼリゼやカルチェラタンでは物足りなくなってくる。高級店が林立するサントノレ通りがもてはやされ、鄙びたムードのサンマルタンが人気になり、モンマルトルの静かな住宅街を、日本の渋い中高年が地図を広げながら闊歩することになる。来年か再来年には、確実にパッシーの大ブームが起こりそうだ。
凱旋門1
(クリスマスイブイブ、夜の凱旋門)

 こうなると、パリのヒトビトも日本人を無視してはいられなくなる。何しろ、自分たちの街の気づかなかった魅力を、「CREA」みたいな日本の雑誌が特集し、そのCREAをむき出しのまま手にした日本人女性が、驚くほど優雅なフランス語を駆使しながら、住宅街の奥まで散策に訪れるのである。こりゃ地元のヒトだってビックリだ。
 どのぐらいビックリかは、立場を逆にしてみればよく分かる。フランス人が大挙して日本の住宅地を訪れ、しかも多くのヒトが優雅な日本語をあやつって道案内を求めている情景を想像してみたまえ。下北沢、高円寺、吉祥寺、国分寺。その類いの街にいきなり日本通のフランス人が大挙して訪れるのだ。
凱旋門2
(凱旋門、拡大図)

 そしてとうとう、パリ地下鉄には日本語のアナウンスが入るようになってしまった。アナウンスの順番は、フランス語→英語→ドイツ語→日本語。英語は世界共通語、ドイツ語はお隣りさん(Mac君は日本に帰ってきてもスゴいね。おとなりさん→「音成山」だって?)だから当然として、その直後に日本語が入ると、思わず地下鉄の座席から跳び上がりそうになる。
 アナウンスは「お客様にご連絡申し上げます。スリに狙われぬよう、お持ち物の留め金はしっかりおかけください」であるが、これも立場を逆にしてみれば、どのぐらいスゴいことかが分かる。
 例えば日本の新幹線のアナウンスが「日本語→英語→中国語→フランス語」だったら、諸君、「どんなに親しいんだ?」「日本とフランスってイヤに仲がいいね」「怪しいね」と思わないかね。
自分撮り
(クマ大将と凱旋門)

 さてと、夕食はシャンゼリゼに戻って、人気店「ドービル」で食べることにした。下手にマレ地区やパッシーなんかでカフェやレストランに入ったりすると、若い日本人男子の目がチカチカして気になる。だって20歳代→30歳代の日本人なら、「あ、今井だ!!」「今井、ハッケーン!!」の可能性が高いじゃないか。
 Deauvilleは、パリのサンラザール駅から列車で北西に2時間ほどの港町。その街の名をとった有名カフェが、シャンゼリゼの「ドービル」である。港町をイメージして店内はブルーにまとめ、ウェイターの制服もセーラー・スタイル。なかなかカッコいい。
ドーヴィル
(超人気店、ドービル)

 諸君、パリのカフェは狭い。そして人気店は異様に混雑して、足の踏み場もない。ドービルは人気店中の人気店であるから、夕食時に訪れたりすれば、それこそMac君の変換の通り「夕食怒気」、戦場のようなアリサマである。
 1人または2人に与えられるスペースは、直径40cmの丸テーブルと小さな椅子のみ。コートやボーシを置くスペースは一切ナシ。ましてや「1人や2人で4人用テーブルを占領」などという行動は、正気の沙汰とは見なされない。というか、確実に「お相席」を要求される。
 パリのヒトビトは、そういう濃密な混雑をむしろ楽しんでいる。「うへ、人口密度、高!!」である。よほどの不人気店でないかぎり、お隣りのテーブルのお客と肩が触れ合わんばかりの密度で座らなきゃイケナイ。そのぐらいの我慢は常識だし、我慢も何も、「狭いほうが楽しい」「混んでるほうが嬉しい」「このぐらい密度がないと、食事をしている気がしない」という国民性のようなのである。
店内風景
(ドービルは大混雑)

 その国民性を極限にまでの煮つめたのが、Deauville。昨夜入った「世界で(おそらく)一番高いビア」のフーケッツから徒歩20秒の店であるが、フーケッツなんか比べ物にならない強烈な混雑の中、セーラー・スタイルのウェイターたちがテーブルの間をスルスルとすり抜けていく。
 直径40cmのテーブル2つくっつけて、その周囲に椅子6つを並べ、6人の家族連れがやってきた。それが今井君の音成山、おっと正確にはお隣りさん。一家の最年少、6~7歳の少年が、まずコーラをねだり、コーラを一口飲んで顔を歪め、顔をそむけた拍子に、サトイモ男爵=今井君と視線がバッチリ合ってしまった。
 「お、アジア人だ!!」「お、サトイモだ!!」「何だ、キウィそっくりじゃないか」。少年としても、異様に興味を居抱かずにはいられない。そこへ折悪しく、今井君が注文したエスカルゴが運ばれてきた。エスカルゴ12個、金属のお皿の上でジュージュー音を立てている。
 こうなると(Mac君、「高鳴門」って、何とかなりませんか?)、もう少年はエスカルゴから目が離せない。だって、少年の目の前には平凡なチーズ・サンドイッチが1個だけ。一方のアジア人の目の前には、夢のように大きなカタツムリさんが12個、旨そうにジュンジュン唸っている。
エスカルゴ
(ドービル エス・カルゴ王子率いるマキマキ王国軍)

 おそらく少年は、ついさっきまでカタツムリさんが大活躍する絵本か何かに夢中になっていたのだ。カタツムリの王子さま。その名もエス・カルゴ。悪辣なアジアのクマ大将がカタツムリのマキマキ王国を侵略にやってくる。立ち上がる若きエス・カルゴ。カルゴ王子に思いを寄せる隣国のチーズ・サンド王女も援軍に駆けつける。
 頑張れ、エス・カルゴ王子。負けるな、マキマキ王国。少年は隣の小さなテーブルから、激しい声援を送っていたに違いない。しかし諸君、クマ帝国・ヒゲのサトイモ大将は残酷無比である。あっという間にカルゴ王子と12巻きのマキマキ軍団を殲滅。次に運ばれてきた分厚い牛ヒレステーキへ、さらに貪欲な版図拡大の欲望の矛先を向けた。
ステーキ
(クマ大将は征服の矛先をステーキ共和国に向ける)

 やがて少年はグッタリと目を閉じ、ママから分けてもらったピザを1枚モグモグ飲み込み、パパ&ママやお姉ちゃんたちに促されて店を出た。少年よ、この世は甘くはないのだ。エス・カルゴ王子もマキマキ王国も、あっという間に強大なクマ蔵帝国の胃袋に収まってしまう。
 「がっはっはっは。勧善懲悪ではない。弱肉強食こそが、この世の常である。どうだい、フランスのボーヤ。分かったかい?」 こういうふうで、ようやくドービルを出たサトイモ閣下は、夜の凱旋門に向け、ノッシノッシと凱旋の行進を続けたのである。

1E(Cd) Ann Burton:BLUE BURTON
2E(Cd) Harbie Hancock:MAIDEN VOYAGE
3E(Cd) Miles Davis:KIND OF BLUE
4E(Cd) Weather Report:HEAVY WEATHER
5E(Cd) Sonny Clark:COOL STRUTTIN’
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