2012年12月29日(土)

Wed 121205 ヴァンドーム広場の男女 ルーブル 橋の上の2人(速攻パリ滞在記5)

テーマ:ブログ
 12月23日。この日は終日、ごく平凡な定番パリ徒歩散策に留めることにした。今回の旅はホントに短い。前回の「ンゼラマ地球一周記」の半分もない、あまりに短い日程である。しかも、後半はバスティーユとガルニエでオペラ三昧の予定。定番を徒歩で巡るチャンスは今日ぐらいしかないのである。
 その定番散策の前半が、シャンゼリゼのクリスマス市→コンコルド広場→マドレーヌ→オペラ・ガルニエ(昨日の記事参照)。この周辺は、クリスマスから年末にかけてパリに遊びにきたフランスのヒトビトで、メッタヤタラにごったがえしている。クリスマス市なんか、マトモに真っ直ぐ歩くことは不可能だ。
 オペラ・ガルニエの前で鋭角的に右折すると、正面はヴァンドーム広場である。日本の歌舞伎俳優がガルニエ公演を行ったりすると、彼の宿泊先はまず間違いなくこの界隈。彼のオッカケの高級オバサマたちもこの辺りにご宿泊。あたり一面に日本人が溢れるので、おそらく「ついでに」ということで、すぐ近くに日本人街も広がっている。
ヴァンドーム広場
(ヴァンドーム広場)

 日本人街と超ラーメンブームについては7~8日後の記事に詳述し、しかもラーメン屋の驚異的長蛇の列について写真も数枚掲載する予定。いやはや、今の世の中どんなことであれ、いったん火がつきさえすれば、その火はビックリするぐらい大きく燃え上がるものである。
 ラーメン屋の超ブームに少し押されがちなのが、ヴァンドーム広場の超高級品店街である。しかもちょうど今、ホテルリッツが大規模改修中。昔の映画「ダヴィンチ・コード」で、トム・ハンクス演じるナントカ博士が大活躍するホテルである。
 うにゃにゃ、ホテルリッツねえ。かくいうクマ蔵博士も、マドリードとロンドンのホテルリッツにはすでに宿泊済みだが、パリのホテルリッツとなると、やっぱり二の足を踏むでござるよ。ウィーンのホテル・ザッハーも経験済み、サントリーニのカティキエスも経験済み、しかしさすがに「ホテルリッツ・パリ」って、あまりにオソロシイではござらぬか。
にゃご
(パリ市庁舎に傲然と立つニャゴロワ)

 ちょうどそのとき、改修中のホテルリッツのお隣の超高級ブランド品店から、満面の笑みをたたえた欧米人カップルが飛び出してきた。おそらく「カルティエ」だったが、エントランス前に大っきなアフリカ系セキュリティが2人も立って周囲を睥睨している、いかにもオッカナイお店である。
 別に2人が「買っちゃった!!」「買っちゃった!!」「るんるんるん♡」「買っちゃったぞぉ!!」と高くコーラスしていたワケではない。しかしその満面の笑み、その白いツヤツヤな紙袋、広場に止めたクルマに急ぎ足で向かう2人の、いかにも幸せ絶頂の雰囲気、全てが「買っちゃった!!」「買っちゃった!!」の大讃歌を絶唱している。
 年を経たサトイモ大司教なんかは、「コラコラ、キミたち。物欲にとらわれ、物欲のトリコとなったキミたち。物欲を満たすことは、本来の幸福を放棄することになるのじゃよ」とお説教をしたくなる場面である。
 しかし諸君、全てのお説教をハジキ返すほどの無邪気な物質的満足というものは間違いなく存在する。あの瞬間の2人は、どんなにネットリしつこいオジサンのお説教も一顧だにしない、迫力満点の幸福に包まれていた。気がつくと、2人のクルマはもう広場の塔を回っていく。クマ蔵どんは呆然とただ見守るばかりである。
なでしこ
(パリ市庁舎を毅然と守るナデシコ)

 ヴァンドーム広場からチュイルリー宮、ルーブルへと向かう途中に「ホテル・レジーナ」がある。ここもまた映画の舞台。10年前の「ボーン・アイデンティティ」であるが、マット・デイモン演ずるジェイスン・ボーンと、その恋人マリーがここで大活躍する。
 映画の中で、マリーが「自分は秘書だ」と偽って重要な情報を入手し、あまりの手際に呆気にとられるジェイスンとともに息を切らせて歩いたはずの道を、今日の今井君は右腕をグルグルさせながら進んでいく。今月初め、寝ちがえたか、肉離れでも起こしたか、それとも風邪の熱のせいか、右肩の痛みはパリに来ても消える気配がない。
レジーナ
(ホテル・レジーナ)

 ホテル・レジーナから徒歩5分で大嫌いなルーブル美術館前に出る。大嫌いな理由はこのブログに何度も繰り返し書いてきた。一日どころか、一週間かかっても、一ヶ月かかっても、見尽くせないほどの美術品を一カ所に収集し、「どうだ、スゴいだろ」と世界に誇るようなのは、悪趣味の典型だと思うのだ。
 マドリードのプラド、ロンドンの大英博物館、ニューヨークのメトロポリタン。みんな大キライだ。どこもみんな「スゴいだろ」「スゴいだろ」の一点張り。ハイハイ、スゴいですスゴいです。マコトにマコトに、スンゴイですな。
ルーブル
(ルーブルどん)

 あんまりスンゴいから、世界中から観光客がツアーバスで大挙して押し寄せ、館内はまさに連日のシッチャカ&メッチャカ。足の踏み場もない大混乱の中で、自分が今どこにいるかも分からない。超有名作品の前は、高校の全校生徒が集合したみたいな黒山の人だかり。ヒトの背中と首ばっかり見えて、モナリザなんか、どこにいるんだか見当もつかない。
 一方、日本に来れば「超有名作品」ともてはやされるほどの絵画の前は、閑散として振り返るヒトさえいない。あれま、これは寂しそう、というより悲しそう。こんなデカイ建物の、こんな閑散とした一隅で、誰にも相手にされずに放置される境遇は、このレベルの絵画には酷すぎるんじゃないか。
あれま1
(ルーブル前の「あれま」 1)

 美術館は、人の気配のほとんどない静寂の中で、半日ゆっくり見て回れば全てを見つくせる規模がいい。というか、それ以外は美術館の名に値しない。いわば倉庫、果てしない巨大倉庫の中を、観光客軍団が無秩序に行進していくだけのことである。
 だから、今回の短期滞在ではルーブルにもオルセーにも、とにかく巨大美術館に入館する気はサラサラない。ルーブルも、映画「ダビンチ・コード」でトム・ハンクスが大活躍する舞台であるが、ホテルリッツからルーブルへ、何もかも都合よく理屈がついて回るあの映画は、胡散臭すぎてキライだった。
あれま2
(ルーブル前の「あれま」 2)

 それに比べて、ポンヌフを間近に見るセーヌの橋で、南京錠を結びつけて永遠の愛を誓い合う2人の姿はスンバラシかった(Mac君の変換が「駿腹叱った」であるのもまた駿腹叱った)。今井君は美しいポンヌフを眺めに行って、この光景に出会った。伝説自体はツマランごくありふれたもので、「愛し合う男女がこの橋に2つの南京錠を絡めてかければ、2人は決して離れることがない」というのである。
かぎ橋
(橋には無数の南京錠が)

 そのぐらいの話なら、日本の観光地でも各地に点在しそうである。というか、寂れた観光地の町おこしにもってこいだ。
「このままじゃ、この温泉郷も寂れていく一方だんべ」
「んだ、んだ、何とかすんべ」
「オレたち青年会のメンバーも賛成だっぺ。協力は惜しまねえ。何でもやってみんべ」
「そいで、提案だがよ。恋人南京錠(Mac君、「恋人軟禁錠」はヤメましょう。危険です)のハスってのはどうダンベか?」
「なんだなんだ、『ハス』ってのは」
「うんにゃ、『ハス』じゃねえ。『ハシ』だべ」
「おお、そんりゃ、いいアイディアだんべ。んだば、あの五右衛門橋か、三太郎橋がちょうどよぐねえか?」
かぎ橋と2人
(泣きながらひざまずく男子、優しく応える女子。その向こうがクマ蔵のお目当て=ポンヌフ)

 まあ、こんなふうに町おこしが始まる。しかし諸君、どんなにツマラン話でも、目の前で男がひざまずき、女がそれに応えてニッコリ微笑みながら男のアタマを優しく撫で、男が感動して激しく涙を流せば、そんなバカ話は一瞬でセーヌの河波に消える。
 なぜ男が涙を流していたのか、サトイモ今井男爵には知る由もない。うにゃにゃ、しかしこれで2人はもう離れることはない。サトイモ君のイマジネーションはあまりにも豊かだから、男子の涙の原因を考えてアタマも心も一瞬で地球を7回り半したけれども(つまり光の速度ということ)、ただ一つ、2人の幸福を祈ることだけは、クマ蔵もまた決して人後に落ちないのである。

1E(Cd) Bill Evans & Jim Hall:INTERMODULATION
2E(Cd) John Dankworth:MOVIES ’N’ ME
3E(Cd) Duke Ellington: THE ELLINGTON SUITES
4E(Cd) Stan Getz & Joao Gilberto:GETZ/GILBERTO
5E(Cd) Keith Jarrett & Charlie Haden:JASMINE
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