2012年12月17日(月)

Fri 121123 ボッパート MAREDO 驚くべき日本人と出会う(ンラゼマ地球一周記31)

テーマ:ブログ
 実は、昨日のブログ記事について訂正が2つある。1つ目は民主党の獲得議席について、多めに予測してしまった。2つ目はNHK「平清盛」について、「最終回」と勘違いしたが、実は最終回は来週だった。明日の記事冒頭で訂正2件について詳しく述べるから、詳細はまた明日読んでくんなまし。
ボッパート1
(ボッパートの教会)

 さて、とりあえず今日の記事では、9月12日夕方のクマ蔵の様子を観察しに、ライン河のほとりの街・ボッパートを訪れることにしよう。
 普通の観光客のライン河下りは、マインツかリューデスハイムから船に乗って、一気にコブレンツまで行く。コブレンツはライン河とモーゼル河の合流点「ドイッチェ・エック」で有名な街である。
 しかし、クマ蔵はすでに2009年5月にコブレンツを2度も訪れた。船からの眺めも、ボッパートからコブレンツまでは、甚だ平凡である。ボッパート→コブレンツの1時間の船旅を省略すれば、そのぶん早めにフランクフルトに戻れる計算だ。
 多くの欧米人観光客も、ボッパートの船着き場で降りた。クマ蔵以外に船にいた2名の日本人(どうみても航空会社の客室乗務員)は、ボッパートより2つ前の「ザンクト・ゴアール」で降りていった。この2人とは2日後に再会を果たすのだが、やっぱりその話は後日ということにしたい。
ボッパート2
(ボッパート。3年前にメシを食べた店も健在だった)

 ボッパートで降りたアジア人は他にいない。「地球の歩き方」では2012年版あたりから、ボッパートについて軽くコラム的に扱われるようになったが、他のアジア諸国のガイドブックには、おそらくこの街に関する記述がほとんどないのだ。
 そのせいか、街を歩いてもアジア人を見かけることはない。なんとなく「欧米人専用リゾート」な感じ。他の街と比較して、サトイモ男爵に向けられる欧米人の視線が、ほんの少し冷ややかである気がする。
 もちろんそんなのは誇大な被害妄想なのだが、もう河下りは完了したんだから、この街はサッサと引き上げることにした。ライン河に沿って10分ほど歩いた街はずれに鉄道の駅があって、1時間に2本か3本の列車が走っている。
ボッパート3
(ボッパートの街。アジア人の姿は見えない)

 ここからマインツあたりまで、進行方向左の車窓からライン河が眺められる。ローレライの風景も、もう1度電車の中から眺めて、言わば「復習」ができる。フランクフルトからの往路は船、復路は電車がいい。「予習より復習」がモットーの今井君は、観光でさえこうやって丹念な復習を心がけるわけである。
 フランクフルト到着、午後6時。夕食はやっぱり「意地でもステーキ」である。昨日マインツで昼食を楽しんだMAREDOには、チャンとフランクフルト店がある。レーマー広場からハウプトバッヘ方向、ゲーテ広場のあたり。雨模様だったが、店はすぐに見つかった。
 ステーキ自体は、マインツ店と全く同じである。350グラムの分厚いヒレステーキは、余計なアブラが一切なくて肉質十分。ブエノスアイレスのビフェ・デ・ロモほどの充実感はないとしても、期待した通りのお肉で大満足。もちろんビアにワインも堪能して、午後8時半、店を出た。
ボッパート駅1
(ボッパート駅で 1)

 驚くべき日本人と遭遇したのは、その後である。今井君はトラムでフランクフルト中央駅に戻り、駅でちょっと買い物をして帰ろうと考えた。ホテルの部屋のビアも飲みつくしていたし、ワインもちょっとほしかった。ついでに駅で少しツマミ食いもしたいじゃないか。
 駅構内の売店で、大きなソーセージをはさんだパンを買い、店の横でムシャムシャやりはじめた、ちょうどそのときである。2口目だったか3口目だったか、とにかくパンとソーセージが口の中いっぱいに暴れ回っているところだった。
「あのー、日本のかたですか?」
うぉ、日本語だ。フランクフルトなんかで口いっぱいにパンを頬張っているとき、いきなり日本語で話しかけられること自体、まさに驚天動地の出来事である。
 見れば、30歳前後と思われる日本人女子。困り果てた様子で、サトイモ男爵との出会いを「地獄で仏」と感じているらしい。「はい、日本人です」と答えると、「助かった!!」と絶叫しそうな表情に変わった。
ボッパート駅2
(ボッパート駅で 2)

 まず、「お腹が減ってます」「そのパンは、どこでどうやって買うんですか」と尋ねる。「どこでどうやって?」も何も、目の前の店で欲しいパンを指させばいいだけだが、
「飛行機から降りるのに手間取って」
「飛行機から荷物も出てこなくて」
「困り果てている」
と言う。よく話を聞いてみると、
「これからホームステイ先に向かわなければならない」
「どの電車に乗ればいいのか分からない」
「ドイツ語はおろか、英語も話せない」
「ホームステイ先は『カッセル』という街。最終列車はあと10分で発車するらしい」
「キップをどうやって買えばいいのかも分からない」
「キップは車内で買う。とにかくどの列車なのか、何番線(Mac君は『南蛮船』と来たが)に行けばいいかを知りたい」
「要するにどうすればいいか分からない。パニくっている」
以上の事態が判明した。
マインツ行き
(ボッパート駅で。マインツ行き電車)

 こりゃたいへんだ。まず「キップを車内で買う」という発想自体が無理。「ヨーロッパの列車にキップなしで乗る」などということをしようものなら、下手をすれば犯罪者扱いだ。「罰金は、正規料金の30倍」なんてこともあり得る。少なくとも、シコタマ叱られる。
 オッカナイ顔で延々と叱りつけられて、胃に穴が開きそうになって、気の弱い人なら10年はトラウマから抜け出せない。徹底的に責め立てられたイタリア人が、罰金を支払った後でションボリ窓の外を眺めている姿を見て、「自殺でもしやしないか」と心配になったことがある。
 「イタリア人車掌vsイタリア人乗客」というシチュエーションだってそうなのだ。あのノンビリしたイタリア人だってあんなにションボリするのだ。それと同じことが「ドイツ人車掌vsコトバの分からない日本女性」の間で発生でもしてみたまえ。ホームステイも何も、すべてが長く消えないトラウマに変わるだけだろう。
フランクフルト行き1
(ボッパート駅で。フランクフルト行きの列車が到着)

 いやはや、無茶な旅をする人がいるものだ。
「とにかくカッセルまで今日中にたどり着きたい」
「カッセルにたどり着いたら、何とかホームステイ先の人に連絡をつけてみる」
と言う。やむを得ない。今井君は彼女のためにカッセルまでのキップを手に入れてあげることにして、「ここで待っててくださいよ」と告げた。
 別に難しいことはない。自動販売機でカンタンに買える。30ユーロだったか40ユーロだったか、金額は忘れてしまったけれども、カッセルまでは相当な長距離。フランクフルトから特急でも2時間はかかるはずだ。
フランクフルト行き2
(この列車でフランクフルトに帰る)

 キップを買って帰ってくると、何と彼女は今井君と同じソーセージパンを買ってかぶりついている。あれれ、最終電車が10分後に出ちゃうんじゃなかったの? この異様な落ち着きぶりは何なの? キップを差し出すと、彼女は手の平に握りしめた札束から、50ユーロ札を1枚クマ蔵に差し出した。
 左手にソーセージパン、右手に札束。それも50ユーロ札や20ユーロ札をむき出しで20枚近く握りしめている。今井君がオツリのお札を差し出すと、それもまたワシヅカミで札束の中に加えた。これほど無防備で、大丈夫なの? 札束よりソーセージパンのほうが大切でどうすんの?
座席
(右のお子ちゃま座席がカワイイ)

 今井君がカッセルに向かう列車のホームを発見すると、彼女は大きなスーツケースを2つ引きずって、ホームに向かって駆け出した。心配したサトイモ男爵も列車までついていって、何とか列車に乗るところまで見届けることにした。
 幸いなことに、列車は10分遅れて入線。何とか間に合った。2等車はたいへんな混雑のようだったが、それでも彼女はソーセージパンを手放さない。「このパンだけが私の命を救ってくれるのだ」と言わんばかりの表情で、パンをムンズとつかんでいた。
 午後9時20分、彼女を乗せた列車はホームを出ていった。彼女は、大丈夫だっただろうか。あの札束に目をつけられて、危険な目に遭ったりしなかっただろうか。カッセルのホームステイ先に、無事たどり着けたのだろうか。「2週間の予定」というホームステイから、チャンと日本に帰ってきているだろうか。
自撮り
(無事フランクフルトに到着)

 諸君、彼女の行動は、いくら何でも無謀すぎるんじゃないかね。せめてもう少しだけでもホームステイ先の状況を把握して、むき出しの札束を握りしめて駆け回るようなことはしないように、そういうことだけでも教えてもらってからにしたほうがいいんじゃないかね。
 今井君はそのまましばらくフランクフルト駅構内に呆然と立ち尽くしていたが、何としたことだ、そう言う今井君の右手にも、やっぱり食べかけのソーセージパンがムンズと握られ、左手のほうは、彼女から手渡された50ユーロ札を1枚、やっぱりムンズと握りしめていたのである。

1E(Cd) Joe Sample:RAINBOW SEEKER
2E(Cd) Joe Sample & Lalah Hathaway:THE SONG LIVES ON
3E(Cd) Marc Antoine:MADRID
4E(Cd) Ornette Coleman:NEW YORK IS NOW!
5E(Cd) Miles Davis:THE COMPLETE BIRTH OF THE COOL
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