2012年11月22日(木)

Mon 121029 KM君がコワい 北風と太陽 カミニートと蟹ミート(ンラゼマ地球一周記17)

テーマ:ブログ
 9月5日、早いもので、ブエノスアイレス滞在ももう5日目になった。それなのに、1番の見所のはずの「カミニート」をまだ見ていない。それどころか「カミニート」なのか「カニミート」なのか、それさえまだハッキリしない。
「こんな怠惰なことじゃイケナイ」
「難しい顔のKuso-Majimeな人たちにまた叱られる」
「おお、恐ろしい。ああ、オッカナイ」
である。
 KM(Kuso-Majime)な人たちって、どこかの物陰でジッとサトイモ男爵を見張っていて、やれ『フマジメだ』やれ『笑わせ過ぎだ』とツブヤいたり非難したり、ケッコ執念深かったりもする。
 メンドーなので、今井君は「どこ吹く風」で暢気に遊びつづけ、世界をブラブラ放浪して、KM君たちをできるかぎり敬遠して過ごしている。5月の鯉のぼりみたいに、ゆらゆら&フワフワ暖かい風に吹かれているほうが、オッカナイ顔でいきり立っているより遥かに爽快だ。
33番
(コレクティーボ33番でカミニート地区に向かう)

 イソップの北風と太陽なら、今井君は太陽になるほうを選びたい。講演会でも、北風みたいに生徒諸君をビュービュー叱咤し叱責し、時に痛罵の言葉さえ浴びせて90分を過ごすより、「今までの一生でこんなに笑ったことはない」と感激するほどの大爆笑の渦に巻き込む方が好きなのだ。
 旅人(=受講生諸君)が心の底からポカポカして「思わず外套を脱いじゃった」=「よおし、今日から猛勉強するぞ」と決意するスタイルが好き。好きキライの問題だから、今井君にはどうしようもない。しかも受講生の99%は、ホントに思いっきり勉強を開始してくれる。単語も文法もしっかり、音読もどんどん始めてくれる。
カミニート1
(ブエノスアイレスの目玉スポット、カミニート 1)

 「そんな、クマかキウィかサトイモみたいな、毛ムクジャラの太陽があるもんか」と冷笑する諸君。じゃあ試しに太陽の絵を描いてみたまえ。赤かオレンジで○を描いて、その周囲に短い線をたくさんくっつけて、ほらね、人間にとって太陽は、大昔から丸い毛ムクジャラの存在だったのだ。
 「いいえ、太陽はほぼ完全な球体だ。キウィみたいな楕円体じゃござらぬぞよ」と主張するキミ。キミは、沈む夕陽ばかりを眺めている悲観主義者ではござらぬかな? 早起きをして、海から勢いよく昇る朝日を眺めてみたまえ。
 ほーら、海から昇る太陽は、チャンとキウィかサトイモの形をしているじゃないか。早起きできない人は、YouTubeで「海からの日の出」または「ダルマ太陽」を検索してみたまえ。
カミニート2
(ブエノスアイレスの目玉スポット、カミニート 2)

 今日からは今井君を、クマサン・サトイモサン・キウィサンとサン付けで呼んでくれたまえ。「サン」は、もちろん太陽を意味している。クマSun、サトイモSun、キウィSun。人間にとっての太陽の本質を見事についた呼称でござるね。
 ここまでアホぶりが進行すると、難しいKM君たちも茫然と立ち尽くし、クマSunを放っておいてくれそうだ。「アイツには困ったものだ。『カミニート』と『カニミート』の区別もつかないのだ」。はいはい左様でござります。ワタクシは勉強不足でございまして、カミニートとカニミートの区別もつきませぬ。
29番
(カミニートへは、コレクティーボ29番でもOK)

 そこでアルゼンチンのクマSunは、「いくら何でも『カニ・ミート』であるはずがない!!」というヒントを自ら考えだし、「カニ・ミートはあり得ないから→カミニートが正しい」という思考法を編み出した。カニ・ミートとは「蟹さんの肉」のことであって、蟹の缶詰工場が立ち並ぶ日本の漁港周辺でもないかぎり考えにくいじゃないか。
2番
(バスの運転は、たいへんダイナミックである)

 カミニートは、ブエノスアイレスのボカ地区にあって、ガイドブックにも大きく取り上げられている観光目玉スポットである。19世紀のボカ港はアルゼンチン随一の港町。アルゼンチンの横浜、アルゼンチンの神戸、そういう位置づけである。
 19世紀後半、港の周辺には造船工場も集まり、船乗りと工場労働者の街になった。薄暗いバー・賭場・売春宿が立ち並び、タバコと安酒のニオイが充満して、19世紀末の濃縮された官能的退廃がこの街を支配する。アルゼンチンタンゴが生まれたのはその官能的退廃の中だったのである。
 では、21世紀のボカ地区とカミニートはどうか。いまだに前々世紀・世紀末の濃縮された退廃がユラユラ揺れているのか。もちろん、答えは「否」。ボカ地区出身の画家キンケラ・マルティンの努力によって、何だか出来そこなった感じの寒々とした観光地に生まれかわっている。
 官能の「か」の字もナシ。退廃の「た」の字もなし。荒れ果てた河の港から吹きつける冷たい風に、街も人もみんな縮こまって、目前に迫った街の消滅の運命を、茫然と寂しげに見つめている。
運賃箱
(バス料金は、この派手な箱にコインで払う)

 ブエノスアイレス中心街からボカ地区へは、乗り合いバスに揺られて行く。バスとはいわず「コレクティーボ」と呼ぶのであるが、その運転は驚くほど乱暴で、走行中に立って席を移動したりすれば、スッテンコロリは免れない。吊り革をしっかり握っていても、思わずコレクティーボの中で宙返りしそうな勢いである。
 ボカ地区には、20番か29番の33番のコレクティーボで行く。市内路線は200種類も300種類もあって、観光客が路線をしっかり把握することはほぼ不可能。ましてやクマSunはまだ「蟹ミートじゃないから、カミニート」と把握できたばかりの初心者に過ぎない。
バス領収書
(派手な料金箱から、たいへん地味なレシートが出てくる)

 何とか33番に乗って、バスの中で何度も半宙返りを演じながら、カミニートを目指す。中心街を離れるに従って、車窓風景はどんどん貧しげになり、自然に崩壊したビル、これ以上落書きの余地さえないほど落書きに覆われた廃屋、怪しい男たちの集団、動かなくなって見捨てられたクルマの山、赤く錆びた廃工場、そういう光景ばかりが目立つようになった。
 いつの間にか他の乗客はみんな降りてしまった。「あれれ、有名な観光スポット=カミニートを訪ねる人は誰もいないの?」であるが、「そう、その通り。あんなアブナイ場所に、乗り合いバスで訪れるなんて、ずいぶん勇気がありますね」なのだ。大型観光バスをチャーターして、集団で身を寄せあって行くべき場所なのだ。
カミニート3
(寂しいカミニート 1)

 ガイドブックには、
「河の東地区には貧民街があるから、17時を過ぎたらサッサと中心街に帰るべきです」
「ボカでは白昼でも強盗が出るので危険。カミニート周辺以外は行かないのが賢明です」
「強盗の多くは拳銃を所持しています。抵抗すると危険です。サッサとあきらめて、要求に従ったほうがいいです」
とある。
カミニート4
(寂しいカミニート 2)

 いやはや、時おり雨が落ちてくる重い曇り空、褐色の泥の河、河の向こうの荒れ果てた街、寒そうに肩をすくめた人々の表情、どれをとっても「おお、危険地帯に入り込んじゃったな」を実感する。
 だから、貧しげな家々の壁や屋根がみんな明るい原色に彩られている光景も、むしろ貧しさと寂しさを際立たせる効果しかもたない。真夏の明るい陽光に照らされれば別なのだろうが、「くすんだ原色」「荒れ果てた原色」では、寂寥感が募るばかりである。
カミニート5
(ブエノスアイレスの目玉スポット、カミニート 3)

 男女カップルのタンゴダンサーが数組、寒々とした路地に立って、観光客と一緒に写真に収まっている。もちろん一緒に写真に収まるだけで数ペソの支払いが必要。お土産店や飲食店と同様、なかなか激しく営業をかけてくるから、気の弱い日本人観光客なんかだと、おそらくイチコロになるはずだ。
 そういう寂しいお店が十数軒並んで、それでカミニートは終わりである。サトイモSunとしてはこの街を熱く明るく照らしてあげたいが、さすがにやっと「蟹ミートではない」と分かった程度のキウィ形太陽では、冷たく澱んだこの街を温めてあげることは出来そうにない。
カミニート6
(ブエノスアイレスの目玉スポット、カミニート 4)

 道路1本、河1つ隔てたところには「警察官でさえ近づくのをコワがる地域」が存在する。いまの無力なクマSunとしては、「せめて日本大使館のお世話になるのだけは回避しなけりゃ」という、自己防衛の姿勢をとるのが関の山だ。「北風と太陽」も何も、やっぱりSun を名乗るのは今日限りにして、早めに中心街へ退散することにした。

1E(Cd) デュトワ&モントリオール:ロッシーニ序曲集
2E(Cd) S.フランソワ& クリュイタンス・パリ音楽院:ラヴェル/ピアノ協奏曲
3E(Cd) Paco de Lucia:ANTOLOGIA
4E(Cd) 寺井尚子:THINKING OF YOU
5E(Cd) Ono Risa:BOSSA CARIOCA
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