2012年10月29日(月)

Fri 121005 カサ・ロサーダと秋田銘菓 ラ・エスタンシアを発見(ンラゼマ地球一周記9)

テーマ:ブログ
 9月1日、いよいよブエノスアイレスの街に出る。「いよいよ…に出る」という表現には、一般に意気揚々&前途洋々としたニュアンスが含まれるはずだが、この朝のサトイモ軍曹の心は大きな不安で悲しく曇り、意気揚々&前途洋々みたいなヨーヨー感覚からは程遠いものがあった。
「あーあ、ケチャップ強盗のカモになるのか♨」
「あーあ、短時間誘拐の餌食になりにいくのか♨」
「あーあ、身ぐるみ剥がされに行くのか♨」
この種の絶望感に心は千々に乱れ、とてもヨーヨー感覚どころではない。出来ればホテルの一室にこもったまま、将棋の王将のアナグマ作戦みたいにベッドにもぐっていたかった。
 実際に、それだって悪くない。昨日のスーパーで、ビアもワインも買い込んである。足りなくなったら、速攻でスーパーに駆け込み、帰りも超ソッコーで部屋に走り戻れば、少なくとも強盗の餌食になる可能性は低い。
 もしもブエノスアイレスがガイドブックや大使館HPにある通りの強盗の巣窟だとしたら、これから1週間、ずっとそういう過ごし方をしても悪くはないのだ。いや、むしろそのほうが分別があるというものである。
カサロサーダ
(アルゼンチン大統領府 カサ・ロサーダ)

 しかし諸君、ドストエフスキーによれば「馬鹿でもないかぎり分別なんか誰にでもあるのだ」である。「分別ある行動」とは、「自分は馬鹿ではありません」というレベルのことを証明してくれても、「うひゃー、楽しかった」「いやはや、あんなに楽しい旅はなかったな」という幸せな思い出にはなってくれない。
 そこでサトイモ軍曹は意を決し、「行くぞ!!」と一発気合いを入れて、ホテルへの籠城作戦はヤメにすることにした。そもそも歴史上の籠城なんか、ほとんどが苦しいジリ貧の負けイクサばっかりじゃないか。
 お腹が減って、喉が渇いて、飢えと渇きの中で悲惨な仲間割れが始まり、結局は敵の嘲笑と罵声の中で無惨な敗北を喫する。そういう結果を見通していながら、「ここはひとまず籠城して…」とお殿さまに進言するのは、いかにも忠実な臣下に見えて、実は最も巧妙な裏切りのように思える。
自撮り1
(カサ・ロサーダと自撮りサトイモ)

 こうしてキウィ男爵は、昂然とホテルを後にした。アルゼンチンの9月は、まさにこれから春本番を迎えようという、マコトにウラウラとして心地よい陽気である。泥の色の運河から吹く風は冷たいが、持参した初冬用のジャンパーは全く必要ない。不用心ではあるけれども、クマ蔵どんはシャツの上から薄手のベスト1枚重ね着しただけでブエノスアイレスの街に出たのである。
 運河を渡って旧市街に入ると、さすがに日曜日の午前中だけあって、街は閑散としている。アルゼンチンは熱心で敬虔なキリスト教信者の多い国であって、日曜の午前は教会のミサに家族みんなで出ている。朝から繁華街をブラブラするなんてのは、もってのほかなのだ。
地下鉄入口
(地下鉄駅。地下鉄は「スブテ」と発音する)

 クマ蔵どんがまず訪れたのは、大統領府カサ・ロサーダである。Casaが「おうち」、rosadaは「ピンクの」または「薔薇色の」。ロゼワインもrosadoであって、カサ・ロサーダとは「rose色のおうち」でござるね。
 大統領夫人「エヴィータ」が大活躍したのも、このピンクのおうち。彼女については、ニューヨークでミュージカルを観てきたばかりだから、クリントン国務長官を髣髴とさせるエヴィータの横顔が懐かしい。
 33歳、子宮ガンで急逝したエヴィータ(本名エバ・ペロン)のお葬式が行われたのが、カサ・ロサーダ前の5月広場。お葬式の時にはここに数万人が集結してエヴィータの死を嘆いたというけれども、うーん、それももう60年も昔のこと。5月広場もすっかり裏ぶれ姿だ。
 諸君、映画もある、1996年、主役のエヴィータを演じたのはマドンナ。いま今井君が立っている5月広場も、広場から見上げるカサ・ロサーダもそのまま映画のロケに使われた。アルゼンチン国民からは「何で、マドンナなんかがエヴィータを?」という反感が渦巻いたそうだが、それも15年以上昔のことである。
フロリダ通り
(閑散とした繁華街・フロリダ通り)

 「薔薇色のオウチがどうして薔薇色になっちゃったのか」であるが、ガイドブックによれば昔の建築によく使われた塗料のせいであって、石灰にウシの血液をたくさん混ぜてこの色になる。あらら、何だか生臭い話であるが、実際に目の前に見てみると、薔薇色というよりアズキ色。井村屋のあずきバー色であるね。
 秋田出身の今井君は、井村屋あずきバー色を見てすぐに「おやおや、あずきモロコシの色であるね」と反応する。「諸越」という秋田銘菓があり、「諸越」と書いてモロコシと読む。落雁(らくがん)をもう少し食べやすくしたお菓子で、秋田のヒトビトはオヤツに諸越10個ぐらいはカンタンに平らげてしまう。
あずき色
(カサ・ロサーダ。うーん、あずき色でござるよ)

 モロコシとは、唐代の中国を指すはずである。玄宗や楊貴妃への憧れが結晶した銘菓なのである。大昔、秋田みたいな辺境まで行けば、京の都への憧れと、唐の都・長安への憧れが重なって、区別がつかなくなる。「京のお菓子みたいに美味しい」は=「唐の都のお菓子みたい」につながる。そこで「モロコシ」となるわけだ。
 モロコシは、蕗の葉っぱのデザイン。きな粉をベースに、小麦粉とお砂糖を混ぜて固める。そこへアズキを混ぜれば、アズキ色&アズキ味のモロコシが出来あがる。子供の頃のコグマ君は、オヤツにあずきモロコシ一袋20個ぐらい、軽々と平らげていたものである。
 いま目の前に立つカサ・ロサーダの勇姿を見上げながら、実は今井君が懐かしい秋田銘菓モロコシの味を思い浮かべていただなんて、口が裂けても言えない秘密である。極秘だから、このブログにコッソリ書いておく。1日平均5000~6000アクセスなんだから、いくら書いたって極秘のままに出来るはずだ♡
コリエンテス通り
(不気味に静まり返るコリエンテス通り)

 さて、日曜日の閑散としたブエノスアイレスの街に、いよいよ今井君はズンズン侵入していこうと思う。5月広場から右に折れると、「ブエノスアイレスで一番の繁華街」のはずのフロリダ通り。ガイドブックに寄れば「真っ直ぐ歩くのも困難のほどの雑踏」のはずだが、日曜の人手はマバラで、どこまででも真っ直ぐ行けそうだ。
コロン劇場
(世界3大劇場の一つ、コロン劇場)

 諸君、ここでサトイモ閣下は大胆にもキャッシュ・ディスペンサーを利用する。衆人環視なか、堂々と銀行で現金500ペソを下ろしたのだ。「こうなりゃ、もうイチカバチか」。「短時間誘拐でも、ケチャップ強盗でも、来るなら来やがれ」。おお、どうやらいつもの今井君の勢いが出てきたようである。
 フロリダ通りから右に折れてコリエンテス通りへ。ここは映画館や劇場が立ち並ぶ大通りで、深夜まで雑踏が続くはずであるが、やっぱり日曜のせいか閑散としている。閑散としていればいるほど、ヘアライジングな恐ろしさがつのる。「脇道には絶対に入ってはならない。あっという間に強盗の餌食だ」という治安情報が、頭蓋骨の中で怪しく反響する。
オベリスク
(広大な7月9日通りに立つオベリスク)

 それでもキウィ男爵は行軍をヤメない。やがて目の前にオベリスクを発見。8車線どころか、12車線だか16車線だか、横断もままならないほど広大な7月9日通りを渡ると、目の前に「コロン劇場」がある。
 そこいら中でこっちをジッと見つめている怪しい人影が気になるけれども。ミラノのスカラ座、パリのオペラ座と並んで、このコロン劇場は世界3大劇場の一つ。「こりゃ、どうしても近いうちチャンと見学にこなきゃ」でござるね。
自撮り2
(コロン劇場と自撮りのキウィ男爵)

 もう一度7月9日通りをわたって、ラバージェ通りに入る。このラバージェ通りで見つけたのが、有名ステーキ店「ラ・エスタンシア」。このあと1週間、ダラしなくこの店に入り浸って牛肉500グラム×5回=2.5kgをワシワシ平らげることになるのだが、詳しくは日を改めて書くことにしたい。
エスタンシア
(ラ・エスタンシア。ケモノたちのお肉が回る)


1E(Cd) Maggini String Quartet:ELGAR/STRING QUARTET in E MINOR & PIANO QUINTET in A MINOR
2E(Cd) Barbirolli & Hallé:THE BARBIROLLI ELGAR ALBUM 1/2
3E(Cd) Barbirolli & Hallé:THE BARBIROLLI ELGAR ALBUM 2/2
8G(α) 塩野七生:ローマ人の物語28 すべての道はローマに通ず(下):新潮文庫
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