2012年09月12日(水)

Wed 120819 ザワークラウト包囲網 ザルツブルグにワンデー逃亡(ミュンヘン滞在記11)

テーマ:ブログ
 だって諸君、ホントにザワークラウトのニオイは、クマにとって余りに強烈なのだ。「しっかり温めたザワークラウト」という念には念を入れたシロモノとなると、「強烈」という形容の域を超えている。
 その甘酸っぱいニオイが狭い室内を占拠した場合、室内の空気は瞬時に強酸性に変わる。その強酸性たるや、もしそこにリトマス試験紙があれば、青いリトマス紙は真っ赤に、赤いリトマス紙は「もっと真っ赤になれないものか?」とヒタイに青筋をたてて猛り狂ったあげく、青筋さえ真っ赤に染まって憤死しそうな勢いである。
 この強酸性の空気のせいで、酸に弱い今井君の精神は一気に弱体化、崩壊に迫る。特に紫キャベツのザワークラウトというどす黒いものを目にすると、「どす黒いなどという生やさしいものじゃない。『どす・グロい』だ」と、目の前のグロい光景から一目散に逃亡を試みたくなる。
ザワークラウト
(ザワークラウトちゃんの襲撃 2012年9月)

 もちろん、世の中にはザワークラウトの大ファンも多い。ミツカン酢のCMみたいに「酢で煮込むお料理でサッパリと」みたいなのが大好きでいらっしゃったりする。ママが酸っぱいお料理大好きだった場合、家の中の全てに酢のニオイが染み込まないかと、クマ蔵は心配でならない。
 CMでは、一口食べただけで「全然、酸っぱくなぁい!!」と家族でニッコリ微笑みあったりするが、今井君としては「ウソだぁ、料理は酸っぱくなくても、家中の空気が凶悪に酸っぱくなってんじゃないの?」である。壁も、畳も、マクラやオフトンも酸っぱい。ランドセルも、制服も、柔道着も酸っぱい。うにゃ、こりゃたいへんだ。取り返しがつかないじゃないか。
山の上から1
(ザルツブルグの町 全体図)

 クマ蔵なんかは、「酢で煮込む」というフレーズを耳にしただけで、テレビの前で全身フリーズするほどであるが、ま、人の好みは千差万別であって、熱い男女の仲なんかも、酢の好き嫌い1つでいろいろな悲喜劇が起こる。
 「酢が大好き」という女子の割合は高いけれども、男子には酢が苦手な人が多い。女子が「大好きな男子のためにお弁当を作ってあげる」というのはマコトにマコトに微笑ましいシーンであって、中学生や高校生だったりすれば、まさに人生のクライマックスの1つになるほどだが、それが単に「酢の入れすぎ」「酸っぱすぎ」というだけで愛の破局につながった例さえ、人類の歴史の中に数限りなく発見されるはずである。
町
(ザルツブルグの町)

 今井君のドイツに対する愛も、ザワークラウトに包囲されただけで「百年の恋も一瞬で冷める」という、まあ一種の破局に陥る。「こんなに酸っぱいんじゃ、もうドイツになんかいたくない!!」という心の叫びを抑えることは、わがままクマさんにはほとんど不可能である。
 ミュンヘンに滞在して「もうドイツにいたくない!!」ということになれば、国境線を跨いで包囲線を突破するしか方法はない。西に跨げばフランス、東に跨げばチェコかポーランド、南に跨げばイタリア。心に翼の生えた自由自在なクマ蔵なら、あっという間にヨソの国に逃亡できる。
宮殿と庭園
(美しい宮殿と庭園)

 国境を南東に跨ぐと、そこにはオーストリアという国がある。南寄りに跨ぐとインスブルック。この町へは、すでに5月20日にワンデー逃亡を敢行した。国境を東寄りに跨ぐと、モーツァルト生誕の家があるザルツブルグ。21日のワンデー逃亡にはもってこいの、甘く爽やかな空気の町、酸っぱくない空気の町である。
到着
(ザルツブルグに到着)

 2012年夏、クマ蔵は南米・アルゼンチンの首都ブエノスアイレスを旅した。ブエノスアイレスとはBuenos Airesであって、Buenosは英語のGoodにあたる。Airesが英語のAirに該当することを考えれば、ブエノスアイレスという地名がGood Air=「素晴らしい空気」から生まれたのだという俗説も、あながち作り話ではなさそうだ。
モーツァルト
(モーツァルト像)

 ミュンヘンから電車で3時間だったか4時間だったか、ザルツブルグの町に到着してみると、5月の空は青く澄みわたって、マコトにブエノスなエアーが満ち満ちている。天上高く、モーツァルトの軽妙な音楽が奏でられるようである。
生家
(モーツァルトの生家)

 オーストリアって、どんな産業が盛んでこんなに豊かなのかよく分からないが、とにかく思いがけないほど豊かである。オーストリア国債は、2012年に1段階引き下げられて「最上位」ではなくなったが、それでも日本国債と比較すれば、格付けは遥かに上位である。
 人々のプライドも高い。さすがハプスブルグの国、クマ蔵みたいな東洋のクマに対する人々の視線は相当にサーキャスティックである。「なあに、『サーキャスティック』って?」というオカタは、辞書で調べてみたまえ。スペルは「sarcastic」である。
犬
(人々の人気を集めていた美人犬3姉妹)

 首都ウィーンでオペラを見ていたら(ベッリーニの「ノルマ」だったが)、後ろの席のオバーチャンに叱られた。「アナタのように頭を左右にグラグラ動かすと、後ろの席の人が迷惑しますよ」とおっしゃる。「動かさないでくださる? ビッテ」。プリーズに相当する「Bitte」の発音もイントネーションも、マコトにsarcastic。計算しつくされたsarcasticであった。
琥珀
(欲しかったが自重したコハクのクマさん。体長2cmほど)

 シーフードのファストフード「NordSee」でテイクアウトしようとしていたら、店員のオバサマに叱られた。「アナタみたいに、ドイツ語と英語をマゼコゼに使われると、私のほうが混乱します。英語なら英語だけ、ドイツ語ならドイツ語だけにしてくださいな、Bitte」。おお、またまたあのsarcasticな「Bitte」の襲来である。
猫
(ニャゴロワとナデシコのクッション)

 だからこの日のザルツブルグでも、ザワークラウトの酸っぱい包囲網に負けないぐらい「サーキャスティック・Bitte」に要注意。プライドの高いオバサマ連に叱られないように、あくまで用心深い行動を心がけないと、せっかく天上に響く爽やかなモーツァルトの旋律も台無しになってしまう。
天使1
(バイオリンを奏でる天使ちゃん)

 この日1日の行動計画は単純至極である。何しろ滞在時間はわずか6時間あまり。要点はザワークラウトからの逃走。モーツァルトは「後宮からの逃走」だが、ヴォルフガング今井の人生はあくまで「酢のニオイからの逃走」である。そのクセ「お寿司は大好き」と言うのだから、クマのワガママぶりはまさに「恐るべし」である。
天使2
(ザルツブルグの天使ちゃんたち)

 ザルツブルグもまた、町の真ん中を水量豊かな美しい河が流れている。インスブルックの河の水はミネラル分が溶け込んだ白い色だったが、ザルツブルグの河は初夏の森の色を映した爽快な緑の流れである。
 旧市街は、駅から河を渡った向こう側。美しい宮殿と庭園、モーツァルトの生家、町のオヤジが集まる代表的なビアガーデンと歩き回るうちに、滞在6時間のうち半分がとっくに過ぎてしまっていた。
お城から1
(お城の山から田園地帯を一望する)

 ケーブルカーでお城のある山に登ると、夕暮れ迫るザルツブルグ近郊の田園地帯が一望できる。山の上は、空気もいっそうブエノスであって、昭和中期の人々が山歩きをするたびに口にした「空気がおいしい」の一言が、思わずクマの口から漏れそうになる。
 山上のビアガーデンで夕食前のビアを満喫していると、田園地帯の上空がまさに一天ニワカにかき曇り、向こうの山のほうから怪しい黒雲が足早に迫ったかと思うと、激しい雷鳴が轟いた。うひゃ、こりゃたいへんだ。ビアガーデンは突如店じまい。今井君も残ったビアを一息で飲み干して、どこか屋根のある所へ駆け込まざるを得なくなった。
かき曇る
(押し寄せる黒雲)

 駆け込んだ所が、昨日の記事で写真を示した洞窟レストラン「ザンクト・ペーター」。ウソかホントか分からないが、創業803年。ま、ホントと信じたい。日本なら、桓武天皇の平安京遷都9年目。中国は、唐の時代。楊貴妃と玄宗皇帝の悲劇から50年。おやおや、たいへんな時代から延々と続いていることになる。
 しかしどんなに古くても、ザワークラウト包囲網から逃れることはできない。国境線を跨いでも、やっぱりここはドイツ文化圏なのだ。それでも、あら不思議、今井君のポンポンはどんどん出腹日記(昨日の記事参照)。ポンポンがボンボン飛び出して、抑制不能に陥った。「よし、ダイエット生活に入ろう」と決意したのは、この夜ミュンヘンに帰る電車の中であった。

1E(Cd) Eschenbach:MOZART/KLAVIERSONTEN①
2E(Cd) Eschenbach:MOZART/KLAVIERSONTEN②
3E(Cd) Eschenbach:MOZART/KLAVIERSONTEN③
4E(Cd) Eschenbach:MOZART/KLAVIERSONTEN①
5E(Cd) Eschenbach:MOZART/KLAVIERSONTEN②
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