2012年08月23日(木)

Mon 120730 オスマントルコ軍楽を聴く コドモたちに喝采(イスタンブール紀行21)

テーマ:ブログ
 5月26日。オスマントルコ陸軍の誇った軍楽の演奏を、今日はどうしても聴かなければならない。「今日はどうしても」とわざわざ念を入れるのは、ちょうど1週間前の5月19日、せっかく演奏会場の軍事博物館まで行ったのに、「今日は開催しません」の一言であえなく追い返される仕儀に至っていたからである。
 演奏開始は15時だというのに、しっかり気合いの入ったクマ蔵はホテルを11時に出て、脇目もふらずにオスマンベイに向かった。オスマンベイは、問題の軍事博物館の所在地。今となってはたいへん懐かしいが、イスタンブール滞在2日目、まだオッカナビックリの状況で地下鉄オスマンベイ駅に降り立った。
 ニャニャンゴ中尉と出会ったのも、あの日のことである。「ニャニャンゴ中尉」と言われて何のことか分からないヒトは、ぜひブログ内検索で「ニャニャンゴ中尉」を検索。最近の今井ブログでも出色のキャラクターネコとして、現在人気上昇中のヤツである。クマのヴォイテクに勝るとも劣らぬ活躍を見せた、素晴らしい軍人ネコと言っていい。
軍楽隊1
(トルコ軍楽隊の演奏を聴きにいく)

 今井君の宿泊するスイスホテルと、軍事博物館のあるオスマンベイの間には、深い谷が横たわっている。直線距離なら至近であるが、もし徒歩で行くとしたら、険しい坂のアップダウンに耐えなければならない。いつか書いたボッタクリタクシーが横行するのも、このキツいアップダウンのせいであるかもしれない。
 そこでイスタンブール当局は、深い谷をはさんで向かい合う2つの地区を、大胆にもゴンドラで結んでしまった。日本のスキー場にある、例のごく普通のゴンドラである。
 眼下に公園やデカいショッピングセンターを見ながら、向こうの丘に向かってゴンドラで空中散歩する。あまり人気はないようだが、土地に不慣れな観光客としてはたいへん便利。トルコのSuica=イスタンブールカードも使えて、たった5分で向こうの丘に着く。
ゴンドラ
(こんなゴンドラが市内を結ぶ)

 しかしこうなると「時間をどうつぶすか」が問題になる。まだ軍楽の演奏開始まで3時間も残っている。1時間前には会場に入るとしても、観光地でも何でもないオスマンベイで2時間はキツい。東京でいえば、信濃町か飯田橋、五反田か代々木、そういう場所である。
 しかしここが、「横綱大関より前頭力士に注目する」という今井君の極意の見せ所。日本人や中国人の団体ツアーが絶対に来ないこういう場所で、ショーウィンドウを覗き、よく分からん店に入ってピザとフルーツジュースを満喫。「へぇ、トルコの人って、ピザはこういう形だと思ってるんだ!!」などというのも、この種の町歩きでしか分からないことである。
ピザ
(オスマンベイでピザを試す)

 さて、15時。ついに演奏が始まった。コンサート会場みたいな「客席」は一切なくて、体育館の真ん中でやっている演奏を、それぞれ思い思いの場所から立って眺めるという形式である。
 聴衆は観光客3割、地元の小中学生の見学が7割。立錐の余地もない超満員になった。階段にも中学生がズラリと並び、2階バルコニーにも小中学生が「たわわに実った」という感じ。演奏は30分以上続くから、コドモたちが何だか可哀想である。
聴衆
(スズナリの小中学生)

 30名ほどの演奏者が、中心を向いて円陣を作る。全員オスマン時代の装束に身を包んで、手にはシンバル、様々な太鼓、様々な管楽器。みんな立派なヒゲを蓄えて、どの1名をとっても、間違いなく一騎当千のツワモノである。
 中でも最も勇壮な顔つきなのが、円陣の一番向こう側に立った指揮者である。指揮棒は、一番下を右手でつかんで、ゆっくりと上下させるタイプのもの。彼が場内をジッと睨みつけると、その眼光の余りの強烈さに、観光客も小中学生も思わず静まり返ってしまう。
指揮者
(一番左が、指揮者どん)

 その瞬間をつかんで、低く、鋭く、「さあ行くぞ、総攻撃だ!!」という気合いを籠めて「ハイディー、ヤッガー」と演奏者一同に声をかける。ホントは「ヤッラー」だが、トルコ語の「ラ」は喉の奥を強く震わせるから、外国人にはどうしても「ハイディー、ヤッガー」と力強く聞こえる。
 それを合図に、シンバル/太鼓/様々な笛が、一斉に演奏を始める。諸君、その一つ一つの音が、どれほど圧倒的で、どれほど力感的で、どれほど威圧的であるか、それは実際に聴いてもらうしかない。ホントはイスタンブールまで出かけて聴いてもらいたいのだが、もちろんCDで聴くことも出来る。
指揮者拡大図
(指揮者どん拡大図。左の人物でござるよ)

 今井君はこの日に備えて、2011年夏にiTunesで「トルコの軍楽」を購入。20数回繰り返し聴いてからトルコを訪れた。演奏されるほとんどの曲が頭に染み込んでいるほどである。CDの正式名称は「The World Roots Music Library:トルコの軍楽 オスマントルコ軍楽隊」。諸君もぜひ購入して聴いてみたまえ。
 「高くてそんなの全部は買えねーよ」という諸君は、1曲ずつ購入するもよし。「ジェッディン・デデン」「若いオスマン」「エステルゴン城」「シヴァストボル行進曲」「ジハード」あたりは必聴。なぜ中世から近世のオスマントルコ軍が「向かうところ敵ナシ」だったか、なぜイェニチェリの行進する軍楽を聴いただけで敵が戦意を失うほどだったか、これら数曲を大音量で聴けば、誰でも納得がいく。
 今井君の場合は、まさに大音量もいいところ。目の前でシンバルがたえず打ち鳴らされ、太鼓は遠慮なく連打され、管楽器は延々とミーミー♨ミャーミャー激しく唸りつづけた。目の前にはシンバル君がいて、実はシンバル君がジャマになって全体の風景は全く楽しめなかったのだが、この大音量を聴いただけでいいじゃないか。
シンバル
(目の前に立ちふさがったシンバル君)

 クマ蔵は演奏を聴きにきただけのクマであって、オスマンの敵でも何でもない。しかしあっという間に戦意を喪失。というか、無意識のうちにトルコ側の味方について、オスマン軍とともにテオドシウスの城壁に突撃したくなるほどであった。オスマン、恐るべし。音楽をこれほど巧みに利用した軍隊は、オスマン以前には存在しなかったのである。
太鼓
(太鼓連打)

 何より驚いたのが、地元の小学生たち。演奏が始まると、みんな声を揃えて歌いだした。ちっとも恥ずかしがる様子はないし、タメライも全く見せない。大きな口を開けて、こんな古くさい軍楽に声を合わせる。16世紀や17世紀の軍歌であるが、それをマコトに誇らしげに「これでもか!!」と歌い上げる。
 今井君だって、歌には自信がある。普段の講演会の最中にワケの分からない歌を朗々と歌い上げることもある。その声量たるや、講演会場を完全に圧するほどであって、ツイッターなんかを見てみると「歌がうまい、うますぎる」「歌がムダにうまい」など、歌っちゃった日には感動の♨書き込みがたくさん入ってくる。
軍楽隊2
(演奏後半)

 しかしでござるね、トルコでは、16世紀の軍歌を21世紀のコドモたちが豊かな声量で歌い上げるのだ。しかも、ホントにホントに誇らしげで、恥ずかしがる内気なコドモは見当たらない。
 15世紀から19世紀にかけて、周辺諸国に対し侵略と暴虐の限りを尽くした歴史がある以上、この誇り高さを無条件で認めるわけにはいかない。しかし、自国の栄光の歴史をためらわずに歌い上げるコドモたちの様子は、見ていてマコトに爽快である。
 欧米人観光客のオジサマ&オバサマたちから「ブラボー」の声が上がったのは、この時である。もちろん演奏者に対するブラボーでもあったのだろうが、オバサマの顔もオジサマの顔も、みんなトルコのコドモたちに向けられていたのは間違いない。
ガラタの塔
(ガラタの塔を眺めながら「いざ、カドキョイ征服へ!!」である)

 16時、演奏終了。観客の熱い拍手は、まず演奏した30名の軍楽隊に向けられた。しかしそれとともに、期せずして演奏に加わった誇らしげなコドモたちにも、同じように向けられていたのである。今井君の気持ちも同じ。「あの大音量に、よく負けなかった」「祖国の歴史にためらわずにプライドを持てるキミたちは、ホントに幸せであるね」と、欧米の皆様とともにコドモたちに喝采を送った。
ムール貝屋
(エミノミュ港のムール貝屋)

 こうして、クマ蔵どんはすっかり元気になってしまった。昨日の冷たい雨と、昨日のマズい「ナンチャッテうどん」のせいで少し気が滅入っていたのであるが、ここは一番、これから船に乗って、「アジア側カドキョイの街を征服してくるか?」という気になった。
 すでにイスタンブール滞在10日が過ぎようとしている。クマ蔵は「イスタンブール自由自在」という感じ。地下鉄でもトラムヴァイでも、源義経の「八艘飛び」よろしくピョンピョン飛び移れるし、徒歩でイスティクラール通りを「鵯越の逆落とし」だって決して難しくない。
逆落とし
(イスティクラール通りの逆落とし)

 確かに、今日を入れても滞在はあと5日。こんなに自由自在になっているのも当たり前だ。諸君、エミノミュの港でカドキョイ行きの船を待ちながら、自分撮りした今井君の自信タップリな表情を見てみたまえ。
 威圧的かつ圧倒的なトルコ軍楽に後押しされて、思わず颯爽とカドキョイ征服に向かう今井パシャ。受験生諸君にも、大学生諸君にも、いつもこんな感じで日々の戦いに臨んでほしいと願うイマテク君なのであった。
エミノミュ港にて
(エミノミュ港の今井君)


1E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 1/3
2E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 2/3
3E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 3/3
4E(Cd) Sequentia:AQUITANIA
5E(Cd) Nevel & Huelgas Ensemble:Canções, Vilancicos e Motetes Portugueses
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