2012年08月04日(土)

Wed 120711 負傷 ガラタの塔 同じ居酒屋(イスタンブール紀行10/ついに1498回)

テーマ:ブログ
 5月21日、心を入れ替えて勤勉にトプカプ宮殿を見学した今井君は、4時間ほどの見学ですっかり疲れ果ててしまった。そもそも、せっかくの外国旅行で「見学」だなんて、病気の日の体育じゃあるまいし、どうしたって面倒くさいの一言である。
 心なんか入れ替えるんじゃなかった。デロデロ&ダラダラ、遊びに徹していればよかった。ハチの巣蜜を食べまくり、昼過ぎからビアとシャンパンに酔っぱらって、ホテルの部屋でゴロゴロ寝ていればよかった。「マジメに見学」だなんて、無理して自分に似合わないことを考えると、確実に失敗するものである。
ガラタの塔
(中世ジェノバ人が築いたガラタの塔。三角帽子がキュート)

 そもそも、この朝は朝っぱらから大失敗があった。右手の中指の大ケガである。朝食前にゆっくりお風呂につかって、リラックスしすぎたのが悪かった。バスルームの引き戸に思いっきり中指をはさんで、あまりの激痛に絶叫。クマの絶叫は、廊下でも、お隣の部屋でも、ハッキリ聞こえたかもしれない。
 何しろ、今井君の宿泊するミドルスイートは、インテリアも調度も豪華を極めている。バスルームの引き戸だって、いかにも重々しいデザインの、ホントに重々しい引き戸でござる。これを思いっきり閉めようとした今井君の中指が、引き戸とドアの枠の間に挟み込まれてしまったのである。
右手中指
(ケガから2ヶ月経過した右手中指)

  おそらく40kgか50kgの重厚な木材の引き戸が、クマ蔵の中指の爪のあたりを目がけて、たいへんなスピードで剪断加重をかけてきた。「せんだんかじゅう」に対するMac君の変換は、驚くなかれ「船団果汁」であるが、あのときの激痛は、2ヶ月が経過した今でも忘れることができない。
 右手中指は、このところ受難つづきである。昨年9月、ギリシャのミコノス島で、クマくんは岩の裏に張りついていたウニ君を引きはがそうと企んだ。しかし、命の危機にさらされたウニ君だって必死。ウニ君の紫色のトゲが、クマの右中指の先をしたたか刺し貫いた。トゲが抜けるまでに5日を要し、その間PCのキーをたたくのにも激痛が走り続けた。
拡大図
(2ヶ月経過、拡大図)

 ウニ君に続いてクマ蔵の中指を懲らしめたのが、トルコのお風呂の引き戸クン。中指君としても、「ボク、何か悪いことでもしましたか?」と問いかけたい様子。諸君、8月4日現在、中指の爪にはいまだにあの時の痕跡が残っている。全身から脂汗がしたたるほどの痛みを、ぜひ想像していただきたい。
 今井君のトプカプ宮殿見学が今ひとつ盛り上がらなかったのは、中指ズキズキのせいであったかもしれない。見るもの聞くもの全てにムカついて、宝物の前に雑踏ができていればムカつき、ヒトの流れが滞ればムカつき、そのたびに右手中指がズキズキする。こういう時に「見学」だなんて、それがそもそも間違っていたのだ。
モスク群1
(ガラタの塔からモスクを望む 1)

 午後5時、夕方が近づいて、もうクマ蔵はお腹がすいた。イスティクラール通りに向かい、楽しい夕食の前にガラタの塔に昇ることにした。中世ジェノバ人がコンスタンティノープルに建設した灯台がモトになっている。ジェノバ人は、中世の地中海を我がもの顔にのし歩き、ヴェネツィアを凌ぐほどの盛んな交易に励んだ。
 塔の上部の三角帽子は、オスマントルコによるコンスタンティノープル征服後に付け加えられたもの。するとオスマントルコの人々もまた、なかなかお茶目でオシャレな才能に富んでいたのだ。三角帽子のおかげでこの塔の魅力が格段にアップしているのは、間近で見た者なら誰でも認めるところだろう。
金角湾
(ガラタの塔から金角湾を望む)

 塔の上には、2つのエレベーターを乗り継いで上がることができる。最上階近くにはレストランがあって、ディナータイムにはベリーダンスショーその他、いろいろ工夫を凝らしているようである。
 ま、完全に団体観光客向けのショーであって、今井君は全く興味を感じないが、Trapicsあたりのツアーなら「ディナータイムにはベリーダンスショーをご鑑賞!!」ということになりそうだ。そういえば、2日前にガラタの塔の下をうろついていたら、日本語の上手なトルコ人ガイドに導かれ、関西弁の中高年集団が長い列を作っていた。
モスク群2
(ガラタの塔からモスクを望む 2)

 塔の最上階テラスに出ると、ボスフォラス海峡からも金角湾からも夕方の涼風が吹きつけ、涼やかな風の中で眺めるイスタンブールの夕景はマコトに爽快である。
 金角湾の側に立つと、狭い海を隔てて、左から順にトプカプ宮殿→ハギア・ソフィア→スルタンアフメット・ジャーミー→スレイマン・ジャーミー。ボスフォラス海峡側に立つと、右から左の順でカディキョイの街→ウスキュダルの街→ボスフォラス大橋。さらに左に進めば、海峡はそのまま黒海に至る。おお、クマ蔵は、ホントに遠くまできたのである。
カディキョイ
(カディキョイ方面の眺め)

 もしこんなに混雑していなかったら、塔の上で丸々1日過ごすのも悪くない。古代ローマから続く寺院と、イスラムを代表するモスクと、トルコ皇帝が君臨した宮殿が、それぞれ堂々と居並ぶ姿を、海風に吹かれながら望める場所は、この地球上でここだけである。
 海の色は、コバルトである。朝は緑が勝ち、陽が高くなるにつれてブルーが緑を次第に駆逐し、しかし夕暮れが近づくと、緑とブルーのせめぎ合いの中に黄金色の波がきらめき、この海の色彩は、海の歴史に負けないほどに重層的である。
ウスキュダル
(ウスキュダル方面の眺め)

 海の向こう側、カディキョイとウスキュダルの街はアジア。塔の足許、金角湾の両岸はヨーロッパ。ただし純粋なヨーロッパだったのは1453年5月29日までであって、コンスタンティノープル陥落後は、双方が激しく反発しあいながら融合を続ける550年。こりゃたいへんだ。「ベリーダンスショーをご鑑賞」とか、暢気なことをやってる場合じゃないのである。
シガラ
(辛いエズメと、シガラ・ボレギ)

 余りのことに感激し、感激すると空腹を感じ、意地でもビアをグビグビやりたくなるのがクマ蔵のクセである。こうなると、もう矢も盾もたまらない。ビア♡ ビア♡ 生ビアー♨ 心の中でウワゴトのように呻きながら、イスティクラール通りの長い坂道を左に折れて、ネヴィザーデ通りに入った。
ヒツジ
(ヒツジのお肉は、意外なほど貧弱だ)

 どうしても、昨日のメイハーネがいい。「2日続けて同じ店?」という疑問もなくはないが、昨日と同じ2階のバルコニー席に座って、痛む右の中指をフーフーしながら、生ビアに辛いエズメサラダ。どうしてもその組み合わせで行きたかったのである。
 白ワインも、昨日と同じボトルを1本。ただ1つ昨日と違うのは、シガラ・ボレギを注文してみたことである。白いチーズを油で揚げた単純なおツマミで、これでビアもワインもますます旨くなる。
ワイン
(この日の白ワイン)

 エズメは、やっぱり2皿注文する。こんな辛い料理を「2皿ください」と言うと、ウェイターは一様にビックリした様子。「ほほぉ、『トルコ人もビックリ』ということですか」と、鼻高々になったクマどんの勢いは、もう誰にも止められない。
ラク
(ラクもストレートで)

 食事の終盤戦には、トルコの蒸留酒ラクをストレートで2杯も3杯も飲み干して、指の痛みも忘れた。好調は絶好調を呼び、絶好調はさらなる絶好調を呼んで、もう楽しさに止めどがつかない。
 昨日ガッチリ握手しあった店主が、帰り際「あと何日イスタンブールにいるんだ?」と尋ねてくれた。「まだまだ、あと10日います」であり、「あと10日のうちに、また何度も来ます」である。店主もニッコリうなずいて「ぜひまた来てくれ」とクマ蔵の肩を叩いた。
あらま、ガラガラだ
(あらま、バルコニーのある2階席はガラガラである)

 今思い返してみると、今回の滞在でネヴィザーデ通りのメイハーネ街に入ったのは、あの日が最後になってしまった。海をわたったアジア側のカディキョイの街に、大好きなメイハーネが1軒できてしまったからである。
チャイ
(チャイも注文する)

 ちょっと悪いことをしたような気がするが、ま、いくらお客に冷たくされても、決してめげずに呼び込みに励む熱心なオジサマである。あれから2ヶ月、昨日も今日も同じ笑顔で、道ゆくヒトビトにメニューを広げ、丁寧な説明に努めていらっしゃることだろう。
バルコニーから
(決して凹まないウェイターたちを、バルコニーから応援する)


1E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES④
2E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES⑤
3E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES⑥
4E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES①
5E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES②
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