2012年07月30日(月)

Fri 120706 大学とジャーミーとメイハーネ(イスタンブール紀行8/カウントダウン7)

テーマ:ブログ
 5月20日、イスタンブール滞在3日目の午後は、ブルーモスクから北の方向に市内を散歩して過ごすことにした。今にも雨の降りそうな1日で、散歩にはもってこいの涼しさだった。
 金曜や土曜ほどではないが、中心街の混雑は日曜日もやっぱりタダゴトではない。今やイスタンブールは、人口1300万の巨大都市。日曜ともなれば、四方八方に拡大する郊外の住宅地から人々がショッピングや観光に押し寄せ、大きな買い物袋をぶら下げたヒトの波で、街は大混雑に陥る。
 2020年オリンピック候補地として、東京の最も有力なライバルがこのイスタンブールである。しかし、とにかくこの大混雑を何とか整理しないと、いざオリンピック開催となった時の大混乱がオソロシイ。
イスティクラール通り
(人♨人♨人のイスティクラール通り)

 今井君のニラんだところでは、街の中心が1つだけなのが混沌の主因。東京みたいに街の中心が分散し、新宿/渋谷/銀座/上野/池袋を中心に、繁栄の円が5つか6つ重層的に重なりあうタイプの街を作れば、ヒトの流れの整理もつきやすい。
 ところが今のイスタンブールは、金角湾に中心をもつ巨大な円が1つ存在し、この円の磁力に1300万人がこぞって吸い寄せられる状況。これをキチンと交通整理して混沌を解決するのは、一筋縄ではいかない難事である。山手線のような環状の鉄道を作り、4カ所か5カ所の副都心を建設して分散を図るしかない。
一望
(スレイマンジャーミーからイスタンブール中心街を一望する。手前が金角湾、向こう側の海がボスフォラス海峡)

 現在のイスタンブールの交通網整備は、そういう方向性をもっているように見えない。中心街を貫いて走るトラムに余りにも依存しすぎであって、その結果トラムはいつでも言語道断に混雑している。電車が到着すると、大量のヒトビトが我先に乗り込もうとするから、ドアの前におまんじゅうのような黒山の人だかりが出来て、降りることさえ困難である。
 建設中の地下鉄や郊外電車は、ひたすら遠い郊外を目指し、触手をどこまでも長く伸ばしているようである。複数の副都心を環状に結んで混雑を分散する解決策が見えないまま、遠い郊外からさらに人口を吸収しようとすれば、混乱に歯止めはかからない。トラムに乗り降りするたびに、5~6年後のこの街の様子が心配でならなくなるのだった。
 ま、そんな話はすべて余計なお世話である。トルコの心配はトルコ人に任せておけばいい。グランドバザールは日曜日で定休だったが、その先に名門・イスタンブール大学を発見。日本なら東京大学か京都大学、そういう名門である。優秀な学生や研究者が、今井君なんかには思いもよらない混乱の解決策を、日々ここで研究しているに違いない。
大学正門
(イスタンブール大学 正門)

 日曜日だから、学生の姿はほとんど見えない。受験生なんだろうか、正門の前で記念写真を撮っている若いヒトビトがいる。よしよし、受験勉強がんばって、浪人しないで合格したまえ。思わず講師根性が湧き上がって、心の中で彼ら彼女らを激励したりする。
 オックスフォード、ケンブリッジ、スペインのサラマンカ大学、ポルトガルのコインブブラ大学、ダブリンのトリニティ・カレッジ。訪れる街に名門大学があれば、クマさんは出来るだけ足を運ぶことにしている。大学の雰囲気が何となく好きなのだ。
大学の子猫
(大学正門前で仲良くなった子ネコ)

 今井君は歴史上マレに見る怠け者であって、とても博士課程や研究室での厳しい研究の日々に耐えられるような性格ではない。せっかく大学が好きなのに、この性格の不一致はマコトに残念である。ま、大学の正門で出会った痩せた子ネコと仲良くなって、足許にからみついてくる可愛いヤツを、たくさんナデナデしてあげただけで我慢しますかね。
 ここから寂しい脇道に入り、徒歩10分ほどでスレイマン・ジャーミーに到着。やっぱりここでも、観光客は脇の入り口からクツを脱いで入る。
スレイマン1
(スレイマン・ジャーミー 1)

 ブルーモスクほどの混雑はないし、中はみんなが思わず声をひそめるほどの、しっとり落ち着いた静寂。ピンクを基調とした壁面装飾が美しい。スルタンアフメットやハギアソフィア以外に、イスタンブールを訪れたら必ず1度足を運ぶべきモスクである。
スレイマン2
(スレイマン・ジャーミー 2)

 金角湾に浮かぶ船から眺められる4つの巨大モスクのうち、一番右に位置している。海面から一番高いところにあるから、裏のテラスに出ると海からの風が爽快である。風に吹かれながら中心街を見下ろすと、中世ジェノバ人が建設したガラタの塔、ガラタ橋、橋の下の船の盛んな往来、その向こうのボスフォラス海峡が、一望のモトに見渡せる。
スレイマン3
(スレイマン・ジャーミー 3)

 このスレイマン・ジャーミーがたいへん気に入ったので、今回の滞在終盤にもう1度訪ねてこようと決心する。ジャーミー正面の入り口近くが、ネコたちの天国になっているのも悪くない。
 ただし、ここのネコたちはちょっと獰猛である。みんな縄張りに神経質になっていて、そこいら中でカラダを低くし、唸り声をあげて他者を威嚇している。さっき大学正門前で仲良くなった子ネコどんがあんまり可愛かったぶん、ここの戦士タイプのネコたちについては、かまわず放っておくほうが得策と判断した。
スレイマンのネコ
(ネコ戦士)

 さて、そろそろ夕食の心配をする時刻。来た道を引き返すことにする。大学まで戻って、近くの駅からトラムに乗り、ガラタ橋をわたってカラキョイ下車。カラキョイから地下鉄1駅でテュネルに到着。この地下鉄もまた実質は1両編成のケーブルカーにすぎないが、世界最古の地下鉄のうちの1つに数えられている。
ガラタテュネル
(地下鉄テュネル駅で)

 テュネルはイスティクラール通りの坂を降りきった所であって、要するにこの日の今井君が目指したのは、昨日と同じネヴィザーデ通りのメイハーネなのだった。同じ店でもいいし、何しろあんなに居酒屋が並んでいたのだから、今日は今日でどこか別の店にしてもいい。
ネヴィザーデ
(ネヴィザーデ通り)

 午後5時、メイハーネはどこもまだガラガラ。どの店の店先にも店主やウェイターが立って、盛んに呼び込みをしている。道ゆくヒトビトに熱心に声をかけては、メニューを開いて手渡しし、3つか4つのオススメ料理を指さして説明を試みる。欧米人のほとんどは、そういう呼び込みを冷たく無視するか、軽く手を振って断ってしまう。
 何だかお店のヒトが可哀想になるが、彼らは一向にめげることがない。1時間でも1時間半でも、収穫がないまま断られつづけ、それでもムクれたり凹んだりフテくされたりせず、粘り強く努力を継続する。受験生や大学生のお手本。営業マンのあるべき姿。こりゃ基本中の基本である。
バルコニー席からの眺め
(バルコニー席からネヴィザーデ通りを見下ろす。このオジサンが「凹まない店主」である)

 昨年ギリシャのミコノス島で出会ったヨルゴが、まさにこのタイプの決してめげない&凹まないヒトの典型であったが、ネヴィザーデ通りの店主たちも、決してヨルゴに勝るとも劣らない。
 考えてみたら、トルコとギリシャはすぐお隣だ。お互いにお互いを征服したり侵略したり、2000年も3000年もケンカしながら付きあってきたお馴染み同士である。イスタンブールからミコノスは目と鼻の先。いまここで「ヨルゴさーん!!」と絶叫すれば、ヨルゴは店のメニューをかかえてここに駆けつけるかもしれない。そういう距離である。
エズメサラダ
(エズメ。昨日の店より汁気が多く、辛味がより強烈だった)

 5月20日、今井君が選んだ店は、昨日のお店のお隣の店。70歳ぐらいのお腹の出た店主が、いきなり今井君に向かって大きな右手を差し出し、その余りに堂々とした態度にクマ蔵も思わず右手を差し出して、まるで旧知の間柄のようにガッチリと握手を交わした。もちろん初対面だが、この固い握手で今井君はすぐ店の中に導かれることになった。
 他にはまだ1人もお客がいないから、たいへんな歓迎ぶりである。外のテーブルでもいいが、この日はいつ雨が降りだしてもおかしくない雲行きだったので、クマどんは2階のテラス席を選択。イスタンブールの居酒屋は、だいたいどこの店にも下の通りを見下ろせるテラス席があって、爽快な風も入るし、どうやらここが一番快適である。
お手拭き
(イスタンブールのお店では、食事の最後にラベンダーの香りのお手拭きをくれる)

 注文したのは、焼いたヒツジの肉と、昨日の店より唐辛子の多い真っ赤なエズメサラダ。これををパンと一緒に食していれば、それだけでお腹いっぱいになるから、他の料理はいらないぐらい。ヒツジも頼んだのは、「エズメだけじゃお店に悪いじゃないか」というだけのことである。
 白ワイン1本を飲み干し、ついでだからトルコの蒸留酒「ラク」もストレートで2~3杯。「トルコにきたらトルコに従え」という諺どおり、食後にチャイも注文した。チャイにはチャイの専門店があって、レストランでも居酒屋でも、チャイは専門店から運んでこさせるのであった。
 「チャイぐらい、自分の店で入れればいいじゃないか」というヒトは、まだまだ「トルコに入ってはトルコに従え」の極意を知らないだけである。「わざわざ専門店から運んでもらった」という嬉しさと晴れがましさが加わるからこそ、ますますチャイの味わいが深まっていく。そういう極意である。

1E(Cd) Jan Garbarek:IN PRAISE OF DREAMS
2E(Cd) Bill Evans & Jim Hall:INTERMODULATION
3E(Cd) John Dankworth:MOVIES ’N’ ME
4E(Cd) Duke Ellington: THE ELLINGTON SUITES
5E(Cd) Stan Getz & Joao Gilberto:GETZ/GILBERTO
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