2012年07月26日(木)

Mon 120702 無視して逃げ回るより、Noというほうが簡単だ(イスタンブール紀行7)

テーマ:ブログ
 5月20日、イスタンブール滞在の3日目になったから、さすがにそろそろブルーモスクの中に入ってみなければならない。
 初日は金曜日だったので、ブルーモスクは完全に観光客をシャットアウト。今井君ももちろん観光客だから、例えモスクの前のトルコ人に「アナタ、トルコ人と似てますね」と声をかけられるほどトルコ人ぽい顔をしていても、やっぱりモスクには入れてもらえなかった。
スルタンアフメット1
(スルタンアフメット・ジャーミー 1)

 この日までは、今井君もガイドブックの教えを忠実に守ることにしていた。数日前の記事にも書いたが、ガイドブック独特の大袈裟な脅しが、まだ頭の中でガンガン鳴り響いていたからである。
「トルコ人に親切に話しかけられても、決して返事をしてはいけません。無視して通りすぎましょう」
「ちょっとでも愛想よく返事をすると、どこまでもしつこく話しかけてきます」
「そして結局は絨毯屋に連れて行かれ、高価な絨毯を無理やり買わされることになります」
イスラム圏ということもあって緊張していた今井君は、「ま、今日まではガイドブック様のおっしゃる通り、知らん顔を貫きますかね」という方針を変えずにいたのである。
スルタンアフメット2
(スルタンアフメット・ジャーミー 2)

 しかし諸君。今井君なんかは、この種のアドバイスにどうしても頭を傾げたくなる、ないし首をひねりたくなるのである。絨毯屋に連れていかれそうになったら、「行きません」とハッキリ言えばいい。ムリに連れて行かれたとしても、買いたくない絨毯なんだったら「買いません」としっかり断ればいいことだ。
 「行きません」「買いません」「絨毯には興味ありません」。そんなのは、その場に立ってからビシッと「No!!」を言えば済むことで、それ以上カンタンなことはない。せっかく積極的に話しかけてくるトルコ人がいるのに、それを「無視を貫く」「どんなにしつこくても逃げ通す」、そんなカタクナな行動のほうがずっと難しい。第一そんなんじゃ、何のためにトルコに来ているんだかサッパリわからないじゃないか。
スルタンアフメット3
(スルタンアフメット・ジャーミー 3)

 滞在3日目の午前中、そろそろ今井君はコソコソ逃げ回っていることの愚かさを痛感し、今の自分のバカさ加減に、身体中がムズムズ痒くなってきていた。その時である。ブルーモスク前の駅でトラムを降りてコソコソ小走りに歩いていると、1人のトルコ人が話しかけてきた。30歳前ぐらいの青年である。
「日本人は、冷たいですね。ひどいですね。何故みんな無視するんですか。せっかくトルコに来たんだったら、もっとトルコ人とコミュニケーションを交わしたらいいじゃないですか」
彼の発言は以上である。なるほど「絨毯屋の手先」なのかもしれないし、「ご用心」「下心が見え見え」「演技がお上手」なのかもしれない。しかし彼の言葉も表情も、マジメな悲しみに溢れている。
ドーム1
(ドーム 1)

 この数日後、同じ青年が同じ場所で話しかけてきたので、今井君は彼に日本のガイドブックの内容のことを教えてあげた。
「実は、日本のガイドブックに『話しかけてくるトルコ人はみんな絨毯屋の手先だ』って書いてあるんです。『返事をすると、絨毯屋に連れて行かれて、高い絨毯を買わされる。だから絶対に返事をしちゃダメだ』。日本人はみんなその本を熟読しているので、誰も返事をしないんです」
ドーム2
(ドーム 2)

 ま、この逸話はこの程度にしておくが、クマ蔵の意見としては、ダイヤモンド社(「地球の歩き方」出版元)はトルコ篇を改訂すべきである。絨毯屋さんを目の敵にするような記述、2枚貝のようにカタクナに押し黙ってコソコソ行動するように仕向ける記述は、削除したほうがいい。
 ついでだから書名も「イスタンブールとトルコの大地」はヤメにして、他の国についてのガイドブックとと同じようにスッキリ「トルコ」にしたらいかが? トルコだけ変に特別扱いして「…の大地」だなんて、おかしいじゃないか。
ドーム3
(ドーム 3)

 ただし、「靴磨きオジサン」に関する注意事項は、笑い話として残しておいてもOK。イスタンブール到着から3日連続、今井君の目の前5メートルのところで、靴磨きオジサンのブラシが落ちた(3日前の記事参照)。
 ワザと落とす動作も一緒。落としたことに気がついて取りに戻る態度も表情も一緒。ということは、きっと
「拾ってくれてありがとう」
「お礼に磨いてあげましょう」
「お礼ではありますが、でも80リラいただきます」
「ムリですか? じゃ15リラでもいいですよ」
など、白々しいセリフについても、どこかにマニュアルがあるか、指導する講師がいるか、とにかくみんな一緒のコント・テクニックで稼ごうとするわけだ。
 しかし諸君、クマ蔵は思うのだが、そんな下らんコントのテクニックを磨いているヒマがあったら、もっとマジメにクツを磨いたほうがよさそうだ。「テク磨くより、クツ磨け」。今思えば、こんな人生訓を彼らに贈るべきだったが、そのことに思い至らないうちに日本に帰ってきてしまった。
掲示
(VISITING HOURS)

 さて、ブルーモスクこと、正式名称スルタンアフメット・ジャーミーであるが、観光客が中に入れるVISITING HOURSが上の写真のように決まっているから、トルコ旅行を考えている人は参考にするといい。
入口
(見学客は、この狭い入り口から入る)

 観光客は正面から入場することは出来ない。脇にある狭い入り口でシャカシャカ袋を渡され、そこでクツを脱いでシャカシャカ袋に入れる。中はどこのジャーミーでもフカフカの絨毯が敷き詰められている。スルタンアフメットの場合は赤が基調の絨毯である。
絨毯
(今井君もチャンとクツを脱いで入った)

 祈りの場は男性用と女性用が厳然と隔てられていて、女性たちが祈っている場は、決して誰にも覗かれないように、いろいろな配慮がなされている。もちろん観光客は柵の外から口を開けて眺めているだけであって、男性たちの祈りの場にも1歩たりとも踏み込むことは出来ない。
内部
(祈りの場)

 偶像崇拝は厳禁であるから、絨毯も内壁もドームもすべて抽象装飾。ブルーモスクというニックネームのモトになった、ブルー基調のタイルが美しい。ドームは非常に高いところにあるので、見上げているうちに首が猛然と痛くなってくるが、それでも見上げずにいられない。
装飾
(壁面の抽象装飾)

グラナダ
(スペイン・グラナダ、アルハンブラ宮殿の壁面装飾。地中海を東から西まで支配したイスラムの強大さを感じる)

 そこで諸君、モスクなりジャーミーを見学する時には、遠慮なく絨毯にアグラをかき、後ろに手をついて身体と首を支える姿勢をとればいい。
 祈る人々があんまり真剣だから、「アグラなんて、そんなの不謹慎なんじゃないの?」とついつい控えめにしてしまうけれども、そもそも人の祈りの場にズカズカ入りこんで、写真もパシャパシャ、ワイワイガヤガヤ、難しいことを言えば、もともとその行動それ自体が不謹慎なのだ。

1E(Cd) Bill Evans & Jim Hall:INTERMODULATION
2E(Cd) John Dankworth:MOVIES ’N’ ME
3E(Cd) Duke Ellington: THE ELLINGTON SUITES
4E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 1/3
5E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 2/3
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