2012年07月24日(火)

Sat 120630 イスティクラール通り クマ蔵向きの居酒屋群を発見(イスタンブール紀行5)

テーマ:ブログ
 5月19日、イスタンブール滞在2日目である。暑がりの今井君にとって幸いなことに、昨日夕方から一気に気温が下がった。道路を濁流に変えるほどの、激しい雷雨のせいである。
 この日からしばらく、イスタンブールの天候は不安定になった。朝から雷鳴が轟いたり、突然の豪雨に襲われたり、天気雨に虹の橋がかかったりかからなかったり、しかしとにかく低温傾向はしばらく続いて、北国出身のクマ蔵としては、マコトにありがたい日々であった。
 イスタンブールの初日は、30℃まで上昇した気温と、イスラムの人々のあまりに激しい祈りの声とに圧倒され、クマ蔵ともあろうものがすっかり意気阻喪してしまった。何でトルコまで来てスペイン料理屋なんかに救いを求めたのか、今となってはサッパリわからない。
ドルマバフチェ
(乗合バスにもドルマバフチェ宮殿にも、トルコ国旗が飾られた)

 第2日はグッと涼しくなったことも味方に、一気に態勢を立て直し、攻撃的かつ積極果敢にこの街を攻略しようと思う。今井君の旅行では、その日の計画はその日の朝に立てる。トイレかお風呂の中で、「さあて、今日はどうするかな?」とガイドブックをペラペラめくりながら考えるわけだ。
 出発前の東京でまるまる2週間分の計画を立ててしまえば、計画にガンジガラメになって身動きがとれない。それどころか、自分で立てた計画を自分で実行できなかったからといって「オレはダメな人間だ」「アタシっていつも計画倒れ」とか、自分で自分を激しく責めるような、Kuso-Majimeなヒトも多い。
 受験勉強ならいざ知らず、せっかくの外国旅行でそんな自責の念の虜になってしまうのは愚かである。計画なんか一切立てないで、行き当たりばったり、その日の朝にその日のトイレやお風呂の中で、大まかに決めればそれでいい。
タクシム駅
(イスタンブール新市街の中心・タクシム駅)

 そもそも、実際に旅先に行ってみなければ分からないことだっていろいろある。その典型がアップダウンである。ガイドブックの地図には等高線までは書き込まれていないから、平面的な距離しか分からない。
 エジンバラやブダペストみたいに強烈なアップダウンがあっても、地図上では「すぐ近く」「徒歩10分」に見えてしまう。ところが実際に現場に立ってみると、坂道が余りにも強烈で、休み休み登っても30分も40分もかかるようなことが頻繁に起こるのだ。
 こんなのは、受験勉強の計画だって同じことである。若い諸君は人生経験が少ないから、まだ手もつけていないうちから「1日10ページ」「300ページの参考書を1ヶ月でマスター」みたいな壮烈な決意を固め、それが出来ないとあっという間に自己嫌悪に陥る。
 やがて自己嫌悪を計画表にぶつけてコナゴナに引き裂き、「ボクなんか、ダメな人間なんだ!!」「アタシなんか、何をやっても中途半端だ!!」と机に突っ伏してフテくされてしまう。そんなのは、ただのエネルギーの浪費に過ぎない。
 それはね、諸君。「実際に現場に行ってみなければ、どこに難所が隠れているか分からない」「実際に始めてみなければ、問題集や参考書がどのぐらい難しいのか分からない」、そういう余りにも当たり前なことを認識していないせいなのだ。とにかく始めてみる。とにかく現場に行ってみる。現場に行かないで立てる計画は、要するに机上の空論である。
タクシム行き
(カバタシュ⇔タクシム間の地下鉄。実質はケーブルカーだ)

 5月19日のクマ蔵の計画は、カバタシュ→タクシム→イスティクラール通り→エミノミュの船着き場周辺→軍事博物館と回って、イスティクラール通りで夕食にする。昨日は激しい祈りの声に満ちた旧市街で圧倒されたから、今日は新市街中心で態勢を立て直そうという方針。「京都がつらかったから、今日は神戸を見て回る」という感じである。
 5月19日はトルコ国民の祝祭日であって、旧市街は昨日以上の大混雑が予測される。ケマル・アタチュルクが、トルコ独立戦争を開始した日で、今は「青年とスポーツの日」として祝われる。バスも電車も主要なビルも、大きなトルコ国旗を掲げてこの日を祝う。
 トルコ独立って? ギリシャからの独立である。1453年にはコンスタンティノープルを陥落させ、スレイマン大帝の時代にはウィーンを包囲、ロードス騎士団を撃破、ハンガリー攻略、まさにヨーロッパを震撼させたオスマンも、20世紀の初めには大ギリシャ主義のギリシャの支配下にあったのであるね。
トラム
(イスティクラール通りを走るノスタルジックなトラム)

 カバタシュから新市街の中心タクシムまでは地下鉄で1駅。地図を見る限りでは歩いても10分程度に見えるが、実際には地下鉄とは名ばかりのケーブルカーであって、強烈な傾斜を、電車は轟音をあげながらゆっくりとよじ上っていく。
 塩野七生「コンスタンティノープルの陥落」を予習してくれた諸君、このケーブルカー路線こそ、メフメット2世の奇策「軍艦の山越え」の現場である。トルコの奴隷にされたキリスト教徒たちが、軍艦を引いてこの山を越え、たくさんの軍艦を一気に金角湾に浮かべることに成功。難攻不落を誇ったコンスタンティノープルも、この作戦の直後に陥落が決定的になった。
ごまパン
(トラムに似たデザインの胡麻パン屋さん)

 タクシムの駅に出てみると、タクシム広場には真っ赤なトルコ国旗が大量に掲げられ、いよいよ独立戦争記念日の祝祭が始まろうとしている。この広場からダラダラと下っていく坂道がイスタンブール最大の繁華街「イスティクラール通り」。まだ午前中であるが、すでに真っ直ぐ歩けないぐらいの大混雑が始まっていた。
ケーキ1
(ケーキ屋の店先には、ジンジン甘そうなお菓子が並ぶ 1)

 トルコの人には、甘いもの好きが多いんだろうか。通りの両側にはケーキ屋さんが目立つ。そのケーキたるや、表参道や南青山で見かける上品で甘さ控えめなケーキとは全く違う。お砂糖やハチミツを限界まで煮詰めような、凶悪なほどデラデラしたシロップがケーキ一面を覆い、ショーウィンドウに飾られてもなお、そのデラデラな蜜がドロドロ&デロデロ表面を流れ続けている。
「これは、喉が痛くなるぐらい。強烈に甘いですよぉ」
「食べたら、間違いなく頭が痛くなりますよ」
「食べただけで、虫歯が3本できますよ」
「もう出来ている虫歯には、あっという間に激痛が走りますよ」
そういうケーキがウィンドウを埋め尽くしている。まさに壮観である。
ケーキ2
(ケーキ屋の店先には、ジンジン甘そうなお菓子が並ぶ 2)

 その向かい側には、名物トルコアイス屋が店をかまえて、道ゆくヒトを誘ってはからかい、誘ってはからかい、店の前には人だかりが絶えない。
 例のドンドルマ、ビックリするほどの粘り気が売りのアイスクリームである。誘ってはからかうパフォーマンスが売り物なので、「気になるお味のほうは?」という話になれば、正直あんまり旨そうではない。
 第一、パフォーマンスに付き合わされ、周囲の観光客の洪笑の対象にされるのは、クマどんはあまり好きではない。アイスクリームを受け取るまでにまるまる2分も3分も笑いモノにされ続けるんじゃ、クマの我慢の限度を超えている。
ドンドルマ
(トルコアイスクリームのお店)

 下っていく道に向かって右側には、クマ蔵のいかにも好きそうな飲み屋街が続いている。まずチチェッキ・パサジュ。そこから5~6歩行ったところで右に曲がるとサハネ通り。その裏には魚市場があって、怪しいお魚をズラリと並べた魚料理店&居酒屋が、右にも左にも続いている。
 サハネ通りをさらに右に曲がると、ネヴィザーデ通り。こりゃもう今井君のためにイスタンブール市が作ってくれたかと思うような、クマ蔵にドンピシャリな居酒屋街。居酒屋のことをトルコ語で「メイハーネ」と呼ぶが、路地のような狭い通りを、いかにも安くて旨そうなメイハーネが埋め尽くしている。
おさかな
(メイハーネの店先に飾られた旨そうなおサカナたち)

 ふっふっふ。これで、今日の夕方から夜の行動は決まった。もちろん、ネヴィザーデ通りかサハネ通りのメイハーネで、安いトルコ料理をタラフク詰め込み、安いビアと安いワインで酔っぱらい、トルコの蒸留酒ラクをペロペロ舐めて、1日を締めくくる。
 いや、もう昼時なんだから、「1日を締めくくる」なんてケチなことを言ってないで、今すぐメイハーネに乗り込んでも悪くない。今日はあまり暑くはないが、昼飯にトルコビア「エフェス」をグビグビやったらきっと旨いだろう。
デモ隊
(デモ隊が坂道を登っていく)

 そういう自堕落なことを考えて舌なめずりをしていたクマ蔵の目の前に、突然デモ隊が姿を現した。今日は独立戦争記念日だ。トルコを心から愛する人たちの愛国的デモである。手に手にトルコ国旗をかざした人々が数千人、いや1万を越えていたかもしれない、イスティクラールの坂道をタクシム広場に向かって行進していった。
ガラタの塔
(ガラタの塔)

 タクシムからイスティクラール通りを降りていけば、終点は「ガラタの塔」である。今にも壊れそう古い古いトラムが1両、タクシムとガラタの塔を結んで走っている。今井君がガラタの塔に到着したのが午後2時。「エフェスビアをグビグビ」は、ガラタの塔の麓のカフェまで我慢したが、ガラタの塔についての記録はまた2~3日後のことにする。

1E(Cd) Sarah Vaughan:SARAH VAUGHAN
2E(Cd) Radka Toneff/Steve Dobrogosz:FAIRYTALES
3E(Cd) Billy Wooten:THE WOODEN GLASS Recorded live
4E(Cd) Kenny Wheeler:GNU HIGH
5E(Cd) Jan Garbarek:IN PRAISE OF DREAMS
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