2012年07月23日(月)

Fri 120629 靴磨きのオジサン 祈りの金曜日 フラフラになる(イスタンブール紀行4)

テーマ:ブログ
 5月18日、イスタンブールの街に出る初日は、朝からキレイな快晴になった。ただし、今井君のお部屋は朝からトラブル。インターネットがつながらないのである。全館どの部屋でもWiFiが無料なのだが、パスワードとIDを打ち込んでも「無効です」の無情な画面が出るばかりであった。
 パスワードは部屋番号2517。IDは今井君のラストネームImai。何度か試してみたが一向にラチが開かないので、本館と新館のコンシェルジュにお願いして専門家を呼んでもらった。
スイスホテル1
(スイスホテル・ザ・ボスフォラス ボスフォラス海峡が見える)

 どうやら、別の部屋と混線しているらしい。結局、混線のモトになっている下の部屋のパスワードとIDを今井君が使うことになり、新しいパスワードは2417、IDはMarshall。13連泊中、そのままずっとこれを使うことになった。
 おお、スパイ映画みたいである。東洋のクマさんは、本名イマイであるが、これから13日はMarshallサマでござる。宿泊している部屋は2517なのに、パスワード上は2417に泊まっていることになっている。うにゃにゃ、何だかカッコいい。
 しかも、イスタンブールにいるのに、このIDとパスワードを使って毎日アップするブログ記事上では、クマどんはダブリンやエジンバラやロンドンを彷徨しているように見える。このクマは、いったい今どこにいて、ホテルのどの部屋に泊まってるんだ? Marshallとは、本名か偽名か。がっは。こんなに怪しいと、レイバンのサングラスが必要なぐらいだ。
スイスホテル2
(スイスホテル・ザ・ボスフォラス エントランス付近)

 スイスホテル・ザ・ボスフォラスは、小高い丘の上にある。旧市街まではトラムに乗って15分ほどかかるが、そのトラムの駅に行くのにも、徒歩で20分程度の距離。イスタンブール観光にはきわめて不便である。
 もし4~5日の短期滞在しかしないのなら、このホテルは避けたほうがいい。ブルーモスクやハギア・ソフィアの目と鼻の先に、フォーシーズンズなどの高級ホテルがいくらでも集まっている。
 スイスホテルはまだいいほうだ。最高級クラスのケンピンスキーホテルだと、ホテル近くの船着き場からお船で旧市街に通うことになる。毎日お船で30分もかけて往復するのはいくら何でも面倒だから、要するにケンピンスキーは、ホテルライフそのものと、目の前に広がるボスフォラス海峡の眺望を楽しむためのホテルである。
立派な靴磨き
(ホテル内の超高級靴磨き店)

 さて、インターネットもMr.Marshallとして復旧し、VIP用別館の朝食もモリモリ平らげた今井君は、いよいよ旧市街の観光に出かけることにした。時差ボケはほとんどないが、インターネットのことでウロウロしている間に、時刻はすでに正午近くなっていた。
 ガイドブックに掲載されていた様々な危険のこと、特に「絨毯屋にご用心」を心に刻み付けて、「いざ出陣!!」である。何しろイスラム圏は初めての体験であって、旅慣れたヨーロッパ諸都市とは緊張感の度合いが全く違う。
 丘のホテルからゆっくり坂道を下っていくと、坂の麓のあたりで、今井君の目の前を不意に横切る男がいる。靴磨きのオジサンである。日本では余り見かけなくなったが、イスタンブールには至る所に靴磨きのオジサンがいて、客が横柄に踏み出した靴の前にひざまずいて丁寧に磨く姿が印象的である。
 もちろん今井君が外国旅行に出かける時は、服も靴も考えられるかぎり安いものに統一していく。別に「贅沢な服装だと悪いヒトに狙われて危険だから」ということではない。もともと着るもの履くものに無頓着なクマ蔵が、靴クンや服クンに「外国旅行を花道に、引退しませんか?」と提案し、最終日に断捨離の対象にしようという魂胆なのである。
猫とクツ1
(断捨離寸前のクツ。このネコの小ささが分かる)

 だから、今回のイスタンブールでも、履いていった靴は写真のようなご立派なお靴。5年前に渋谷区笹塚のスーパーで「2足で1万円」で購入した2足のうちの1足。もうヨレヨレだ。ズンボは15年前に世田谷区梅が丘「コナカ」で買ったピンクのズンボ。もともと色あせてヨレヨレだったが、色あせ方もヨレヨレぶりもすでに年期が入っている。
 靴もズンボも、すでに何度も断捨離候補にあがり、その度に「まだまだ現役で働かせてほしい」と駄々を捏ね、心優しいクマ蔵に断捨離寸前の命を救われてきた、古参兵中の古参兵である。だから、靴磨きのオジサンが目の前に現れても、もともと磨いてもらうほどの靴ではない。
猫とクツとズンボ
(靴と、ネコと、ピンクのズンボ)

 しかし諸君、小走りに目の前に出てきた靴磨きのオジサンは、今井君の数歩前を歩きながら、おや、靴磨き用のブラシを、道具箱から落としてしまった。アスファルトの道にブラシがぶつかって、カタリと固い音がした。オジサンは気づかずどんどん歩いていく。大事な商売道具を落としたら、オジサン、困るんじゃないの?
 その時、記憶力抜群の今井君の脳裏を「おお、ガイドブックの記述そのままだ♨」という驚きが走った。「靴磨きのオジサンにご用心!!」である。ブラシをわざと落として、拾ってあげた日本人に「おお、ありがとう&ありがとう。お礼として、アナタの靴を磨かせてくれ」と、親切ごかしに申し出る。
 「お礼なら無料だろう」と思って磨いてもらうと、最後になって高額のオカネを要求する。ガイドブックのクチコミ投稿によると、「80リラよこせ」と言われたという。「ふざけるな」と怒鳴ると一気に15リラまで下がった。結局8リラ渡して追い払った。そういうストーリーである。おやおや、8リラ=400円、ずいぶん払っちゃいましたな。
 ボクチンは、この投稿記事の「ふざけるな」というセリフと「追い払った」という言葉遣いが大キライ。トルコの人々に対する上から目線が、何だか気にならないかい?
 しかしまあいいでしょう。おかげで今井君は、この場面でもちっとも動じない。それどころか、まるで出来の悪いコントでも見ているようで、イスタンブール初日はマコトに陽気に幕を開けた。ブラシを無視してそのまま歩きすぎると、あきらめた靴磨きオジサンは、偶然気づいたかのような様子でブラシをとりに戻っていった。その様子がまた十分にコント。この後さらに2日連続してこの靴磨きオジサンに遭遇したのである。
カバタシュ
(カバタシュ駅に停車中のトラム。始発駅だから、座っていける)

 一番近いトラムの駅が「カバタシュ」。初日はイスタンブールカードが手に入らなかったので、ジェトンというトークンを買って乗車した。金角湾の橋をわたり、スルタンアフメット駅まで15分ほど。船着き場のあるエミノミュ駅からビックリするほど混雑するが、まあ乗り心地は悪くない。結局13日間、毎日ほぼ例外なくこのトラムで往復した。
ブルーモスク
(ブルーモスクこと、スルタンアフメット・ジャーミー)

 さて、今日の記事の締めくくりに、イスラム圏を旅行しようと考えている若い諸君への有益なアドバイスを1つ書いておきたい。「滞在初日が金曜日にならないように旅行計画を立てたまえ」というアドバイスである。
 イスラム圏の金曜日は、穏やかな日本で暮らす日本人にとって、ヒトの流れと混雑が余りにも激しく、濃密である。旅先の初日をこんな激しさの中で過ごせば、精神はすっかり萎縮して、3~4日はその萎縮から立ち直れない。
 イスラムの人々にとって、金曜日は祈りの日である。男たちは男たちだけの集団を作り、一斉にモスクまたはジャーミーに向かう。男だけが500人も1000人も集団で行動する姿は、男子校出身者の目から見たって、やっぱり強烈な濃厚さを感じる。
足を洗う
(スルタンアフメット・ジャーミー)

 しかも、イスラムの人々の祈りは真剣そのものである。日本人のフヤけ&ダラけた宗教観とは別格の真剣さであって、お葬式の読経の最中でさえニヤニヤ笑っている我々から見れば、まさに別世界なのだ。
 「清潔は、宗教的敬虔の半分」であるから、ジャーミーに入る前の男たちは、必ずジャーミー前で靴を脱ぎ、そこに並んだ水道で手を洗い、足を洗い、首を洗い、洗いながら「自分が清潔になっていく」ことに満足して、みんなニコニコ笑っている。
 もちろん、女たちも同じである。髪が見えないようにスカーフで頭を被い、女だけの集団を作ってジャーミーに向かう。男たちの集団に劣らない大迫力である。スピーカーからは大音量で祈りの声が流れ、どこのジャーミーを覗いても、入りきれなかったヒトが数百人ジャーミーの外に並んで、一斉に祈りを捧げている。
足を洗う拡大図
(男たちはここで足や首を洗い、それからジャーミーに入る)

 初日の今井クマ蔵はその大迫力に圧倒され、ホンの3~4時間歩き回っただけで疲れきってしまった。ビールが飲めないのも、つらかった。この日、イスタンブールの気温は30℃まで上昇。クマどんは汗マミレで、口をダラしなく開けて歩いた。しかしイスラムの祈りの激しい洪水の中では、「酒を飲む」「ビールをグビグビやる」など、冒涜的な感じがしてとても出来るものではない。「慎まなきゃ」「慎まなきゃ」という、クマにしては珍しい敬虔な気持ちがこみ上げてくる。
めとめと
(よく分からないメトメト料理)

 やっとビールにありついたのは、ピエール・ロティ通りにあるスペイン料理屋。熱射病寸前でフラフラとテーブルに倒れこみ、ほぼ一息にビアを飲み干して、3度もオカワリをした。注文した料理は、ヒツジの肉のナントカだが、あんまりメトメトしていて、何を食べたのかサッパリわからなかった。
 ほうほうのていでホテルに帰り着いたのが午後5時すぎ。受験英語の暗記例文集じゃないが、部屋に着くやいなや、雨が降りだした。激しい雷鳴も轟いて、外の道路はあっという間に濁流の河に変わった。よかった、よかった。ぎりぎりで間に合った。疲れきったクマどんは、ほっと胸をなでおろしたものである。

1E(Cd) Miles Davis:KIND OF BLUE
2E(Cd) Weather Report:HEAVY WEATHER
3E(Cd) Sonny Clark:COOL STRUTTIN’
4E(Cd) Kenny Dorham:QUIET KENNY
5E(Cd) Shelly Manne & His Friends:MY FAIR LADY
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