2012年03月09日(金)

Mon 120206 各駅停車で海を感じる パディントン到着 スモーサン(ロンドン滞在記13)

テーマ:ブログ
 昨日の記事で書いたパブ「THE EAGLE & CHILD」が余りに楽しかったせいで、オックスフォード滞在は予定時刻を大幅に過ぎてしまった。そうやって慌てている時には、普段しないヘマもやりがち。急行電車がすぐ後からくるのに、先に来た各駅停車に乗ってしまった。
 各駅停車どんは、ご丁寧にすべての駅に挨拶しながら「ボク、速く走ることには興味ないんです。道草って最高ですね」「長い人生、急がなくても楽しいことはいっぱいあります」「狭いイギリス、そんなに急いでどこへゆく、ですな」。まあそんなヤツである。
 まあ、確かに急いではいない。日本からきた観光クマどんが、大学町オックスフォードを1日ほっつき歩いてクタビレ果て、パブ2軒をハシゴしてすっかり酔っぱらい、これから宿屋のネグラで口を開けて爆睡する。今の予定はそれしかない。
オックスフォード
(オックスフォードの思い出)

 そんなヤツを乗せた電車が「オイラは急がなきゃ。大急ぎでコイツをロンドンに運んでやらなきゃ」とか、そんな使命感をいだいて走るというのも、また余計なお世話である。しかし1つだけ心配なことがあって、パブ2軒分タップリのビールをお腹の中に流し込めば、「入ったものは出口を求める」という必然の道理を考えなければならない。
 この調子では、ロンドンまで2時間はかかりそうだ。ほれ、また急行に抜かれた。ほれほれ、またまた得体の知れない電車が先に出発した。だいたい、ここはどの辺なんだ? あんまり止まりすぎるから、自分の現在地も分からなくなってきた。各駅停車どん自身が、現在地をよく把握していない可能性だってなくはない。
ポスト
(こんなポストを発見)

 諸君、諸君にも経験があるだろう。「心細い」という心境になると、入ったものが出て行きたがる確率は急上昇する。「焦り」も同じような利尿効果を発揮しがちだ。
 入試会場に向かう電車の中。制限時間あと30分しか残ってないのに、まだ長文読解問題が丸々1問残っている。数学の宿題がまだ10問も残っているのに、午前2時を回ってしまった。そういう時である。
 「オマエは俺たちを腹の中に入れたんだ。俺たちには、外へ解放してもらうことを要求する権利がある」と、液体どもはシュプレヒコールを始める。「なんでこんな時に?」と要求無視しようとしても、さすがにNatureどんがcalling meになってしまうと、自然の力の偉大さを痛感せざるを得ない。
パディントン
(パディントンの地下鉄駅)

 各駅停車くんは、そんなことお構いなしに夜の散歩を満喫していらっしゃる。幸いこの時のクマ蔵はそれほど切羽詰まっていなくて、お腹の中で大量の液体がたゆたっている重苦しいタポタポ感を感じる程度である。
 35年ほど前、「海を感じる時」という小説が出て、少女が自分の奥深くに潜むオンナや母性を暗い海のように感じる話だった。確か著者の「中沢けい」は17歳だったか18歳だったかの高校生女子で、今みたいに大学生女子や高校生女子の作家が大量発生する時代ではなかったから、大いに注目を浴びたものだった。
パディントン駅
(終点パディントン駅は、もう真っ暗だった)

 何でそんなことを思い出したかと言えば、いとも悠然とイングランドの平原を闊歩していく各駅停車くんの中で、今井クマ蔵も「腹の中の海を感じる時」が書けそうな気がしていたのだ。数百年生き抜いた老グマが、イングランドの平原でふと腹の中に暗い海を感じる。おお、売れそうにないこと、これ以上の小説は考えられない。
 書いても売れそうにない小説を書くより、あっさりと結果だけ言えばこの問題は解決するので、要するにクマ蔵の中の海は破裂することもなく、垂れ流しの屈辱にも遭わずに、みごと無事で終点パディントンに到着した。
駅の店
(パディントン駅で入ったパブ)

 するとパディントンぐまは、ふと不満を感じたのである。クダランことを心配し、クダラン小説のことなんか考えて夢中になっているうちに、せっかくオックスフォードのパブで流し込んだ酒が、ものの見事に醒めてしまったのである。
 仕方がないから、さっそく燃料を補給していくことに決めて、すばやくパディントン駅の中のパブに入った。もう閉店時間が近いのか、店に残った客は2~3人。アフリカ系のオバサマ店員がヒマそうに新聞だったか雑誌だったかを読んでいる。スロットマシーンみたいのと、ジュークボックスみたいなのが1台ずつ置かれた薄暗い店である。
 居心地があんまりよくなかったので、ビール2パイント飲んで店を出た。1パイントはラガー、もう1パイントはギネス。黄色と黒のビールが再びパディントンぐまに海を感じさせたが、今回もやっぱりセーフ。破裂にも垂れ流しにも至らず、クマはホテルのあるグリーンパークの駅にたどり着いた。
ベイカーストリート
(途中のベイカーストリート駅でジュビリーラインに乗り換え)

 それで「めでたし&めでたし」になるかと言うと、あれれ、クマ蔵はホテルと反対方向に歩きはじめた。つくづく面倒なクマであるが、目指したのは「なんちゃって和食屋」である。
 ロンドン滞在記もこれですでに13回目。しっかりした和食の店「菊」も近かったが、「しっかり和食より、なんちゃって和食」な気分の時もあるものだ。中国や韓国の人がやっている「ちゃっかり和食」を目の前に、大いに笑いたい気分である。
 店の名は「スモーサン」。スペルはSUMOSAN。もちろんお相撲さんのことであって、店中にデフォルメしたお相撲さんの姿が溢れている。ガイドブックにも紹介がある。「セレブも足を運ぶ高級スポット」であって「大胆でヒップなモダンジャパニーズが人気」とある。「新鮮なネタのお寿司もオススメだ」とキレイにまとめた筆者の腕は、さすがプロのライターさんだけのことはある。
SUMOSAN1
(デフォルメ・スモーサン)

 しかし実際にヒップか、ホントにセレブも足を運ぶのか、間違いなく高級スポットか、そういう問題になると、筆者の腕とは裏腹にいろいろ疑問の余地が残る。3軒のパブをハシゴして半ばマヒしたクマの舌で味わっても、「これをジャパニーズと呼んで大丈夫かい?」「むしろ東南アジアやエスニックのカテゴリーが相応しくないか?」という大胆料理の合わせワザである。
 もちろんそれが悪いというのではなくて、もともと今井君が求めていたのは「ちゃっかり和食」なんだから、堂々とホンモノなんかが登場しては返って興醒めする。これはこれでいいのだ。「新鮮なネタの寿司」は食べなかったが、「ブログ向きのなんちゃってなネタ」を仕入れることは出来た。大いに満足である。
SUMOSAN2
(これが「セレブにも人気の大胆でヒップなジャパニーズ」だ)

 どうも、この後さらにもう1軒立ち寄ったような記憶がある。ホテル近くのHENRY’Sである。このときのロンドン滞在中、HENRY’Sには確か3回入ったはず。この夜に行かなかったとすれば、2回しか行っていないことになる。
 するとやっぱりこの夜もHENRYのお客になったわけだが、しっかりした記憶は残っていない。しかし待てよ、記憶がないということは、やっぱり行ったんだ。だから酔っぱらいすぎて、チャンと記憶が残ってないんだ。ま、そういうことなのだと思って苦笑するしかない。

1E(Cd) Weather Report:HEAVY WEATHER
2E(Cd) Sonny Clark:COOL STRUTTIN’
3E(Cd) Kenny Dorham:QUIET KENNY
4E(Cd) Shelly Manne & His Friends:MY FAIR LADY
5E(Cd) Sarah Vaughan:SARAH VAUGHAN
total m38 y202 d8097
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