2012年03月05日(月)

Thu 120202 オックスフォードへ オイスターカード セーラー万年筆(ロンドン滞在記9)

テーマ:ブログ
 12月21日、クマ蔵は「今日はオックスフォードに出かけなければ、世の中にシメシがつかないな」と考え、せっかくホテル側から提供されたジュニアスイートを朝早く出発した。贅沢千万にもジュニアスイートに宿泊中である事情と理由と経緯については、一昨日の記事の最後の数段落に詳細が記されているから、面倒くさがらずに参照したまえ。
 「世間にシメシがつかない」とは、「ケンブリッジとカンタベリーに行っといて、何でオックスフォードに行かないの?」ということである。「早稲田には行ったクセに、慶応には行かない」という類いのバランス感覚の欠如は、世間の指弾の対象になりやすい。
クライストチャーチ
(オックスフォード、クライストチャーチ)

 宿泊中のホテルはグリーンパークのすぐそばだから、2週間に及ぶロンドン滞在中ほぼ連日利用した地下鉄駅も、もちろんグリーンパーク駅である。グリーンパーク駅からオックスフォードに向かうには、まず地下鉄ジュビリー・ラインでグリーンパーク→ボンドストリート→ベイカーストリート。ベイカーストリートでベイカールー・ラインに乗り換え、メリルボーン→パディントン駅に出る。
パディントン
(パディントン駅で)

 パディントンからは地上に上がって、国鉄で一路西に向かい、おそらく世界一有名な大学町オックスフォードまで、パディントンから約1時間。諸君、「クマのパディントン」だし、ベイカーストリートと言えばもちろんシャーロック・ホームズとワトソン君だし、昔の日本人の憧れの的だった地名がこう次から次と出てくるあたり、さすがにロンドンであるね。
ベイカーストリート1
(ベイカーストリート駅)

 2008年のロンドンでは、SuicaやIcocaとほぼ同じ機能を持つ「オイスターカード」が急速に普及中。ただし、日本と大きく違う点が2点あって、1つめはその割引率の高さである。昔ながらの紙の切符を買って乗車するのがバカバカしく感じられるほど、オイスターカードの割引率は高い。切符のほぼ半額と言ってもいいぐらいだった。
 もう1つは故障率や破壊率の高さ。日本のSuicaが故障で使えないことはまず考えられないが、ロンドンの場合、オイスターカードを触れる面が「何でこんなに?」というぐらい擦り減っていたり、うまくゲートが開かずに後ろに長い列が出来たり、そういう光景に頻繁にお目にかかった。
オイスターカード
(オイスターカード)

 しかしそれでも、まあ便利になったものである。パリの地下鉄みたいに、カルネ(回数券)を入れてもゲートが開かないことが頻繁にあるわけではないし、ブダペストみたいにチケット販売機の多くが「故障中で使えない」など、一切考えなくて済む。いったんオイスターカードさえ手に入れてしまえば、ロンドン市内の移動は快適この上ないと言っていい。
 ただし「オイスターカードを手に入れる」までが、それなりに苦労する。クマ蔵はビクトリア駅の販売所でとても親切に対応してもらえたけれども、グリーンパーク駅の窓口ではほとんど門前払いを受けた。申込書の記入もなかなか手間がかかる。いったん申込書をもらったら、宿泊先のホテルまで戻って、一晩落ち着いて記入することをオススメする。
オックスフォード行き
(パディントン駅に停車中のオックスフォード行き)

 オックスフォードまでの1時間、相変わらずクマどんの空想にはトリトメがない。考えていたのは、この時もやはり自分の受験生時代末期のこと。学部受験がうまく行かなかった人間にとって、ケンブリッジでもオックスフォードでも「大学町を訪れる」というだけで、肉体にも精神にも相当に苦々しいことらしいのだ。
ベイカーストリート2
(ベイカーストリート駅。壁までシャーロック・ホームズのデザインである)

 18歳の3月、失意の今井君はまず地元の文具店で万年筆を購入。当時の若者にとって、「万年筆を買う」というのは一種の決意表明であって、一念発起or捲土重来を期して万年筆を買うという行動は、今なら「新しくPCを買う」「この際ウィンドウズからMacに乗り換える」ようなものだ。
 すると、決意の数だけ万年筆がたまる。決意の数は、失意の数とほぼ同じであるから、失敗と挫折と失意が多いほど万年筆も多い。失敗と挫折の数は、努力の長続きしない人間ほど多いのも道理であって、万年筆の本数をみれば、どれほどダラしない若者かが分かるぐらいであった。大学を卒業する段階で、今井君の机には万年筆が3本もあった。
ハリーポッター食堂
(オックスフォードにて)

 決意の回数が万年筆に現れているうちはまだいいので、決意するたび参考書を買い込み、問題集を買い込み、ほとんど手をつけていない参考書や問題集で本棚が満杯になっている受験生などというのもよく見かけたものである。
 参考書の数が多いほど挫折の数も多いわけだから、もっとカンタンに言えば、参考書の数と成績は反比例しがち。予備校のよくある宣伝文句で「テキストさえやっていれば合格できます」「テキスト以外に手をつけてはいけません」などというのは、そういう苦い挫折の経験がタップリの広報部員が、自らの体験に基づいて書いたものにすぎない。
駅前の牛
(オックスフォード駅前に立つオックス君)

 ともあれ、ダラしない青年だった今井君は、「早稲田に進学する」と決意した3月のある日、泥の雪を踏みしめて文具店に出かけた。購入したのは5000円程度のセーラー万年筆。舶来品を買うほどの貯金はなかった。諸君、当時はまだ「舶来」という言葉が生きていたのである。
 国産万年筆には、「プラチナ」もあったし「パイロット」もあった。それなのにセーラー万年筆を選んだのは、悔しさと苦しさの象徴である。
 プラチナは中学生のとき雑誌の付録で着いてきたものを経験済み。パイロットは高1の時3000円出して買ったのを、高校3年間ずっと愛用してきた。もし、ここで一念発起&心機一転&名誉挽回を目指すなら、プラチナでもパイロットでもダメだ。そうなれば、選択肢はもうセーラー万年筆しかない。
カレッジ群1
(オックスフォード、カレッジ群1)

 で、18歳の今井君が新しいセーラー万年筆を握って夢中で考えていたのが、小室直樹のことである。オックスフォードに向かう電車の1時間、小室直樹のどんなことをどんなふうに思い出していたかは、明日の記事で触れることにする。
 もちろん、21世紀の今井君がオックスフォードで何をしたかも書いていくから、心配はご無用。最近の記事で自分自身の18歳の恥の記憶を書き連ねているのは、3月という時期に合わせ、受験を終えたばかりの諸君や、これから受験の1年を過ごす諸君、その周囲のオトナたちに、いろいろ考えてほしいことがあってのことである。
カレッジ群2
(オックスフォード、カレッジ群2)

1E(Cd) Billy Wooten:THE WOODEN GLASS Recorded live
2E(Cd) Kenny Wheeler:GNU HIGH
3E(Cd) Jan Garbarek:IN PRAISE OF DREAMS
13G(α) 塩野七生:賢帝の世紀(中):新潮文庫
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