2012年01月26日(木)

Sun 111226 モンセラートへ エスパーニャ駅で モリ・ノウ(バルセロナ滞在記18)

テーマ:ブログ
 「カサ・ミラ」に嘔吐を伴う衝撃を受けたクマ蔵は(スミマセン、一昨日の続きです)、ガウディにカサ・ミラの霊感を与えた巨大な岩山「モン・セラート」を訪ねることにした。旅行記の上でも、予定した通り「画竜」を果たし「点睛」も済んだところだから、郊外への小旅行を記録しはじめるのには、最高のタイミングである。
 モンセラートへは、まずカタルーニャ広場から地下鉄で4駅、エスパーニャ広場でカタルーニャ鉄道に乗り換える。1時間の乗車で麓の駅に着いたら、登山鉄道に乗り換えて20分。標高1200m超の修道院まで、苦労ゼロの電車まかせで約2時間の旅である。
モンセラート1
(モンセラートと修道院 1)

 しかし諸君、「苦労ゼロ」とは言っても、もちろんクマ蔵独特の謙遜をしているに過ぎない。スペインの旅は、なかなかスムーズにはかどらない。正直に白状すれば、スムーズだったのは地下鉄だけである。
 エスパーニャ駅の乗り換え口には、カタルーニャ鉄道の職員が数人立っていて、「こりゃ観光客だ」「こりゃモンセラートだ」と判断すると、実に積極的に声をかけてくれる。「さては、あなたは、モンセラートに行くんですね?」とニコニコしながら近づいてくるのだ。
 というより、「逃がしませんよ」「隠してもムダですよ」「白状しなさい」「こっそりモンセラートに行こうとしていますね」という、有無を言わせぬ勢いである。「乗り換えは難しいですから、我々プロに任せなさい」「チケット買うのも難しいですよ」「アナタなんかに任せられますか」と、顔の表情も全くこっちを信頼していない。
モンセラート2
(モンセラートと修道院 2)

 ま、それもそのはず、電車から登山鉄道へ、登山鉄道からケーブルカーへ、修道院の入場券や美術館入館券、いろんなチケットをセットにした割引券が多種多様にあって、4種や5種の割引が入り乱れ、初めてきた観光客が理解できるようなシロモノではないのだ。
 「電車と登山電車だけのセット」「+修道院入場券」「さらに+美術館セット」、よくもここまで複雑な料金体系を設計したものである。頭がこんなにいい今井君♡でさえ、脂汗が滲むほどのもの。ゴハンと味噌汁と焼き肉、それに+サラダ、+デザート、+ドリンク、そういう学生食堂と一緒で、客は好き放題言って選択できるようになっている。
 ところが、駅のコンコースに乗客を立たせたまま、リーフレットみたいなものを広げて1組1組&1人1人に説明するのだから、一向にラチがあかない。騒然とした中で客は懸命に説明を聞き、不明な点を問いただし、迷いに迷い、結局は口を尖らせて困り果ててしまう。
 丁寧すぎる学食と同じことで、「やっぱり佃煮もほしい」「ボクはお新香はいりません」「デザートって、スイカ? それともティラミス?」「サラダにトマトをつけないことって出来ますか?」「ゴハン少なめにお願いします」「ウーロン茶を麦茶にかえられますか?」、そういうワガママを全部聞いていたら、長蛇の列の客をスピーディーに捌くことなんか出来ないのである。
 しかも、南欧独特「自動販売機の2/3が故障中」。あんなに丁寧に注文を受けておいて、結局は客を自動販売機に導くのであるが、マトモに動いている機械のほうが少ないときている。そうしているうちに、1時間に1本しかないはずのモンセラート行き電車が出てしまった。
 あらら。でもまだ9時ちょっとだから、次の電車は10時には来る。ま、いいか。そう思ってブラブラしていたら、意外なことにモンセラート方面行きがすぐに入線し、「まもなく発車します」のアナウンスがあった。何だ、アンラッキーな中にも、ラッキーなことはあるのである。
登山電車車窓1
(モンセラート山麓駅からの眺め)

 ところが、乗り込んだ車内の雰囲気が異様に悪い。窓から眺めるバルセロナの裏町は、どこもかしこも激しい落書きだらけだし、崩れかけた壁、雑草が生え放題の空き地、経済破綻と財政破綻のアリサマを絵に描いたような、コワくて直視できない風景が続く。
 窓の外を直視できないなら、寝たフリでもするか、車内を見ているしかないのだが、4人掛けボックス席で今井君の正面に座った青年は、どうやら泥酔のご様子である。
 泥酔した青年がコワいわけではない。単に泥酔ということなら、クマ蔵自身ホンの8時間ぐらい前にはご同様の泥酔状態であった。しかし諸君、泥酔するには然るべき時間帯というものがあって、午前9時過ぎの電車の中で酔眼朦朧というヒトはやはりコワい。
 しかもその朦朧とした酔眼は、異様に真っ赤で、異様にスワっていて、ただ単に酒だけ飲んで朦朧としているのではなさそうである。酒で朦朧でなければ、何か別の「もっと激しいもので朦朧」ということになるが、そういうヒトの真正面に席を占めている日本人って、たいへん危機的な状況なんじゃないか。
登山電車車窓2
(登山電車の車窓風景)

 こりゃ困ったなと思っていると、出発して30分足らずの郊外の駅で「この電車はここで車庫に入ります」「終点です。皆さんお降りください」のアナウンス。日本みたいに「マコトに申し訳ございません」と平謝りに謝りまくるアナウンスなどというものは、ヨーロッパにはない。「降りなさい」「降りなきゃ車庫に入ります」「そうなったら全てアンタが悪いんです」という、強烈かつ強引、冷酷に突き放すアナウンスである。
 ま、これで朦朧♨青年からは解放されるわけだから、今井君はある意味イソイソと電車を降りた。降りた駅の名前が「モリ・ノウ Moli Nou」。荒れ果てた畑が広がり、ちょっと離れて郊外型の大型小売店が見え、その向こうを新幹線AVEが走り抜ける。大規模な団地の姿が遠くに望める。東京で言うなら、上尾とか春日部とか、そんな感じか。
 箱根に行こうと張り切って電車に乗って、伊勢原とか海老名で降ろされたようなものである。日光に向かうつもりが、電車は久喜止まり、あるいは小金井止まり。そういう郊外の駅に降りた素っ頓狂な欧米人を想像してみたまえ。
モリノウ1
(モリ・ノウ駅で 1)

 今井君はモリ・ノウの駅で呆然と立ち尽くし、モリ・ノウ終点の電車を4本も5本も出迎え、モンセラート山麓駅行き電車を30分以上待ちわびた。待つうちに、空模様が怪しくなってきた。
 バルセロナを出る頃は快晴だった空に、ニワカに黒雲が湧き上がり、雲はまさにこれから登山電車で上っていかなければならないモンセラートの方向に流れていく。冷たい風が吹きはじめて、ポツポツ雨も落ちてきた。しかし、どういうワケだろう。モリ・ノウでのこの30分余りが、バルセロナでの滞在2週間の中で、最も印象深いのだ。
モリノウ2
(モリ・ノウ駅で 2)

 そこからの小旅行はスムーズに進み、山麓駅からの登山電車は標高差1000mを一気に駆け上がり、さすがのガウディも圧倒されたモンセラートの岩山は突如として目の前に立ちふさがった。諸君、もしもモンセラートに行く機会があったら、この登山電車、進行方向左の席を確保したまえ。素晴らしい風景が味わえる。
登山電車車内
(登山電車の車内)


1E(Cd) Gregory Hines:GREGORY HINES
2E(Cd) Goldberg & Lupu:SCHUBERT/MUSIC FOR VIOLIN & PIANO
3E(Cd) Bernstein:BIZET/SYMPHONY No.1
4E(Cd) Wand:BRUCKNER/SYMPHONY No.9
5E(Cd) Bob James & Kirk Whalum:JOINTED AT THE HIP
total m126 y1762 d7719
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