2011年12月27日(火)

Sun 111127 スーニオン岬を見残す アクロポリス麓のネコたち(ギリシャ紀行37)

テーマ:ブログ
 考古学博物館から出ると(スミマセン、昨日の続きです)、午後4時を過ぎている。「そろそろ閉館です」と言われ、館内に残っていた十数人の客とともに外に出たが、何しろ夏のギリシャの日没は8時過ぎだから、まだ夕暮れには時間がタップリ残っている。相変わらずの炎暑である。
 しかし、「夏のギリシャ」「日没まで4時間」と言っても、さすがにもう盛りを過ぎた。炎暑の夏も、もう9月。まだまだ真昼の灼熱の太陽であっても、午後4時である。アテネに到着した翌日の8月の正午、全てを焼き尽くすようだった太陽の圧倒的な力は、ようやく衰え始めたようである。
 同じように、今回のギリシャ旅行も最終盤を迎えた。明日は丸1日、もう1度パルテノン神殿周辺を回って、要するに「アテネの要点を復習」してから、とうとう帰国ということになる。どうしても見ようと思っていたスーニオン岬は、今回は見残して帰る。
ギリシャ猫1
(午後6時のアクロポリスで出会ったネコたち 1)

 「見残し」については、以前一度書いたことがあるが、今井君の旅の1つの習慣である。旅先で、見るべきものを全て見てしまうと、何だか2度とその場所に戻って来られなくなるように感じて寂しくなるから、重要な何かを1つだけ、必ず見残して帰るのだ。
 勇将・平知盛は、壇ノ浦の海に飛び込む前に「見るべきほどのことは見つ」と吐き捨てる。あまりにも貪欲に見るべきものをみんな見てしまうのは、好ましいことではないのであって、大事なものを1つ見残して、そのぶん「必ずここに戻ってくる」と決意するほうが楽しい。
ギリシャ猫2
(午後6時のアクロポリスで出会ったネコたち 2)

 今井君は1年に3回の旅行で必ず1カ所の見残しを作って帰る。「あそこに行ってない」「あんな有名なところに行かなかった」を1年3カ所→20年で60カ所→30年なら90カ所蓄積していく。というより、着実に楽しみを貯め込んでいく。いつか引退したら、ゆっくりその数十カ所を巡って歩きたい。
 四国お遍路88カ所というのも、同じことなのかもしれない。クマ蔵が「見残し」という呼び方をするのも、もともとは弘法大師のコトバである。高知・足摺岬の先端「竜串」の断崖絶壁のそのまた先に「見残し」という名所があるから、訪ねてみたまえ。「あの弘法大師も見残した」から「見残し」なのである。ただし、現場はフナムシが大量に這いずり回っているから、気の弱い人は避けたほうがいいかもしれない。
 だからクマ大師は、今回はスーニオン岬を見残した。夕陽の美しいスポットとして、ギリシャではサントリーニと1or2を競う岬である。
「サントリーニには行ったが、スーニオンには行かなかった。だからいつかもう1度ギリシャを訪ねて、サントリーニとスーニオンと、両方しっかり見比べてみたい」
70歳になった今井ジイサンがそう駄々をこねて張り切っている様子は、自分で想像するだに滑稽で、最高の老後だと思う。
ギリシャ猫3
(午後6時のアクロポリスで出会ったネコたち 3)

 ガイドブックには「バスで日帰りが可能」となっているが、夏の盛りの夕陽見物は、日没が遅いぶん、実はかえって困難なのである。日没が8時としても、その後も1時間ほど、空は美しい夕焼けに輝き、やがて月がのぼり、夕焼けの色が褪せるのに反比例して、月は光を増してゆく。
 「夕陽を見た」とは、日没後の夕焼けと月を堪能するところまで含むので、全てが終わるのは9時近くなる。ところが、スーニオン発アテネ行きの最終バスは8時前に出てしまう。8時前では、夕焼けや月はおろか、日没そのものさえ見られない。
 スーニオン近くに宿を取るのがほぼ不可能の状況では、「野宿覚悟の夕陽見物」というオソロシイ事態になる。以上のような事情で、物理的にも「スーニオン見残し」を決定せざるを得なかった。
ギリシャ猫4
(午後6時のアクロポリスで出会ったネコたち 4)

 ちょっと時間を持て余した今井君は、シンタグマ広場からトラムに乗って小旅行を試みたが、車内に渦巻く人々の体臭に一驚を喫し、すぐに小旅行を断念。徒歩でシンタグマに引き返すハメになった。灼熱のモトで丸一日、ヘトヘトになるまで働いたギリシャの人々を満載した電車なら、あの程度の体臭が渦巻いていたのも当然なのかもしれない。
ギリシャ猫5
(午後6時のアクロポリスで出会ったネコたち 5)

 そろそろ夕暮れが近づいて、陽光も赤みを帯びてくるころ、今井君は「アレカの店」を再訪することを決意した。ミコノスとサントリーニに向かう直前だから、もう10日も前のことになる。この店でランチして、向こうのテーブルのオジサンが旨そうに食べていた「stuffed tomato」を、自分でもどうしても試してみようと決めたのである。
 パルテノン神殿のふもとの細道を通ってプラカ地区に向かうと、ネコたちがあっちからもこっちからも姿を現す。黒、ミルク系ブチ(乳牛柄)、赤トラ、キジトラ、2匹のネコと暮らすクマ蔵としては、「よりどりみどり」な感じである。
 まずネコからちょっと離れた位置にゆっくり腰を落とし、人差し指を出して、ネコに挨拶する。ネコのほうで気に入れば、人間の指にピンクや黒の鼻を押し付け、「ま、ちょっとなら付きあって差し上げますよ」という生意気な態度を取る。
 いきなり撫でようとすればネコは逃げるが、こうしてチャンと挨拶してからなら、まあ気を許してくれる。ネコとは、ギリシャでも日本でもスペインでも、みんなそういうものであって、あとはネコにペースを合わせる。アクビしたければすればいいし、背伸びしたければそれもよし。面倒になって逃げたくなれば、それももちろん構わない。

1E(Cd) Stan Getz & Joao Gilberto:GETZ/GILBERTO
2E(Cd) Sonny Clark:COOL STRUTTIN’
3E(Cd) Kenny Dorham:QUIET KENNY
4E(Cd) Harbie Hancock:MAIDEN VOYAGE
5E(Cd) Miles Davis:KIND OF BLUE
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