2011年12月23日(金)

Fri 111125 考古学博物館へ 美術館への足が遠のいたワケ(ギリシャ紀行35)

テーマ:ブログ
 さて、「すわ、コドモの大ヤケド」「すわ、大暴動発生」の2つの「すわショック」から立ち直ったクマ蔵は(スミマセン、昨日の続きです)、9月3日の午後をアテネの「考古学博物館」で過ごすことにした。
馬に乗る少年
(世界史史料集で見た多くの名作に感動する 1)

 今井ブログの熱心な読者なら、この一言にビックリするはずである。「おや、今井どんも、ずいぶん知的に成長しましたね」と褒めてくれる人だっているかもしれない。
 何しろ今井君は美術館と博物館の雑踏が大嫌い。特に日本の美術館で、狭いスペースを占領したオバサマ軍団が
「あんらぁ、スゴいわぁ♡」
「あんらぁ、すんばらしいわぁ♨」
「あんら、あんらぁ、ごらんになってぇ♤」
「あんら、あんら、あんらぁー!!」
と、お互い手を取り合い身をよじり合って、失神寸前のアリサマで大騒ぎしている大袈裟な様子がキライなのである。
アガメムノン
(世界史史料集で見た多くの名作に感動する 2)

 かくいう今井君も、30歳代前半までは美術館大好き人間だった。毎週3回ずつ展覧会を回り、大学学部時代から見た美術展の数は2000を超える。上野や竹橋の常設展は、あんまり何度も行ったので、ほとんど暗記するほどである。チャンと「国立西洋美術館」「国立近代美術館」と呼ばず、「上野や竹橋」と言うあたりが何ともイヤらしい、イヤなクマさんなのだ。
奴隷
(世界史史料集で見た多くの名作に感動する 3)

 しかし21世紀に入るころから、美術館は騒然とした雑踏の一種に過ぎなくなった。オバサマ連は身をよじって失神寸前の奇妙な声で喘ぐ。ちょっと賢そうで意地悪そうな「知的オネエサマ」は、ブーツやミュールのカカトでカスタネットみたいな甲高い音をたて、不機嫌な顔でカツカツ&カツカツ闊歩する。
 上品な「部長級オジサマ」は、身をよじって感動するオバサマや知的オネエサマに向かって「自分なりの解釈」という怪しい解説を得意げに語りまくる。知的オネエサマとしても、オジサマに一方的に負けているワケにはいかないから「どうして、そう感じるんですか?」と疑問を口にする。
 その「ですか?」の微妙な抑揚が、また今井君の嫌悪を刺激する。正しい日本語のイントネーションなら、「…か?」は、思い切って上に引っ張りあげるべきである。イントネーションの矢印の角度は45°から60°。「か」の発音記号は[ka]であるべきだ。
青年
(世界史史料集で見た多くの名作に感動する 4)

 ところが、部長級オジサマに対する知的OL、カッコいい教授に対する女子大学院生、好きな高校教師に対する女子生徒、片思いの先輩に対する後輩女子、そういうちょっと微妙な関係になると、「…か?」のイントネーションと発音が変化する。
 矢印の角度は15°から20°、言語道断にユルくなる。思い切って引っ張り上げずに、上がったんだか上がっていないんだか、微妙な位置に「か」を置き去りにして、ちょっと甘えてみせる。棚の一番上におくべきものを、真ん中からちょっと上の棚にポンと放置する要領である。
 発音記号も[ka]から[kə]に変化、「か」と「こ」と「け」の中間の曖昧音に弱まってしまう。ま、こっちのほうが軟らかくて、可愛く響くという発想だ。
 昔はこういうのを「品(しな)を作る」と表現した。死語だが、マイナス表現であることは間違いない。そもそも「どうしてですか?」を「どうしてですけ?」「どうしてですこ?」じゃ、知的でもなんでもないじゃないか。
ヴィーナスとスリッパ
(世界史史料集で見た多くの名作に感動する 5)

 こうして美術館は、微妙で複雑で曖昧な関係と、無遠慮な足音&大袈裟な感動の叫びのルツボと化す。日本の美術館からクマ蔵の足が遠のいたのは、こんな事情である。それがそのまま、
「マドリードに行ったのに、プラドに行かなかった」
「パリに半月滞在したのに、オルセーに立ち寄らなかった」
「ロンドンに行ったのに、大英博物館前のショップだけ覗いて終わりにした」
「ミュンヘンで、アルテ・ピナコテークを素通りした」
という偏屈な今井君が出来上がった。青江三奈(昨日の記事参照)なら「いとしのすっとこどっこい」と表現するところである。
考古学博物館
(アテネ・考古学博物館)

 こういうふうだから、「アテネの考古学博物館に行った」というのは、画期的なことである。ギリシャ彫刻の名作が林立し、日本や中国からの団体観光客は大型バスで嵐のように姿を現し、嵐は1時間ほど吹き荒れ、キッカリ1時間経過するとウソのように素早く引き上げる。「騒然とした」ということなら、これ以上騒然とした場所はなかなか考えられない。
 ま、今回のクマ蔵の変化は、「成長」というより「気まぐれ」と言っていい。この炎暑と暴動と治安悪化の中、「鉄道の駅を訪れ、列車で地方都市に移動する」という選択肢を避けたかっただけなのかもしれない。
トロリーバス
(アテネのトロリーバス)

 どこの国でも治安の悪化は、駅前と駅中と列車の中から始まる。日本人が最も狙われやすいのも、駅と列車である。ニセ警官、集団スリ、首絞め強盗、多種多様な犯罪の発生も、たいていは駅の周辺の暗がりである。しかも、今のギリシャ国内は「パスポート携帯必須」。ノコノコ駅を利用して、悪いヒトたちにパスポートを奪われでもしたら、面倒なことこの上ない。
 というわけで、9月3日午後の今井君は「消去法で、博物館」ということになった。シンタグマ広場からトロリーバスに乗って、街を北に向かう。バスチケットは、大きなバス停ならチケット売り場があるし、KIOSKでも買える。KIOSKはほぼ日本のコンビニと同じような品揃えで、同じぐらいの頻度で出現する。シンタグマ広場周辺だけで10軒以上が店を開けている。
バスチケット売場
(バスチケット売り場。中にチケット売りオジサンが1人いる)

 ただし「考古学博物館」は、危険情報満載のオモニア地区から至近である。トロリーバスの車内から、悪名高きオモニア広場が一瞬姿を現すのだが、うーん、悪名高いのも一瞬で頷ける。黒く暗く煤けた建物が、ド派手な色彩の落書き満載で林立し、ゴミが散乱しているのも見える。
 博物館周辺にも、治安という尺度で測るなら「かなり困った外見」の人々が多くなる。「外見で人を判断してはいけないよ♨」。なるほどそうであるが、無力な外国人旅行者が治安情報のあふれかえる地域に入り込んで、恐怖に震えている時は話が別である。

1E(Cd) José James:BLACKMAGIC
2E(Cd) Radka Toneff/Steve Dobrogosz:FAIRYTALES
3E(Cd) Billy Wooten:THE WOODEN GLASS Recorded live
4E(Cd) Kenny Wheeler:GNU HIGH
5E(Cd) Billy Wooten:THE WOODEN GLASS Recorded live
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