2011年12月02日(金)

Tue 111108 ロバさんたちと衰退の気配 いよいよ夕陽ショーが始まる(ギリシャ紀行26)

テーマ:ブログ
 9月1日午後、こうしてクライマックスは近づいた。サントリーニ2日間のクライマックスであり、14日間のギリシャ滞在のクライマックスであり、今年の海外旅行合計45日間のクライマックスである。サントリーニの夕陽については、そのぐらいの緊張感をもって臨まなければならない。
 その割には、その3時間前に胃に流し込んだスパゲッティ・ナポリタンが(昨日の記事参照)、余りに昭和レトロすぎて間延びした印象を残したが、まあそれは仕方ないだろう。
 実はこの翌日にも、サントリーニ最大の街フィラの海辺で、さらに激しい昭和レトロ・ナポリタンをテーブルに出されて一驚を喫する。さらに翌々日のアテネでも、ナポリタンで昭和の昔に引きずり込まれる。どうもギリシャのパスタで油断すると、そこに昭和50年代の早稲田・大隈通りのマボロシが出現するらしい。
ますます炎暑なイア
(ヒトもロバも焦げそうな、灼熱のイア)

 気を取り直して、16時すぎ、昨夜目をつけておいた「秘密のタベルナ」に向かう。夕陽スポットの展望台から直線距離で100mもない。テーブルからは展望台が正面に見えるし、展望台からもタベルナのテーブルが手に取るように見える。このタベルナこそ、サントリーニの夕陽を満喫するのに、間違いなく最高の場所である。
働くロバさん1
(働くロバさん 1)

 途中、ロバさんたちが険しい坂道を昇り降りしている現場に遭遇する。断崖のふもとの漁港から、土産物屋の商品や生活必需品を運ぶのに、たくさんのロバさんたちが一役買っている。もちろん大きく遠回りすればクルマの走れる道はあるが、この険しさではロバさんたちの協力も無視できない。
 島の南側、最大の街フィラでは、ロバさんたちの役割は観光に限定されている。沖に停泊する巨大クルーズ船からハシケに乗って島を訪れる観光客を、ロバの背中に乗せて断崖の上の商店街に運んであげるのだ。
 フィラのことは明後日あたりの記事に詳述するとして、イアのロバさんたちの役目は、観光客を運ぶより、あくまで荷役が中心である。ディズニーリゾート的雰囲気を守るために、街中へのクルマの乗り入れを禁じている関係上、荷物やゴミの運搬はロバの助けを借りるしかない。大胆かつ細心な開発業者が、綿密な計画の下に開発→管理するこの島は、ロバさんたちの協力が不可欠なのだ。
働くロバさん2
(働くロバさん 2)

 この炎暑の中、ロバ飼いジーサンの厳しい叱責に耐えながら、重い荷物やゴミ袋を背中に担って、この断崖を何度でも昇り降りする。そのロバさんたちのトボケた笑顔がたまらない。ネコたちは怠惰にヒトに甘え、イヌたちは全てをあきらめて日なたに寝そべっていればそれで済まされるが、哀れ、ロバさんたちは「そうは問屋が卸さない」なのだ。
 しかし鋭いクマ蔵の目は、早くもこの島を訪れた「衰退の気配」を見逃さない。今を時めくサントリーニの隆盛の中、ちょっと脇へ目をやれば、かつての貧しい寒村の名残もまだ残る。だが、夏の盛りの穏やかな風にユラユラ揺れるイネ科の雑草に、早くも近づいた衰退の兆しが見え隠れしている。
ますます炎暑のイア
(ますます炎暑がつのるイアの街)

 9月1日、灼熱の夏にもさすがにそろそろ翳りが見え始めたこの日、街はずれには見捨てられた飲食店の廃墟が散見される。言わば、夢のようなサントリーニ・イアの街には、かつての寒村の名残と、今を時めく隆盛と、早くも訪れた衰退と、3つのベクトルが共存しているのである。
ロバが昇降
(ロバさんたちが果てしなく昇り降りする断崖の道)

 まあ、メンドクサイ感慨はその辺に放置して、とりあえずクマどんは夕陽スポット「秘密のタベルナ」に移動することにする。16時半、時間は明らかに早すぎるが、誰にも邪魔されずに海が見えるテーブルは、5つ程度しかない。そのうちの1つを確実に獲得するには、いくら早くても早すぎることはない。
 目指すテーブルは、午後の殺人的な直射日光を、思い切り正面から浴びている。「そんなSunnyなテーブルでいいのか?」「ホントにSunnyだぞ、大丈夫か?」と従業員に心配されながら、もう意地でもこのテーブルを離さない。テーブルから見える展望台にもすでに観光客が現れ、向こうは向こうで、もう場所取りが始まっているのだ。
sunnyなテーブルと砦
(殺人的にSunnyなテーブルと、その向こうに見える展望台)

 目もくらむ強烈な直射日光の中で注文したのは、よくワケのわからない前菜と、Stuffed Olive。それにMythos1本とサントリーニ特産の白ワイン。旨そうなワインは他にもあったけれども、ここは何が何でも「サントリーニ特産」を注文して、従業員のご機嫌を取り結んでおくほうが良策だ。
 その効果はすぐに現れた。ギリシャでは相当強い態度でお願いしなければ出てこないワインクーラーを、頼んでもいないうちから氷をタップリ入れて持ってきてくれた。しかも、「ここはSunny過ぎるから、店が混んでくるまで陽の当たらない内側のテーブルにいてください。夕陽が綺麗な時間になったら、海側のモトのテーブルに移動すればいい」と申し出てくれた。
ワイン
(サントリーニの白ワイン。ラベルのデザインも夕陽である)

 諸君、これは破格の扱いである。後からやってきたアジア系の若い女性客2人は、海がちっとも見えない奥のテーブルを指定され、憮然とした表情。「何でアジアのクマみたいな中年男ばっかり厚遇されてんの?」という不平と不満が彼女たちの上空にドロドロ渦巻いているが、まさかそれが「サントリーニ特産」を注文したかどうかに関わっているとは、なかなか理解できそうにない。
前菜1
(よくわからん前菜)

 Stuffed Oliveは、旅慣れた今井君の度肝を抜くものであった。ミラノやマルセイユで食べるStuffed Oliveは、オリーブの種を抜いた後の穴に、ピーナツやアンチョビやチーズを詰め込んだものであって、それはミュンヘンでもバルセロナでも同じこと。言わばヨーロッパ共通の発想である。
 ところが、ここのStuffed Oliveは、天ぷらみたいなコロモの中にオリーブが詰め込まれて、要するにタコヤキの風情である。発想の転換もいいところで、鯛焼きの皮とアンコの立場が逆転したようなもの。おまんじゅうの皮が内側で息をひそめ、アンコがオハギみたいに外側から皮を包み込んでいるのである。
前菜2
(タコヤキ的なStuffed Olive)

 諸君、こうして、クライマックスに向かって、全ての準備が整った。今井君の前には、よくわからん前菜とStuffed Oliveの2皿。氷タップリのワインクーラーの中には、キリリとよく冷えたサントリーニの白ワインがある。
 陽が傾いたところで、いよいよ海側のテーブルに移動すると、奥のテーブルの不満げなアジア女性2人組が、間髪を入れず今井君がさっきまでいたテーブルに移動。おお、貪欲であるね。今井君の目の前の欧米人女性が「あらアンタ結構やるわね」という表情でニヤけている。というか、すでに真っ赤に焼けて、熱さに耐えていらっしゃる。
ニヤける欧米女性
(ニヤける欧米人女性。向こうの展望台は大混雑が始まった)

 その欧米人女性の遥か向こうには、欧米人大盛りで大混雑の展望台があって、汗まみれのヒトビトが激しい体臭の渦の中で、彼らも夕陽ショーの開始を今か今かと待ち受けている。
 ここで早速クマ蔵は「ワインもう1本」「もちろん、サントリーニ特産の白ワイン」と、従業員の機嫌をとることを忘れない。知的な顔つきの従業員は、学生アルバイトか。いや、彼らの知的な表情と態度から考えて、夏休み帰省中の大学院生と思われる。
ビアンコとネロ
(ビアンコとネロ)

 タベルナの脇の小道に、白と黒の中型犬が2頭走り出てきて、賢そうな笑顔でエサをねだる。今井君はこの2頭のうち、白いほうを「ビアンコ」、黒いほうを「ネロ」と仮に名付けて、徹底的に甘やかすことにした。
 何のことはない「シロ」と「クロ」であるが、他のお客も同じように考えていて、店のヒトの目を盗んで、パンをちぎっては犬に投げてやる。遥か眼下の海峡を巨大クルーズ船が通って、さて、いよいよ世界で一番美しい夕陽ショーが始まる。
ネロ

ビアンコ
(上:ネロ  下:ビアンコ)

 明日の記事では、あえて文章をヌキにして、約25枚の連続写真だけで、沈黙のうちに美しい夕陽の情景を伝えようと思う。3時間後、歓声と拍手とヒトビトの熱い涙のうちに、夕陽は地平線に沈んでいく。「Oh, the moon’s up!!」の小さな叫びがあちこちから上がり、イアの街は美しい夜景に変わるのである。
 夕陽ショーをブログアップするのは、12月02日午後11時頃か。今井君の都合で、少し遅くなるかもしれない。編集の都合上、写真サイズが大きくなるのは午前1時近くなる可能性が高い。諸君、「Enjoy!!」である。
夕陽が沈むあたり
(夕陽が沈むあたり)

夕陽がはじまる
(さて、いよいよだ)


1E(Cd) Weather Report:HEAVY WEATHER
2E(Cd) Sonny Clark:COOL STRUTTIN’
3E(Cd) Kenny Dorham:QUIET KENNY
4E(Cd) Shelly Manne & His Friends:MY FAIR LADY
5E(Cd) Sarah Vaughan:SARAH VAUGHAN
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