2011年11月29日(火)

Sat 111105 サントリーニに到着 クライマックスに近づいたクマ脱兎君(ギリシャ紀行23)

テーマ:ブログ
 サントリーニ島は、かつてエーゲ海に存在した巨大な火山が、大地震によって海中に陥没してできた島である。文章で説明するのは難しいから、まず下の写真を参照のこと。写真に示した地図は、サントリーニ島のタベルナでテーブルクロスに使用されていたものである。
サントリーニ全図
(サントリーニ全島図)

 例えば阿蘇山のような形の大火山を想像してみたまえ。今のサントリーニ島を形成するのは、①元の大火山の外輪山と、②中央火口丘群であって、阿蘇山なら広大な平原となっているカルデラ部分は海底に沈んでいる。何だか、イギリス本島とアイルランドみたいな組み合わせであるね。
 8月31日18時、クマ蔵がミコノス発の高速艇で到着したのは、アティニオス港である。三日月形の島のお腹のあたり。お腹をパンチされて「うっ!!」とかがみ込んだ男の、オヘソの位置である。イギリス本島なら、ちょうどリバプールのあたりだ。
サントリーニ、北方向
(サントリーニ、KATIKIESから北方向を望む)

 海外をたくさん旅行していれば、ピンチにも多く直面する。かく言う今井君も大ピンチの逸話には事欠かないが、そのうちの一つが「リバプール事件」である。アイルランドのダブリンから7時間もかけて船で到着したリバプールの港で、港から市内への移動手段が全くないことに気づいたのだ。
 船の他のお客はクルマで迎えてくれるヒトがいて、あっという間に港は閑散としてしまった。空港と違って、タクシーなんか1台もいない。バスの便もない。地下鉄の駅までは、港付近の治安の悪い裏町を通って、徒歩で30分。すでに夕暮れが迫り、空は雨模様、港の職員も帰宅を急いでいた。
 あの時は、切符売り場の女性職員に無理にお願いしてタクシーを呼んでもらったのだったが、あれ以来クマ蔵には「船で港に到着」についてのトラウマが残る。多くの場合、港というものは交通の便の悪い街はずれであり、地元のヒトはほとんど近づかない場所なのだ。
サントリーニ タクシー
(サントリーニ、タクシーからの車窓風景)

 8月31日、サントリーニ島アティニオス港に船が接近するにつれ、クマ蔵の頭を占めていたのはそのトラウマである。タクシーは、待っていたとしても5~6台。市街地へのバスも1台しかいないはずだから、この船の乗客300名を乗せきれるはずはない。
 満員のバスを呆然と見送って「次のバスまで待つ」という結果になれば、すでに日没の近い港で1時間立ち尽くすことになる。重いスーツケースを引きずって身動きも取れないのだから、治安のことがなおさら心配になる。
 だから、船が着くやいなや脱兎の如く桟橋を駆け出したクマ蔵をみて「自分さえよければいいのか?」「講師ともあろう者が、そんなエゴイストでいいのか?」などという批判を浴びせるのは、残酷である。あそこで脱兎になって飛び出さないヒトは、まあ鈍感、感受性に欠けるというか、カッコよく言えばイマジネーションの不足である。
サントリーニのネコ
(サントリーニ、まずネコが迎えてくれた)

 で、日本のクマ脱兎君は、見事トップで桟橋を走りきった。諸君、まさに金メダルである。もちろんこのレースは「トップで走りきればOK」ではなく、タクシー乗り場をトップで発見する能力や、気難しい運転手さんと上手に交渉する交渉能力まで試される。
 つまり、体力、発見力、交渉力、3拍子揃っていなければ金メダルはもらえない。センター試験なんかより遥かに高度な力を要求するこのレースで、クマ脱兎君は完全勝利。予想通り、船を待っていたタクシーは6台。その最前列で待ち受けていただけあって、運転手もやる気満々である。
サントリーニの朝
(サントリーニ、朝の風景)

 予約したホテルはKATIKIES。島の北端の街・イアまで行くのだから、運転手さんとしても「おいしい客」であって、双方がこれほど笑顔で満足できる交渉妥結の瞬間など、滅多に経験できるものではない。
 あっという間に6台すべてのタクシーが客で埋まり、残された人々は呆然と立ち尽くしている。おお、こりゃ勝利である。鳥肌が立つほどのガッツポーズをとり、この世で一番のエゴイストになりつつ、急発進して急坂を一気に駆け上るタクシーに身を委ねた。急坂というより、これは単なる断崖である。
太陽が沈んだあたり
(サントリーニ、たったいま太陽が沈んだあたり)

 もう1回、冒頭の地図を見てほしい。巨大火山の外輪山、その内側のガケを一息に登りきってから、三日月のお腹から頭へと半円を描いて走っていく。
 これから向かうイアOiaの街は「一生に1回でいいから眺めたい夕陽」のインターネット投票で1位に輝いたことがあるが、途中の風景は荒れ果てた山道ばかりで、なかなかそういう感慨は湧いてこない。むしろ「こんなところにオイテケボリを食ったらたいへんだった」と、安堵の胸を撫で下ろすばかりである。
サントリーニ、南方向
(サントリーニ、太陽が沈んだ直後の南方向)

 なお、「オイテケボリ」とは「置いてけ堀」であって、岡本綺堂の怪談で有名。東京の本所や堀切、埼玉県川越にあった堀や池で、魚を釣って帰ろうとすると、どこからともなく「置いていけ!!」と命ずる声がする。無視しても魚を全て奪われる。逃げようとすると水中に引きずり込まれる。河童かタヌキの仕業なのである。
置いてけぼり
(岡本綺堂「魚妖・置いてけ堀」 旺文社文庫/昭和51年)

 諸君、こんなところで寄り道しているヒマはない。道を急いで、サッサとイアに到着してしまおう。タクシー代は、イアの街の入り口まででたった€20。1時間近くかかったのに、ミコノスとは大違いだ。運転手さんの愛想もよくて、おお、さすがに今を時めくサントリーニ。上向きの時はどんなことでもスムーズだが、いったん下降線をたどりはじめると、あらゆることがうまくいかなくなるものだ。
 宿泊先KATIKIESの接客も、7時間前までいたミコノスのKIVOTOSとはまさに別格である。マネジャーのアレクサンドルが自ら部屋までついてきて、設備やサービスについて分かりやすく説明してくれる。
サントリーニのイヌ
(サントリーニ、イヌも愛想よく迎えてくれた)

 諸君、前にも書いた通り今井君は某グループ「プラチナメンバー」であって、お部屋はまたまた無料アップグレード。ワイン1本サービスも当然のようについてきた。旅行などというものは、回数をこなせばこなすほど、お得が勝手に向こうからついてくる。
 しかし、これもまた極めてバカ正直に言うと、クマ蔵の旅行にこんなキレイなホテルは場違いな感じ。イアの街だと、相当ケチらない限りこのタイプの美しすぎる洞窟ホテルになってしまう。「これを選んだ」というより、「選択肢がこのタイプしかない」のだ。少なからず気恥ずかしいが、ま、「やむを得ないものはやむを得ない」である。
ホテルから島
(サントリーニ、対岸の小島を望む)

 さて、では早速、夕暮れのサントリーニの街を散策してこようと思う。旅程の関係で、サントリーニには2泊しかできない。旅程の関係というより、ホテル代が高すぎて、暢気に3泊も4泊もしたら、クマ蔵の薄っぺらい財布がカラッポになりかねないのだ。
 となれば、サントリーニに滞在するこの2日間は、酒ばかり飲んで飲んだくれて過ごすわけにはいかない。有名な夕陽は、今日のところはもう沈んでしまったけれども、その名残の残るイアの街を散策し、明日の夕陽見物の準備を万端整えておかなければならない。

1E(Cd) Stan Getz & Joao Gilberto:GETZ/GILBERTO
2E(Cd) Keith Jarrett & Charlie Haden:JASMINE
3E(Cd) Ann Burton:BLUE BURTON
4E(Cd) Harbie Hancock:MAIDEN VOYAGE
5E(Cd) Miles Davis:KIND OF BLUE
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